「自己PRの締め方がわからない」「いつも同じような終わり方になってしまう」
これは多くの就活生が抱える共通の悩みです。実は、自己PRの締め方一つで採用担当者の印象は大きく変わります。締め方が曖昧だと、せっかくの強みも伝わりきらないまま終わってしまうことも。
今回は、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さんの経験やen-courage利用者へのインタビューを基に、印象に残る自己PRの締め方を詳しく解説します。
自己PRの締め方が重要な理由
「自己PRの締め方がうまくいかない」「どう終わらせればいいかわからない」と感じていませんか。成田さんが人事として採用面接を担当していたとき、締め方で印象が大きく変わる学生を数多く見てきました。締めの言葉一つで、あなたの印象が決まると言っても過言ではありません。ここでは、なぜ締め方が重要なのかを解説します。
▼自己PRの書き方の全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。
エントリーシートの受かる自己PRの書き方強みの選び方と構成・書くポイントを元人事が解説
締め方次第で印象が大きく変わる
心理学では「親近効果」と呼ばれる現象があり、人は最後に接した情報を強く記憶する傾向があります。つまり、自己PRの締め方があなた自身の印象を左右するのです。曖昧な終わり方では何が言いたいのか伝わらず、せっかくの強みも埋もれてしまいます。結論で締めくくり、印象に残る自己PRを目指しましょう。
入社後の活躍イメージを持ってもらえる
締めの言葉で入社後にどう貢献するかを具体的に伝えると、採用担当者があなたの働く姿をイメージしやすくなります。単に強みを述べるだけでなく、「この強みを活かして○○に貢献したい」と明示することで、採用メリットを感じてもらえるでしょう。
仕事での強みの再現性を裏付けられる
自己PRでアピールした強みが、実際のビジネスシーンでも発揮できることを締めで示すことが重要です。「この経験から得た○○という強みを、御社の△△で活かしたい」と伝えることで、仕事での再現性を裏付けられます。これにより、採用担当者はあなたを採用するメリットを具体的に想像できるのです。
自己PRの締め方のポイント
en-courage利用者へのインタビューで、「締め方がいつもワンパターンになってしまう」という悩みをよく聞きます。成田さんが指導してきた学生の中でも、締め方を意識しただけで評価が上がったケースは少なくありません。ここでは、面接官の印象に残る締め方の6つのポイントを紹介します。
伝えたい要素を1つに絞る
複数の強みを詰め込もうとすると、結局何が言いたいのか分かりづらくなります。締めで伝える要素は1つに絞り、最もアピールしたいポイントを明確にしましょう。どうしても複数の強みをアピールしたい場合は、「チームを目標達成に導く力」のように1つにまとめて表現するのがおすすめです。
強みを活かして企業へ貢献することを伝える
自己PRの締めでは、自分の強みをどのように企業で活かせるかを伝えることが大切です。「○○の強みを活かして、御社の△△に貢献したい」と具体的に述べることで、採用担当者に採用メリットを感じてもらえます。企業研究をしっかり行い、業務内容や企業理念と結びつけて伝えましょう。
入社に対する熱意を伝える
自己PRの締めには、入社への熱意や意欲を込めることも重要です。「御社で○○として成長し、貢献していきたい」のように、前向きな姿勢を示すことで好印象につながります。ただ「頑張ります」と言うのではなく、何をどう頑張りたいのか具体的に伝えましょう。
前向きな言葉で自信を持って言い切る
「〜できるかもしれません」「〜だと思います」といった曖昧な表現は、自信のなさを感じさせます。「〜に貢献します」「〜を実現します」のように、自信を持って言い切ることで説得力が増します。社会人経験がなくても、前向きな言葉を選んでポジティブな印象を与えましょう。
書き出しと締めくくりを一貫させる
自己PRの書き出しで述べた強みと、締めの言葉に一貫性を持たせることが大切です。PREP法(結論→理由→具体例→結論)を意識し、最初に伝えた強みを最後に再度強調することで、アピールポイントがより明確になります。一貫性のある構成は、読み手にとっても理解しやすいでしょう。
▼自己PRの書き出しのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】自己PRの「書き出しの正解」を元人事が解説基本的なポイント・インパクトを出すコツとは
【最重要】インパクトを出す
多くのESに目を通す採用担当者の印象に残るためには、締めの言葉にインパクトが必要です。単なる事実の羅列ではなく、あなたならではの視点や、入社後の具体的なビジョンを盛り込むことで、他の応募者との差別化を図りましょう。次の章では、具体的にインパクトを出す方法を解説します。
自己PRの締め方でインパクトを出す方法
「ありきたりな締め方から脱却したい」と思っている人も多いのではないでしょうか。成田さんが人事として採用に関わっていた時、印象に残る学生には共通の「型」がありました。ここでは、採用担当者の記憶に残る6つのパターンを紹介します。
パターン①:強みの「再現性」を示す
自分の強みがビジネスの場でどのように発揮されるかを具体的に示すパターンです。
<例文> この課題解決力を活かし、御社の営業職として成果を出していきたいと考えています。困難な状況でも粘り強く取り組み、チームの目標達成に貢献します。
パターン②:企業の求める人物像に重ねる
企業が求める人材像と自分の強みを結びつけて締めるパターンです。
<例文> 御社が掲げる「チャレンジ精神を持った人材」という理念に、私の行動力は合致すると確信しています。新規事業の立ち上げにも積極的に挑戦し、御社の成長に貢献したいと考えています。
パターン③:入社後の具体的な行動を宣言する
入社後にどのような行動を取るかを具体的に宣言するパターンです。
<例文> 入社後は、まず現場での経験を積みながら業務知識を深め、3年以内にプロジェクトリーダーとしてチームを率いる存在になりたいと考えています。
パターン④:成長意欲+入社後も伸び続ける姿勢
向上心と成長への姿勢を示すパターンです。
<例文> 私は常に学び続ける姿勢を大切にしています。入社後も新しい知識やスキルを積極的に習得し、御社の即戦力として成長し続けたいと考えています。
パターン⑤:将来のビジョン+入社して実現させる意欲
将来のビジョンと、それを入社によって実現したいという意欲を示すパターンです。
<例文> 私は「多くの人の生活を豊かにするサービスを作りたい」という夢を持っています。御社の○○事業に携わることで、この夢を実現したいと強く思っています。
パターン⑥:原体験から得た信念+入社後して実行する意欲
過去の原体験から得た信念と、それを入社後に実行したいという意欲を示すパターンです。
<例文> 部活動で培った「周囲と協力して成果を出す」という信念を大切にしています。御社でもこの姿勢を貫き、チームの成果に貢献したいと考えています。
自己PRの締め方の例文
ここからは、強み別に「締めくくりの2文」の例文を見ていきましょう。en-courage利用者からも「具体的な締め方の例がほしい」という声が多く寄せられます。落ちる締め方と受かる締め方を比較しながら、どこを直せば評価されるのかを確認してください。
コミュニケーション能力をアピールする場合
<落ちる例> コミュニケーション能力には自信があります。御社でも活躍できると思います。
<受かる例> この対話力を活かし、御社の営業職としてお客様との信頼関係を築いていきたいと考えています。チームの橋渡し役として、部門間の連携強化にも貢献します。
<ポイント>
- 強みの具体化:「コミュニケーション能力」ではなく「対話力」と言い換え
- 貢献イメージの明示:「お客様との信頼関係を築く」「部門間の連携強化」と具体的
- 言い切りの姿勢:「思います」ではなく「貢献します」と自信を持って締める
▼コミュニケーション能力をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】コミュニケーション能力を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
協調性をアピールする場合
<落ちる例> 協調性には自信があります。チームワークを大切にして頑張ります。
<受かる例> 御社が求める「チームで成果を出せる人材」として、プロジェクトの円滑な推進に貢献したいと考えています。メンバー間の意見調整や合意形成を通じて、チーム全体の成果を最大化します。
<ポイント>
- 企業の求める人物像との一致:「チームで成果を出せる人材」と結びつけ
- 具体的な貢献イメージ:「プロジェクトの円滑な推進」「チーム全体の成果を最大化」
- 曖昧な表現の排除:「頑張ります」ではなく具体的な行動を示す
▼協調性をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】協調性を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
継続力をアピールする場合
<落ちる例> 継続力には自信があります。何事も最後までやり遂げたいと思います。
<受かる例> 入社後も、長期的な目標に向けて粘り強く努力し、着実に成果を積み上げていきます。3年後には御社の主力商品を担当し、売上拡大に貢献できる人材になりたいと考えています。
<ポイント>
- 入社後の行動宣言:「長期的な目標に向けて粘り強く努力」と具体化
- 時間軸の提示:「3年後には」と具体的な目標期限を設定
- 言い切りの姿勢:「思います」ではなく「積み上げていきます」と断言
▼継続力をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】継続力を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
柔軟性をアピールする場合
<落ちる例> 柔軟性には自信があります。どんな環境でも適応できると思います。
<受かる例> 環境変化の激しいビジネスの現場でも、この適応力を活かして柔軟に対応し、成果につなげます。新しい業務やプロジェクトにも積極的に挑戦し、御社の成長に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 強みの再現性:「環境変化の激しいビジネスの現場でも」と入社後を想定
- 具体的な行動イメージ:「新しい業務やプロジェクトにも積極的に挑戦」
- 言い切りの姿勢:「思います」ではなく「成果につなげます」と断言
▼柔軟性をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】柔軟性を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
行動力をアピールする場合
<落ちる例> 行動力には自信があります。すぐに行動に移して頑張ります。
<受かる例> この実行力を活かし、御社の営業目標達成に向けて積極的にアクションを起こしていきます。課題を見つけたら自ら改善策を提案・実行し、チームの成果向上に貢献します。
<ポイント>
- 具体的な貢献イメージ:「営業目標達成に向けて」と入社後の活躍を明示
- 主体的な姿勢:「自ら改善策を提案・実行」と行動力を再強調
- 曖昧な表現の排除:「頑張ります」ではなく具体的な行動を示す
▼行動力をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】行動力を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
責任感をアピールする場合
<落ちる例> 責任感には自信があります。任された仕事は必ずやり遂げたいと思います。
<受かる例> 「任されたことは最後までやり遂げる」という信念を持っています。御社でもこの姿勢を貫き、周囲から信頼される社員として組織に貢献します。
<ポイント>
- 信念の言語化:「任されたことは最後までやり遂げる」と明確に提示
- 入社後の姿勢:「信頼される社員として組織に貢献」と具体的な目標
- 言い切りの姿勢:「思います」ではなく「貢献します」と断言
▼責任感をアピールする自己PRのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文あり】責任感を自己PRでアピールするには?ポイント・言い換え方を元人事が解説
自己PRの締め方の注意点
成田さんが人事だった頃、「内容は良いのに締め方で損している」という学生を何度も見てきました。せっかくの強みもNG表現で台無しになってしまいます。ここでは、避けるべき5つの注意点を解説します。
ネガティブ・消極的な言葉を使わない
「自信はありませんが」「まだ未熟ですが」といった後ろ向きな表現は避けましょう。謙遜のつもりでも、採用担当者には消極的な印象を与えてしまいます。自信を持って前向きな言葉で締めくくることが大切です。
あいまいな表現を避ける
「〜できるかもしれません」「〜だと思います」といった曖昧な表現は、自信のなさや迷いを感じさせます。「〜に貢献します」「〜を実現します」のように、言い切る形で表現しましょう。説得力のある締め方は、採用担当者に安心感を与えます。
誇張・根拠のないことを書かない
「御社の売上を2倍にします」のような根拠のない誇張表現は避けましょう。入社後のミスマッチにもつながりかねません。自分の経験やスキルに基づいた、現実的で説得力のある表現を心がけてください。
ありきたりな定型表現に終始しない
「精一杯頑張ります」「御社に貢献したいと思います」といった定型表現だけでは印象に残りません。何をどう頑張るのか、どのように貢献するのかを具体的に述べることで、他の応募者との差別化を図りましょう。
書き出しと締めくくりの一貫性を保つ
書き出しで述べた強みと、締めの言葉が矛盾していると説得力が失われます。例えば、書き出しで「行動力」をアピールしたのに、締めで「計画性」を強調するのは一貫性に欠けます。PREP法を意識し、書き出しと締めで同じ強みを強調しましょう。
よくある質問
就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。
自己PRの締めは何文字くらいがいい?
1〜2文、50〜100字程度が目安です。長すぎると冗長に、短すぎると印象が薄くなります。適切な長さかどうか不安なら、就活エージェントに添削してもらうと安心です。
締め方がどうしても思いつかないときは?
本記事で紹介した6つのパターン(再現性・人物像・行動宣言・成長意欲・ビジョン・信念)から選んでみましょう。企業研究を深めると貢献イメージが湧きやすくなります。自分一人で悩むより、就活エージェントに相談すると新しい視点が見つかることも多いです。
ESと面接で締め方は変えるべき?
基本的な内容は同じで構いません。ESでは簡潔に、面接では補足説明を加えながら伝えましょう。ただし「貴社」(書き言葉)と「御社」(話し言葉)の使い分けには注意が必要です。面接での伝え方が不安なら、就活エージェントに模擬面接をお願いすると実践的なアドバイスがもらえます。
▼面接での自己PRの話し方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【長さ別の例文付き】面接での自己PRの話し方コツ・練習方法・深掘り質問の対策を解説
志望動機と締め方が似てしまうときは?
自己PRは「強み起点」、志望動機は「企業・事業起点」で書き分けましょう。自己PRでは「この強みで貢献する」、志望動機では「なぜこの企業なのか」を軸にすると差別化できます。一貫性があるかどうか不安なら、就活エージェントに添削してもらうと安心です。
▼志望動機の書き方や締めくくりについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【例文10選】志望動機は書き出しと締めくくりが重要!「受かる書き方」の鉄則を元人事が解説
「よろしくお願いします」で締めるのはあり?
「よろしくお願いします」だけで締めるのは避けましょう。定型文だけでは強みや意欲が伝わりません。「〜に貢献したいと考えています」のように具体的な内容を述べた上で、必要であれば最後に添える程度にとどめましょう。
監修:成田 駿
元日系大手人事/就活サポーター
日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。
協力:NPO法人en-courage
全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。