エントリーシートで自己PRの書き方とは
もうエントリーシートを書いていますか?
およそほとんどの企業のエントリーシートに設けられている設問が「自己PR」です。
しかし、「自己PRなんてしたことないから、どう書けばいいのかわからない」そんな風に思う就活生も多いはず。
今回は、企業がエントリーシートで自己PRを聞く意図や最高な自己PRに必要なポイント、自己PRでアピールしやすい項目についてお話しします。
企業が就活のエントリーシートで自己PRを聞く意図とは
ほぼ必出ともいえるであろう自己PR。
何故、企業はそんなにも自己PRを聞くのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つの意図があります。
①自己PRは自社の求める能力の素養を持っているかの判断材料
自己PRを聞く理由の1つ目は、「あなたを採用したら、その企業で成果を出してくれそうか」を判断するため。
一般的に、採用HPなどにある「企業の求める能力」とは「その企業がより成長するために現状でキーとなる能力」のことです。
ですので、採用する就活生がその素養を持っているかどうかは重要です。
例えば、「チームを先導してくれる人材」を欲している企業は、「1人で成果を出すことが得意」を自己PRとしている学生を取らないですよね。
まずは自己PRポイントを独断で決めてしまう前に、「その企業が求める能力がなんなのか」を理解するための情報収集をしましょう。
そして、その能力に重ねた自己PRポイントをエントリーシートに記載することが望ましいです。
②自己PRは自社の社風にマッチするかどうかの判断材料
2つ目は自己PRからあなたがその企業で働く風景が浮かぶかどうかを判断するため。
企業は採用した人材にはもちろん長く働いてほしいと考えています。
そのために、現状のその企業の文化や環境にあなたがしっかりマッチするかも重要な要素です。
そして、自己PRをしてくださいと言われると、「自分らしさ」のアピールにのみ焦点をあてて答えがちです。
しかし、そうすると上記の意図に沿って「あなたと企業のマッチング具合」を伝えることができません。
回答の際は、例えば自己PRの最後に例文として「私のこういった部分は貴社の職務の○○な部分で活かせると思います」等の流れを付け加えることで「自分をアピールするだけでなく、併せてあなたと企業のマッチングするポイント」を意識した自己PRが回答ができるでしょう。
最高な自己PRをするための7つのポイント
自己PRを聞く意図を理解したところで、次はより上手く自己PRをするために抑えるべきポイントを7つお伝えします。
①志望企業の求める人材に即した自己PRポイントを選ぼう
前項で説明した通り「志望企業が求める能力を私は持っています」という旨をアピールできるポイントを選びましょう。
例えば、あなたの志望企業が「想像力豊かでアイデアマンな学生」を募集していたとします。
そんな時に「事実やデータをもとに分析して意見を出すことが得意です」という自己PRが記載されていたら、面接官はどう感じるでしょうか?
その回答を見ただけで「うちでは今、採用する必要がない学生である」と判断される可能性があります。
そんなことを起こさないように、企業の求める人材に即した自己PRポイントを選びましょう。
②自己PRは、文章の型を使って伝わりやすくアピールしよう
自己PRを齟齬なく企業へ伝えるためには、「書き方・文章の流れ」も重要です。
伝え方をよりよくするため、今回は、より読み手が理解しやすくなるための文章構成の型を2点お伝えします。
この型にしたがって文章展開を組み立てるだけで、読み手にとってわかりやすい自己PRが組めるでしょう。
自己PRを書く際はPREP法を意識しましょう 自己PRの結論に説得力を持たせ、ストーリーを入れ込んでアピールする型です。
・Point(結論) まず最初に述べたい結論を書きます。
自己PRの場合「私の強みは〜」「私は〜が強みです」といった書き方が多いでしょう。
例文)私は好奇心旺盛なチャレンジャーです。
・Reason(理由) Point(結論)の理由を説明するパートです。
「なぜなら」といった言葉を使うと、流れがわかりやすくなります。
例文)今まで経験したことのないものに惹かれ、躊躇することなく挑戦できます。
・Example(事例・具体例文) Reason(理由)を裏付けする事例・具体例を用いて、より詳しく説明します。
「実際に」「例えば」などの言葉を使うと良いでしょう。
例文)大学3年生時、1ヶ月で10カ国以上を1人で旅して周り、自身で決めた目標の「各国5人ずつ現地の方と仲良くなる」という目標を達成しました。
・Point(結論) 理由・事例・具体例を踏まえて、最後にもう一度結論をアピールします。
これにより、読者に対して結論をより強く印象づけることが可能です。
例文)未経験な事柄に対し、躊躇せず常に挑戦をしていく好奇心旺盛な人間です。
自己PRでは、SDS法を意識しよう
自己PRにおいて結論をインパクト強く話すための3段組みの型です。
PREP法よりもシンプルな段組になりますので、より自由にアピールをすることができます。
・Summary(全体概要) 全体の概要です。自己PRの場合には、自分を一言で表すことが多いでしょう。
例文)私は好奇心旺盛なチャレンジャーです。
・Details(詳細説明) 次に、自己PRの元となる原体験など詳細の説明をします。
例文)未経験な事柄に対し、躊躇せず常に挑戦をすることができます。
大学3年生時、1ヶ月で10カ国以上を1人で旅して周り、自身で決めた目標の「各国5人ずつ現地の方と仲良くなる」という目標を達成しました。
その他にも長期インターンシップは3社経験、TOEIC900点の取得、ビジコン参加など、一つの領域に留まらず新たな挑戦をしていくことができます。
・Summary(全体まとめ) 再度結論を述べます。
例文)このような理由から、私は好奇心旺盛なチャレンジャーと言えます。
こんな風に企業側の視点を意識して読みやすい構成を作ることで、自分の強み、人間性がより伝わる自己PRを作成できます。
③自己PRで使う言葉は抽象度を下げて、個性が具体的に伝わるアピールをしよう
あまりにも抽象度の高い単語で自己PRを作るのはやめましょう。
例えば、「私は主体性があり、指示待ちの姿勢は取らない能動的な人間です」と記入されていたとしたら、企業はあなたの自己PRを印象的に感じるでしょうか?
企業側は選考時期は毎日何万枚ものエントリーシートに目を通しています。
具体的でかつ印象に残る自己PRを行いましょう。
「NG例文:私は指示待ちの姿勢はとらない、能動的な人間です」
「Good例文:私は常に主体的に行動し、周囲に対して提案や貢献を欠かさない人間です」
④自己PRの言葉は一工夫した耳に残るワードを使おう
言葉の抽象度を下げ、具体性をあげて、更に良くするために効果的なのが自己PRにキャッチフレーズを入れ込むこと。
例えば、何万枚ものエントリーシートにパラパラと目を通している最中に、つい目を止めてしまうようなインパクトと個性のあるワードを入れ込んでみましょう。
例文)縁の下の力持ち、よく働くナマケモノ、猪突猛進な猪
また、キャッチフレーズは自己PRの対策に限らず、就活時には一つでも考えておいた方がよいです。
「あなたのキャッチフレーズを教えてください」といった形で聞かれることがあるためです。
例えば、自分の強みや特徴を比喩して物に例えるなどによって、準備しておくのが良いでしょう。
⑤自己PRでは、矛盾は起こさないようにしよう
あなたは、エントリーシートを記入する際に描きやすそうな設問から埋めていませんか?
または他社のエントリーシートに記入したものをそのまま使いまわしたりしていませんか。
そんな時に注意するべきポイントは「回答同士に矛盾が起こっていること」です。
その理由としては、読み手によるあなたの人間性の理解ができなくなってしまうからです。
例えば、自己PRで「リーダーシップがあり、自分の意見でチームのメンバーを率いて目標達成した」とアピールしているのに、他の質問では「傾聴力があり、人の意見を尊重して聞くのが得意」と書いていたら、矛盾が起こりちぐはぐになりますよね。
読んでいるだけであなたの人間性が浮かび上がってくるような、矛盾のない回答を作成できるよう気をつけましょう。
矛盾を起こした自己PRは嘘だと思われてしまう可能性があります。
⑥自己PRにはエピソードもいれる
自己PRに合わせて、そのPRポイントを持っている根拠を示すためのエピソード(経験)もアピールすることが必要です。
何故、エピソードが必要かというと、PRポイントが嘘ではないという根拠が必要だからです。
例えば、ただ「知的好奇心が旺盛なチャレンジャーです」という自己PR。
これだけでは、この自己PRが本当なのかは判断できませんよね。
「大学3年生時、1ヶ月で10カ国以上を1人で旅して周り、自身で決めた目標の「各国5人ずつ現地の方と仲良くなる」という目標を達成しました。
その他にも長期インターンシップは3社経験、TOEIC900点の取得、ビジコン参加など、一つの領域に留まらず新たな挑戦をしていくことができます。」
といった、その人に特有のエピソードがあって初めて自己PRが完結します。
自己PRにエピソードを入れることは忘れないようにしましょう。
⑦手書きの場合は見た目もわかりやすく
手書きのエントリーシートで自己PRの記入が求められている場合、どんな見た目であるかも勿論重要です。
例えば ・文字はもちろん美しく丁寧に書く ・結論部分は他の文より少し大きめの文字で ・重要箇所は太文字にする などの工夫ができます。
細かいことですが、ここができるかできないかに他の学生との差が出ます。
誤字脱字、雑に書くのではなく、見る方が読みやすく、理解しやすい様な記入を心がけましょう。
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就活でアピールしやすい自己PRポイント
次に、どんな自己PRが企業に受けがいいのかをお伝えします。
帝国データバンクによる「人材確保に関する企業の意識調査」結果によると企業が求める人材像のトップは「意欲的であること」(49.0%)。
第2位は「コミュニケーション能力が高い」(38.6%)、第3位は「素直である」(32.2%)が続いています。
こちらを参考にアピールポイントや自己PRを考えれば汎用性の高い回答が考えられます。
他にも、就活の自己PRにてアピールされやすいポイントにはこんなものがあります。
こちらを参考に、あなたなりの自己アピールポイントを探してください。
【強み別自己PRの例文①】諦めないこと×長期インターンシップ
私は、猪突猛進で、やると決めたら最後まで必ずやりきる力のある人間です。
実施に「意味がある」と感じた業務に関しては、素早く計画の段階から行動まで移すことができ、どんな困難があろうと最後までやりきります。
その力を最も発揮したのは、化粧品会社での人事職の長期インターンシップです。
私はそこで、自社の長期インターンシップ生の選考参加数増加をミッションに持ち、新規の1dayインターンシップの実施により、2→30人まで増やしました。
その施策を実施した理由には、そもそも、長期インターンシップ生が自社の選考を受けないのは彼らの自社業務の理解度が低いところにありました。
「社員の仕事は長期インターン生の担っているものの延長線上にある」という間違った共通認識がインターン生内に蔓延っていました。
そして、その認識からの脱却と各人の自社愛のアップが必要と考え、新規1dayインターンシップを0から立ち上げ、運営をしました。
参加者が普段、関わることのない社員の業務に1日中常時同席し、業務を体験する、という内容で実施しました。
その結果、参加者30人中29人が参加後、五段階評価で「非常に満足」とアンケートに回答する形となりました。
そのうえ、その過半数が自社選考の参加希望を出す結果となり、私自身のミッションも達成することができました。
立ち上げから実施終了まで1ヶ月のみ、という短期決戦ではありましたが、一連の流れを完全に私1人でやりきり、ミッションであった「長期インターンシップ生の選考参加数増加」も達成することができた経験です。
この経験から、私はやると決めたら最後までやる気概のある人間だと言えます。
このように、御社の企画開発職でも、現状の課題の洗い出しとその解決のために必要な要素の決定、実行から課題の解決まで一つ一つの要素をスピード感を大事にしながら達成し、私の強みを活かしながら働けると考えております。
【強み別自己PRの例文②】課題解決力×文化祭の実行委員会
私の長所は目標に対する課題解決力だ。
私は大学の文化祭の実行委員会に所属し、広報活動および会計の仕事を行った。
当学園祭は知名度が低くいかに来場者を増やすかが課題であった。
そこでどのようなデザイン、内容にすれば知名度拡大につながるかを考えパンフレットやポスター、グッズの作成を行った。
一方で会計としては来場者増加にむけて一層の企画の充実を図りながら潤沢ではない資金の中で予算を組む必要があった。
そこで周囲と積極的なコミュニケーションを図り、折衝を繰り返して予算のスリム化を果たした。
結果、予算の削減目標を達成すると同時に学園祭の来場者も過去最大を記録することができた。
この経験から問題解決に必要な要素を学ぶことができた。
私がコンサルタントとして社会に出た際にも周囲と協力しながらどのように問題を解決するかという目標に取り組み、考え、達成することでクライアントおよび社会に対して貢献できると考えている。
【強み別自己PRの例文③】吸収力×接客アルバイト
私の強みは、自主的に他人の姿勢を見て学べる吸収力です。
私は古本屋でレジ業務に加えてポイントカード入会の営業活動をする接客アルバイトをしています。
始めた最初は、初めてのアルバイトで営業活動の経験も全くなかったため、先輩たちに比べて入会数が少ない状況が続きました。
しかし成績が上がらないことの申し訳なさと悔しさから、先輩に追いつきたいと考えました。
そこで、先輩方がどのように営業をしているかよく見て、直接アドバイスを頂き、それを実践するようにしました。
また、先輩方でも毎回必ずお客様に入会を勧めているわけではないことに気づき、自分は機会を増やすため必ず営業をするようにしました。
その結果、私は月の入会数で店舗内1位をとることが出来ました。
プロジェクト毎に業務内容や課題が変わる御社での仕事で、私の吸収力は業務を円滑に、効果的に進めるのに役立つと考えます。
【強み別自己PRの例文④】意志の強さ×大学の研究
私は自分で決めたことは諦めず最後までやり抜く 「意志の強さ」を持つ。
その最たる例の1つに研究活動がある。
父の難病に関連し、それに苦しむ人々に貢献したいと思い現在のテーマを選んだ。
しかし専門家がおらず、かつゼロから立ち上げる必要があった。
そこでまず土台となる条件検討から着手した。
過去の報告の調査や分析、教授との話し合いを繰り返し必要項目を抽出した。
それでも100に至る数だったが、苦しむ人々の治療に貢献したい強い意志から検討を続けた。
1年近く費やし、ついに検討の最終段階に到達した時、それが解析できず打ち切りという事態に陥ったのだ。
しかし私はこの絶望的な状況でも諦めず分析し、新たな手段で再検討した。
それは1例に1晩徹夜、計30例は必要という難点があったが、やり抜く強い意志と2ヶ月間の努力の継続により完遂し、それを基に学会発表に至ったのだ。
この、最後までやり抜く「意志の強さ」こそ私の強みである。
【強み別自己PRの例文⑤】巻き込み力×部活動
私の強みは周りを巻き込み目標を達成する力があることです。
大学でソフトテニス部に所属しており、3年次には私が中心となり名古屋で開催される200人規模の大会を計画、運営しました。
その中で最も苦労したのは当日の進行と自分の試合の両立です。
この大会は7大学が総当たりで団体戦を行うため試合数が多く、入念にプログラムを作成しました。
しかし当日、猛暑により倒れる人が続出し、審判が不足する緊急事態が起こりました。
私も選手として出場していたため、試合をしながらトラブルに対応しなくてはならず、一人では到底解決できない状況でした。
そこで部員に救急車の手配や応急処置用品の調達の指示を出し、私自身は他大学の選手と連携し、試合順の変更や審判の調整を行いました。
こうして臨機応変に対応できたことで無事大会を終えることができました。
この経験から仕事を分担し連携を取る力を培いました。
【強み別自己PRの例文⑥】推進力×部活動
私の長所は、「最適解を示しチームを推し進める力」です。
大学の〇〇部では練習内容の考案を担当しました。
以前は古風で体力づくりのための内容が多く、男女共に同じ練習メニューを行うには寛容性が不足していました。
そこで私は、〇〇プロ選手の協力のもと最新の練習を取り入れるとともに、既存の練習との共存、昇華方法を研究しました。
一方、練習中は自らが率先して内容の説明、実践を行うことで新規の練習メニューに対する部員の理解を深めました。
大会に向けて逆算的に構築された独自の練習内容は、学年、男女問わず評価され、大会結果として、男女それぞれ全国3位、2位の成績を収めることができました。
この経験は、練習環境の整備とチームの牽引という、リーダーとフォロワー両面からサポートすることの重要性を提示してくれました。
この経験から学んだ「チームへの推進力」をどんな現場でも活かすことのできる私の長所だと考えます。
エントリーシートの自己PRを完璧にしよう
いかがでしたでしょうか、この記事では
① 自己PRを聞く意図は「求める能力素養を持っているか」と「自社にマッチするか」の判断にあること
② より良い自己PRをするためには企業が何万枚ものエントリーシートに目を通す中でも目をひき、印象に残る内容を考えることが重要
そのために「記載するポイント」と「記載方法」を意識しましょう。
③ 「内容がわかりやすく納得感があり、印象に残る」文章が理想の自己PRである
ということを解説してきました。
うまくアピールできる書き方を身につけることで、同じエピソードでも印象が全く変わります。
さらに詳しく自己PRやアピールの方法、ESの書き方を学びたい方は先輩内定者に相談することをお勧めします。
en-courageでは、人気企業などの内定を獲得した先輩が、あなたの就活を1対1でサポート。
ぜひ活用して、効率的に選考を進めてくださいね。
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