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【長さ別の例文付き】面接での志望動機の「評価される話し方」を元人事が解説

面接で志望動機を聞かれたら、どう伝えれば評価される?元人事が話し方のコツを解説します。30秒・1分・2分の長さ別テンプレート、社風・事業内容などケース別の例文も掲載。面接形式別の注意点 や深掘り質問への対策も必見です。

「志望動機を適切な長さで話せない」「深掘りされると答えに詰まってしまう」
これは多くの就活生が面接で抱える共通の悩みです。志望動機は、ESの内容をそのまま読み上げるだけでは熱意が伝わらず、評価を下げてしまう重要なパート。話し方や構成次第で、面接官に与える印象は大きく変わります。

今回は、元日系大手人事でen-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さんへのインタビューを基に、面接官の心を掴む「評価される話し方」と「構成のコツ」を徹底解説。30秒・1分・2分の長さ指定別テンプレートやケース別の例文も掲載していますので、面接対策にぜひお役立てください。

志望動機とは

志望動機の定義

志望動機とは、「数ある企業の中で、なぜ貴社でなければならないのか」という必然性を言語化したものです。「自分自身のやりたいこと・できること(Will/Can)」と「企業が求めていること・目指している方向(Must/Vision)」が重なり合う接点を見つけ出し、企業に対して「相思相愛」であることを伝えるための提案書と言えます。

面接で志望動機を聞かれる理由

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企業が面接で志望動機を問う主な理由は以下の3点です。

  • 志望度・熱意の確認
  • 自社とのマッチ度・適性の確認
  • 貢献可能性の確認

優秀な人材であっても、入社意欲が低ければ内定辞退や早期離職のリスクがあるため、熱意の確認は欠かせません。また、企業の風土や方針との整合性や、入社後に活躍するイメージを持てるかも重要な判断基準となります。

企業の評価ポイント

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面接官は主に次の3つのポイントを評価しています。

  • 企業研究の深さ
  • 一貫性と論理性
  • 自分の言葉で語っているか

表面的な情報だけでなく、事業の本質や課題を理解しているかが問われます。また、過去の経験に基づき説得力のある説明ができているか、マニュアルの丸暗記ではなく自身の言葉で熱意を持って伝えているかが重要視されます。

ESと面接の志望動機は同じでいい?

結論として、ESと面接の志望動機は基本的に同じ内容で問題ありません。むしろ、内容が大きく異なると「軸が定まっていない」「一貫性がない」という不信感を与える原因となります。ただし、一字一句同じにする必要はありません。ESは「書くフェーズ」として論理構成と簡潔さを重視し、面接は「話すフェーズ」として、感情を込めたり具体的なエピソードを補足したりすることで、より説得力のある内容に仕上げましょう。

志望動機の作り方

延べ3,000名以上の学生と接点を持ち、多くの就活生を内定へと導いてきた成田さんによれば、説得力のある志望動機を作成するためには、いきなり文章を書き始めるのではなく、材料集めと構成の整理が不可欠だといいます。「なぜ」を突き詰めて言語化するプロセスを経ることで、面接での深掘り質問にも耐えうる強固な志望動機が完成します。まずは入念な事前準備から始めましょう。

事前準備をする

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論理的で説得力のある志望動機を作るには、以下の3つのステップで材料を集め、整理することが不可欠です。

  • 自己分析:過去の経験を棚卸しし、自分の「価値観」「強み」「将来のビジョン(やりたいこと)」を明確にします。自分が仕事を通じて何を実現したいのかを言語化するフェーズです。
  • 業界分析:志望する業界全体の動向や課題、将来性を把握します。なぜ他の業界ではなく、この業界でなければならないのかを語るための客観的な根拠を集めます。
  • 企業分析:応募企業の「独自性」や「強み」をリサーチします。競合他社と比較した際の特徴を明確にし、なぜその企業で働きたいのかという動機を具体化します。

▼自己分析については以下の記事で詳しく解説しています。
自己分析を深める11のやり方目的・注意点・活用方法まで完全ガイド

▼業界研究については以下の記事で詳しく解説しています。
【資料付き】主要13業界総まとめと業界研究の効率的な分析方法とは

▼企業研究については以下の記事で詳しく解説しています。
社会人が教える企業研究!企業研究の方法とは

内容を作成する

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成田さんは「型に当てはめることで、誰でも論理的な志望動機が書ける」と断言します。

  • 結論:一言で、この企業を志望する理由は何か?
  • 将来像:どんなキャリアを目指しているのか?
  • 原体験:なぜそのビジョンを持つようになったのか?
  • この業界を選んだ理由:なぜこの業界か?
  • この企業を選んだ理由:なぜこの企業か?
  • 結論の強調:改めて、なぜこの企業でなければならないのか?

というフレームワークに沿って書くと読み手の納得感を高められます。

また、以下の書き方のポイントを押さえておくことも差別化の観点から重要です。

  • 求める人物像にマッチさせる
  • 結論ファーストで書く
  • 定量的に書く
  • インパクトのある書き出しにする
  • 他社にはない企業の強みに言及する
  • 原体験を具体的に述べる

▼志望動機の構成・ポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
エントリーシートの志望動機の構成と書き方!周りと差をつけるポイントを元日系大手人事が解説

面接での志望動機の話し方

どれほど素晴らしい志望動機であっても、伝え方が不適切であれば正当に評価されません。人事として数多くの面接を行ってきた成田さんの経験からも、面接はコミュニケーションの場であることを強く意識し、面接官に「一緒に働きたい」と思わせる話し方を心がける必要があると言えます。

伝え方の基本ポイント

「伝え方の基本ポイント」と題されたスライドで、面接時の話し方として「明るくハキハキと話す」「入社したいと率直に伝える」「丸暗記ではなく自分の言葉で話す」「えーっと、なんか等の口癖に注意する」という4つの重要な心得が記載されています。

志望動機を伝える際は、言語情報だけでなく「非言語情報(表情、声のトーン、姿勢)」も極めて重要です。自信を持って想いを伝えるための基本的なポイントを押さえましょう。

明るくハキハキと話す

人の第一印象は数秒で決まると言われています。小さな声でボソボソと話すと、自信がなく志望度が低いと誤解される恐れがあります。普段よりも少し大きめの声を意識し、語尾まではっきりと発音しましょう。また、口角を上げ、相手の目を見て話すことで、熱意と誠実さが伝わりやすくなります。

「入社したい」と率直に伝える

回りくどい表現は避け、「御社が第一志望です」「御社で働きたいと強く思っています」という意思を明確な言葉にして伝えましょう。謙虚さは大切ですが、志望動機に関しては「選んでください」という受け身の姿勢ではなく、「ここで働きたい」という能動的な熱意を示すことが重要です。

丸暗記ではなく自分の言葉で話す

原稿を一字一句丸暗記して棒読みになると、感情が乗らず熱意が伝わりません。また、途中で言葉を忘れた際にパニックになるリスクもあります。文章全体を覚えるのではなく、「伝えたいキーワード(結論、エピソード、貢献内容)」を記憶し、その場の状況に合わせて自分の言葉で構成して話すように練習しましょう。

口癖(「えーっと」「なんか」)に注意する

自分の言葉で話すことは重要ですが、「えーっと」「あー」「なんか」といった口癖は、聞き手に「準備不足」や「自信がない」という印象を与え、話の内容への集中を妨げます。沈黙が怖い場合は、一呼吸置いて落ち着いて話し出すか、「少し考えさせてください」と断る勇気を持つことも時には必要です。模擬面接を録音して自分の癖を客観的に把握しましょう。

長さ別の回答テンプレート

「長さ別の回答テンプレート」として、30秒、1分、2分のそれぞれの制限時間に応じた構成要素の違いが比較表になっています。30秒では結論と理由のみのシンプルな構成ですが、1分では将来像や業界理由が加わり、2分ではさらに原体験まで含めた詳細な構成になるよう設計されています。

面接では「志望動機を〇分程度で教えてください」と長さを指定されるケースがあります。長すぎても短すぎてもマイナス評価につながるため、適切な時間感覚を身につけておくことが推奨されます。以下に目安と構成を紹介します。

「30秒で話してください」(約150字)

文字数の目安は約150字です。要素を極限まで絞り込み、最も伝えたい「核」となる部分のみを話します。

  • 構成
    • 結論(御社を志望します)
    • この企業を選んだ理由(最大の魅力・接点)
    • 結論の強調(貢献の意思)
  • ポイント
    • エピソードや詳細は省略し、インパクト重視で「なぜ御社なのか」を端的に伝えます。

「1分で話してください」(約300字)

文字数の目安は約300字です。最も一般的な長さであり、標準的な構成で話すことができます。

  • 構成
    • 結論
    • 将来像(成し遂げたいこと)
    • この業界を選んだ理由
    • この企業を選んだ理由(他社との違い)
    • 結論の強調
  • ポイント
    • 論理的な流れを意識します。原体験は簡潔に触れる程度に留め、企業へのマッチ度を優先して伝えます。

「2分で話してください」(約600字)

文字数の目安は約600字です。詳細に話せるため、独自性をアピールする好機です。

  • 構成
    • 結論
    • 将来像
    • 原体験(具体的なエピソード・きっかけ)
    • この業界を選んだ理由
    • この企業を選んだ理由
    • 結論の強調
  • ポイント
    • 原体験を具体的に描写し、あなたの価値観や人柄が伝わるようにします。ただし、間延びしないよう抑揚をつけて話しましょう。

面接形式別の注意点

「面接形式別の注意点」を示したスライドで、集団面接では他の就活生と内容が被っても変えずに原体験で差別化すること、オンライン面接ではカメラ目線やハキハキとした話し方と背景への配慮、最終面接では入社後に創りたい未来を伝えることが重要であると、それぞれの形式ごとにポイントがまとめられています。

対面やオンラインなど、面接の形式によって意識すべきポイントは異なります。それぞれの環境に合わせた対策を行うことが大切です。

集団面接:他の就活生と回答が被った時の対処法

集団面接で最も不安なのが「前の人と回答が被ること」ですが、無理に内容を変える必要はありません。「〇〇さんがおっしゃった点と重なりますが」と前置きし、相手の意見を尊重しつつ、自分だけのエピソード(原体験)を加えて話しましょう。結論が同じでも、そこに至るプロセスや感情で差別化を図ることが重要です。

オンライン面接:画面越しでも好印象を与える3つのポイント

対面よりも情報量が減るため、視覚と聴覚の環境を整えることが最優先です。

  • カメラ目線:画面の相手を見るのではなく、カメラのレンズを見ることで「目が合っている」と感じさせます。
  • 声のトーン:普段よりワントーン高く、ハキハキと話すことで、機材を通しても熱意が伝わります。
  • 背景:生活感が出すぎないよう、シンプルな壁や整理された背景を選び、表情が明るく見える環境を作りましょう。

最終面接:一次・二次との違いと、役員への話し方

現場社員が「能力」を見る一次・二次とは異なり、最終面接では「入社への覚悟」と「企業とのマッチ度」が問われます。単なるスキルアピールではなく、「入社後にどう貢献し、どんな未来を創りたいか」という長期的な視点(経営視点)を交えて話すことが、役員の心を掴む鍵となります。

面接練習の具体的な方法

「面接練習の具体的な方法」というタイトルで、推奨される練習法として「エージェントを活用する」「一人で練習する方法」「友人・家族に聞いてもらう」の3つが提示されており、特にエージェント活用には「重要!」というマークがついています。練習不足は本番での過度な緊張を招くため、実力を発揮するために効果的な練習を取り入れるようアドバイスが添えられています。

練習不足は本番での過度な緊張を招きます。実力を十分に発揮するために、効果的な練習方法を取り入れましょう。

就活エージェントを活用する

就活エージェントを活用し、プロの視点からフィードバックをもらう方法です。客観的に「伝わりにくい部分」や「評価されるポイント」を指摘してもらえるため、修正の質が高まります。

一人で練習する方法(録音・録画)

スマートフォンなどで自分が話している様子を録画してみましょう。再生して確認することで、無意識の口癖、視線の泳ぎ、表情の硬さ、話すスピードの速さなどに気づくことができます。自身を客観視することは劇的な改善につながります。

友人・家族に聞いてもらう

身近な人に聞いてもらい、「今の話で内容が理解できたか」「熱意を感じたか」を確認してもらいましょう。専門用語を使いすぎていないかなど、初見の人でも理解できる内容になっているかのチェックに有効です。

面接用の志望動機の例文

ここでは、長さの指定別に面接での志望動機の回答例を紹介します。志望する理由ごとに6つのケースを用意していますので、ご自身の状況に近いものを参考にしてください。

社風に惹かれた場合

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チームワークを重視する姿勢や、若手から挑戦できる環境など、企業の「風土」に魅力を感じた場合の構成例です。

ES提出版

貴社を志望する理由は、若手の挑戦を後押しする社風に強く惹かれたためです。私は将来、どのような環境でも自ら課題を見つけ、解決できる人材になりたいと考えています。大学の部活動では、新入生の練習メニュー改革を提案し、チームの底上げに貢献しました。この経験から、年次に関わらず意見を発信できる環境でこそ、私の主体性が活きると考えています。業界の中でも貴社は、若手社員が新規事業を提案できる制度が整っており、挑戦を推奨する風土があります。入社1年目からプロジェクトリーダーを任された社員の方のお話も伺い、貴社でなら自ら手を挙げて成長し、事業に貢献できると確信し志望しました。

30秒バージョン

貴社を志望するのは、若手の挑戦を推奨する社風に惹かれたからです。説明会で、1年目から裁量権を持って働ける環境を知り、失敗を恐れず挑戦したいという私の想いと合致しました。貴社の「失敗を称賛する」文化の中で、私の強みである主体性を発揮し、早期に成果を出したいと考え志望しました。

1分バージョン

貴社を志望する理由は、若手の挑戦を全力で後押しする社風に強く惹かれたためです。私は将来、変化の激しい市場で通用するビジネスパーソンになりたいと考えています。そのためには、若手のうちから裁量権を持って働ける環境が必要です。数ある企業の中でも貴社は、入社1年目から新規事業に携われるチャンスがあり、実際に多くの若手社員が活躍されています。ここなら自ら手を挙げて成長できると感じました。失敗を恐れず挑戦する貴社の環境で、私も積極的に行動し貢献したいです。

2分バージョン

貴社を志望する理由は、若手の挑戦を全力で後押しする社風に強く惹かれたためです。私は将来、どのような環境でも自ら課題を見つけ、解決できる人材になりたいと考えています。そう考えるきっかけは、大学のサッカー部での経験です。当時、チームは低迷していましたが、練習内容は例年通りでした。私は「変えるなら今しかない」と考え、下級生ながらデータに基づいた新しい練習メニューを提案しました。当初は反対もありましたが、粘り強く説明し実行した結果、リーグ昇格を果たすことができました。この経験から、自らの行動で組織を変えるやりがいと、挑戦を受け入れる環境の重要性を学びました。就職活動では「個人の挑戦意志を尊重する企業」を軸に見ています。その中で貴社は、若手社員の新規事業提案制度など、挑戦を仕組みとして支えている点に他社にはない魅力を感じました。貴社の「失敗を称賛する」という文化の中で、私の強みである主体性を発揮し、既存の枠にとらわれない提案で貴社の成長に貢献したいと強く思い、志望いたしました。

企業理念に共感した場合

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企業のミッションやビジョンに共感し、同じ方向を向いて働きたい場合の構成例です。

ES提出版

「世界中の人々の生活を豊かにする」という貴社の理念に深く共感し、志望いたしました。私は将来、日本の製品を通じて世界の人々の暮らしを支えたいと考えています。ボランティア活動で、貧困地域の子供たちに文房具を届ける活動を行い、小さな物が人の心を豊かにする瞬間を目の当たりにしました。その経験から、生活インフラを支えるメーカー業界を志望しています。中でも貴社の製品は、日常の不便を解消し、世界中で愛されています。私も貴社の一員として、製品を通じて多くの人の生活を支え、笑顔を生み出す仕事に携わりたいと考えています。

30秒バージョン

貴社の「世界中の人々の生活を豊かにする」という理念に共感し志望しました。貴社の製品が国境を越えて多くの人の日常を支えている点に強く惹かれています。世界展開を加速させる貴社で、私の語学力と行動力を活かし、さらなる市場拡大に貢献したいと強く考えています。

1分バージョン

貴社の「世界中の人々の生活を豊かにする」という企業理念に深く共感し、志望いたしました。私は仕事を通じて、人々の当たり前の日常を支え、笑顔を増やしたいという強い想いがあります。メーカー業界の中でも貴社は、革新的な技術で日用品を進化させ続け、世界中の生活インフラを支えています。単にモノを売るだけでなく、生活文化そのものを創り出す貴社の姿勢に強く惹かれました。私の行動力を活かし、貴社の理念の実現に貢献したいです。

2分バージョン

貴社の「世界中の人々の生活を豊かにする」という企業理念に深く共感し、志望いたしました。私は将来、日本の優れた製品を通じて、世界中の人々の生活水準向上に貢献したいという目標があります。この想いの原点は、大学2年次に参加した東南アジアでの教育支援ボランティアです。現地では、勉強したくても道具がない子供たちが大勢いました。私たちが日本から持ち寄った文房具を渡した際、子供たちが目を輝かせて喜ぶ姿を見て、日本のモノづくりが持つ可能性と、それが人々の心に与える影響力の大きさに感銘を受けました。この経験から、人々の生活基盤を支えるメーカーで働きたいと考えるようになりました。数あるメーカーの中でも貴社は、現地のニーズに徹底的に寄り添った商品開発を行い、利益だけでなくその国の発展を第一に考える姿勢を貫いています。その誠実な姿勢こそが、真の豊かさを提供できると考えました。入社後は、私の語学力と異文化理解の経験を活かし、海外営業として貴社の製品をまだ見ぬ地域へ届け、理念の体現者として活躍したいと考えています。

事業内容に魅力を感じた場合

「面接用の志望動機の例文」として、「事業内容に魅力を感じた場合」の30秒・1分・2分バージョンの例文が存在することを示す表紙スライドです。独自のビジネスモデルや、特定の事業領域への関心を伝える場合の構成例であると成田さんが解説しています。

独自のビジネスモデルや、特定の事業領域への関心を伝える場合の構成例です。

ES提出版

貴社の展開する「地域密着型のM&A事業」に将来性を感じ、志望しました。私は将来、地域経済の活性化に貢献したいと考えています。ゼミで地方創生を研究し、後継者不足による黒字廃業の現状を知り、課題意識を持ちました。金融業界の中でも貴社は、単なる仲介に留まらず、買収後の経営支援まで一貫して行う独自モデルを持っており、真の意味で地域経済を守れる点に魅力を感じています。私の粘り強さを活かし、一社でも多くの企業を未来へ繋ぎたいです。

30秒バージョン

貴社の「地域密着型のM&A事業」に魅力を感じ志望しました。買収後の経営支援まで行う貴社の独自モデルであれば、企業の存続と地域経済の発展の両方に貢献できると確信しています。私の強みである粘り強さを活かし、一件でも多くの案件を成約させ、貴社の事業拡大に貢献したいです。

1分バージョン

貴社の展開する「地域密着型のM&A事業」に強い将来性と社会的意義を感じ、志望しました。私は将来、日本の地域経済を根底から支える仕事がしたいと考えています。業界の中でも貴社は、単なるマッチングに留まらず、成約後のPMI(経営統合)支援まで手厚く行う独自のビジネスモデルを確立されています。顧客企業の「その後」まで責任を持つ貴社でこそ、真の意味で地方企業の存続と発展に寄与できると考えました。私の強みである「相手の立場に立つ傾聴力」を活かし、オーナー様に寄り添った提案で貢献したいです。

2分バージョン

貴社の展開する「地域密着型のM&A事業」に強い魅力を感じ、志望しました。私は将来、日本の産業を支える中小企業の「事業承継」という課題を解決し、地域経済の活性化に貢献したいと考えています。きっかけは、私の実家が営んでいた工場が、後継者不在を理由に廃業した経験です。祖父が守ってきた技術が失われる悔しさと、地域の活気が失われていく様子を目の当たりにし、「良い会社を次世代に残す仕組みが必要だ」と痛感しました。M&A業界を志望する中で、貴社を選んだ理由は、単なる企業の売買仲介ではなく、「地域産業の存続」を目的とした長期的な支援を行っている点です。特に、地方銀行との提携ネットワークを活かし、潜在的なニーズを持つ企業にいち早くアプローチできる点は、他社にはない貴社だけの強みだと感じています。実家の経験を持つ私だからこそ、経営者の不安に寄り添い、信頼関係を築くことができると考えています。貴社の事業を通じて、一社でも多くの企業の灯を未来へ繋いでいきたいです。

商品・サービスに惹かれた場合

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ユーザーとしての感動体験や、サービスへの愛着をきっかけにする場合の構成例です。

ES提出版

貴社のアプリ「〇〇」によって、私の学習習慣が劇的に変わった経験から、このサービスを広めたいと思い志望しました。私は、優れたサービスを通じて人々の成長を支援したいと考えています。以前は継続が苦手でしたが、貴社サービスの「ゲーム感覚で学べる仕組み」のおかげで、1年間毎日英語学習を続けることができました。IT業界の中でも、ユーザーの行動変容を促すUI/UXに強みを持つ貴社で、この「楽しみながら成長できる体験」をより多くの人に届けたいと考え、貴社のマーケティング職を志望します。

30秒バージョン

貴社の学習アプリ「〇〇」に感動し、作り手側に回りたいと思い志望しました。貴社の「楽しみながら学ぶ」という独自の価値提供は、多くの人の学習へのハードルを下げると確信しています。今度は私が提供する側として、サービスの魅力を発信し、より多くのユーザーに届けていきたいと考えています。

1分バージョン

貴社の学習アプリ「〇〇」が持つ「人の行動を変える力」に魅力を感じ、志望いたしました。私は、優れたサービスを通じて人々の成長を支援したいと考えています。教育×IT業界において、貴社のアプリはゲーミフィケーションを取り入れた独自の仕組みで、他社にはない継続率の高さを誇っています。単なる教材ではなく「続けられる仕組み」を提供する貴社のサービス設計に感銘を受けました。私もユーザー視点を活かしながら、今度は提供する側としてサービスの改善や普及に携わり、過去の私のように「変わりたい」と願う人々をサポートしたいと考えています。

2分バージョン

貴社の学習アプリ「〇〇」が持つ「人の行動を変える力」に強い可能性を感じ、志望いたしました。私は将来、ITの力を使って、人々の自己実現をサポートするサービスを作りたいと考えています。そう考えるに至ったのは、貴社のアプリとの出会いがきっかけです。私は以前、三日坊主で何事も長続きしない性格にコンプレックスを持っていました。しかし、貴社のアプリを使い始め、仲間と競い合う機能や、日々の達成が見える化される仕組みに夢中になり、気づけば1年間毎日英語学習を継続していました。結果として留学の夢も叶えることができ、サービス一つで人の人生が変わることを身をもって体験しました。業界の中でも貴社は、ユーザー行動データの分析に基づき、圧倒的なスピードで機能改善を繰り返しています。その「ユーザーファースト」な開発姿勢に強く惹かれました。入社後は、私の強みである分析力を活かし、ユーザーがどこでつまずいているかを分析し、より長く愛されるサービスの改善に貢献したいと考えています。

先輩社員・OB訪問がきっかけの場合

「面接用の志望動機の例文」として、「先輩社員/OB訪問きっかけの場合」の30秒・1分・2分バージョンの例文が存在することを示す表紙スライドです。「人」に惹かれたことを動機にする際、単なる個人への憧れに留めず、企業全体の風土への魅力として昇華させるための構成例であると成田さんが補足しています。

「人」に惹かれたことを動機にする場合、その人個人への憧れだけでなく、企業全体の風土へ昇華させる構成例です。

ES提出版

OB訪問でお会いした〇〇様の「顧客の成功のためなら、自社の利益を後回しにする」という仕事への姿勢に感銘を受け、志望しました。私は将来、顧客と長く信頼関係を築ける営業になりたいと考えています。他社では「売り上げ第一」という話も聞く中、貴社社員の皆様は一様に「顧客への提供価値」を最優先に語られていました。コンサルティング業界の中でも、その誠実なプロ意識は貴社ならではの強みだと感じています。私もそのような環境で、顧客の真のパートナーとして成長したいと強く思いました。

30秒バージョン

OB訪問でお会いした社員の方々の「誠実さ」に惹かれ志望しました。特に〇〇様が「顧客のためにならない提案はしない」と断言されていた姿勢に感銘を受けました。利益だけでなく顧客の成功を第一に考える貴社の風土でなら、誇りを持って働ける確信し、私もその一員になりたいと思いました。

1分バージョン

OB訪問を通じて感じた、社員の皆様の「顧客への誠実な姿勢」に強く惹かれ、志望いたしました。私は仕事を通じて、顧客と長く信頼関係を築ける営業になりたいと考えています。就職活動で5社のOB訪問を行いましたが、貴社の社員の方々は皆様、「自社の利益よりも、まずお客様の課題解決」という考えを徹底されていました。特に〇〇様から伺った、「お客様のために、あえて他社製品を勧めたこともある」というエピソードには衝撃を受け、真のプロフェッショナルだと感じました。商品力だけでなく、こうした「人」の魅力と誠実な企業文化がある貴社でこそ、私の目指す営業像が実現できると確信しています。私も先輩方のように、顧客から一番に相談される存在になりたいです。

2分バージョン

OB訪問を通じて実感した、社員の皆様の「顧客への誠実な姿勢」と「仕事への熱量」に強く惹かれ、志望いたしました。私は将来、顧客にとっての「代わりのきかないパートナー」になることを目指しています。そう考えたきっかけは、カフェのアルバイトでお客様一人ひとりに合わせた接客を行い、常連様から感謝の言葉をいただいた経験です。この経験から、相手に寄り添う仕事のやりがいを感じてきました。貴社を志望した決定打は、OB訪問でお会いした〇〇様のお話です。〇〇様は困難なプロジェクトにおいても「お客様の期待を超えること」を楽しんでおられ、そのプロ意識の高さに圧倒されました。また、若手の方々も同様に高い視座を持って働かれており、貴社には「人を育て、人を大切にする」文化が根付いていると確信しました。能力だけでなく、人間的にも尊敬できる方々が集まる貴社の環境に身を置き、高い基準で仕事に取り組むことで、私自身も大きく成長し、貴社の信頼向上に貢献したいと考えています。

教育制度・成長環境に惹かれた場合

「面接用の志望動機の例文」として、「教育制度/成長環境に惹かれた場合」の30秒・1分・2分バージョンの例文が存在することを示す表紙スライドです。「学ばせてもらう」という受け身の姿勢にならず、制度を利用してどのように会社へ貢献するかを伝えるための構成例であると成田さんがアドバイスしています。

「学ばせてもらう」という受け身にならず、制度を利用してどう貢献するかを伝える構成例です。

ES提出版

貴社の充実した研修制度と、若手から責任ある仕事を任せる環境に魅力を感じ、志望しました。私は早期に専門スキルを身につけ、プロとして活躍したいと考えています。IT業界の中でも貴社は「入社3年でリーダー育成」という明確な方針があり、実践的な成長環境が整っています。私の強みである「吸収力」を活かして知識を貪欲に吸収し、いち早く戦力として貴社の事業拡大に貢献したいです。

30秒バージョン

貴社の「圧倒的な成長環境」に魅力を感じ志望しました。若手から裁量権を持てる貴社の環境は、向上心の強い私に最適だと感じています。整った教育制度に甘えることなく、自ら学び取る姿勢で早期にスキルを習得し、3年以内にはプロジェクトの中核として貴社の売り上げに貢献したいと考えています。

1分バージョン

貴社の「社員の成長を企業の成長と捉える」環境に強く惹かれ、志望いたしました。私は、20代のうちに市場価値の高いエンジニアへと成長し、社会にインパクトを与えるサービスを作りたいと考えています。貴社は業界最高水準の研修制度に加え、新人でも新規プロジェクトにアサインされるチャンスがあると伺いました。インプットとアウトプットのサイクルを高速で回せる環境は、他社にはない魅力です。決して教育制度に依存するのではなく、私の長所である「自走力」を活かして先輩方の技術を盗み、1日も早く一人前になります。そして将来的には、私が技術リーダーとなり、貴社の技術力をさらに高める存在になりたいです。

2分バージョン

貴社の「挑戦を支援し、人を育てる環境」に強く惹かれ、志望いたしました。私は将来、どの企業でも通用するような専門性と、組織を牽引するリーダーシップを兼ね備えた人材になりたいと考えています。大学時代、未経験からプログラミングサークルを立ち上げた経験があります。当初は知識不足で苦労しましたが、独学で学びながら周囲を巻き込み、最終的には50名規模の組織にしました。この経験から、困難な環境でこそ人は成長できると学びました。貴社を志望した理由は、若手のうちから海外駐在や新規事業などの「修羅場」を経験させる育成方針に共感したからです。守られた環境に安住するのではなく、あえて厳しい環境に身を置くことで、私の成長スピードを最大化できると考えました。貴社の環境を最大限に活用させていただき、まずは与えられた役割で120%の成果を出します。そして将来的には、私が新規事業を立ち上げ、貴社の次の収益の柱を作ることで、恩返しをしたいと考えています。

深掘り質問への対策をする

「対策すべき7つの質問」と題されたスライドで、面接で想定される質問として「第一志望ですか?」「同業他社ではなくうちを選ぶ理由は?」「5年後、10年後のキャリアプランを教えてください」「他社の選考状況を教えてください」「企業選びの軸を教えてください」「なぜその目標を成し遂げたいのですか?」「その原体験から何を学びましたか?」という7つの項目が列挙されています。

志望動機を伝えた後には、必ずと言っていいほど「深掘り質問」が投げかけられます。元日系大手人事として数多くの採用面接を行ってきた成田さんは、「ここで回答に詰まると志望動機が浅いと判断される可能性がある」と指摘します。想定問答を準備しておきましょう。

第一志望ですか?

  • 評価ポイント:入社意欲の高さ、内定辞退のリスク管理。
  • 必要な事前準備:迷いなく「はい」と言える心の準備。他社との比較優位性の整理。
  • 話す時のポイント:「はい、第一志望です」と即答しましょう。たとえ迷いがあったとしても、面接の場では言い切るのがマナーであり、覚悟の見せ所です。「第一志望群です」という回答は、最終面接に近づくほど避けるべきです。もし内定が出ている他社がある場合は、「御社から内定をいただければ、他社は辞退します」と付け加えると本気度が伝わります。

同業他社ではなくうちを選ぶ理由は?

  • 評価ポイント:企業研究の深さ、志望度の論理性。
  • 必要な事前準備:競合他社と応募企業の強み・弱み・特徴の比較表作成。
  • 話す時のポイント:競合他社との「強みの違い」や「社風の違い」を具体的に挙げます。「A社は〇〇に強みがありますが、御社は××に注力しており、その点が私のやりたい〇〇と合致します」と比較して伝えます。「人が良かったから」という理由は弱いため、事業内容や戦略面での違いも用意しておく必要があります。

5年後、10年後のキャリアプランを教えてください

  • 評価ポイント:長期就業の可能性、成長意欲、企業とのマッチ度。
  • 必要な事前準備:企業のキャリアパスやロールモデルの調査。
  • 話す時のポイント:志望動機で語った「将来像」をより具体化したものを答えます。「5年後にはチームリーダーとして後輩指導にあたり、10年後には新規事業の責任者として活躍したい」など、時間軸に沿ったステップアップを提示します。そのプランが、その会社で実現可能かどうかも重要なポイントです。

他社の選考状況を教えてください

  • 評価ポイント:就活の軸の一貫性、他社への志望度。
  • 必要な事前準備:受けている企業のリストアップと、それらの共通項(軸)の言語化。
  • 話す時のポイント:嘘をつく必要はありませんが、一貫性を持たせることが重要です。受けている企業に「軸(業界、職種、企業規模など)」が通っているかを確認されます。「〇〇業界を中心に受けています」と伝え、もしバラバラな場合は「〇〇という軸で選んでいるため、業界は異なりますが…」と理由を補足しましょう。

企業選びの軸を教えてください

  • 評価ポイント:価値観と企業風土の一致、自己分析の深度。
  • 必要な事前準備:自分が働く上で譲れない条件(やりがい、環境、条件など)の優先順位付け。
  • 話す時のポイント:志望動機の根底にある価値観を答えます。「挑戦できる環境」「顧客への貢献度」「チームワーク」など、自分が働く上で譲れない条件を挙げましょう。この軸が、志望動機や自己PRと矛盾していないか注意が必要です。

なぜその目標を成し遂げたいのですか?

  • 評価ポイント:モチベーションの源泉、価値観の原点。
  • 必要な事前準備:自分の過去の経験(原体験)の棚卸しと感情の言語化。
  • 話す時のポイント:目標の背景にある「原体験」を聞かれています。「過去にこのような経験をして悔しかったから」「このような時に喜びを感じたから」といった、個人的なエピソードを感情を込めて話すと説得力が増します。

その原体験から何を学びましたか?

  • 評価ポイント:学習能力、再現性(入社後も学びを活かせるか)。
  • 必要な事前準備:経験から得た教訓の抽象化。
  • 話す時のポイント:経験の事実だけでなく、そこから得た「教訓」や「価値観の変化」を問われています。「失敗から準備の重要性を学んだ」「一人よりチームの方が大きな成果が出せると知った」など、仕事に再現性のある学びを答えましょう。

模擬面接で就活のプロに頼ろう

深掘り質問は、一人で想定するには限界があります。想定外の角度からの質問に慣れるためにも、就活エージェントを利用し、模擬面接で「壁打ち」をしてもらうことが最も有効な対策となります。

よくある質問

就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。

志望動機がない・思いつかないときどうする?

自己分析や企業研究に行き詰まった際は、就活エージェントに相談することを強くお勧めします。プロの視点からあなたの潜在的な興味や強みを引き出してもらうことで、自分一人では気づけなかった「志望動機の種」が見つかることが多いです。客観的なアドバイスを受けることで、スムーズに志望動機を構築できるようになります。

▼志望動機が思いつかないときの対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
「志望動機が思いつかない」を解決!原因別の対処法を元日系大手人事が解説

自己PRやガクチカとの違い・使い分けは?

これら3つの一貫性を持たせることは非常に難易度が高い作業です。就活エージェントに相談し、ESや面接回答全体の整合性をチェックしてもらいましょう。プロの添削を受けることで、自己PR、ガクチカ、志望動機が一本の線で繋がった、説得力のあるストーリーを作成することができます。

▼志望動機と自己PRの違いについて、詳しくは以下の記事に記載しています
志望動機と自己PRの違いは「何をアピールするか」書き分けのコツを3つのポイントで解説

緊張して頭が真っ白になったらどうする?

緊張は誰にでもあることです。しかし、過度な緊張を防ぐには、事前の模擬面接が不可欠です。就活エージェントを利用して、本番に近い環境での面接練習を繰り返しましょう。場数を踏むことで、不測の事態にも冷静に対処できる自信がつきます。

志望動機を話している途中で詰まったらどうする?

途中で詰まってしまう原因の多くは、練習不足や丸暗記にあります。就活エージェントとの模擬面接を通じて、「キーワードで話す練習」を行いましょう。プロのアドバイスを受けながら、自分の言葉で柔軟に話すスキルを身につけることが、本番でのトラブル回避に繋がります。


監修:成田 駿

元日系大手人事/就活サポーター

日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。

協力:NPO法人en-courage

全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。