「志望動機が思いつかない」「何を書けばいいかわからない」
これは多くの就活生が抱える共通の悩みです。しかし、志望動機が書けないのには必ず原因があり、原因に合った対処をすれば必ず形にできます。
本記事では、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さん監修のもと、志望動機が思いつかない5つの原因と原因別の対処法を解説。en-courage利用者へのインタビューで得たリアルな声も交えながら、基本の構成テンプレートや業界・職種別の例文15選まで、実践的なノウハウをお伝えします。
志望動機が思いつかないのはよくあること
「志望動機が思いつかない」と悩む就活生は、決して珍しくありません。志望動機を考えたり書いたりするプロセスで、行き詰まることは誰にでもあるものです。重要なのは「なぜ思いつかないのか」という原因を冷静に振り返ることです。原因が明確になれば、適切な対処法もおのずと見えてきます。以下に紹介する「志望動機が思いつかない原因」と「対処法」を参考に、自分に合った解決策を見つけてください。
志望動機が思いつかない5つの原因
成田さんが学生から相談を受ける中で、志望動機が思いつかない原因は大きく5パターンに分類できるといいます。en-courage利用者へのインタビューでも「軸が定まっていない」「企業との接点が見えない」という声は非常に多く聞かれました。まずは自分がどのパターンに当てはまるかを確認しましょう。
①自己分析が不十分で仕事選びの軸が定まっていない
自己分析が不十分だと、「自分は何をやりたいか」が曖昧になりがちです。その結果、目指す企業や職種が定まらず、志望動機も漠然とした内容になってしまいます。志望動機を考える際は、まず「やりたいこと」と「できること」を具体的に言語化することが重要です。
②企業研究が不十分で自分との接点が見いだせていない
志望動機を書くには、「なぜその企業で働きたいのか」を明確にする必要があります。企業研究が不足したまま「有名だから」という理由だけで応募すると、自分が働く姿をイメージできず、説得力のある志望動機は作れません。企業の事業内容や風土を把握し、自分の価値観や強みとの接点を見つけることが第一歩です。
③そもそも志望度が高くない(とりあえずエントリーした)
「少し興味がある」程度の企業に対しては、熱意ある志望動機が浮かばないこともあります。しかし、企業研究を進める中で、当初は気づかなかった魅力が見えてくることもあります。それでも思いつかない場合は、応募企業の選び方自体を見直すのも一つの選択肢です。
④志望動機の書き方がわからない
書き方がわからないことも、筆が進まない原因です。「どのような構成にするか」「どんな情報を盛り込むべきか」という完成形がイメージできていない状態です。志望動機には「企業への共感」と「自分との適合」の2軸を盛り込むのが基本です。後述する構成テンプレートや例文を参考にしてみてください。
⑤完璧に書こうとしすぎている
「100点満点の志望動機」を求めすぎて書けなくなるケースもあります。印象の良い志望動機作りに固執すると、本心から離れた内容になるリスクもあります。肩の力を抜き、携わりたい業務や将来の目標を自分の言葉で表現しましょう。まずは不完全でも書き出してみることが大切です。
【原因別】志望動機が思いつかないときの対処法
成田さんが人事として面接を担当してきた経験から、原因に合った対処法を取れば志望動機は必ず形になるといいます。en-courage利用者へのインタビューでも、対処法を実践したことで「スムーズに書けるようになった」という声が多く寄せられました。ここでは、5つの原因に対応する具体的な解決策を紹介します。
就活エージェントに相談する
さまざまな対処法を試しても思いつかない、全ての対処法をするのが面倒臭い場合は、就活エージェントの活用も有効です。キャリアアドバイザーとの面談を通じ、考えを整理したり、プロの客観的視点からアドバイスをもらったりすることで、自分では気づかなかった強みや志向を発見できる可能性があります。エントリーシートの添削や面接対策など、就活全般のサポートも受けられるため、一人での活動に不安がある場合は検討してみましょう。
【①の対処法】自己分析で「就活の軸」を明確にする
自己分析が不足している場合、これまでの経験から「やりがいを感じた場面」や「モチベーションが上がった瞬間」を振り返りましょう。部活動、アルバイト、ゼミなどの経験を掘り下げることで、自分の志向や価値観が見えてきます。「どんな働き方がしたいか」「仕事で何を大切にしたいか」という軸を明確にすることがポイントです。
「過去の経験」を振り返る(やりがい・達成感を感じた瞬間)
まずは過去の経験を振り返ります。熱意を持って取り組んだことや達成感を得た経験、失敗から学んだことを書き出しましょう。小学校から大学までの「自分史」を作成し、各時期の印象的な出来事に対し「何を考え、何を学んだか」を整理します。特に大きな影響を受けた経験を深掘りすることで、自分ならではの価値観や強みが明確になります。
「現在の価値観」を整理する(働く上で大切にしたいこと)
次に、現在の自分の価値観を整理します。強み・弱み、性格的特徴を書き出し、自分を象徴する要素を絞り込みます。「コミュニケーション能力」のような抽象的な言葉ではなく、「相手の意図を汲み取る力」のように具体化するのがコツです。「やりがい」「成長環境」「働き方」などの軸で働く上で求める条件を整理し、企業選びの軸を固めます。
「未来の目標」を描く(5年後・10年後にどうなりたいか)
「将来どんな仕事がしたいか」「どんな役職に就きたいか」というキャリア目標を描くことも重要です。具体的な目標がない場合は、憧れの人物を思い浮かべ、「自分もこうなりたい」というイメージを膨らませてみましょう。5年後・10年後の理想像から逆算して「今どの企業を選ぶべきか」を考えることで、キャリアの軸が定まります。
過去・現在・未来をつなげて「就活の軸」を言語化する
過去の経験、現在の価値観、未来の目標がつながったら、それらを「就活の軸」として言語化します。重要なのは、「やりたいこと」と「できること」を具体的にすることです。たとえば「人を幸せにしたい」という目標なら、「誰を」「どのように」「どの規模で」と詳細に落とし込むことで、志望動機の説得力が増します。
【②の対処法】企業研究で「自分との接点」を見つける
企業への理解を深めることで、新たな魅力や自分との接点が見つかる可能性があります。事業内容や企業理念、求める人物像を把握し、「自分の経験・スキルがどう活かせるか」という視点で分析しましょう。企業側の視点に立ち、「なぜ自分が貢献できるか」を考えることが、説得力のある志望動機につながります。
企業理念、事業内容、社員インタビュー、IR情報を見る
企業ホームページでは「企業理念」「ビジョン」を確認し、企業が大切にしている価値観を理解しましょう。次に「事業概要」や「サービス」で仕事内容を把握します。「社員インタビュー」は実際の働き方を知るのに役立ちます。上場企業なら「IR情報」もチェックし、今後の事業方針や中長期ビジョンを押さえることで、企業の方向性と自分のキャリアの接点を見つけやすくなります。
競合他社との比較で差を明確にする
競合他社との比較は、その企業ならではの魅力を明確にするために効果的です。「A社とは何が違うか」「なぜB社ではなくこの企業か」を自問することで、独自の強みが見えてきます。複数企業を比較することで業界全体の理解も深まり、「なぜこの企業なのか」という理由に説得力を持たせることができます。
自分の価値観・強み × 企業の特徴 = 志望動機
企業の求める人材像と自分自身を照らし合わせ、「自分の強みをどう活かして貢献できるか」を考えます。これが志望動機の核となります。たとえば営業職なら、その企業の営業スタイルと自分の経験の共通点を探します。「やりたいこと」と「企業の魅力」がかみ合っているか確認し、企業側に採用メリットを感じさせる内容を目指しましょう。
【③の対処法】志望度が低い企業の志望動機を作る
志望度が低くても、その企業や業界内で興味を持てるポイントを探しましょう。新技術への取り組みや社会貢献活動など、共感できる部分を見つけるのが第一歩です。また、「自分のスキルをどう活かせるか」「どう成長できるか」という視点を持つことで、「成長環境としての魅力」を軸にした具体的な志望動機が作成できます。
説明会・インターン・OB訪問で「使えるネタ」を集める
ホームページにはない情報を得るため、説明会やインターンシップ、OB・OG訪問を活用しましょう。実際に感じた雰囲気やエピソードは、志望動機に具体性を持たせる貴重な材料です。商品を実際に使ったり、サービスを体験したりするのも有効です。「体験を通じて得た一次情報」は説得力があり、選考でも高く評価されます。
生成AIツールを活用する
行き詰まった際は、生成AIツールで志望動機の骨子を作成するのも一つの手です。ただし、生成された文章をそのまま使うのは避けてください。あくまで下書きや構成案として捉え、自分なりのエピソードや言葉を加えてオリジナルの内容に仕上げることが不可欠です。自分の言葉で説明できるよう、内容を完全に理解しておきましょう。
就活エージェントに代わりに考えてもらう
どうしても思いつかない場合、就活エージェントに相談し、一緒に考えてもらうのも効率的です。キャリアアドバイザーは、あなたの経験や強みを引き出しながら、効果的な志望動機の作成をサポートしてくれます。企業ごとの評価ポイントも熟知しているため、選考通過率を高めるヒントが得られます。
本音を「企業ウケ」する言葉に変換する
「安定」「給料」などの本音をそのまま書くのがためらわれる場合は、ポジティブな表現に変換しましょう。「安定」は「腰を据えてスキルを磨ける環境」、「高給」は「成果が正当に評価される制度」と言い換えられます。本音を否定せず、企業にとってもメリットとなる前向きな表現にすることがポイントです。
【④の対処法】構成テンプレートに当てはめて書く
書き方がわからない場合は、基本の構成テンプレートを活用します。一般的に「結論→目標→課題→行動→成果と教訓→仕事への活用」という流れで構成します。以下の枠組みに沿って情報を整理すれば、論理的で説得力のある文章になります。まずは各項目を埋める作業から始めてみてください。
- 結論:私が貴社を志望するのは、〇〇(企業の強み・特徴)に魅力を感じ、××を実現したいと考えるからです。
- 将来像:私は将来、△△のような社会を実現したい(または、□□な人材になりたい)と考えています。
- 原体験:学生時代、●●の経験を通じ、▲▲という課題感を抱きました(または強みを培いました)。
- この業界を選んだ理由:その解決(または強みの発揮)には、◇◇業界が最適だと考えます。
- この企業を選んだ理由:中でも貴社は、◆◆(他社にない特徴)を持っており、私の強みである◎◎を最大限に活かせると確信しています。
- 結論の強調:だからこそ、貴社で☆☆職として★★に挑戦し、××を実現したいと考えています。
【⑤の対処法】不完全でもまずは書いてみる
完璧を求めすぎて手が止まるなら、不完全でもよいので書き出してみましょう。箇条書きでも構いません。書き出すことで頭の中が整理され、足りない部分や改善点が見えてきます。書いた内容を友人や就活エージェントに見せ、フィードバックをもらってブラッシュアップしていくのが近道です。
志望動機が書けなくても避けたいこと
成田さんが人事として選考に携わる中で、「これをやると確実にマイナス評価になる」というNGパターンがあるといいます。選考で不利になるだけでなく、入社後のミスマッチにもつながるため、以下の行為は避けましょう。
HPの情報をそのまま写す
企業ホームページの情報をそのまま引用しただけの志望動機は、採用担当者に簡単に見抜かれます。面接で深掘りされた際に答えられず、「準備不足」「志望度が低い」と判断されかねません。企業情報は参考にしつつ、必ず自分の経験や価値観と結びつけ、自分の言葉で表現しましょう。
志望動機を偽る
嘘をついたり話を盛ったりすることは避けましょう。面接担当者は矛盾や不自然さを見抜くプロです。仮に内定を得ても、偽った動機での入社は自分自身の首を絞め、早期離職の原因になります。誠実に自分の気持ちを伝えることが大切です。
例文のコピペ・使い回し
ネット上の例文のコピペや他社向け志望動機の使い回しは厳禁です。コピペチェックツールで発覚するリスクがあるほか、具体性に欠けるため「どこでもいいのでは」という印象を与えます。例文は参考程度にとどめ、オリジナルの志望動機を作成しましょう。
志望動機の基本的な作り方
成田さんが考える「伝わる志望動機」には、共通する構成パターンがあります。en-courage利用者へのインタビューでも、基本の型を押さえてから書き始めたことで格段に書きやすくなったという声が多く聞かれました。ここでは、説得力のある志望動機を作るための基本的な構成とポイントを解説します。
志望動機の構成
基本の6ステップ構成は以下の通りです。
- 結論:一言で、この企業を志望する理由は何か?
- 将来像:どんなキャリアを目指しているのか?
- 原体験:なぜそのビジョンを持つようになったのか?
- この業界を選んだ理由:なぜこの業界か?(他業界との比較含む)
- この企業を選んだ理由:なぜこの企業か?(他社との比較含む)
- 結論の強調:改めて、なぜこの企業でなければならないのか?
志望動機の書き方
受かる志望動機を書くためには、以下のポイントを押さえて他の学生と差別化することが重要です。
- 求める人物像にマッチさせる:企業の「求める人物像」に徹底的に寄せ、共感だけでなく能力的な「適合」も示して採用するメリットを感じさせる。
- 結論ファーストで書く:冒頭の一文で勝負が決まると考え、結論から書き始めることで読み手の関心を引きつけ、内容をスムーズに伝える。
- 定量的に書く:曖昧な表現を避け、数字(期間・人数・成果など)という客観的な証拠を使って、取り組みの規模感やインパクトを正確に伝える。
- インパクトのある書き出しにする:書き出しはESの「顔」であるため、ありきたりな表現を避け、固有名詞や状況描写で「続きを読みたい」と思わせるフックを用意する。
- キャッチーな見出しを冒頭につける:本文の冒頭に魅力的な見出しをつけるテクニックを使い、一文目で「何かを成し遂げた」という期待感を持たせる。
- 他社にはない企業の強みに言及する:「なぜうちなのか」に答えるため、企業独自の強みに触れ、「企業らしさ」への深い理解を示して本気度を証明する。
- 原体験を具体的に述べる:志望動機の根拠となる「Why」を、借り物ではない自分の実体験(ライフヒストリー)に基づいた言葉で語り、差別化を図る。
志望動機を書くときの注意点
致命的なミスを防ぐための注意点は以下の通りです。
- 抽象的な表現は避ける:「社会貢献したい」等の曖昧な表現ではなく、「どんな点に興味があるか」を具体化し、誇張ではなく具体的な行動事実で人柄を伝える。
- 「待遇・福利厚生」を志望理由のメインにしない:条件面ばかり強調すると「条件でしか見ていない」と思われるため、あくまで事業内容や仕事のやりがいを主軸に据える。
- 受け身の姿勢は避ける:「勉強させてほしい」といったTakerの姿勢ではなく、主体的に価値を提供するGiverの姿勢で「成長して貢献したい」と伝える。
- 話し言葉を使わない:「僕」「自分」ではなく「私」を使用する。「バイト」などの略語は避け「アルバイト」と書く。
- 誤字・脱字に注意する:提出前に必ず見直し、コピーをとっておく。手書きの場合は丁寧に書く(消せるペンは不可)。
- 早めに提出する:締切直前ではなく余裕を持って提出する。提出の早さが評価につながることも少なくない。
▼志望動機の構成・書き方・注意点などについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
エントリーシートの志望動機の構成と書き方!周りと差をつけるポイントを元日系大手人事が解説
思いつかない時の参考に!志望動機の例文
成田さんが実際に添削してきた中で「これは通過する」と感じた志望動機には、共通するポイントがあります。en-courage利用者へのインタビューでも、例文を参考にしながら自分の経験に置き換えることで書けるようになったという声が多くありました。以下の業界・職種・理由別の例文を参考に、オリジナルの内容に仕上げてください。
【業界別】志望動機の例文
業界ごとの特徴や求められる人物像を踏まえた例文です。
商社
<例文>
私は「多様なビジネスをつなげ、新たな価値を創出する」仕事に強い関心を持っています。大学時代、学園祭の実行委員として複数の団体をまとめ、例年の2倍の来場者数を達成した経験から、異なる立場の人々をつなぐことで大きな成果を生み出す面白さを実感しました。貴社は、幅広い事業領域を持ちながらも、各分野の専門性を活かした提案力に強みがあります。事業投資の現場で「多角的に事業を見る視点」を磨き、私が強みとする調整力と行動力を発揮して、新たなビジネスの創出に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 結論ファースト:志望理由を冒頭で明確に示し、何をしたいかがすぐに伝わる
- 原体験との接続:学園祭での経験を通じて、商社の仕事に惹かれた理由を具体的に説明
- 企業固有の強みへの言及:「事業投資」「多角的な視点」など、商社ならではの業務内容に触れている
メーカー
<例文>
私は「ものづくりを通じて人々の暮らしを豊かにしたい」という想いから、貴社を志望しています。大学では化学を専攻し、研究室で新素材の開発に取り組む中で、仮説検証を繰り返しながら課題を解決する面白さを実感しました。貴社は「生活者の声」を徹底的に重視した商品開発に強みがあり、独自の開発体制によって市場ニーズに素早く応えている点に魅力を感じています。研究で培った粘り強さと論理的思考力を活かし、生活者の課題を解決する商品開発に挑戦したいと考えています。
<ポイント>
- 業務への理解と関心:メーカーの「ものづくり」という本質に触れつつ、研究開発職への志望を明確化
- 専門性のアピール:大学での研究経験を具体的に示し、入社後の活躍イメージを持たせている
- 企業固有の強みへの言及:「生活者の声を重視した商品開発」という企業特有の強みに触れている
金融
<例文>
私は「企業の成長を金融の力で支えるプロフェッショナル」になりたいと考え、貴社を志望しています。大学時代、サークルの会計担当として財務管理を任された際、限られた予算の中で活動を最大化する方法を考え抜いた経験から、資金面から組織を支えることの重要性を実感しました。貴社は、顧客との深い信頼関係を基盤とした金融サービスに強みがあり、資産運用を通じて経済全体の好循環を生み出しています。数字を読み解く力と課題解決力を活かし、顧客に最適な提案ができる人材になりたいと考えています。
<ポイント>
- 企業理念への理解:「金融のプロフェッショナル」という金融業界で重視される価値観に言及
- 原体験との接続:サークルでの会計経験を、金融への関心につなげて説得力を持たせている
- 成長意欲の提示:「顧客に最適な提案ができる人材」という具体的な目標を示している
IT・通信
<例文>
私は「テクノロジーの力で人々の生活を便利にしたい」という想いから、貴社を志望しています。大学時代、プログラミングサークルで地域の高齢者向けにスマートフォン講座を企画・運営した経験から、ITが人々の生活を便利にする可能性を実感しました。貴社は、通信インフラという社会基盤を支えながら、DXを通じた社会課題解決にも積極的に取り組んでいる点に魅力を感じています。チャレンジ精神と課題解決力を活かし、デジタル技術で社会や顧客の課題を解決するサービスの提供に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 業界への関心を具体化:「テクノロジーで社会課題を解決」という志向を明確に示している
- 原体験の活用:プログラミングサークルでの具体的な活動を通じて、ITへの関心を裏付けている
- 企業の強みとの接続:通信インフラとDXという企業の事業領域に触れ、志望の説得力を高めている
マスコミ・広告
<例文>
私は「情報発信を通じて人の心を動かし、社会に影響を与えたい」という想いから、貴社を志望しています。大学時代、学内メディアの編集長として記事制作に携わり、取材した学生の想いを多くの人に届けることのやりがいを実感しました。特に反響が大きかった企画では、読者からの声を受けて社会問題への関心が広がるという体験をしました。貴社は、時代の最先端を捉えたコンテンツ制作力に強みがあり、クリエイティブな広告展開で業界をリードしています。企画力と取材力を活かし、人々の心を動かすコンテンツ制作に挑戦したいと考えています。
<ポイント>
- 情報発信への熱意:「心を動かし、社会に影響を与える」という志望動機の核を冒頭で提示
- 具体的な経験:学内メディアでの編集長経験を通じて、即戦力としての期待を持たせている
- 入社後の展望:「人々の心を動かすコンテンツ制作」という具体的な目標を示している
【職種別】志望動機の例文
職種ごとの適性やスキルをアピールする例文です。
営業職
<例文>
私は「顧客の課題を解決し、信頼関係を築く仕事がしたい」という想いから、貴社の営業職を志望しています。アルバイト先の飲食店では、お客様との会話を通じてニーズを把握し、おすすめの料理を提案することで、リピーターを増やすことに貢献しました。この経験から、相手の立場に立って考え、信頼関係を築くことの大切さを学びました。貴社は、顧客のビジネス課題を深く理解した上での提案を重視しており、単なる商品販売ではなく課題解決型の営業に強みがあります。傾聴力と提案力を活かし、顧客の課題に寄り添える営業担当者になりたいと考えています。
<ポイント>
- 職種への理解:「課題に寄り添い、信頼関係を築く」という営業の本質を捉えている
- 具体的な経験:アルバイトでの顧客対応経験を、営業職への適性として結びつけている
- 入社後のビジョン:「課題に寄り添える営業担当者」という具体的な目標を示している
企画職
<例文>
私は「ゼロから価値を創り出す仕事がしたい」という想いから、貴社の企画職を志望しています。大学のゼミで新規事業のビジネスプランを立案し、コンテストで入賞した経験から、アイデアを形にしていくプロセスの面白さを実感しました。市場調査からターゲット設定、施策立案まで一貫して取り組む中で、分析力と企画力を培いました。貴社は、データに基づいた企画立案と独自の発想力を融合させた商品開発に強みがあり、論理と創造性の両方を重視している点に魅力を感じています。分析力と企画力を活かし、消費者のニーズを捉えた新しい価値の創出に挑戦したいと考えています。
<ポイント>
- 企画職への適性:ビジネスプラン立案の経験を通じて、企画に必要なスキルを持っていることをアピール
- 論理と創造性のバランス:企画職に求められる2つの要素を理解し、両方の強みを示している
- 企業の強みへの言及:「データと発想力の融合」という企業特有の強みに触れている
技術職
<例文>
私は「技術の力で社会課題を解決したい」という想いから、貴社の技術職を志望しています。大学では情報工学を専攻し、卒業研究ではAIを活用した画像認識システムの開発に取り組みました。何度も試行錯誤を繰り返しながら精度を向上させていく過程で、技術開発の奥深さとやりがいを実感しました。貴社は、最先端の技術を活用した社会インフラを支えるシステム開発に強みがあり、技術力と社会実装力の両方を持っている点に魅力を感じています。専門知識と粘り強さを活かし、多様な技術を組み合わせたこれまでにないものづくりに挑戦したいと考えています。
<ポイント>
- 技術への情熱:研究を通じた具体的な取り組みで、技術職への適性を示している
- 試行錯誤の姿勢:開発プロセスにおける粘り強さをアピールしている
- 入社後の展望:「これまでにないものづくり」という挑戦意欲を示している
事務職
<例文>
私は「組織を支える縁の下の力持ちとして活躍したい」という想いから、貴社の事務職を志望しています。大学時代、サークルの会計・事務担当として、予算管理や備品管理、メンバーへの連絡調整を担当しました。地道な仕事ではありましたが、私の仕事によってメンバーが活動に専念できる環境が整い、感謝の言葉をもらえたときに大きなやりがいを感じました。貴社は、事務職のスキルアップ制度が充実しており、キャリアパスが明確で長期的に成長できる環境がある点に魅力を感じています。正確性と気配りを活かし、社員の皆さんが働きやすい環境づくりに貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 事務職への理解:「組織を支える」という事務職の本質的な価値を捉えている
- 具体的な経験:サークルでの事務・会計経験を通じて、適性をアピールしている
- 長期的視点:キャリアアップ制度への言及で、長く働く意欲を示している
マーケティング職
<例文>
私は「消費者のインサイトを捉え、価値を届ける仕事がしたい」という想いから、貴社のマーケティング職を志望しています。大学のゼミでSNSマーケティングの研究を行い、実際に地元企業のPRを担当した際、ターゲット分析に基づいた施策で認知度を向上させることができました。データ分析から仮説を立て、施策を実行し、効果を検証するサイクルの面白さを体感しました。貴社は、消費者理解に基づいたマーケティング戦略に強みがあり、消費者インサイトに基づいた戦略立案で市場をリードしています。分析力とクリエイティブな発想力を活かし、消費者の心に響く施策立案に挑戦したいと考えています。
<ポイント>
- マーケティングへの理解:「消費者インサイト」「PDCAサイクル」といった本質的な要素に触れている
- 実践経験:ゼミでの実際のPR担当経験を通じて、即戦力としての期待を持たせている
- データと創造性:マーケティングに必要な両面のスキルをアピールしている
【理由別】志望動機の例文
志望理由の切り口に応じた例文です。
企業理念・ビジョンに共感した
<例文>
私は「○○を通じて社会に貢献する」という貴社の企業理念に深く共感し、志望しています。大学時代、ボランティア活動で地域の課題解決に取り組んだ経験から、社会貢献を軸にした仕事がしたいと考えるようになりました。貴社は、理念を体現した事業展開を行っており、社員の方々が同じ志を持って働いている点に魅力を感じています。説明会で伺った「理念を自分事として捉える」という言葉が印象に残っており、私も理念の実現に向けて主体的に行動できる人材になりたいと考えています。
<ポイント>
- 理念への共感:企業理念を明確に示し、自分の価値観との重なりを表現している
- 経験との接続:ボランティア経験を通じて、社会貢献への志向を裏付けている
- 自分事としての姿勢:「自分事として捉える」という主体的な姿勢を示している
商品・サービスに魅力を感じた
<例文>
私は、貴社の○○というサービスに魅力を感じ、志望しています。実際にこのサービスを利用した際、利用者の立場に立った細やかな配慮と高い品質に感銘を受けました。このような価値を届ける側になりたいという想いが、貴社を志望する一番の理由です。貴社のサービスは、多くの人の課題を解決し、生活を豊かにしています。ユーザー目線を大切にしながら、さらに多くの人に価値を届けられるサービスの提供に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 実体験に基づく共感:実際にサービスを利用した経験を通じて、志望の本気度を示している
- ユーザー視点:「ユーザー目線を大切に」という顧客志向の姿勢を強調している
- 貢献意欲:サービス提供を通じた貢献という具体的な目標を示している
社風・働く環境に惹かれた
<例文>
私は「チャレンジを歓迎する」という貴社の社風に魅力を感じ、志望しています。大学時代、サークルで前例のないイベントを企画・成功させた経験から、新しいことに積極的に取り組むことの面白さを実感しました。説明会で社員の方から「若手でも意見を発信でき、新しいことに挑戦できる環境がある」と伺い、貴社であれば自分の強みを活かして成長できると確信しました。挑戦を通じて成長しながら、新しい価値の創出に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 社風への共感:「チャレンジを歓迎する」という具体的な社風を挙げて共感を示している
- 説明会での情報活用:実際に聞いた話を志望動機に盛り込み、調査の姿勢を示している
- 自分の価値観との一致:「挑戦し続ける姿勢」という自分の価値観との接点を明確にしている
成長できる環境だと感じた
<例文>
私は、充実した育成制度と若手にも裁量を与える環境に魅力を感じ、貴社を志望しています。大学時代の部活動で、困難な目標に挑戦し、仲間と切磋琢磨しながら成長できた経験から、「挑戦と失敗の積み重ねが自分を成長させる」と実感しました。貴社は、若手にも責任ある仕事を任せ、多様な経験を積める環境があると伺っています。挑戦を重ねながら専門性を高め、将来的には後進の育成にも貢献できる人材になりたいと考えています。
<ポイント>
- 成長意欲の提示:「挑戦と失敗の積み重ね」という成長への考え方を示している
- 具体的な情報の活用:「若手にも責任ある仕事を任せる」という企業の特徴に触れている
- 長期的なビジョン:「後進の育成」という将来像まで描いている
社会貢献・人の役に立ちたい
<例文>
私は「人々の生活を豊かにする仕事がしたい」という想いから、貴社を志望しています。大学時代、地域の高齢者支援ボランティアに参加した際、「ありがとう」という感謝の言葉をいただき、自分の行動が誰かの役に立つ喜びを実感しました。貴社は、○○事業を通じて多くの人々の日常を支えており、人々の暮らしを便利にするサービスで生活を豊かにしている点に魅力を感じています。相手のニーズを汲み取り行動する力を活かし、さらに多くの人々の役に立てる事業の推進に貢献したいと考えています。
<ポイント>
- 原体験の活用:ボランティア経験を通じて、社会貢献への志向を具体的に示している
- 「人の役に立ちたい」の具体化:抽象的になりがちな理由を、具体的な経験で裏付けている
- 企業の事業との接続:企業の事業内容と自分の志向を結びつけている
よくある質問
就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。
志望動機の欄がない履歴書を使ってもいい?
志望動機欄がない履歴書(厚生労働省推奨など)の使用は問題ありません。その分、自己PR欄などでアピールしましょう。ただし、面接では必ず聞かれるため、回答の準備は必須です。志望度をアピールしたい場合は、あえて志望動機欄のある履歴書を選ぶのも戦略の一つです。判断に迷う場合は、就活エージェントに相談して客観的なアドバイスをもらうとよいでしょう。
「給料がいいから」「家から近いから」は書いてもいい?
待遇や立地のみを志望動機にするのは避けましょう。「条件が良ければ他社でもいいのでは?」と思われます。これらは「成果が正当に評価される環境」「通勤時間を仕事のパフォーマンス向上に充てられる」など、前向きな表現に変換して伝えるのが賢明です。表現の仕方に悩む場合は、就活エージェントに相談すると、企業に響く言い換え方を一緒に考えてもらえます。
他の人と志望動機が被っても大丈夫?
人気企業の魅力は共通しているため、志望動機が似ることはよくあります。重要なのは、そこに「自分らしさ」を加えることです。同じ理由でも、自分の経験や価値観と結びつけることでオリジナリティが生まれ、差別化できます。自分らしさの出し方がわからない場合は、就活エージェントに相談して、あなたならではの強みを引き出してもらうのも効果的です。
例文を参考にする程度ならOK?
例文を参考にすること自体は問題ありませんが、コピペは厳禁です。バレるリスクが高く、自分の言葉でなければ面接で答えられません。あくまで構成や表現のヒントとして活用し、内容は自分のエピソードに基づいて作成しましょう。例文からどう自分の言葉に落とし込むかわからない場合は、就活エージェントに添削を依頼すると、改善点が明確になります。
面接では何分くらいで話すべき?
面接での回答は1〜2分程度が目安です。長すぎると要点が伝わりません。アピールしたいことをすべて話そうとせず、結論を中心に簡潔にまとめましょう。詳細は追加質問で深掘りしてもらうスタンスが適切です。話す長さや内容の整理に不安がある場合は、就活エージェントとの模擬面接でフィードバックをもらうと効果的です。
志望動機で話を盛っても大丈夫?
嘘や過度な誇張は推奨しません。面接官は多くの学生を見ており、不自然な点は見抜かれます。信頼を失うだけでなく、入社後のミスマッチにもつながるため、誠実に自分の言葉で伝えることが大切です。自分のエピソードに自信が持てない場合は、就活エージェントに相談すると、経験の魅力的な伝え方をアドバイスしてもらえます。
監修:成田 駿
元日系大手人事/就活サポーター
日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。
協力:NPO法人en-courage
全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。