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「ガクチカ」と「自己PR」って何が違うの?――混同しがちな2つの質問の本質を解説
就職活動でよく問われる「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」と「自己PR」。
どちらも自分の経験をもとにアピールするものですが、内容が似てしまったり、同じエピソードを書いてしまったりしていませんか?
実はこの2つ、企業が見ているポイントは大きく異なります。
それぞれの設問が何を意図しているのかを理解しないまま、同じような文章を使い回してしまうと、評価されにくくなってしまうのです。
まず、「自己PR」は、その名のとおり「入社後に活躍できるか」を伝えるための設問です。
あなたの性格やスキル、強みが、社会人としてどのように活かせるのか。企業の求める人物像に合致しているかどうかが重視されます。
企業は、「この人は自社で成果を出してくれそうか?」という視点で、自己PRを見ています。
一方の「ガクチカ」は、成果だけでなく“その過程”や“価値観”に注目する設問です。
何を頑張ったのか、どのように向き合い、どんな工夫や試行錯誤を重ねたのか――。そこにあなたが大切にしている考え方や行動の癖が表れます。
つまり、企業がガクチカから知りたいのは、「あなたがどんな価値観で物事に向き合う人か」ということ。
その価値観が社風や仕事にフィットするかを見極めているのです。
ではなぜ、企業は“価値観”に注目するのでしょうか?
この疑問に答えるために、元日系大手の人事として新卒採用の現場で多くの学生と向き合い、現在はen-courageの就活サポーターを務める宮田さんにインタビューしました。
「人事が本当に見ているガクチカのポイント」や、「評価されるガクチカを書くコツ」について、詳しく解説していただきます。
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人事が明かす「ガクチカ」の本当の評価基準 〜就活生が見落としがちな2つの視点〜
「学生時代に力を入れたこと(=ガクチカ)」は、就職活動においてほぼ必ず問われる設問のひとつです。
では、企業はこの問いを通じて何を見ているのでしょうか?
実際に新卒採用に携わってきた人事の方へのインタビューをもとに、評価の視点は大きく2つあることがわかりました。
【評価視点①】成果に至るまでのプロセスは妥当か?
まず企業が注目するのは、「どんな成果を出したか」だけではなく、その成果に至るまでの過程が妥当だったかという点です。
なぜなら、社会人にとっても「成果」と「プロセスの妥当性」は評価の軸になるからです。
どんなに良い結果を出していたとしても、それが偶然によるものや再現性のない方法だった場合、入社後に同じ成果を出せるとは限りません。
逆に、しっかりとした考えのもとで試行錯誤を重ね、納得感のあるプロセスを踏んだうえで成果を出しているのであれば、その力は社会人になってからも活かせると判断されます。
特に新卒採用では、学生の「仕事での実績」は存在しません。そのため企業は、「学生時代の取り組み」の中で、
どのように考え、
どう行動し、
どんな工夫をして、
どんな成果を出したのか
を丁寧に見ているのです。
【評価視点②】その経験から、あなたの“価値観”や“スタンス”が見えるか?
もうひとつの重要な視点は、「その経験にどんな想いで取り組んだのか」「どんな価値観が根底にあるのか」です。
たとえば、「アルバイトで接客を頑張った」というガクチカは、多くの学生が語るオーソドックスなエピソードです。
しかし、企業が知りたいのは「接客をした事実」ではなく、なぜそれに本気で取り組んだのかという背景です。
たとえば――
「アルバイトとはいえ、お客様に満足してもらうことに責任を持ちたいと思った。
売上にも関わる以上、スタッフとしてできる限りの接客改善に取り組んだ。」
このように、自分なりの責任感やこだわりが伝われば、“仕事に当事者意識を持てる人”という印象になります。
企業はこのようなエピソードから、あなたが仕事に対してどんな姿勢を持ち、どんな価値観で物事に向き合う人なのかを探ろうとしています。
ガクチカは、単なる「努力の記録」ではなく、あなたらしい価値観をにじませるエピソードなのです。
ガクチカはどう書く? 就活で差がつく「STAR法」の使い方を解説!
「ガクチカって、どう書けばいいのかわからない」
そう感じる就活生は少なくありません。
特に、「特別な経験なんてない」「ESに書けるようなことをしてこなかった」と悩む人も多いのではないでしょうか。
でも安心してください。ガクチカに“すごい実績”や“珍しい体験”は必要ありません。
企業が見ているのは、経験そのものの派手さではなく、その経験にどう向き合い、どう成長したかです。
サークル活動でも、アルバイトでも、ゼミでも、あなたが本気で取り組んだ経験なら十分に価値があります。
では、どうすればその経験を伝わる形でESに落とし込めるのでしょうか?
そこで活用したいのが、「STAR法」と呼ばれるフレームワークです。
これは、就活の自己表現において、論理的かつ印象的に自分の経験を伝えるための基本構造です。
STAR法とは?
S:Situation(状況)
T:Target & Task(目標・課題)
A:Action(行動)
R:Result(結果)
この4つのステップに沿ってガクチカを整理することで、採用担当者にとって「読みやすく、評価しやすい」ESが作れます。
では、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1. Situation(状況)
まずは、あなたがどんな活動に取り組んだのか、その背景や全体像を具体的に伝えましょう。
「いつ・どこで・誰と・何をしたか」が簡潔に伝わるように書くことが大切です。
加えて、可能であれば成果を数値で表すと、より説得力が増します。
例:「〇〇サークルで広報担当として活動し、SNSのフォロワーを半年で500人増やしました。」
2. Target & Task(目標・課題)
次に、その経験の中で自分がどんな目標を立て、どんな課題に直面していたかを示しましょう。
この部分を丁寧に描くことで、あなたが何を重視し、どこに挑戦したのかが伝わります。
例:「イベント集客数が伸び悩んでいたため、SNS運用による認知拡大を目標にしました。」
3. Action(行動)
ここがガクチカの中でも特に重要なパートです。
課題に対して、あなた自身がどんな工夫や行動をしたのかを具体的に書きましょう。
どんな役割を担っていたか
チームにどんな働きかけをしたか
どんな工夫や改善をしたか
さらに、その行動を取った理由や背景にある価値観も伝えられると、あなたらしさがより伝わります。
例:「一方的な告知では届かないと考え、読者目線でのコンテンツ企画に切り替えました。」
4. Result(結果)
最後に、あなたの行動がもたらした結果や変化を伝えましょう。
ここでは、成果だけでなく、そこから得た学びや成長にも触れると、より深みのあるエピソードになります。
例:「フォロワー数が1.5倍になり、イベントの参加者も過去最多を記録。数字だけでなく、顧客視点の大切さを実感しました。」
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例文で理解!人事に刺さるガクチカの書き方 STAR法で魅せる構成とは?
上記のSTAR法を念頭に置いて作成した「ガクチカ」の例文は以下のようになります。
▼Situation
私が学生時代に力を入れたことは、ベンチャー企業での営業のインターンです。
中でも私が学生チームのリーダーとして、学生チーム全体の売り上げ目標100万円の達成に導きました。
私が入社した直後は、月当たり100万円の売り上げ目標が達成できていない状態でした。
▼Target & Task
その原因は新人の育成不足にあると考えました。
▼Action
そこで組織全体の課題を解決するための行動を起こすことがリーダーの責任と考え、私は週一回の勉強会を企画しました。
勉強会の設計に当たって、全社員へのヒアリングに基づいた商材知識や、営業ノウハウの共有を行いました。
▼Result
その結果、徐々に勉強会で知識を得た新人が売り上げを伸ばし、社内にお互いの成果を競い合う空気感が作られたことで、月当たり100万円の売り上げ目標を達成しました。
マネジメントという仕事は、組織全体を高めるという視点を持ち実行することが成果に直結するのだと学びました。
解説:このガクチカはなぜ評価されるのか?
この例文が好印象を与える理由は、大きく2つのポイントを押さえているからです。
① 成果に至るまでのプロセスが論理的
課題の原因を明確にし、それに対する具体的な行動を起こして成果を上げた流れが、一貫したストーリーとして描かれています。
これは、企業が重視する「プロセスの妥当性」をしっかりと示している好例です。
② 行動の背景に“スタンス”や“価値観”がにじんでいる
「リーダーとしての責任感から行動した」という一文に、当事者意識や主体性が表れています。
単なる成功体験の自慢ではなく、「なぜそう考えたのか」「どんな想いで取り組んだのか」が伝わることで、人柄や仕事への姿勢が評価されやすくなります。
まとめ
このように、STAR法に沿ってガクチカを整理すると、経験の価値がしっかり伝わるエピソードになります。
特に「成果を出すまでのプロセスの妥当性」と「あなた自身の価値観・スタンス」が読み取れるように意識しましょう。
実績の大小ではなく、どう向き合い、どう考えて行動したか。
そこにこそ、人事が見ている“あなたらしさ”がにじみ出ます。
エピソード別・ガクチカ例文集|内定者の実例から学ぶ伝え方のコツ
ここでは、実際に内定を獲得した先輩たちのガクチカ例文を、エピソードの種類ごとにご紹介します。
サークル、アルバイト、ゼミ、留学など、さまざまな背景を持つ先輩たちがどのように自分の経験を言語化しているのか、ぜひ参考にしてみてください。
大切なのは、そのまま真似することではなく、
どんな構成で書かれているか
どこに価値観や工夫がにじんでいるか
自分のESとどこが違うか
といった視点で読み、自分のガクチカを磨くヒントを得ることです。
▼研究
学部四年次からの研究に力を入れました。指導教官が非常に忙しく、週に2日しか会えない状態でしたが、短時間でより直接多くの相談ができるよう毎週進捗報告を行いました。これにより短期間の研究にもかかわらず研究成果を出し、国際会議で英語の口頭発表を行いました。最後まであきらめずに、昼夜土日を含めて発表準備をすることで、学部四年では極めて異例の事ながらBest Student Award を受賞しました。
▼サークル立ち上げ
私が力を入れたことはサークル活動です。バドミントン好きな全員が楽しめる環境を作りたい、という思いでサークルを立ち上げました。最初は約30人しか集めることができませんでした。そこで人を増やすために3つのことに取り組みました。ツイッターでアカウントを作成し、松山大学の学生をフォローして知名度を上げること。LINEグループを作成して投票の機能を使ったり、活動時に直接コミュニケーションを取ったりして参加者の要望を聞き出すこと。必要な道具やコートなどの準備物を充実させたり、初心者と経験者混合での団体戦を行ったりして、より良い環境作りを徹底することです。その結果約135人まで集めることができ、バトミントンを通して笑顔やネットワークを広げることができました。この経験を通して「人のために行動する」ことを原動力にして、積極的にチャレンジする姿勢を身に付けることができたと同時に、これからの人生の糧にしたいです。
▼留学
私は、1年間カナダのフランス語圏に交換留学をした。留学当初、フランス語が苦手だった私は自由に意思疎通できないことに非常に悔しさを感じた。その悔しさをバネに、積極的に現地の人と会話をする時間を毎日3時間以上作ることで語学の向上に邁進した。結果的に語学クラスでの評価をCからAまで上げることができた。更に、フランス語でより多くのことを学ぼうという向上心が芽生えて現地生と同じ授業を履修した。学術的な語学レベルの高さゆえに最初は授業について行くのに必死で、提出したレポートもC評価だった。しかし、このまま交換留学生という理由で妥協したくはないと思い、何十時間も文献調査やレポート作成に費やした。その中で、日本では学べなかった視点や解釈を知ることができ、「学ぶ楽しさ」を実感して勉強にのめり込んでいた。その結果、B評価という現地学生に引けを取らない成績を得ることができた。
▼WEB媒体の新規立案・運営
東北大学志望者の進路選択サポートを行うWEB媒体の新規立案・運営です。東北大学では以前、高校生が東北大生に質問できる機会がないという問題があり、私も受験前に不安を抱えました。同じ不安に苦しむ後輩を少しでも減らしたいと考え、志望者が大学生に直接質問できるWEB媒体を立案しました。50名の団体の中で10名のチームを編成し、私は責任者としての役割を持って運営しました。この活動の困難だった点は、情報の信頼性の確保でした。そこで、回答の校正フローに工夫を加え、より良い活動を目指しました。この活動を通し、チーム力を高めて課題を解決する方法と、その面白さを学びました。
▼資格の取得
簿記2級の資格取得の勉強に注力しました。簿記3級の資格取得後、2級の合格に向けて大学3年生の9月から授業後、週2日専門学校に通い、帰宅すると22時近くになっていました。また、授業数も多く、出される課題も多かったことから大学との両立が上手くできず試験の結果は不合格でした。その際、なぜ合格できなかったのかを冷静に反省しました。次の試験で合格を手にするために2点工夫をして、勉強を継続しています。第1に、苦手な部分をノートに書き出し分析し、不得意なところを無くすことに専念しています。第2に、今日やるべきことなどを1日の始めに紙に書き勉強の計画を立て、大学の課題は空き時間を利用するなどの工夫をしてその日のうちに終わらせるようにしています。この経験から、自分に合った方法を見つけ、打開策を考えて効率よく取り組むことと、最後まで諦めずに目標に果敢にチャレンジすることの大切さを学びました。
▼予備校のアルバイトリーダー
予備校のアルバイトリーダーとしてスタッフ20人を統率し、低学年生徒140人の模試成績を県内最下位から1位にしたことだ。校舎全体が受験直前の高3生ばかりに目がいき、低学年指導が疎かになっていることが県内最下位の原因と考えた。そこでスタッフの中に私と同じ熱量を持って低学年指導を行える「分身」を作ることにした。まず生徒の努力量を表すデータを見せて危機感を持たせた。次に事務作業をエクセルを用いて簡易化することで指導に専念できる環境を整えた。また指導の好事例共有をしてスタッフを褒めることで成功体験を作り、さらなる行動意欲に繋げた。スタッフ全体が高い熱量で指導することで生徒も危機感を抱き、勉強への姿勢に変化が表れた。その結果、2か月後の模試で校舎平均点県内1位の成績を収めることができた。この経験から、チームで結果を出すためには共通認識を与え、当事者意識を持たせるように働きかける大切さを学んだ。
▼部活動
大学の陸上競技部において、人に勇気を与えられるような結果を残せるよう努力しました。私は中学と高校でも陸上競技部に所属していましたが、思った様な記録を残す事が出来なかった為、練習メニュー、生活スタイル、食生活を見直し、自己ベストを出すために大学でも陸上競技部に入りました。しかし1年生の春に全治半年の怪我をしてしまいました。一時期は部活を辞めようか悩みましたが、今まで自分は何を目標にしていたか振り返りました。「人に勇気を与えたい。」それが僕の目標でした。どんなにポテンシャルが低く、怪我をしても良い結果を出せば同じ様に悩んでいる人に勇気を与えられると信じ、辛いリハビリを乗り越える事が出来ました。
▼教育実習
私は教育実習において、生徒が自らの意見を持ち、それについて自分の言葉で発信できるという理想の基、「冷戦終結から平成終わりまで、君ならどんな時代と名付けるだろう。」と生徒に投げかけた。実習前の私は自分の言葉で授業を進めるスタイルで生徒達の学びの理想には遠かった。課題として、教師が投げる発問の質を挙げた。授業の展開を無視した教科書太文字を答えさせる発問の数々は生徒の思考を必要とせず、良質な学びに繋がらない。そこで、敢えて抽象度の高い発問を授業のメインに配置し、その発問を生徒自らの言葉で導き出せるような足場かけを前半に散らした。実際の50分では、予想外の生徒の答が多々あり、答え方は十人十色であったが、どうしてその考えに至ったのかを自分なりに一生懸命説明する生徒の姿があり、結果として自分の理想とする授業が叶った。これより、私は理想を設け、それに向けて課題解決出来る力を得ることが出来た。
▼大学生協
私が学生時代に最も打ち込んだことは、大学生協で行っている、新入生のサポートを行う新入生サポートスタッフ活動です。なぜなら、新入生の不安を取り除き、期待を持って大学生活に臨んでもらえるよう意識して活動したからです。私はこの活動を始めた頃、新入生の不安を上手く聞き出せず苦労しました。そこで、原因を見つけるために毎回の活動後に振り返りを行い、抽象的な質問の仕方をしていたため大学生活をイメージできていない新入生は答えにくいことが原因だと気づきました。その後、選択肢のある質問の仕方に変えました。そうすることで新入生が何を不安に思うかが分かり、不安を取り除くことができ新入生に「大学生活が楽しみになった」と言ってもらえることができました。このことから、私が学生時代に最も打ち込んだことは新入生サポートスタッフ活動です
▼ビジコン
ビジネスコンテストの運営メンバー9人の中で、資金調達係として、クラウドファンディングを行い、目標金額10万円を調達した。ビジネスコンテストの開催にあたり、その資金10万円が必要になった。前回メンバーによる資金調達は、目標の10%の達成率であり、達成しなければ、開催が難しくなるという状況であった。必要不可欠な役割を自分が果たすことで、メンバーに貢献したいと思い挑戦した。メンバー1人につき5人に声かけを行い、3人パトロンを獲得することを目安にした。募集期間が2週間と短く、メンバーの声かけが芳しくないという課題があったが、進捗の確認と共有を行うことでメンバーとの信頼関係を構築し、支援者拡大を促進した。結果、期限内に7人のパトロンから10万円をご支援いただくことに成功し、コンテストも成功させることができた。以上の経験から組織で活動を成功させるために周囲に向き合う大切さを学んだ。
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書き出す前に必ず確認!伝わるガクチカをつくるための3つの準備
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を書き始める前に、準備をおろそかにしてしまうと、読み手に伝わりづらい内容になる恐れがあります。
いきなり書き出すのではなく、自分自身や企業について深く理解し、論理的に伝える土台を作ることが大切です。
ここでは、ガクチカ作成前に行っておくべき3つの準備について紹介します。
▼準備①:自分を深く知る「自己理解」
ガクチカの内容には、自分らしさが表れるエピソードを選ぶ必要があります。
そのためには、自分の考え方や価値観を整理する「自己理解」のプロセスが欠かせません。
以下のような方法で、自分の過去や思考を掘り下げてみましょう。
「なぜ?」を繰り返し問い、自分の行動の根底を探る
自分史を作成し、経験を時系列で整理する
思考の広がりを可視化するマインドマップの作成
他者からの評価とのギャップを知る「ジョハリの窓」の活用
感情の変化を見える化するモチベーショングラフの記録
▼準備②:採用側の視点を知る「企業理解」
企業が求める人物像に合致したエピソードを届けるには、企業の理解が不可欠です。
表面的な情報だけではなく、背景やビジョン、求めるスキルなども押さえましょう。
具体的には以下の情報源を活用するのがおすすめです。
企業の公式サイト(理念や事業内容など)
投資家向け情報(中長期的な戦略や課題感)
就職情報サイトの企業ページ
OB・OG訪問による生の声
▼準備③:説得力ある文章にする「論理的思考力」
ガクチカでは、どんな経験を伝えるか以上に「どう伝えるか」も重要です。
論理の通った構成や明快な言い回しは、読み手の理解を助けます。
論理的に伝える力を養うために、次のような習慣を取り入れてみましょう。
ロジカルシンキング関連の書籍を読み、型を理解する
普段の出来事や考えを言語化して整理する癖をつける
「本当にそうか?」と問いながら物事を見る視点を持つ
“何を書けばいいかわからない”あなたへ──自分だけのガクチカを見つける6つのヒント
「学生時代に力を入れたこと」と言われても、すぐに思い浮かばない方も少なくありません。
そんなときは、自分の過去を振り返りながら、印象に残っている経験を手がかりにするのが効果的です。
ここでは、自分ならではのガクチカを見つけるための6つの視点を紹介します。
1. 自分の強みが活かせた経験
特別な成果がなくても、得意なことを発揮できた場面は立派なエピソードになります。
2. 周りから評価された経験
自分では何気ない行動だったとしても、他人に褒められたことは客観的な強みの証拠です。
3. 最も多くの時間を費やした経験
長く続けたことには自然とスキルや姿勢が表れます。
4. 試練を乗り越えた経験
困難や失敗の中から得た学びは、成長の証として伝わります。
5. 特別な思い入れがあった取り組み
結果ではなく、過程や想いの強さが価値を生むこともあります。
6. 少し珍しい経験
ユニークな体験が印象に残るきっかけになる場合も。ただし、語るべきは経験そのものではなく「そこから何を学んだか」です。
「ガクチカが思いつかない…」そんなときに試したい2つの対処法
「学生時代に頑張ったことがない気がする」「自信を持って話せるエピソードが見当たらない」
そんな悩みを抱える就活生は決して少なくありません。
ここでは、ガクチカが見つからないときに試せる2つのアプローチをご紹介します。
アプローチ①:過去の経験を掘り下げてみる
大学生活に限らず、高校や中学時代の出来事にも目を向けてみましょう。
企業が知りたいのは、成果の大きさではなく、「どう考え、どう行動してきたか」という過程です。
※大学時代の話をまったく出さない構成には注意。補足として現在の姿勢や学びを少しでも加えると、説得力が増します。
アプローチ②:新しく「ガクチカになる経験」をつくる
インターンに参加する
ボランティアに挑戦してみる
資格取得に向けて勉強を始める
新しいアルバイトに挑戦する
ゼミ・研究活動に真剣に取り組む
どんな小さな行動でも、自信と成長につながります。
そのガクチカ、大丈夫? 書くときに注意したい7つのチェックポイント
1. 誤字・脱字がないか必ず見直す
2. 高校以前の話だけに頼らない
3. 指定された文字数の9割以上は書く
4. 結果や変化を示せない話は避ける
5. 話を盛りすぎない
6. 企業との相性を意識したエピソードを選ぶ
7. 専門用語は一般的な表現に置き換える
上記のポイントを、ES提出前の最終チェックに活用してください。
まとめ:等身大の自分を伝える“ガクチカ”を、自信を持って届けよう
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、単なる経験談ではなく、あなたの価値観や思考プロセス、行動スタンスを企業に伝えるための材料です。
評価されるガクチカには共通して、
再現性のある“成果に至るまでのプロセス”
自分の「仕事観」や「スタンス」がにじみ出る価値観
が含まれています。
一方で、誇張や曖昧な表現、企業とのズレた内容、誤字脱字といった細かなミスは、評価を下げてしまう要因になります。
だからこそ、ガクチカを書く前に自己分析や企業研究を行い、「なぜ自分はその経験に力を入れたのか?」を言語化することが重要です。
STAR法といったフレームワークを活用すれば、伝わりやすく、構造のある文章が仕上がります。
ガクチカが思い浮かばないときは、過去を掘り下げたり、新しい挑戦を始めたりして、これからガクチカをつくっていくという選択肢もあります。
最終的に企業が見ているのは、「この人と一緒に働きたいかどうか」。
その判断材料となるガクチカだからこそ、経験の大きさではなく、あなたの姿勢と誠実さを丁寧に伝えることを心がけましょう。
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