ビジネス現場における「責任感」の定義
責任感は日常の場面でも用いられますので、ビジネス場面を想定することがポイントです。企業活動における責任感というと、最後まで仕事を全うすることが想起されます。
自分に任された仕事を最後までやり遂げるというのは基本中の基本です。簡単な仕事はそんなにたくさんありません。成果を出すのが難しい仕事であっても、途中で投げ出すことがあってはなりません。責任感があってこそ、周りから信頼されます。
そのため「責任感」を自己PRの中心にすることは効果的なアプローチでしょう。ただ一方で「責任感」を伝える際に注意するべきポイントがあります。
ポイントの1点目は、「何に対する責任感か」を明確にすること。 就活生が自己PRで責任感という言葉を用いるときに、何に対する責任感なのかが不明瞭な場合が散見されます。
企業では、「結果」に対する責任感が求められます。与えられた役割を果たしただけでは責任感がある、ということにはなりません。
目標に届かないような事態や、トラブルや想定外の事態があったときに、与えられたタスクだけでなく、自分で考えて、主体的に求められる成果に向けて行動できることが責任感の強い人のイメージです。
自己PRでは責任感があることを、「責任感」という言葉だけで表現するとありきたりになりがちです。「自分事ととらえる」「時間をまもる」「あきらめない」「結果にこだわる」「納期を守る」というようなエピソードの自己PRは、ビジネス現場での責任感を想起しやすいので、アピールポイントが高いです。
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「責任感」を自己PRで伝える際のポイント
例文を真似る前に、自己PRで責任感を伝える重要なポイントを確認しましょう。
・何に対する責任感があるのかを冒頭に伝える 自己PRの冒頭で強みを述べるときに、「私は責任感があります」だけではぼんやりしています。責任感という言葉は汎用性が高いので、この言葉を使う就活生は多いです。
エピソードに基づいて、「私は○○に対する責任感があります」とするほうが、具体的でそのあとの内容に引き込まれやすくなります。例えば「私は目標達成に向けた責任感が強いです」とするほうが、アピールポイントは高いです。
・責任感を示す具体的な行動を入れる 責任感があることで、何か具体的な行動を取ったはずです。「最後までやりとげた」だけでなく、エピソードの一場面を切り取って「○○をしました」という具体的な行動のアピールが自己PRでの重要ポイントです。
例えば「ゼミ発表を絶対成功させたかったので、メンバー全員のタスクとスケジュール管理をした」や、「お店の売上目標を達成するために、○○という工夫をした」というように責任感を示す具体的な行動をアピールしましょう。
・責任感があることで得られた成果・結果についても述べる 仕事においては、結果に対する責任が求められますので、「責任感がある」ことを示すためには責任感があることで得られた成果・結果を自己PRに入れ込むことがポイントです。
ただし、結果だけを強調しすぎて、途中のプロセスが浅くならないように注意してください。
・責任感から生まれた課題意識や動機を入れる 企業人事は、出来事に対する課題意識や動機から、その人の価値観を判断することが多いです。例えば「アルバイトの目標達成を目指した」というエピソードであれば、企業人事はなぜ目標達成を目指したのかということを知りたいと感じます。
「よいサービスなので広く知ってほしかった」なのか、「絶対ほかの人には負けたくなかった」なのか、「バイトリーダーの仕事を全うしたかった」なのか、それによって印象は変わります。ポイントは責任感という言葉を使うことではなく、課題意識や動機から責任感があることを印象付けることです。
・責任感を発揮したことで周りにどのような影響を及ぼしたのかを入れる 責任感を表現しようとしたときに、ついつい自己完結した自己PRになりがちです。例えば、「周りは積極的ではなかったので自分1人だけが頑張った」というようなストーリーです。
責任感とは、その人本人が持つ資質・強みなのでそれでよいのですが、仕事は常に他者との関わりで進んでいきます。責任感が発揮されたときに、周りにどのような影響を及ぼしたのかを入れることで、企業人事は仕事のイメージが沸きやすくなり、アピールポイントが高まります。
「責任感」は短所になりうる?注意したい自己PRでの伝え方
責任感は汎用性が高く、自己PRでアピールするには使い勝手がいいです。しかしその一方で、時としてマイナスなイメージももたらします。自己PRで用いる際の、注意すべきポイントを確認しましょう。
・1人で抱え込む 企業の人事はあらゆるリスクを考えます。自己PRで責任感をアピールしている学生に対して、責任感が強すぎる印象を持つと「1人で頑張りすぎるのではないか」「周りに相談できなさそう」というようなリスクも考えます。
最終的に、その人が早期離職することになっては、人事にとってマイナスポイントになるからです。責任感を発揮して周りと協力して何かを成し遂げたという自己PRであれば問題はありません。
・失敗したときに落ち込んでしまう 企業人事は責任感が強すぎる印象を持つと、反動も心配します。モチベーションの波があるのではないか、自己嫌悪に陥るのではないか、という印象を持ちかねません。
回避策としては、エピソード内容というより、面接のときの姿勢や表情がポイントです。笑顔が作れず暗い表情をしていると、人事の懸念が増します。明るい印象を持ってもらえるように、意識してアピールしましょう。
・融通がきかない 責任感が強い人は、成果にこだわることも多いです。仕事はチームでするもので、自分の部署だけでなく複数部署が関わります。成果にこだわるあまり、「自分都合の主張をするのではないか」という印象を持たれるとマイナスポイントになります。
回避策としては、共感する姿勢をアピールする、自分だけでなく他人のことも考える姿勢をアピールするとよいでしょう。
「責任感」で自己PRを書く際の例文
アルバイトとサークルの2つのパターンの例文を記載します。これまでの重要ポイントと注意ポイントを踏まえたうえで、例文を参考にして自己PRの完成度を高めましょう。
・責任感をアルバイトでアピールする自己PRの例文 私の強みは、目標達成に向けてチームを動かす責任感があることです。私は飲食店のアルバイトリーダーをしていました。そのお店は売上の目標を毎月達成をしていましたが、ある月の中旬に目標未達の可能性が高いことが分かりました。
全店で唯一毎月目標クリアを続けていたので、絶対に途切れさせたくありませんでした。私は目標達成のためには、アルバイトスタッフの工夫が不可欠と考えて、1品追加おススメのやり方を改善することをアルバイトメンバーに提案しました。
普段は店長からの指示に不満が出ることもあるのですが、私が目標達成への想いを伝えて盛り上げたので、メンバーも乗ってきてくれました。結果、メンバーが一丸となって売上目標達成を意識することになり、危機を乗り越え、最終的に年間の目標達成をすることができました。
このように、目標達成へこだわりを持ち、それをチーム一丸となって目指すことのできる責任感を活かして、御社に貢献したいと考えております。
・責任感をサークルでアピールする自己PRの例文 私の強みは、与えられた役割を超えて結果にこだわる責任感があります。私は野球サークルにマネージャーとして所属していました。学内のリーグ戦で勝てずに、前年に最下位となったことが課題でした。
私は選手ではありませんでしたが、今のチームメイトと勝つ喜びを分かち合いたいと強く感じていました。役割としてスコアはつけていましたが、チームとして客観的な分析はできておりませんでしたので、勝つためにどうすべきかデータの分析を行いました。
分析した結果を監督とキャプテンに伝え、練習方法の変更、試合での戦術の変更を提案しました。マネージャーの役割を超えた活動だったので、受け入れてもらうのに少し時間はかかりましたが、粘り強く1人1人に伝えて回りました。
データがあることでチームメイトの目線が合い、改善の機運が高まりました。結果、リーグ戦で3位まで浮上し、私はチームメイトから功労賞として表彰されました。
チームの中でマネージャーの立ち位置も上がりました。このように私は、結果にこだわり、自分で役割を考えられます。この責任感は御社での仕事でも生きると考えています。
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自己PRが上手く伝えられない そんなあなたに
本記事では、責任感を強みにして自己PRを作る方法をご紹介しました。いかがだったでしょうか。
ここで、
「私の強みは責任感じゃないかも、、、」
「なんとなくはわかったけど、自己PRを上手くつたえられる自信がない、、、」
そんな風に思う就活生も少なくないのでは。
就活以外で自己PRを行う機会などまずないので、上手く伝えられなくて当然です。
そこで、エンカレッジでは、自己PRを効率的に伝える方法についての記事をご用意いています。気になった方は是非ご一読ください。