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ベテラン人事が語る、新卒就活生に身に着けてほしい4つの能力

企業側がどんな能力を持つ新卒学生を採用したいのか?気になったことはありませんか?そこで、上場企業で10年人事を務める、山本さん(仮名)に「企業が新卒に対して求める能力」を聞きました

企業が新卒に対して求める4つの能力とは

ーでは早速本題に入ります。企業側はどんな能力を持つ新卒の就活生を採用したいのでしょう?新卒就活生に求める能力を教えてください。

山本:一般的なキャリア教育では「社会人基礎力」なる言葉を官民で定義していて、社会人に求められる能力が明確になってはいます。しかしながら、現実的に企業の採用担当者として採用活動時に、新卒に求める能力は「社会人基礎力」という様な高尚なものではありません。意外とシンプルなのですが、「違いを受け入れる能力」「ストレス耐性」「自分で学んでいく力」「自分で問題を解決しようとする積極性」の4つです。

ーそれでは、順番に解説していただいても良いですか?

1.「違いを受入れる力」 山本:まずは1点目の「違いを受け入れる力」について。大前提、社会人と学生との間にはいくつもの違いがあります。その中でも大きい違いは、付き合う相手を選べないという事です。

そして様々な考え方、価値観を持つ相手と仕事をするには、自分の考えの枠の中では到底収まらない事があります。その時に「考えが合わない」、「話が通じない」という事では残念ながら仕事は終わりません。その相手を説き伏せる、納得させる事が求められます。

なので、そういった人達との違いを一旦受入れる事が重要になります。希望をした企業に入ったものの、期待していた仕事ではなかったなどという事もあるかも知れません。それもある意味自分の希望との違いが生まれる瞬間です。

その場合にもまずは受け入れ、やってみる事で仕事の景色が変わってくるものです。つまり、自分の価値観やイメージとのギャップを受け入れ、行動する姿勢、これを新卒就活生に求めています。

2.「ストレス耐性」

山本次に新卒就活生に求めるのは、ストレス耐性です。最近多くの企業では、従業員のストレスを減らすよう躍起になってはいます。例えば、ハラスメントという言葉がはやり、国も躍起になってその防止対策に乗り出してきている。企業においても、ハラスメント研修などを通じて管理職に教育を行っています。

確かに職位を利用して部下、後輩への叱責などは看過できる事はありません。このハラスメント関係の問題はどの企業の人事担当者も頭を痛めています。つまり以前よりかは、仕事に対するストレスを減らそうとどこの企業も取り組んでいます。

しかし現状、新卒学生の方にも多少のストレス耐性を求めるのも現実です。体育会の学生の評価が高い理由もここにあるのが本音です。決して理不尽な叱責に耐えろという訳ではありませんし、そういった事象は許されなくなっていきます。

ただ、仕事をしていれば多少怒られる事はあります。その時にそれを受け流す様な力を持って欲しいというレベルの話です。怒られる時も「神妙な顔で話を聞いている素振り」で上長を眺めている位になると良いですね。

就活中にも面接、合否連絡など多くのストレスが掛かりますので、既にある程度は必要と思います。

3.「自分で学んでいく力」 ー次は、自分で学んでいく力について教えてください。よく「企業は学校ではない」と揶揄されますが、「自分で学んでいく力」とどういったことでしょう?

山本:例えば、入社当時は上司、先輩の指示に沿って資料を作るという様な仕事が多いのです。その場合に「指示通りに資料を作って終わるのか」のか、「資料を作りながらチームの状況、数値、もしくは商品情報を知るのか」では大きな違いが出てきます。

そこには作業で終わるのか、作業を通じて理屈、構造を知るという大きな差が発生します。できる人材は決して「慣れ」で仕事をしません。いつも「理由・理屈」を考えて仕事をしています。

例えば営業伝票を投入という事務作業があるとします。これは作業ではありますが、その伝票の積み上げが会社の財務諸表に繋がってくるのです。

その理屈を知っていれば、いずれ課長、部長、役員になった時に会社の財務諸表を見ることができるのです。社会人が自分で勉強をするのは中々難しいのですが、仕事を通じて知識、見識を深めていくチャンスは沢山あります。

自分で学ぶ力があれば、結果として仕事の質も深まっていくはずです。また社内教育制度が充実している企業であればそれらの機会は絶対に利用するべきです。

4.「自分で問題を解決しようとする意思」 山本:では最後に、「自分で問題を解決しようとする意思」について。当たり前のことですが、どの社会人でも必ず問題・課題に遭遇します。そしてその問題を解決する事こそが社会人の責務になります。

若いうちは上司・先輩にお願いする事もあるかも知れませんが、問題を解決しようと向き合う意思は必ず求められます。問題解決の手段は何でも良いのです。「上長を使う、同僚を使う、資料を使う・・・」要は自分が問題解決の当事者として動く意志さえあれば良いのです。

結果的にはそれが自分の評価に繋がってきます。我々人事担当者も採用を含めた多くの課題に日々直面し、その対応に苦慮しています。これらの能力は入社後に大きく伸びれば良いと考えていますので、採用活動中においては伸びる余地があるかを確認しているのが本音です。

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採用面接で企業が見ている新卒学生の能力とは?

ーここまでは社会人になるにあたって、新卒就活生に求める能力を伺いました。でも面接や採用プロセスの中で必要な能力と異なる部分もあると思っていて。採用面接を突破するためには、どんな能力やマインドセットが必要となるのですか?

山本:もちろん採用面接という限られた時間の中で学生の能力を正しく把握するのは相当難しい。しかしながら、採用面接時点での学生の持っている能力は測り、社会人としての適性を見て合否を判断していきます。

長年面接を行っていますが、「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」「チームワーク」「主体性」この4つのポイントは必ずチェックします。また、この能力の高い受験者は、採用担当が合否判定に迷うことなくスムーズに選考を突破できるでしょう。

1.「コミュニケーション」 山本:1点目はコミュニケーションの円滑さですね。採用面接は、面接官と受験者との会話で成り立っています。面接官の質問に対して受験者が回答をしながら、会話のキャッチボールを続けていきます。

質問に対して的を得た回答をしているか、分かりやすい説明ができているか、正しい言葉を使えているか・・・等を確認して、社会人として仕事をする際の大前提となるコミュニケーション(=会話能力)の基礎を測ります。

面接対策をやりすぎて面接仕様の受験者の話は時に判断が付かなくなる時があります。本人は完璧に準備をしたつもりでも、会話でなく演技となる事で採用対象の本質が見えなくなり、評価ができずに結果として合否判定で不合格をつける事がありますので、注意をしてください。

2.「困難などに立ち向かう力」 山本:これは、採用面接において「学生時代に頑張った事を教えてください」という質問で確認されます。部活、勉強、資格取得、教育実習、サークル、アルバイト・・・これらの経験の中で様々な困難を経験されたかと思います。

その困難に対してどの様に向き合い、どの様に克服をしたかを聞く事で、本人のストレス耐性、持続性、粘り強さなどを測ります。

ちなみに聞き手である面接官である人事と受験者である学生の間にある「困難」の感じ方のレベルには大きな差があります。特にアルバイトのエピソードで「売上げを倍増させた」「集客を倍増させた」というものを聞く事がありますが、面接官はあまり信じていません。

企業の営業成績をアルバイトの努力だけで大きく改善させるとは思っていないからです。無理に背伸びをしたエピソードを披露は逆効果の側面があります。

3.「チームワーク」 山本:これは「学生時代に頑張った事」「部活・サークルでの役職は?」といった質問で確認をされますが、団体やチームの中で協力をしながら自分の役割、責任を果たしてきたのか、受験者のチームワークの力を測ります。もしくはグループディスカッションの様な採用プロセスで確認されます。

会社ではずっと組織としての業務推進が求められます。新入社員のうちは上司・先輩へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底というところから始まりますが、いずれは部下を指導するレベルになります。

しかしいずれも組織に必要とされる能力です。独りよがりでもいけませんし、過度の組織依存でもいけません。職位にあったチームワークの取り方が求められるのです。

4.「主体性」 山本:これも「学生時代に頑張った事」という質問で確認されます。学生時代の活動の質問を通じて主体的に活動する能力を図ります。社会人になると早晩自分の意志を持った仕事が求められます。

どの様な事業を進めたいのか?どの様な取引を行いたいのか?自分の経験の上に成り立った明確な考えを打ち出す事はある意味では仕事の醍醐味でもあります。

社会人は仕事という枠の中で制限を受けながらも、その中で自分の意志を具現化していく事が一番のやりがいです。その根本である主体性の有無は入社前から採用担当者は気になるところです。

これまで4つの能力についてお伝えしたいことがあります。採用面接において合否結果を気にしてしまい、本来の自分を曲げて面接仕様になることは避けて下さい。就活はあくまで社会人のスタート地点を探すだけの事です。

自分を素直に表現し自分に合う会社で長く働く事こそが大事なのです。就活は入試の様に合否結果が全てではありません。企業には事業内容とは別にその会社の持つ風土があります。その風土に合わない企業に入社した場合は社内教育などで是正できるものではありません。

採用担当者にとってはせっかく採用した人材が合わないので退社をしますというのは最悪の結末ですから。

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学生と社会人における「コミュニケーション能力」の違いとは?

ー今あげて頂いた4つの中でも、採用面接を突破する上で「コミュニケーション能力が一番重要」といった認識が多くの就活生にあると思います。しかし、新卒就活生がイメージするコミュニケーション能力と社会人におけるコミュニケーション能力には違いがあるのでは?

山本:そうですね。採用活動の中では良く「コミュニケーション能力」が重要なキーワードとして知られています。一方で、学生と社会人の間におけるその能力は決定的な違いが2つあります。それは「コミュニケーションを取る相手が選べないという点」と「自分の考えを明確に伝える点」です。

学生時代のサークル、部活などはある程度共通した価値観を持った人間の集合体です。一方社会人で付き合っていくべき相手は様々です。「得意先」「仕入先」「上司」「先輩」いずれも「仕事」という共通項こそありますが、付き合う相手は利害関係者である事も事実です。つまり、自分の理論の中で動いている人達との中でコミュニケーションが求められるのです。

また社会人は労働の対価として給与をもらう事が大前提です。労働の対価とは業務上の成果です。「得意先と話をした」「上長に相談した」では仕事にはなりません。相手に明確に考え、意見を伝えた上で契約、販売につなげて成果につなげていくのです。

つまり、中途半端なやり取りでは成立しないのが社会人に求められるコミュニケーションです。採用面接を行っていると相手が嫌がる事を感じ取れる様な「雰囲気を読む力」をコミュニケーション上の強みと感じられる学生が多い気がします。

しかしながら、社会人にはその先のコミュニケーション力が求められる事を忘れないでください。こういった現状を踏まえるとキャリア教育の中で、社会の現実を伝えるプログラムをもっと行うべきと考えています。

ー山本さん、ありがとうございました。

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