就活の面接で必ず聞かれる「強み・弱み」。しかし、いざ考えようとすると「これといった強みがない」「弱みは何を言えばいいかわからない」と悩む人は少なくありません。
この記事では、自己分析・他己分析・一覧から選ぶ方法・弱みから変換する方法など、強み・弱みの見つけ方12選を紹介します。見つけた後の言語化のコツや、ES・面接での伝え方まで網羅しています。
今回は、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さん監修のもと、詳しく解説します。
就活における「強み・弱み」とは?
就活では必ずと言っていいほど「強み・弱み」を聞かれます。「人事時代、正しく理解できていないまま面接に来る学生は意外と多かった」と成田さんは言います。まずは基本から確認していきましょう。
強み・弱みとは:仕事で発揮できる能力とその裏返し
強みとは「仕事で発揮できる能力」のことです。課題発見力、行動力、分析力など、業務で成果を出すために役立つスキルや能力を指します。
弱みとは「強みの裏返し」です。たとえば、慎重に物事を進められる人は「判断に時間がかかる」、行動力がある人は「周囲への確認が不十分になる」といったように、強みと弱みは同じ特性の表と裏の関係にあります。つまり、強みを見つければ弱みも自然と見えてきますし、弱みから強みを導き出すこともできるのです。
強みと弱みはセットで考えると良い
強みと弱みは表裏一体の関係にあるため、セットで考えると一貫性のある自己PRができます。たとえば「行動力がある」人は「慎重さに欠ける」、「計画性がある」人は「柔軟な対応が苦手」といったように、同じ特性のポジティブ面とネガティブ面を整理しておきましょう。
長所・短所との違い
「強み・弱み」と「長所・短所」は、就活では明確に異なります。
- 長所・短所:性格や人柄を指す。例:「粘り強い」「せっかち」
- 強み・弱み:仕事で発揮できる能力やスキルを指す。例:「困難な状況でも成果を出す力」「スピード重視で正確性が疎かになる」
強みを聞かれた場合は「企業にどう貢献できるか」を意識し、仕事での活躍イメージが伝わる表現にしましょう。
自己PRとの関係性
自己PRと強みは密接に関係しています。自己PRは「自分の強みを企業にアピールする場」であり、強みこそが自己PRの核となる要素です。つまり、強みが明確であれば自己PRの説得力も増し、強みが曖昧なままでは自己PRもぼやけてしまいます。
企業が強み・弱みを聞く3つの理由
企業側の意図を理解することで、より効果的な回答ができます。成田さんは人事として、以下の3つの目的をもとに強み・弱みを聞いていたと言います。
- 強みを仕事で活かせるか:企業は「入社後に成果を出せる人材かどうか」を見ています。抽象的な強みではなく、自社の業務でどう発揮されるかをイメージできる回答が高評価につながります。
- 弱みにどう向き合っているか:企業が見ているのは弱みそのものではなく、課題を認識して改善に取り組んでいるかどうかです。過去と現在を比較して成長が見える人材は、入社後も伸び続けると判断されます。
- 強みと弱みに一貫性があるか:両者が矛盾していると「自己分析が甘い」「本音を隠している」と判断されかねません。表裏一体の関係になっていると、人柄に納得感が生まれます。
強み・弱みがわからない原因
自分の強み・弱みがわからないと悩む就活生は少なくありません。en-courageの就活サポーターとして多くの学生と接してきた成田さんによると、見つけられない人にはいくつかの共通パターンがあるそうです。まずは原因を知り、強み・弱みを見つけるヒントを得ましょう。
- ①特別な経験が必要だと思い込んでいる:留学やインターンシップ、大会での優勝など特別なエピソードがないと強みを語れないと考えてしまう。実際には、アルバイトでの工夫やグループワークでの役割など、日常の中にこそ強みは隠れている
- ②自分にとって「当たり前」のことに気づけていない:自分では普通にやっていることが、実は他の人にはできない強みであることも多い。自己分析だけでは見つけにくいため、第三者の視点を取り入れることが効果的
- ③完璧な言語化を求めすぎている:強みを一言でかっこよく言えないといけないと考え、言葉選びに悩みすぎてしまう。最初から完璧な表現を目指す必要はなく、仮説を立てて少しずつ磨いていけばよい
- ④他人と比較して「自分は大したことない」と思ってしまう:周りにもっとすごい人がいると感じて自分の良さを認められない。強みはトップである必要はなく、企業が見ているのは「あなたがどのような場面で力を発揮できるか」
- ⑤弱みを認めることに抵抗がある:マイナス評価につながるのではという不安から、弱みと正直に向き合えない。しかし、弱みを認識し改善しようとする姿勢こそが評価されるポイント
これらの原因に心当たりがある方は、次のセクションで具体的な解決策を紹介します。まずは最も効果的な方法から見ていきましょう。
強み・弱みがわからない時に絶対にやるべきこと1選
「いろいろ試したけど、結局強みが見つからない…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。成田さんが支援してきた学生の中で、強みを明確に語れるようになった人には共通点がありました。最も効果的な方法を紹介します。
就活のプロに相談する
強み・弱みが思いつかないときに最もおすすめなのが、就活エージェントに相談することです。プロのキャリアアドバイザーは、数多くの就活生をサポートしてきた経験から、あなたの話を聞くだけで客観的に強み・弱みを見つけられます。自分では「普通のこと」と思っていた行動が、実は立派な強みだったというケースも多いです。
たとえば、サークルで後輩の相談に乗っていたことが「傾聴力」という強みになったり、アルバイトでシフト調整を任されていたことが「調整力」として評価されたりします。第三者の視点を取り入れることで、自分では気づかなかった強み・弱みを発見できる可能性が高まります。さらに、見つけた強み・弱みをどのようにアピールすれば効果的か、プロならではのアドバイスをもらえるのも大きなメリットです。
一人で悩み続けるよりも、専門家に相談することで効率的に就活を進められます。自己分析に行き詰まったら、迷わず専門家の力を借りることをおすすめします。
▼強みが見つからない方は、まずは就活のプロに相談してみましょう。
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強み・弱みを見つけるおすすめの方法4選
プロへの相談が最も効率的ですが、まずは自分でできることから始めたいという方も多いでしょう。en-courageの支援でも実際に使われている、自分自身で強み・弱みを見つける方法を4つ紹介します。
おすすめ①:3つのステップで自己分析を行う
強み・弱みを見つけるための自己分析は、「過去・現在・未来」の3つの時間軸で進めると効率的です。この3つの視点で分析を行えば、ESや面接で問われる強み・弱みに自信を持って答えられるようになります。
STEP1:過去の経験を洗い出す
部活・アルバイト・学業・ゼミなど、これまで力を入れて取り組んだ経験を時期ごとに書き出しましょう。「小学校」「中学校」「高校」「大学」と分けて整理すると、抜け漏れなく振り返れます。成功体験だけでなく、失敗や挫折した経験も含めることがポイントです。たとえば、「部活の試合で負けて悔しかった」「バイトでミスをして反省した」といった経験にも、あなたの強みや弱みが隠れています。
また、各経験に対して「なぜそうしたのか」「何を学んだか」を振り返ってみてください。表面的な事実の奥にある自分の価値観が見えてきます。
STEP2:強み・弱みを書き出して言語化する
過去の経験をもとに、自分の「強み」「弱み」だと思えるものを思いつく限り書き出しましょう。最初は数を気にせず、とにかく書き出すことが大切です。書き出したら3〜5個に絞り込みます。このとき、抽象的な言葉ではなく、具体的な表現で言語化することを意識してください。たとえば、「コミュニケーション能力」ではなく「相手の意図を汲み取って話す力」のように表現すると、面接官に伝わりやすくなります。エピソードを紐づけられる強み・弱みを選ぶと、面接での説得力が増します。
STEP3:将来のビジョンと活かし方を考える
見つけた強み・弱みを、志望する業界・職種でどう活かせるかを考えましょう。「将来どのような社会人になりたいか」をイメージし、そこから逆算してファーストキャリアを考える視点も大切です。理想の姿を実現するために今の自分が持っている強みは何かを考えることで、面接で伝えるべき強みが明確になります。
おすすめ②:とりあえず強み・弱みを選び、自分に合う言い換え方を考える
自己分析で強み・弱みが見つからない場合は、まず汎用的な強み・弱みから仮で選んでしまう方法もおすすめです。選んでから自分に合う言い換え方を考えることで、オリジナルな強み・弱みが見つかります。
STEP1:汎用的な強み・弱みから仮で1つ選ぶ
以下の汎用的な強み・弱みの中から、「これなら自分にも当てはまりそう」と思えるものを仮で選んでみてください。
- 汎用的な強み6種:行動力、柔軟性、責任感、継続力、協調性、コミュニケーション力
- 汎用的な弱み6種:実行力が弱い、変化対応が苦手、巻き込み力が弱い、やり切る力が弱い、調整力が弱い、伝達力が弱い
STEP2:選んだ強み・弱みを具体的な表現に言い換える
選んだ強み・弱みを、自分なりの言葉に言い換えましょう。汎用的な言葉のままだと他の就活生と差別化できませんが、具体的に言い換えることでオリジナリティが生まれます。
言い換え例
- 「行動力」→「まだ誰も手をつけていない課題に自ら率先して取り組む姿勢」「周囲に働きかけてチーム全体を動かす力」
- 「協調性」→「意見の対立があっても双方の立場を理解し、妥協点を見つける力」
- 「実行力が弱い」→「慎重に計画を立てる反面、完璧を求めすぎて着手が遅れることがある」
まず型を選んでから自分に合う形にカスタマイズすることで、説得力のある強み・弱みが完成します。選んだ強み・弱みに紐づくエピソードを思い出せれば、面接でも自信を持って話せるようになります。
おすすめ③:弱み⇔強みの変換を行う
「弱みならすぐ思いつくけど、強みが見つからない」という方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、弱みを強みに変換するアプローチです。
実は、強みと弱みは表裏一体の関係にあります。同じ特性でも、プラスに働けば強み、マイナスに働けば弱みになるのです。つまり、どちらか一方がわかれば、もう一方を導き出せます。また、強みと弱みをセットで考えることで、一貫性のある自己PRができるようになります。以下に具体的な変換例を紹介します。
弱み→強みの変換例
- 実行力が弱い → 目標に向けて慎重に計画を立ててから動く力
- 変化対応が苦手 → 一貫性を持って最後まで物事に取り組む力
- 巻き込み力が弱い → 周囲の意見を尊重して調和を保つ力
- やり切る力が弱い → 無理をせず適切なタイミングで周囲に頼れる力
- 調整力が弱い → 自分の意見を大切にしてブレずに主張できる力
- 伝達力が弱い → 相手の話を聴くことを優先し、本音を引き出す力
強み→弱みの変換例
反対に、強みが思いつく方は、それを弱みに変換することも可能です。
- 行動力 → 慎重さに欠け、見切り発車で動いてしまうことがある
- 柔軟性 → 状況に合わせすぎて一貫性に欠けることがある
- 責任感 → 一人で抱え込みすぎて周囲に頼れないことがある
- 継続力 → コツコツ取り組むあまり周囲を巻き込めないことがある
- 協調性 → 周囲に合わせすぎて自己主張が弱くなることがある
- コミュニケーション力 → 聴くことを優先するあまり自分の意見を伝えきれないことがある
変換する際のポイント
この方法を使う際に注意したいのは、弱みを都合よくごまかすのではなく、両面を自覚していることを示すことです。たとえば、「心配性で行動が遅くなることがある一方で、リスクを事前に洗い出して準備できる」のように、ネガティブ面も認めたうえでポジティブ面を伝えると、面接での説得力が増します。
おすすめ④:強み・弱みの一覧を参考にする
いくら考えても強み・弱みが思い浮かばないという場合は、一覧を参考にする方法も効果的です。en-courageの支援で実際に使われているカテゴリ別一覧を眺めながら、自分に当てはまるものを探してみてください。
強みの一覧
- 【タイプ①】行動・推進系:行動力、主体性、積極性、実行力、推進力
- 【タイプ②】思考・適応系:柔軟性、適応力、臨機応変、多様性、発想力
- 【タイプ③】責任・完遂系:責任感、完遂力、信頼性、誠実性、献身性
- 【タイプ④】継続・忍耐系:継続力、忍耐力、持久力、粘り強さ、根性
- 【タイプ⑤】連携・協働系:協調性、チームワーク、連携力、調整力、統率力
- 【タイプ⑥】対話・傾聴系:コミュニケーション力、傾聴力、説明力、説得力、交渉力
▼さらに強みの一覧を知りたい方は、以下の記事をご覧ください
【元日系大手人事監修】強み一覧100選6タイプ別に例文付きで紹介
弱みの一覧
- 【タイプ①】行動・推進系:実行力が弱い、行動力が弱い、決断力が弱い、スピード感がない、主体性が弱い
- 【タイプ②】思考・適応系:変化対応が苦手、柔軟性が弱い、視野が狭い、固定観念が強い、応用力が弱い
- 【タイプ③】責任・完遂系:巻き込み力が弱い、責任転嫁しやすい、完遂力が弱い、任せる力が弱い、抱え込みやすい
- 【タイプ④】継続・忍耐系:やり切る力が弱い、継続力が弱い、忍耐力が弱い、集中力が続かない、粘り強さがない
- 【タイプ⑤】連携・協働系:調整力が弱い、協調性が弱い、チームワークが苦手、交渉力が弱い、連携が苦手
- 【タイプ⑥】対話・傾聴系:伝達力が弱い、傾聴力が弱い、質問力が弱い、表現力が弱い、説得力が弱い
▼さらに弱みの一覧を知りたい方は、以下の記事をご覧ください
【元日系大手人事監修】弱み一覧100選6タイプ別に例文付きで紹介
その他の強み・弱みの見つけ方7選
ここまで紹介した4つの方法に加えて、補助的な方法を7つ紹介します。状況に応じて組み合わせて活用してください。
- 友人・家族に聞く(他己分析):自分では当たり前だと思っていることが、周囲から見れば強みであることは多い。「性格で良いと思うところ」「一緒にいて助かったこと」など具体的に聞くと回答を得やすい。「お願い!他己分析」などLINEで手軽に聞けるツールも活用できる。就活エージェントに相談し、第三者視点で強みを整理してもらうのも効果的。
- 企業の求める人物像から逆算する:企業の採用ページや説明会資料から「求める人物像」を確認する。その人物像と自分の経験を照らし合わせ、相性の良い強みを選ぶ。企業に合わせて強みを「作る」のではなく、自分の中から「選ぶ」意識が大切。面接で深掘りされても答えられるよう、自分の経験に基づいた強みを選ぶ。
- 好きなこと・嫌いなことから考える:「楽しかったこと」「夢中になれたこと」を書き出し、そこから強みを見つける。「苦手だったこと」の裏側にも、大切にしている価値観が隠れている。「なぜそう感じたのか」を深掘りすることで、自己理解が深まる。好き嫌いリストを作ることから気軽に始めてみよう。
- SWOT分析を行う:Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4視点で分析する。紙を4つに区切り、それぞれの項目を書き出していく。強みと弱みを外部環境との関係性の中で捉えられるのがメリット。一度に埋めようとせず、思いついたときに少しずつ書き足していく。
- 診断ツールを活用する:性格診断やストレングスファインダーなど、質問に答えるだけで特性を可視化できる。客観的なデータとして自分の特性を知れるのがメリット。診断結果はあくまで「きっかけ」として活用し、実際の経験と照らし合わせて検証する。「社会人基礎力」(主体性、実行力、課題発見力など)を参考にするのも有効。
- マインドマップを作成する:中心に「自分」と書き、連想する言葉を広げていく。過去の経験、好きなこと、得意なこと、大切にしていることなどを書き出す。視覚的に整理することで、気づかなかったパターンが見えてくる。
- 自己分析の本を活用する:『メモの魔力』『絶対内定』シリーズ、『さあ、才能に目覚めよう』などがある。読むだけでなく、本のワークを実際に書き出すことで自己理解が深まる。
▼その他のやり方について、以下で詳しく解説しています。
- 診断ツールの活用:【2025年最新版】おすすめ自己分析ツール20選!選び方から活用法まで徹底解説
- マインドマップの活用:【5STEPで解説】自己分析にマインドマップを活用する手順作成例と失敗しないコツを元日系大手人事が解説
- 自己分析の本の活用:【2026年版】自己分析本おすすめ20選本当に読むべき5冊+タイプ別15冊を完全解説
強み・弱みを選んだら次にやること
強み・弱みを選んだだけで満足していませんか。成田さんによると、ここからの「解像度を上げる作業」と「伝え方」こそが、他の就活生と差がつくポイントだそうです。それぞれ見ていきましょう。
解像度を上げよう
強み・弱みを選んだら、次は「解像度を上げる」作業が重要です。抽象的な言葉を具体的に言い換えることで、他の就活生と差別化でき、面接での説得力が格段に高まります。
強み・弱みは「言い換えて解像度を上げる」ことが重要
「責任感がある」「コミュニケーション能力がある」といった言葉は、そのままでは採用担当者の印象に残りません。前述(おすすめ②:とりあえず強み・弱みを選び、自分に合う言い換え方を考える)で紹介したように、具体的な場面や行動パターンまで言語化することで、あなたらしい強みに変わります。強み・弱みは早めに選んで、この「解像度を上げる作業」に時間をかけましょう。
強み・弱みを言い換えて解像度を高める4つの方法
強み・弱みの解像度を高めるには、いくつかの効果的な方法があります。
- 【重要】就活のプロに相談する:就活エージェントに相談することで、人事の視点からあなたの経験を分析してもらえる。自分では気づかなかった表現や言い換え方を教えてもらえることも
- おすすめ強み6選・弱み6選の言い換え例を参考にする:本記事で紹介している各強み・弱みの言い換え例を参考に、自分に最も合う表現を選ぶ。「このタイプが一番しっくりくる」という感覚を大切に
- 具体的なエピソードから考える:エピソードの内容と、選んだ言葉の持つニュアンスが合致しているか確認する。実際の経験から逆算して言葉を選ぶことで、面接で深掘りされても自信を持って答えられる
- 志望企業の求める人物像から逆算する:たとえば同じ「責任感」でも、チームワーク重視の企業では「周囲が困っていると放っておけない」と表現し、成果重視の企業では「任されたことは最後までやり遂げる」と表現すると効果的
伝え方を学ぼう
強み・弱みの解像度を上げたら、次は「伝え方」を学びましょう。どれだけ良い強み・弱みを持っていても、伝え方が悪ければ採用担当者には響きません。逆に、適切な構成とコツを押さえれば、シンプルな内容でも説得力のあるアピールになります。ここでは、強み・弱みを効果的に伝えるための構成、コツ、注意点、そして例文を紹介します。
構成
強み・弱みを伝える際には、決まった構成に沿って話すことで、論理的で分かりやすい印象を与えられます。強みと弱みでは構成が異なるため、それぞれ確認しておきましょう。
強みの構成(6ステップ)
- 結論:一言で、あなたの強みは何か
- 背景:その強みをどのように培ったのか
- 課題:強みを発揮したとき、どんな課題に直面していたのか
- 行動:その課題に対して、強みを活かしてどう取り組んだのか
- 実績:その成果はどんな数値や事実で裏付けられるのか
- 仕事への活用:その強みを企業でどう活かし、貢献できるのか
弱みの構成(5ステップ)
- 弱み:一言で、あなたの弱みは何か
- 背景:その弱みはどんな場面で現れるか
- エピソード:弱みによってどんな困難や反省を経験したか
- 行動:弱みを克服するために何を実践してきたか
- 現在の状態と教訓:いまその弱みをどの程度克服できているか/そこからどんな学びを得たか
この構成に沿って話すことで、聞き手が内容を理解しやすくなり、あなたの人柄や成長力が伝わりやすくなります。
コツ
構成を理解したら、次は伝え方のコツを押さえましょう。
- 結論から話す:最初に「私の強み(弱み)は〇〇です」と明確に伝える。回りくどい説明は避ける
- 伝える内容は1つに絞る:複数並べると印象が薄れる。1つに絞って深掘りすることで、採用担当者の記憶に残りやすくなる
- 具体的なエピソードを添える:抽象的な説明ではなく、実際の経験に基づいて話すことで説得力が増す
- 数字や固有名詞を使う:「売上を20%向上させた」「100名規模のイベントを運営した」など、具体的な数字で示す
- 自分の言葉で語る:テンプレート通りの回答は見抜かれやすい。自分の経験に基づいた言葉で話すことで誠実さが伝わる
- 強みは再現性を意識する:その強みが入社後も発揮できることを示すため、複数の場面で発揮したエピソードがあると説得力が増す
- 弱みは改善への取り組みをセットで伝える:弱みを言いっぱなしにせず、どう克服しようとしているかを必ず添える
注意点
強み・弱みを伝える際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。これらを押さえておかないと、せっかくの内容も逆効果になってしまうことがあります。
- 仕事に関係のない内容は避ける:「料理が得意」「運動が苦手」など、業務に直結しない強み・弱みは評価につながりにくい
- 社会人として致命的な弱みは伝えない:「時間を守れない」「嘘をつきやすい」など、社会人として致命的な弱みはNG
- 「強み(弱み)はありません」はNG:完璧な人間はいないため、自己分析が不足していると判断される
- 過大評価・過小評価をしない:実力以上のアピールは深掘りで見抜かれる。逆に謙遜しすぎると自信がないように映る
- 改善策なしで弱みだけを伝えない:弱みを言いっぱなしにすると、ネガティブな印象だけが残ってしまう
- 自己PRや長所との整合性を保つ:他の回答と矛盾していると、一貫性がないと判断される
強み・弱みの例文6選(受かる例・落ちる例)
ここからは、6つの強み・弱みのペアについて「落ちる例」と「受かる例」を比較しながら解説します。
「行動力がある」を強み、「慎重さに欠ける」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、行動力があることです。大学2年時、ゼミの研究発表で低評価が続いていた状況を改善するため、教授に発表形式の変更を提案しました。反対意見もありましたが、粘り強く交渉を続けました。結果、新形式が採用され、ゼミ全体の評価が向上しました。御社でも、行動力を活かしてチームの成果向上に貢献します。
私の弱みは、慎重さに欠けることです。以前、イベント企画で見切り発車してしまい、当日に備品が足りなくなったことがありました。この反省から、気をつけるようにしています。今ではだいぶ改善されてきたと思います。
<受かる例>
私の強みは、思い立ったらすぐ行動に移せる実行力です。大学2年時、ゼミの研究発表で低評価が続いていた状況を改善するため、教授に直談判して発表形式の変更を提案しました。反対意見もありましたが、他ゼミの成功事例を調査してデータを示しながら粘り強く交渉。結果、新形式が採用され、ゼミ全体の評価が前年比で30%向上しました。御社でも、課題を発見したら即座に行動し、チームの成果向上に貢献します。
私の弱みは、行動を優先するあまり準備が不十分になることがある点です。以前、イベント企画で見切り発車してしまい、当日に備品が足りなくなったことがありました。この反省から、行動前に必ずチェックリストを作成し、周囲にも確認を依頼する習慣をつけました。今では計画性と行動力のバランスを意識しています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「行動力」のまま。受かる例は「思い立ったらすぐ行動に移せる実行力」と具体化している
- 数値:落ちる例は「評価が向上」のみ。受かる例は「前年比30%向上」と定量的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「チェックリストを作成」と具体的
「柔軟性がある」を強み、「優柔不断になりがち」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、柔軟性があることです。飲食店のアルバイトで、コロナ禍により来店客が激減した際、店長にテイクアウトメニューの開発を提案しました。SNSでの告知も自ら行い、売上を回復させることができました。御社でも、柔軟性を活かして変化に対応していきたいと思います。
私の弱みは、優柔不断になりがちなことです。ゼミのグループワークで方針が決まらず、メンバーから不満の声が上がった経験があります。慎重に考えすぎてしまうところがありますが、今は気をつけるようにしています。
<受かる例>
私の強みは、状況に応じて柔軟にアプローチを変えられる適応力です。飲食店のアルバイトで、コロナ禍により来店客が激減した際、店長にテイクアウトメニューの開発を提案しました。SNSでの告知や近隣へのチラシ配布も自ら行い、3ヶ月で売上を8割まで回復させました。御社でも、変化する市場環境に柔軟に対応し、最適なソリューションを提案します。
私の弱みは、選択肢を慎重に吟味しすぎて決断が遅れることがある点です。ゼミのグループワークで方針が決まらず、メンバーから不満の声が上がった経験があります。その後は、判断に迷ったら「まず試してから修正する」というルールを自分に課し、決断スピードを上げる努力をしています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「柔軟性」のまま。受かる例は「状況に応じてアプローチを変えられる適応力」と具体化している
- 数値:落ちる例は「売上を回復」のみ。受かる例は「3ヶ月で売上を8割まで回復」と定量的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「まず試してから修正するルール」と具体的
「責任感が強い」を強み、「一人で抱え込む」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、責任感が強いことです。大学オーケストラで演奏会の運営責任者を務めた際、会場手配のトラブルで開催が危ぶまれました。私は代替会場を探して交渉を行い、新会場を確保しました。結果、演奏会は予定通り開催されました。御社でも、責任感を持って仕事に取り組みます。
私の弱みは、一人で抱え込むことがあることです。サークルの会計業務で、作業量が増えても周囲に助けを求めず、期日に間に合わなかった経験があります。責任感の裏返しだと思いますが、今は気をつけるようにしています。
<受かる例>
私の強みは、任された仕事を何としてもやり遂げる責任感です。大学オーケストラで演奏会の運営責任者を務めた際、会場手配のトラブルで開催が危ぶまれました。私は代替会場を10箇所以上リストアップし、各所に直接交渉を行い、1週間で新会場を確保。結果、演奏会は予定通り開催され、来場者から高い評価を得ました。御社でも、困難な状況でも最後まで責任を持ってやり抜きます。
私の弱みは、責任感が強いあまり一人で抱え込んでしまう点です。サークルの会計業務で、作業量が増えても周囲に助けを求めず、期日に間に合わなかった経験があります。この反省から、早い段階で進捗を共有し、必要に応じてタスクを分担するよう心がけています。今では、チームの力を借りながら成果を出すことの大切さを実感しています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「責任感が強い」のまま。受かる例は「任された仕事を何としてもやり遂げる」と具体化している
- 数値:落ちる例は「新会場を確保」のみ。受かる例は「10箇所以上リストアップし、1週間で確保」と定量的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「早い段階で進捗を共有し、タスクを分担」と具体的
「継続力がある」を強み、「切り替えが苦手」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、継続力があることです。TOEICスコアを上げるという目標を立て、毎日学習を続けました。途中で伸び悩む時期もありましたが、継続した結果、目標を達成しました。御社でも、継続力を活かして困難な課題に取り組みたいと思います。
私の弱みは、切り替えが苦手なことです。ゼミの研究で、当初の仮説にこだわりすぎて方向転換が遅れ、スケジュールが圧迫された経験があります。集中力があるからだと思いますが、今は気をつけるようにしています。
<受かる例>
私の強みは、成果が出るまで粘り強く継続する力です。TOEICスコアを半年で200点上げるという目標を立て、毎日2時間の学習を欠かさず続けました。途中で伸び悩む時期もありましたが、学習方法を見直しながら継続した結果、目標を達成し、留学の選考にも合格しました。御社でも、困難な課題に対して諦めずに取り組み、成果につなげます。
私の弱みは、一度始めたことに固執し、柔軟な切り替えが苦手な点です。ゼミの研究で、当初の仮説にこだわりすぎて方向転換が遅れ、スケジュールが圧迫された経験があります。その後は、定期的に進捗を振り返り、必要に応じて軌道修正する習慣をつけました。今では、継続と柔軟性のバランスを意識しています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「継続力がある」のまま。受かる例は「成果が出るまで粘り強く継続する力」と具体化している
- 数値:落ちる例は「目標を達成」のみ。受かる例は「半年で200点アップ、毎日2時間」と定量的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「定期的に進捗を振り返り、軌道修正する習慣」と具体的
「協調性がある」を強み、「自己主張が弱い」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、協調性があることです。ゼミのグループ発表で意見が対立した際、各メンバーの主張を整理し、合意形成を図りました。結果、チームの結束が高まり、学内発表会で賞を獲得しました。御社でも、協調性を活かしてチームに貢献したいと思います。
私の弱みは、自己主張が弱いことです。グループワークで自分のアイデアを言い出せず、後で後悔した経験があります。協調性があるからだと思いますが、今は気をつけるようにしています。
<受かる例>
私の強みは、多様な意見を調整してチームをまとめる協調性です。ゼミのグループ発表で意見が対立した際、各メンバーの主張を整理し、共通のゴールを再確認することで合意形成を図りました。結果、チームの結束が高まり、学内発表会で最優秀賞を獲得しました。御社でも、チームの多様性を活かしながら成果を最大化します。
私の弱みは、場の空気を読みすぎて自分の意見を抑えてしまう点です。グループワークで自分のアイデアを言い出せず、後で後悔した経験があります。この反省から、発言前に自分の意見を紙に書き出し、必ず一度は提案するルールを決めました。今では、相手を尊重しつつ自分の考えも伝えられるようになっています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「協調性がある」のまま。受かる例は「多様な意見を調整してチームをまとめる」と具体化している
- 成果:落ちる例は「賞を獲得」のみ。受かる例は「最優秀賞を獲得」と具体的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「紙に書き出し、必ず一度は提案するルール」と具体的
「コミュニケーション力がある」を強み、「一人作業が苦手」を弱みとして伝える場合
<落ちる例>
私の強みは、コミュニケーション力があることです。学習塾のアルバイトで、成績が伸び悩む生徒がいました。面談を重ねて話を聞くうちに、悩みを発見しました。個別の学習計画を一緒に作成した結果、成績が向上しました。御社でも、コミュニケーション力を活かして貢献したいと思います。
私の弱みは、一人作業が苦手なことです。レポート作成など個人作業が続くと集中力が途切れることがありました。チームワークは得意なのですが、今は一人作業も気をつけるようにしています。
<受かる例>
私の強みは、相手の真のニーズを引き出すコミュニケーション力です。学習塾のアルバイトで、成績が伸び悩む生徒がいました。面談を重ねて話を聞くうちに、「勉強法がわからない」という根本的な悩みを発見。個別の学習計画を一緒に作成した結果、3ヶ月で偏差値が10上昇しました。御社でも、顧客との対話を通じて課題を発見し、最適なソリューションを提案します。
私の弱みは、一人で長時間作業することに苦手意識がある点です。レポート作成など個人作業が続くと集中力が途切れることがありました。そこで、作業を細かく区切り、合間に周囲と進捗を共有する時間を設けることで、モチベーションを維持する工夫をしています。
<ポイント>
- 言い換え:落ちる例は「コミュニケーション力」のまま。受かる例は「相手の真のニーズを引き出す」と具体化している
- 数値:落ちる例は「成績が向上」のみ。受かる例は「3ヶ月で偏差値10上昇」と定量的
- 改善行動:落ちる例は「気をつけている」で曖昧。受かる例は「作業を細かく区切り、進捗を共有」と具体的
よくある質問
就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。
Q. 強みと長所は同じにしてもいい?
同じ内容にするのは避けましょう。長所は「性格的な良さ」、強みは「仕事に活かせる能力」を指すため、意味が異なります。面接で両方聞かれた場合は、長所で性格面を、強みで仕事に直結するスキルを伝えると深みが出ます。一貫性があるかどうか不安なら、就活エージェントに添削してもらうと安心です。
Q. 弱みは正直に言うべき?
正直に伝えつつ、改善への取り組みをセットで話すのがポイントです。企業は「課題にどう向き合う人か」を見ています。ただし「時間にルーズ」など社会人として致命的な弱みは避けましょう。どの弱みを選ぶべきか迷ったら、就活エージェントに相談して客観的な意見をもらうのがおすすめです。
Q. 強みは1つに絞るべき?
基本的には1つに絞りましょう。複数並べると印象が薄れてしまいます。1つの強みを具体的なエピソードとセットで伝えることで、採用担当者の記憶に残りやすくなります。企業によって使い分けたい場合は、サブの強みも2〜3個準備しておくと安心です。書き分けに自信がない場合は、就活エージェントにES添削を依頼すると、プロの視点でフィードバックがもらえます。
Q. 面接で深掘りされたらどう答える?
焦らず、具体的なエピソードで答えましょう。面接官は「入社後も強みを発揮できるか」を確認したいので、実体験をもとに話すのがポイントです。事前に「なぜその行動を取ったか」「結果どうなったか」まで整理しておくとスムーズに答えられます。企業ごとの傾向が不安なら、就活エージェントに模擬面接をお願いすると実践的なアドバイスがもらえます。
監修:成田 駿
元日系大手人事/就活サポーター
日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。
協力:NPO法人en-courage
全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。