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苦手なことの見つけ方大全|一覧50例や自己分析のやり方などを元人事が解説

就活で「苦手なこと」が見つからない?それは見つけ方を知らないだけ。本記事では、苦手なことを見つけるおすすめの方法4選として自己分析法や一覧50選などをご紹介。さらに、その他の見つけ方やES・面接で答える際の構成・例文なども解説します。

「自分の苦手なことがわからない…」「苦手なことがないと思ってしまう…」と悩んでいませんか?
実際、en-courage利用者へのインタビューでも、就活で「苦手なこと」を聞かれて答えられなかったという声は少なくありませんでした。しかし実は、苦手なことが見つからないのは「見つけ方を知らないだけ」というケースがほとんどです。

この記事では、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さん監修のもと、まずは試したい4つのおすすめの方法を中心に、苦手なことの見つけ方を詳しく解説します。一覧50選やES・面接での答え方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

就活における「苦手なこと」とは

「自分には苦手なことがない」「苦手なことが思いつかない」と悩んでいませんか。成田さんが延べ3,000名以上の就活生をサポートしてきた中で、こうした悩みはとても多く見られます。しかし、就活で求められる苦手なことは、致命的な欠点や極端にできないことではありません。日常でストレスを感じること、周りより少し時間がかかることで十分です。まずは苦手なことの正しい理解から始めましょう。

苦手なこと=うまくできない・避けたいこと

就活における「苦手なこと」とは。苦手なこと=うまくできないことや避けたいこと、と定義を大きく記載したスライド。

苦手なことを難しく考える必要はありません。苦手なこととは、「やっていてストレスを感じること」「他人より少し時間がかかること」を指します。例えば、グループワークで「まとめ役を避けてしまう」人は、リーダーシップを取ることが苦手かもしれません。レポートの締め切りギリギリになりがちな人は、計画的に進めることが苦手と言えるでしょう。

ポイントは、「全くできない」レベルである必要はないということです。平均より少し苦手、周りの人より少しストレスを感じる程度で十分です。苦手なことは誰にでも必ずあります。普段から無意識に避けていることこそ、実は苦手なことである可能性が高いのです。

短所・嫌いなこと・できないこととの違い

「苦手なこと」と、「短所・嫌いなこと・できないこと」との違いを説明する図解。苦手なこととは、特定の行動や作業に対して感じる「不得意さ」を指し、短所(性格面の改善点)、嫌いなこと(やりたくないこと)、できないこと(能力的に不可能なこと)とは区別されることを示している。

「苦手なこと」と混同しやすい言葉に「短所」「嫌いなこと」「できないこと」があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。

  • 苦手なこと:特定の行動や作業に対して感じる不得意さ。「人前で話すのが苦手」「マルチタスクが苦手」など、場面が限定されやすいのが特徴。
  • 短所:性格や人柄における改善したい面のこと。「心配性」「優柔不断」「せっかち」など、人間性に関わる部分。苦手なことが「できないこと」なのに対し、短所は「人としての弱み」と捉えるとわかりやすい。
  • 嫌いなこと:やりたくないこと。嫌いなことと苦手なことは重なる場合もあるが、必ずしも一致しない。人前で話すのが嫌いでも、苦手とは限らない。
  • できないこと:能力的に不可能なこと。プログラミングの知識がない、車の運転免許を持っていないなどが該当。苦手なことは「やればできるが苦手意識がある」のに対し、できないことは「そもそもスキルや経験がない」点が異なる。

就活では、これらを明確に区別して伝えることが大切です。

就活で必要になる3つの場面

就活で「苦手なこと」の把握が必要になる3つの場面(自己分析、企業・仕事選び、ES・面接)。就活アドバイザー成田さんの「苦手なことがわかっている学生は、就活を有利に進められるだけでなく入社後も活躍している」というコメントが添えられている。

苦手なことは、就活のさまざまな場面で必要になります。特に重要なのは「自己分析」「企業・仕事選び」「ES・面接」の3つの場面です。それぞれの場面で苦手なことがどのように役立つのか、詳しく見ていきましょう。

場面①:自己分析

苦手なことを言語化することで、自分の特性を客観的に把握できます。例えば、「マルチタスクが苦手」と自覚している人は一つのことに集中できる仕事、「初対面の雑談が苦手」な人は専門性を活かせる仕事が向いているかもしれません。苦手なことがわかると自分の軸が定まり、企業選びや面接対策がスムーズに進みます。

場面②:企業・仕事選び

苦手なことは、自分に合った企業や仕事を選ぶ重要な判断基準になります。「マルチタスクが苦手」なら一つのことに集中できる仕事、「初対面の雑談が苦手」なら専門性で勝負できる技術職やコンサルタントが向いています。苦手なことを避けられる仕事を選べば、入社後もストレスを感じにくく、長期的に活躍しやすくなるでしょう。

場面③:ES・面接

ESや面接では「苦手なことは何ですか?」と直接聞かれることがあります。企業はこの質問で「自己分析ができているか」「課題に対して改善意欲があるか」を見極めています。苦手なことを正直に伝えつつ、向き合い方を示すことで、成長意欲をアピールでき、面接官に納得感を与えられます。

苦手なことの見つけ方10選

苦手なことの見つけ方10選の一覧。1.就活のプロに相談する、2.一覧から探す、3.3ステップで自己分析する、4.7つの質問で見つける、5.得意なことを言い換える、6.周りに他己分析してもらう、7.マインドマップ、8.企業が求める人物像から考える、9.日常の習慣から、10.診断ツール。

苦手なことの重要性を理解したら、次は自分の苦手なことを見つける段階です。「自分の苦手なことが思いつかない」という悩みは、en-courage利用者へのインタビューでもよく出てきます。ここでは、苦手なことがわからない原因から具体的な見つけ方10選まで紹介します。

「苦手なことがない…」と思う3つの理由

「苦手なことがない…」と思う3つの理由。1.突出した苦手がないから見つけにくい、2.苦手を認めることに抵抗がある、3.「全くできない」レベルだけを苦手だと思っている。

成田さんは就活サポーターとしての経験上、「自分の苦手なことが見つからない」と感じる学生は多いと言います。しかし、本当に苦手なことがない人はいません。見つからないと感じるのには理由があります。

  • 突出した苦手がないから見つけにくい:何でもそこそこできてしまう人は、明確な苦手が見えにくいことがあります。しかし、「できる」と「得意」は違います。周りより少し時間がかかること、やっていて疲れることを探してみましょう。
  • 苦手を認めることに抵抗がある:自分のネガティブな面に向き合うことは心理的に抵抗があります。「苦手=ダメなこと」と捉えてしまい、無意識に認めることを避けてしまう傾向があります。しかし、苦手を認めることは自己成長の第一歩です。
  • 「全くできない」レベルだけを苦手だと思っている:苦手なことは「全くできない」レベルである必要はありません。やっていて疲れること、人より時間がかかること、ストレスを感じることは十分「苦手なこと」として挙げられます。

苦手なことが見つからない時に絶対にやるべきこと1選

苦手なことが見つからない時に最もおすすめなのが、就活エージェントへの相談です。自分一人で考え続けても堂々巡りになりがちですが、第三者の視点を取り入れることで、思わぬ発見があります。

①就活のプロに相談する

苦手なことが見つからない時に絶対にやるべきこと1選として、「就活のプロに相談する」ことを強調したスライド。

プロのキャリアアドバイザーは、数多くの就活生をサポートしてきた経験から、あなたの話を聞くだけで客観的に苦手なことを見つけることができます。自分では「普通のこと」と思っていた行動が、実は苦手なこととして言語化できるケースも多くあります。

就活エージェントを利用すれば、無料でキャリアアドバイザーとの面談が可能です。「自己分析に自信がない」「客観的な意見がほしい」という人は、ぜひ活用してみてください。ESや面接対策まで一貫してサポートしてもらえるため、就活全体を効率的に進められます。

苦手なことを見つけるおすすめの方法3選

プロに相談する以外にも、自分で苦手なことを見つける方法はあります。ここでは特におすすめの3つの方法を紹介します。

②苦手なこと一覧から探す【5タイプ50選】

「質問に答えても思いつかない」という人は、苦手なことの一覧から自分に当てはまるものを探してみましょう。ここでは、苦手なことを5つのタイプに分類し、それぞれの代表例と追加例を紹介します。

おすすめの苦手なこと5選
おすすめの苦手なこと5選。1.人前で話すこと、2.細かい作業・確認、3.マルチタスク、4.同じことの繰り返し、5.完璧主義で時間がかかる。

苦手なことは大きく5つのタイプに分けられます。以下はそれぞれの代表例なので、自分に当てはまるものがあるはずです。

  1. 対人系:人前で話すこと
  2. 思考系:細かい作業・確認
  3. 行動系:マルチタスク
  4. 継続系:同じことの繰り返し
  5. 完璧系:完璧主義で時間がかかる
【タイプ別】苦手なこと50選
【タイプ別】苦手なこと50選の一覧表。対人系(交渉、チーム協力など)、思考系(論理的説明、分析など)、行動系(早起き、素早い決断など)、継続系(地道な努力、習慣化など)、完璧系(妥協すること、他人に任せることなど)の5つのカテゴリで具体例を紹介。

上記の5つは、それぞれ異なるタイプの苦手なことです。自分に合ったタイプを見つけて、追加の例も参考にしてみてください。

  • 対人系:人前で話すこと、人の目を見て話すこと、電話対応、交渉・説得、雑談、チームでの協力、リーダーシップを取ること、人に頼ること、断ること、批判を受け入れること
  • 思考系:細かい作業・確認、計算・数字を扱うこと、論理的に説明すること、長文を読むこと、暗記、抽象的な概念を理解すること、優先順位をつけること、分析・考察、アイデアを出すこと、文章を書くこと
  • 行動系:マルチタスク、早起き、時間を守ること、計画を立てること、素早く決断すること、急な変更への対応、新しいことを始めること、体を動かすこと、長時間集中すること、整理整頓
  • 継続系:同じことの繰り返し、毎日コツコツ続けること、地道な努力、長期的な目標に向かうこと、モチベーションを維持すること、飽きずに取り組むこと、ルールを守り続けること、習慣化すること、忍耐が必要なこと、単純作業
  • 完璧系:完璧主義で時間がかかる、妥協すること、「まあいいか」と思うこと、80点で終わらせること、他人に任せること、失敗を受け入れること、効率よく進めること、手を抜くこと、大雑把に進めること、納得しないまま進むこと

③過去・現在・未来の3ステップで自己分析する

苦手なことを3ステップで自己分析する方法。1.過去の経験を洗い出す、2.得意・苦手を書き出して言語化する、3.苦手との向き合い方を考える。過去・現在・未来の3つの時間軸で進めるのが効率的とのアドバイス。

苦手なことを見つけるための自己分析は、「過去・現在・未来」の3つの時間軸で進めると効率的です。この3つの視点で分析を行えば、ESや面接で問われる苦手なことに自信を持って答えられるようになります。

STEP1:過去の経験を洗い出す

部活・アルバイト・学業・ゼミなど、これまで力を入れて取り組んだ経験を時期ごとに書き出しましょう。「小学校」「中学校」「高校」「大学」と分けて整理すると、抜け漏れなく振り返れます。成功体験だけでなく、失敗や挫折した経験も含めることがポイントです。たとえば、「グループワークでうまく発言できなかった」「締め切りギリギリになって焦った」といった経験にも、あなたの苦手なことが隠れているからです。

また、各経験に対して「なぜうまくいかなかったのか」「何がストレスだったか」を振り返ってみてください。失敗の原因を深掘りすることで、苦手なことのパターンが見えてきます。

STEP2:得意・苦手を書き出して言語化する

過去の経験をもとに、自分の「得意なこと」「苦手なこと」だと思えるものを思いつく限り書き出しましょう。最初は数を気にせず、とにかく書き出すことが大切です。書き出したら3〜5個に絞り込みます。このとき、抽象的な言葉ではなく、具体的な表現で言語化することを意識してください。たとえば、「人付き合いが苦手」ではなく「初対面の人と打ち解けるのが苦手」のように表現すると、面接官に伝わりやすくなります。エピソードを紐づけられる苦手なことを選ぶと、面接での説得力が増します。

STEP3:苦手との向き合い方を考える

見つけた苦手なことを、志望する業界・職種でどう向き合うかを考えましょう。「克服を目指す」「苦手が求められない仕事を選ぶ」「対処法を身につけてカバーする」など、自分に合った向き合い方を選びます。面接では「苦手なことにどう向き合っていくか」も問われるため、未来の視点を持っておくことで、面接で伝えるべき苦手なことが明確になります。

④7つの質問に答える

苦手なことを見つけるための7つの質問リスト。つい後回しにすること、やっていてストレスを感じること、他人から指摘されたこと、周りはできるのに自分はできないこと、避けてしまう場面、失敗しやすいパターン、家族や友人に聞いた内容。

以下の7つの質問に回答することで、自身の苦手なことを特定できます。

  • つい後回しにしてしまうことは何か:やらなければいけないのに後回しにしてしまうことを振り返る。後回しにする理由を深掘りすると、苦手なことが見えてくる。
  • やっていて疲れる・ストレスを感じることは何か:取り組むと心身ともに疲れること、ストレスを感じることは何か。自分の「疲れポイント」を把握することが大切。
  • 他人から指摘されたことは何か:家族や友人、アルバイト先の先輩などから「〇〇が苦手だよね」と指摘された経験を振り返る。複数の人から同じことを指摘された場合は、その苦手を真剣に検討する。
  • 周りはできるのに自分はできないことは何か:周りの人が当たり前にできるのに、自分だけできないことはないか。周囲との違いから苦手を見つけることができる。
  • 避けてしまう場面は何か:無意識に避けてしまう場面や状況はないか。避ける行動の裏に苦手が隠れていることが多い。
  • 失敗しやすいパターンは何か:過去の失敗を振り返ると、共通するパターンが見えてくる。失敗の原因から苦手を特定できる。
  • 家族や友人に聞いてみたか:「私の苦手なことって何だと思う?」と率直に聞くことで、客観的な視点から苦手を見つけることができる。

その他の苦手なことの見つけ方6選

ここまで紹介した方法以外にも、苦手なことを見つけるアプローチはあります。ここでは、追加で6つの方法を紹介します。自分に合った方法を選んで試してみてください。

  • 得意なことを言い換える:得意なことの裏返しは苦手なことになります。「一つのことに集中できる」→「マルチタスクが苦手」、「慎重に進められる」→「素早く決断することが苦手」などです。すでに見つけている得意なことから逆算して考えてみましょう。
  • 周りの人に他己分析してもらう:5人以上の親しい人に「私の苦手なことって何だと思う?」と聞いてみましょう。複数人から同じことを言われたら、それが客観的に見た自分の苦手なことです。
  • マインドマップで思考を広げる:中心に「苦手なこと」と書き、連想されることを枝分かれさせて書いていきます。場面別(学校、バイト、日常)で分けると思い出しやすく、頭の中を可視化することで、気づかなかった苦手が見つかることがあります。
  • 企業が求める人物像から考える:企業の採用ページにある「求める人物像」を見て、その人物像と自分のギャップを考えます。ギャップの中に苦手なことのヒントがあります。
  • 日常の習慣から見つける:「いつも締め切りギリギリになる」→計画性の課題、「返信を後回しにしがち」→コミュニケーションの苦手など、普段の行動にもヒントがあります。1週間ほど自分の行動を観察してみてください。
  • 診断ツールを使う:適性診断を活用すると、自分の傾向を客観的に知ることができます。複数のツールを試して、共通して出てくる傾向を確認してみましょう。

苦手なことを仕事選びに活かす

ここまでで、自分の苦手なことが見つかったはずです。では、その苦手なことを仕事選びにどう活かせばいいのでしょうか。

大切なのは、苦手なことが業務の中心になる仕事を避けることです。苦手なことを毎日やり続ける仕事を選んでしまうと、ストレスが溜まり、成果も出にくく、早期離職につながる可能性があります。苦手なことを「避けるべき業務」として明確にしておくことで、ミスマッチを防げます。

苦手なことから仕事を絞り込む

「苦手なことから仕事を絞り込む」ための対照表。苦手なこと(例:人前で話すこと、マルチタスク、細かい作業など)に対して、それぞれ向いている職種の例(例:エンジニア、専門職、企画職など)をまとめた表形式のスライド。

苦手なことをもとに、避けた方がいい仕事・向いている可能性がある仕事を整理してみましょう。苦手なことを避けるだけでなく、その裏返しである強みを活かせる仕事を選ぶと、より活躍しやすくなります。

  • 人前で話すことが苦手な場合
    • ポイント:営業職やプレゼンが多い仕事は避ける
    • 向いている仕事の例:事務職、エンジニア、研究職など
  • マルチタスクが苦手
    • ポイント:複数案件を同時に抱える仕事は避ける
    • 向いている仕事の例:一つのプロジェクトに集中できる仕事、専門職など
  • 細かい作業が苦手
    • ポイント:経理や事務など正確性が求められる仕事は避ける
    • 向いている仕事の例:企画職、営業職など
  • 初対面の人と話すのが苦手
    • ポイント:新規営業や接客業は避ける
    • 向いている仕事の例:既存顧客対応、社内向けの仕事など
  • 同じことの繰り返しが苦手
    • ポイント:ルーティンワーク中心の仕事は避ける
    • 向いている仕事の例:変化のある仕事、企画職など

企業の内部情報を活用する

同じ職種でも、企業によって業務内容は異なります。例えば、同じ営業職でも、新規開拓中心の企業と既存顧客フォロー中心の企業では、求められる適性が違います。

ただ、企業ごとの業務内容を一人で調べるのは大変です。採用ページの情報だけでは、実際にどんな業務が中心なのかわかりにくいこともあります。そこで役立つのが、冒頭で紹介した就活エージェントです。エージェントは企業の内部情報を持っているので、「あなたの苦手なことを避けられる企業」を具体的に紹介してもらえます。

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ES・面接における苦手なことの伝え方

「苦手なことをどう伝えればいいかわからない」と感じていませんか。成田さんが人事として採用面接を担当していた経験から言えるのは、ただ「苦手です」と答えるだけでは印象に残らないということです。企業が本当に知りたいのは、あなたの苦手なことにどう向き合っているか。ここでは、構成テンプレートから伝え方のコツ、そして実際に使える例文まで詳しく解説します。

企業が「苦手なこと」を聞く3つの意図

企業が「苦手なこと」を聞く3つの意図。1.自己分析の深さを確認したい、2.課題への向き合い方を知りたい、3.チーム適性を判断したい。元人事の成田さんによる「苦手なことに対してどう対処しているかを見ている」という補足コメント付き。

成田さんは人事時代の経験から、企業が「苦手なこと」を質問するのには、明確な意図があるといいます。この意図を理解しておくと、より効果的な回答ができるようになります。

  • 自己分析の深さを確認したい:企業は、自分の弱点を客観的に把握できているかを見ています。苦手を認識し、言語化できる人は自己理解が深いと評価されます。「苦手なことはありません」という回答は自己分析不足と判断されます。
  • 課題への向き合い方を知りたい:苦手なことに対して、どう対処しているかを見ています。改善に向けた努力ができる人かを確認しています。「苦手だから仕方ない」という態度はNGです。前向きに取り組む姿勢が評価されます。
  • チーム適性を判断したい:苦手なことが業務内容や社風と大きくズレていないかを確認しています。例えば営業職で「人と話すのが苦手」だと適性を疑われます。志望職種と致命的に矛盾する苦手は避けた方がよいでしょう。

苦手なことの構成・テンプレート

面接等で伝える際の「苦手なことの構成」を5段階で示した図。1.苦手(結論)、2.背景、3.エピソード、4.行動、5.現在と教訓、という順序で話すと伝わりやすいことを示している。

面接で苦手なことを伝える際は、以下の5つの順序で構成しましょう。

  1. 苦手(結論):「私が苦手なことは○○です」と最初に明言します。
  2. 背景:苦手を感じやすい状況や場面を伝えます。
  3. エピソード:具体的な失敗や反省のエピソードを説明します。
  4. 改善:現在取り組んでいる工夫や努力を伝えます。
  5. 現在と教訓:改善の成果と学びを伝えます。

この流れで話すと、苦手なことを認めつつも、成長意欲と問題解決力をアピールできます。

苦手なことを伝える際のコツ

苦手なことを伝える際の6つのコツ。1.結論から話す、2.具体的なエピソード、3.ポジティブに締める、4.得意なことも意識、5.志望職種と矛盾しない、6.改善への取り組みを必ず伝える。
  • 結論から話す:最初に「苦手なことは〇〇です」と明確に伝える
  • 具体的なエピソードを添える:抽象的な苦手ではなく、経験に基づいた説明をする
  • ポジティブな姿勢で締める:「苦手だが、こう対処している」と前向きに終える
  • 苦手の裏返しの「得意なこと」も意識する:「マルチタスクは苦手だが、一つのことに集中できる」など、回答に織り込むとバランスが取れる
  • 志望職種と矛盾しない苦手を選ぶ:営業志望で「人と話すのが苦手」はミスマッチ。職種の特性を踏まえて選ぶ
  • 改善への取り組みを必ず伝える:苦手を認識しているだけでなく、具体的に何をしているかを伝えることが最も重要

苦手なことを伝える際の注意点

苦手なことを伝える際の6つの注意点。1.業務に致命的な苦手は避ける、2.改善努力が見えないものはNG、3.誠実さを疑われるものは避ける、4.「ありません」はNG、5.メリットも把握しておく、6.他の回答との一貫性を保つ。
  • 業務に致命的な苦手は避ける:志望職種で必須のスキルを苦手として挙げるのは避ける(例:営業職で「人と話すのが苦手」、事務職で「細かい作業が苦手」)
  • 改善努力が見えないものはNG:「昔から苦手で、今もそのままです」「苦手なので避けるようにしています」など、改善のための行動が伴っていない回答はマイナス評価になる
  • 誠実さを疑われるものは避ける:「朝起きるのが苦手」など仕事と関係のない回答、苦手を長所のように言い換えようとする回答、他人や環境のせいにする回答は避ける
  • 「苦手なことはありません」はNG:自己分析ができていない、正直に話すつもりがない、自分を客観視できていないと判断される
  • 苦手なことのメリットも把握しておく:「マルチタスクが苦手」の裏返しは「一つのことに集中できる」など、強みに転じる可能性も理解しておく
  • 他の回答との一貫性を保つ:自己PRや長所と矛盾しないように注意する

【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文

ここからは、苦手なことのタイプ別に、受かる例文と落ちる例文を紹介します。落ちる例文は分量はあっても改善意欲が見えない典型例です。受かる例文と比較して、何が足りないかを確認してみてください。

例文①:人前で話すこと

「【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文」の導入スライド。具体的なテーマとして「人前で話すこと」を挙げている。

<落ちる例文>

私の苦手なことは人と話すことです。昔から人前で話すのが苦手で、緊張してしまうことが多くあります。大勢の人の前だと特に緊張してしまい、うまく話せなくなってしまいます。相手の目を見て話すことも苦手で、なるべく人前に出ないようにしています。でも、この苦手なことを克服して、御社でも人と関わる仕事で頑張りたいと考えています。

<受かる例文>

私は大人数の前で発言することが苦手です。ゼミの発表で緊張して言葉に詰まった経験があり、それ以来、事前に原稿を用意し、友人の前でリハーサルをするようにしています。最近では、サークルの総会で50人の前で報告を行い、落ち着いて話し切ることができました。準備の大切さを学び、今では人前でも自分の意見を伝えられるようになりました。

<ポイント>

  • 具体化:「人と話す」→「大人数の前で発言すること」と解像度を上げている
  • 対処法:「原稿を用意」「リハーサル」という具体的な工夫を示している
  • 成長:「50人の前で報告できた」という実績で改善をアピールしている

例文②:細かい作業・確認

「【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文」の導入スライド。具体的なテーマとして「細かい作業・確認」を挙げている。

<落ちる例文>

私の苦手なことは細かい作業をすることです。細かい確認作業や数字を扱う作業は、集中力が必要で大変だと感じています。以前、アルバイトでレジ締めの際に計算ミスをしてしまったことがあり、それ以来細かい作業には苦手意識を持っています。細かい確認作業はストレスを感じるので、そういう仕事は避けたいと思っています。でも、この苦手なことを克服して、御社でも正確に仕事を進められるようになりたいと考えています。

<受かる例文>

私は細かい数字の確認作業が苦手です。アルバイトでレジ締めをする際、計算ミスをしたことがあり、それ以来、ダブルチェックを徹底し、チェックリストを活用するようにしています。その結果、半年間ミスなく業務を遂行できるようになりました。仕組み化することで苦手をカバーできることを学びました。

<ポイント>

  • 失敗からの学び:「計算ミス」という具体的な失敗を正直に述べている
  • 仕組み化:ダブルチェックやチェックリストという再現性のある対策を示している
  • 数字で示す:「半年間ミスなし」と定量的に成果をアピールしている

例文③:マルチタスク

「【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文」の導入スライド。具体的なテーマとして「マルチタスク」を挙げている。

<落ちる例文>

私の苦手なことはマルチタスクです。複数の作業を同時に進めようとすると、どれも中途半端になってしまい、うまくいかないことが多いです。以前、複数の締め切りが重なった際にパニックになってしまい、結局どれも期限に間に合わなかったことがあります。一つのことに集中したい性格なので、複数のことを頼まれると困ってしまいます。でも、この苦手なことを克服して、御社でもスムーズに仕事を進められるようになりたいと考えています。

<受かる例文>

私は複数の作業を同時に進めるマルチタスクが苦手です。一つのことに集中したいタイプのため、以前は複数の締め切りが重なると焦ってしまうことがありました。そこで、タスク管理ツールを導入し、優先順位をつけて一つずつ確実にこなすようにしました。今では、複数のプロジェクトを並行して進められるようになり、一つのことに深く取り組める特性を活かせるようになりました。

<ポイント>

  • 自己認識:「一つのことに集中したいタイプ」と特性を客観視している
  • 工夫:タスク管理ツールの導入という実践的な対策を示している
  • 強みへの転換:「深く取り組める特性」とポジティブに言い換えている

例文④:同じことの繰り返し

「【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文」の導入スライド。具体的なテーマとして「同じことの繰り返し」を挙げている。

<落ちる例文>

私の苦手なことはルーティンワークです。同じ作業を繰り返していると、すぐに飽きてしまいモチベーションが下がってしまいます。単調な作業が続くと集中力が続かなくなり、うまくいかなくなってしまいます。以前、アルバイトで単調な作業が続いた際、途中で辞めてしまったことがあります。変化や刺激のある仕事がしたいので、同じことの繰り返しは避けたいと思っています。でも、この苦手なことを克服して、御社でも継続して仕事に取り組めるようになりたいと考えています。

<受かる例文>

私は同じ作業を長期間続けることが苦手です。飽きやすい性格のため、アルバイトで単調な作業が続くとモチベーションが下がることがありました。そこで、短期的な目標を設定し、達成感を得られるよう工夫しています。例えば「今日は〇件処理する」と決めることで、ゲーム感覚で取り組めるようになりました。今ではアルバイトを3年間継続できており、継続する力も身についたと感じています。

<ポイント>

  • 創意工夫:「ゲーム感覚」という独自の対策が印象的
  • 成果:「3年間継続」という実績で改善をアピールしている
  • 成長の可視化:苦手だったことが今ではできるようになったと明示している

例文⑤:完璧主義で時間がかかる

「【苦手なこと別】受かる例文・落ちる例文」の導入スライド。具体的なテーマとして「完璧主義で時間がかかる」を挙げている。

<落ちる例文>

私の苦手なことは完璧主義で時間がかかってしまうことです。納得いくまで時間をかけてしまう性格で、細部にこだわりすぎてしまうことがよくあります。以前、レポートを提出する際、細部にこだわりすぎて締め切りギリギリになってしまったことがあります。妥協ができない性格なので、80点で終わらせるということができません。でも、この苦手なことを克服して、御社でも期限を守りながら質の高い仕事ができるようになりたいと考えています。

<受かる例文>

私は完璧を求めすぎて作業に時間がかかることが苦手です。レポートを提出する際、細部にこだわりすぎて締め切りギリギリになることがありました。そこで、最初に「80点でまず完成させる」と決め、残り時間でブラッシュアップする方法に変えました。その結果、品質を保ちながら余裕を持って提出できるようになりました。完璧を目指すことと、期限を守ることのバランスを取れるようになったと思います。

<ポイント>

  • 具体的な対処法:「80点ルール」という明確な基準を設けている
  • 成果:「余裕を持って提出できるようになった」と改善を示している
  • 学びの言語化:バランスを取れるようになったと自己成長を伝えている

よくある質問

就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。

Q. 苦手なことと短所は同じ?

厳密には異なりますが、就活の面接では同じ意図で聞かれることが多いです。苦手なことは特定の行動や作業に対する不得意さを指し、短所は性格や特性に関わる弱点を指しますが、両者は互換性があり面接では同様の回答で対応できます。例えば「優柔不断」という短所は「すぐに決断することが苦手」と言い換えられるため、どちらを聞かれても答えられるよう両方の視点で準備しておくと安心です。一貫性があるかどうか不安なら、就活エージェントに添削してもらうと安心です。

Q. 苦手なことを複数答えてもいい?

苦手なことが複数あるのは自然なことです。ただし、ESや面接では1つに絞って深掘りするのがおすすめです。複数を並べると説明が浅くなり、印象に残りにくくなります。志望企業や職種に最もマッチするものを優先しましょう。就活エージェントに相談すると、志望企業に合わせた最適な苦手なことの選び方をアドバイスしてもらえます。

Q. 面接で深掘りされたらどう答える?

面接官は「苦手なこと」をさまざまな角度から深掘りします。「いつから自覚しているか?」には具体的なエピソードを、「どう対処しているか?」には実践している工夫を、「入社後どう向き合うか?」には業務との関連と改善意欲を説明しましょう。就活エージェントに模擬面接をお願いすると、深掘り質問への実践的なアドバイスがもらえます。

Q. 苦手なことを把握するメリットはある?

苦手なことと向き合うことで、成長のきっかけが得られるメリットがあります。また、苦手なことを自覚していれば、それを避ける仕事選びができます。しかし、苦手なことばかりに目を向けると自信を失うこともあります。理想は、苦手なことを把握しつつ、得意なことを活かせる仕事を見つけることです。就活エージェントに相談すると、苦手なことを踏まえた仕事選びのアドバイスがもらえます。


監修:成田 駿

元日系大手人事/就活サポーター

日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。

協力:NPO法人en-courage

全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。