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志望動機をAIで書くとバレる?元人事が教えるAIを使った受かる志望動機の作成術

AIを「思考整理のパートナー」として賢く活用し、志望動機を自分の言葉で仕上げる方法を元人事が解説。コピペで使えるプロンプト例、業界別Before/After例文付き。30分で採用担当者に響く志望動機が完成します。

「AIで志望動機を作ったけど、なんかしっくりこない」「これ、バレないかな…」
そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、AIを使うこと自体は問題ではありません。大切なのは「どう活用するか」です。

本記事では、元日系大手人事でen-courageの就活サポーターとして学生を支援する成田さん監修の基、en-courage利用者へのインタビューも交えて、AIを壁打ち相手として使い、最終的に自分の言葉で仕上げる5つのステップを解説します。

AIで作った志望動機は企業にバレる?

【結論】「バレる・バレない」より「活用の仕方」が重要

「AIで作った志望動機は企業にバレる?」という問いに対し、結論として「バレる・バレない」よりも「活用の仕方」が重要であると強調したスライドです。下部には成田さんのコメントがあり、最終的には必ず自分の言葉で仕上げることの大切さを説いています。

「AIで志望動機を作成したら企業にバレるのか」という疑問を持つ就活生は多いでしょう。結論から言えば、AIが生成した志望動機をそのまま提出すると、採用担当者に見抜かれる可能性は高いです。企業の人事担当者は年間数百から数千もの応募書類に目を通しており、文章の違和感や不自然な点を即座に察知できます。

特に面接で深掘り質問をされた際に、書面の内容と実際の回答にズレが生じれば、信頼を大きく損なうことになりかねません。当然ながら、「〇〇社の志望動機を作って」とだけ指示し、出力されたものをそのまま使うのは。それでは、あなたの経験や熱意が全く反映されない、誰にでも当てはまるような希薄な内容になってしまうからです。

ただし、AIを活用すること自体が悪いわけではありません。重要なのは「バレるかどうか」ではなく「どう活用するか」です。AIを「代筆ツール」としてではなく「思考整理のパートナー」として使い、最終的には必ず自分の言葉で仕上げることが大切です。

実際に学生の3割はエントリーシートにAIを活用している

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en-courage利用者へのインタビュー調査によると、エントリーシートを書く際にAIを使う学生は約3割に達しています。近年のAIの進化に伴い、就活でもAIを活用するケースが増えており、志望動機や自己PRの内容を効率的に考える上で有効なツールとして認知されています。

AIを思考整理のパートナーとして活用し、最終的には自分の言葉で表現することで、内定獲得につなげている学生も多くいます。AIは志望動機を効率的にブラッシュアップするためのツールとして、賢く活用していきましょう。

企業側も、AIを活用して志望動機を書くことはわかっている

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企業側も、就活生がAIを使って志望動機を作成していることは十分に認識しています。成田さんが人事として採用に携わっていた際も、AIで書かれた可能性のあるESは意識してチェックしていたといいます。

採用担当者が見ているのは、単にAIを使ったかどうかではなく、応募者が本当に自社を研究し、熱意を持って応募しているかという点です。日本語の不自然さや独特の言い回しがないか、提出前にしっかりと確認しましょう。第三者に添削してもらうことも効果的です。自分では気づかない違和感を指摘してもらえるため、より自然な文章に仕上げられます。

志望動機をAIで作成するメリット

志望動機をAIで作成するメリットとして、時間と労力の大幅な削減、構成や表現のヒントが得られること、複数企業への応募の効率化、そして一定の質の担保ができることの4点を挙げています。

成田さんが学生からよく聞くのは「AIを使うのは悪いことではないか」という不安の声です。しかし、正しく使えばAIは志望動機の質を高める強力なサポートツールになります。

時間と労力を大幅に削減できる

志望動機の作成には自己分析や企業研究など多くの作業が必要です。AIを活用すれば、こうした情報収集や整理にかかる時間を大幅に短縮でき、複数の企業にエントリーする就活生にとって便利なツールとなります。

構成や表現のヒントが得られる(たたき台として有効)

AIの効果的な活用方法の一つは、壁打ち相手として使うことです。志望動機を「作ってもらう」のではなく、AIに「質問してもらう」ことで自分の考えを深掘りできます。複数のパターンで構成を提案してもらうことで、自分だけでは思いつかなかった切り口や表現のヒントを得られます。

複数企業への応募を効率化できる

就活では多くの企業にエントリーする必要があり、一社ごとに志望動機を作成するのは大きな負担です。AIを活用すれば、業界分析や企業研究にかかる時間を短縮し、より多くの企業にチャレンジする余裕が生まれます。

一定の質を担保できる(型・書き方を押さえた文章がつくれる)

AIは志望動機の基本的な構成(結論→理由→エピソード→抱負)を踏まえた文章を生成してくれるため、文章構成に自信がない人でも一定の質を担保した志望動機を作成できます。ただし、最終的には自分の言葉で表現を調整することが大切です。

志望動機をAIで作成するデメリット・リスク

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en-courage利用者へのインタビューでは、AIを活用したものの選考で失敗したという声も聞かれます。成田さんが考えるに、AIを正しく使いこなせていないことが原因であるケースがほとんどです。

オリジナリティが出にくい(差別化できない)

AIで作成した志望動機はテンプレート的な表現が多くなりがちで、他の応募者との差別化が難しくなります。「なぜその企業でなければならないのか」という部分は、必ず自分自身の言葉や経験を盛り込んで差別化を図りましょう。

不自然な表現・AI独特の言い回しが出やすい

AIで生成された文章には、日本語として微妙な違和感が残ることがあります。過度に堅苦しい表現や、普段使わないような難解な言葉遣いは採用担当者に見破られるため、必ず自分の言葉に置き換えて修正しましょう。

情報の誤りが含まれる可能性がある

AIが生成する文章には「ハルシネーション」と呼ばれる誤った情報が含まれる可能性があります。公式サイトやIR情報で必ず事実確認を行いましょう。

熱意が伝わりにくい

AIで作成した志望動機は、論理的に整っていても感情や熱意が込められていない文章になりがちです。自分の経験や価値観と企業の特徴を結びつけた具体的なエピソードを、必ず自分の言葉で表現しましょう。

AIを志望動機作成でうまく活用するための5つのステップ【全体像】

AIを志望動機作成で活用するための5ステップを紹介しています。ステップ1の注意点の把握から始まり、ツールの選定、必要な要素の言語化、たたき台の作成、そして最後のブラッシュアップまでのプロセスを順を追って提示しています。

成田さんが実際に就活生を支援する中で確立した、AIを効果的に活用するための5つのステップを紹介します。en-courage利用者へのインタビューでも、この流れで取り組んだ学生の満足度が高いことがわかっています。

  • ステップ①:絶対に避けるべき注意点を押さえておく
  • ステップ②:AIツールを選ぶ
  • ステップ③:志望動機に必要な5つの要素を言語化する
  • ステップ④:志望動機のたたき台を作成する
  • ステップ⑤:志望動機をブラッシュアップする

次のセクションからは、この5つのステップに沿ってAIを活用しながら志望動機を作成する方法を詳しく解説します。

【ステップ①】絶対に避けるべき注意点

AI活用において絶対に避けるべき注意点として、「コピペでの提出は絶対NG」「機密情報・個人情報の入力禁止」「事実確認は必須」の3つを警告しています。成田さんのコメントでは、AIが嘘の情報を出力する「ハルシネーション」という現象への注意を促しています。

en-courage利用者へのインタビューでは、AIを使って失敗した経験談も多く聞かれます。成田さんが学生からよく聞く失敗パターンを踏まえ、絶対に避けるべき注意点を押さえておきましょう。

コピペで提出は絶対NG

AIが生成した文章をそのままコピペして提出することは絶対に避けてください。採用担当者は膨大な数の応募書類を見てきた経験から、AI特有の文章パターンを見抜く力を持っています。面接で深掘り質問をされた際に、自分の言葉で説明できなければ、信頼を失うことになります。

機密情報・個人情報の入力禁止

AIツールに機密情報や個人情報を入力することは避けてください。入力した情報がAIの学習データとして利用される可能性があります。企業の内部情報や、自分の個人情報を含む詳細な経歴などは、入力しないよう注意しましょう。

事実確認は必須(ハルシネーション対策)

AIは「ハルシネーション」と呼ばれる現象で、存在しない情報をあたかも正しいかのように出力することがあります。企業の事業内容や業績、最新のニュースなど、AIが生成した情報は必ず公式サイトやIR情報で事実確認を行いましょう。

【ステップ②】志望動機作成に使えるAIツールを選ぶ

成田さんが就活生を支援する際に推奨しているツールを、汎用AIと就活特化型に分けて紹介します。en-courage利用者へのインタビューでも人気のツールをピックアップしました。

志望動機作成におすすめのAIツール4選

志望動機作成におすすめのAIツールとして、「ChatGPT」「Gemini」「Claude」「内定くんAI」の4つを紹介しています。成田さんは、特に「内定くんAI」について、LINEで使える手軽さと企業分析機能の利便性を推奨しています。

志望動機の作成に使えるAIツールの中から、特におすすめのものを紹介します。

ChatGPT

対話形式で自分の考えを深掘りできるのが強み。「なぜその企業か」「どんな経験が活かせるか」と壁打ちしながら思考を整理し、文章を何度もブラッシュアップできます。無料版でも十分活用でき、ノウハウ情報も豊富です。

Gemini

Google検索と連携し、最新の企業情報や業界ニュースを踏まえた回答が得られます。企業研究から志望動機への落とし込みまで一つのツールで完結できる点が便利です。

Claude

長文処理と論理構成に優れ、志望動機の添削では論理の飛躍や構成の問題点を具体的に指摘してくれます。複数案の比較分析や長めのメモ整理にも向いています。

内定くんAI

LINEで使える就活特化型AI。企業名を送ると企業分析情報を返してくれ、登録情報をもとに企業ごとにカスタマイズしたESを作成。自己分析機能も搭載しています。

その他AIツール8選

上記の4つ以外にも、志望動機作成に活用できるAIツールは多数あります。

  • BaseMeAI:プロフィールや対話履歴を学習し、自己分析に特化したアウトプットを生成。企業名を伝えると選考情報と「活かせる強み」を提案してくれます。
  • SmartES:選考通過ES約10万件を学習。箇条書き入力だけで勝ちパターンに基づいた文章を生成。文字数指定も可能で、毎日3回まで無料です。
  • ES Maker:6万枚以上のESを学習したAIが、質問・キーワード・文字数の入力で文章を作成。会員登録なしでも1日3回まで利用可能です。
  • AI就活サポたくん:LINE対応で4つの質問に答えるだけでES作成。添削では「総評」と「詳細」の2部構成で改善点を提示。24時間対応です。
  • 就活AI byジェイック:会員登録不要でキーワード入力だけで文章生成。面接想定質問のリストアップ機能もあり、作成から面接準備まで一貫してサポートします。
  • ESの達人 ONECAREER:内定者ES例文を参照しながら作成可能。業界別・企業別の例文が充実しており、評価される構成や表現を学べます。
  • 就活秘書:各就活サイトの選考締切を一覧管理でき、リマインド設定も可能。ES作成・模擬面接・就活相談が24時間でき、プロへの相談も可能です。
  • AIシューカツ:スマホアプリでキーワード3つを選ぶだけで1〜3分で文章完成。16性格診断で強みを把握した上で企業特化の志望動機を生成します。

AIツールの比較表

志望動機作成に使えるAIツールの一覧表です。ChatGPT、Gemini、Claude、内定くんAI、BaseMeAI、SmartES、ES Maker、AI就活サポたくん、就活AI byジェイック、ESの達人、就活秘書、AIシューカツの計12ツールについて、料金、登録の要不要、文字数指定の可否、回数制限、特徴的な機能を比較してまとめています。

【ステップ③】志望動機に必要な5つの要素を言語化する

成田さんが学生からよく聞くのは「いきなりAIに志望動機を書いてもらったが、しっくりこない」という声です。質の高い志望動機を作成するには、AIに文章を生成させる前に自分自身の情報をしっかり整理しておくことが欠かせません。

事前準備として整理すべきこと

事前準備として整理すべき項目として、「自己分析」「業界分析」「企業分析」の3つを挙げています。成田さんは、これらの準備を疎かにすると軸がブレる一方で、徹底的な準備が論理的な文章作成につながるとアドバイスしています。

生成AIを効果的に活用するには、事前の準備が欠かせません。いきなり「志望動機を書いて」とAIに指示するのではなく、まずは自己分析、業界分析、企業分析を行いましょう。これらの情報を整理してからAIに入力することで、より精度の高い志望動機を作成できます。

自己分析:自分の強み・経験・価値観を整理する

志望動機を書く前に、自分の強みとしてアピールできるポイントを洗い出しましょう。これまでの活動内容や実績、習得したスキルや資格をまとめ、自分の強みを活かして課題解決に取り組んだエピソードをリストアップしておくと、志望動機に具体性が生まれます。

▼自己分析については以下の記事で詳しく解説しています。
自己分析を深める11のやり方目的・注意点・活用方法まで完全ガイド

業界分析:業界の特徴・動向・求められるスキルを把握する

希望する業界の特徴や動向、求められるスキルを把握しておきましょう。AIを使えばネット上の情報を効率的に収集・整理できます。業界全体のトレンドや課題を理解した上で、なぜその業界に興味を持ったのかを明確にしておくことが大切です。

▼業界研究については以下の記事で詳しく解説しています。
【資料付き】主要13業界総まとめと業界研究の効率的な分析方法とは

企業分析:企業理念・事業内容・求める人物像を調べる

志望企業の公式サイトから企業理念、事業内容、求める人物像などの情報を収集しましょう。最新のプレスリリースや採用ページの情報も忘れずにチェックしてください。これらの情報をAIに読み込ませることで、その企業特有の用語や価値観を反映した志望動機を生成できます。

▼企業研究については以下の記事で詳しく解説しています。
社会人が教える企業研究!企業研究の方法とは

言語化すべき5つの要素

志望動機作成のために言語化すべき5つの要素として、「志望理由」「目指すキャリア像」「ビジョンを持つに至った原体験」「業界を選んだ理由」「企業を選んだ理由」を順序立てて整理しています。

志望動機を作成する際には、以下の5つの要素を言語化しておくことが重要です。これらを整理しておくことで、AIに入力する情報の質が上がり、より説得力のある志望動機が生成されます。

  • この企業を志望する理由は何か:志望動機の核となる部分です。数ある企業の中からなぜその企業を選んだのか、企業理念への共感や、その企業でしかできないことなど、具体的な理由を一言で表現できるように整理しましょう。
  • どんなキャリアを目指しているのか:入社後の具体的な目標やキャリアプランを明確にしておきましょう。「3年以内にプロジェクトリーダーを目指す」など、数値目標を含めると現実性が増します。長期的な目標と短期的な目標の両方を整理しておくと効果的です。
  • そのビジョンを持つようになった原体験:キャリアビジョンを持つに至った具体的な経験やエピソードを整理しましょう。過去の活動経験やプロジェクト、学生時代の活動など、できる限り具体的に言語化しておくことで、志望動機に説得力が生まれます。
  • 業界を選んだ理由:なぜその業界に興味を持ったのかを明確にしておきましょう。AIを壁打ち相手として活用し、「なぜその業界に興味を持ったのか」という質問に対する答えを深掘りしていくと、自分でも気づいていなかった志望理由が見つかることがあります。
  • 企業を選んだ理由:業界の中でもなぜその企業を選んだのかを具体的に言語化しましょう。企業理念への共感、事業内容への関心、企業の特徴や強みなど、その企業ならではの魅力に触れることで、熱意と関心を効果的に伝えられます。

AIで壁打ちしながら言語化を深めるコツ

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言語化のプロセスでAIを壁打ち相手として活用することで、自分一人では気づかなかった視点やより深い自己理解に到達できます。重要なのは、AIに「答えを出してもらう」のではなく、「質問してもらう」という姿勢で臨むことです。

Deep Researchで業界・企業の情報を網羅的に収集する

ChatGPTやGeminiなどのAIツールには、Deep Research(深層調査)機能が搭載されているものがあります。この機能を活用すれば、業界動向や企業情報を網羅的に収集できます。

  • やり方のイメージ
    • AIツールで「〇〇業界の最新動向と課題を詳しく調査してください」と指示
    • 生成された情報をもとに「〇〇株式会社の強みと競合他社との違いを調べてください」と追加質問
    • 得られた情報を整理し、志望動機に活かせるポイントをピックアップ
  • Tips:調査結果は必ず公式サイトや信頼できる情報源でダブルチェックしましょう。AIが出力した情報が古い場合や誤っている場合があります。

IR資料やニュースリリースを読み込ませ、要点を整理してもらう

企業のIR資料や最新のニュースリリースをAIに読み込ませて、要点を整理してもらいましょう。

  • やり方のイメージ
    • 企業の公式サイトからIR資料(決算説明資料、中期経営計画など)をダウンロード
    • AIに「この資料の要点を整理して、志望動機に使えるポイントを教えてください」と指示
    • 採用ページの「求める人材像」も同様に読み込ませ、マッチするポイントを確認
  • Tips:PDFをそのまま読み込める有料版のAIツールを活用すると効率的です。無料版を使う場合は、テキストをコピーして貼り付けましょう。

過去の経験を箇条書きで伝え、志望動機に使えるエピソードを一緒に選ぶ

自分の過去の経験を箇条書きでAIに伝え、志望動機に使えそうなエピソードを一緒に選んでもらいましょう。

  • やり方のイメージ
    • 学生時代の経験(サークル、アルバイト、インターン、ボランティア、研究など)を箇条書きでAIに入力
    • 「〇〇業界を志望しています。上記の経験の中で、志望動機に活かせそうなエピソードを3つ選んで、理由とともに教えてください」と指示
    • AIが選んだエピソードについて「なぜそのエピソードが効果的か」を深掘り質問
  • Tips:エピソードは「課題→行動→結果→学び」の流れで整理しておくと、AIがより適切なアドバイスを返してくれます。

志望理由を伝えて「一言で言うと?」と要約してもらい、核を見つける

漠然とした志望理由をAIに伝えて「一言で言うとどうなりますか?」と要約してもらうことで、志望動機の核となる部分を見つけられます。

  • やり方のイメージ
    • 「〇〇会社を志望する理由は、△△という点に魅力を感じたからです。また、□□という経験から…」と現時点での志望理由をすべて伝える
    • 「この志望理由を一言で言い表すとどうなりますか?」と質問
    • AIの回答に対して「その表現は自分の気持ちに合っていますか?」と自問し、しっくりこなければ別の表現を求める
  • Tips:複数の要約パターンを出してもらい、最もしっくりくるものを選びましょう。自分の言葉で言い換えられるかどうかが選択の基準です。

複数パターンの表現を出してもらい、一番しっくりくるものを選ぶ

志望理由を一つに絞れないときは、AIに複数のパターンで志望動機の構成を提案してもらいましょう。

  • やり方のイメージ
    • 「私の志望理由は以下の3つです。①〜②〜③〜。これらを組み合わせて、志望動機の構成パターンを3つ提案してください」と指示
    • 各パターンの特徴(どの要素を強調しているか)を説明してもらう
    • それぞれのパターンで書き出しの文章を作成してもらい、最も説得力を感じるものを選ぶ
  • Tips:選んだパターンをベースに、面接で話すことを想定して「このパターンで話したとき、どんな深掘り質問が来そうですか?」と確認しておくと万全です。

【ステップ④】志望動機のたたき台を作成する

en-courage利用者へのインタビューでも、「AIへの指示の仕方がわからない」という声がよく聞かれます。成田さんが就活生を支援する中で培った、効果的なプロンプトの出し方を紹介します。

整理した情報をAIに入力する

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ステップ③で整理した情報をAIに入力しましょう。自己分析の結果、業界・企業研究で得た情報、過去の経験やエピソードなどを具体的に伝えることがポイントです。数字や固有名詞を含めて詳細に記載することで、よりパーソナライズされた志望動機が生成されます。

志望動機の基本構成を指示する

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AIに志望動機を生成してもらう際は、以下の6つの要素で構成を指定することで、整った文章を得られます。

プロンプト例:
「以下の構成で志望動機を作成してください。

  1. 書き出し:一言で、この企業を志望する理由は何か?
  2. 将来像:どんなキャリアを目指しているのか?
  3. 原体験:なぜそのビジョンを持つようになったのか?
  4. この業界を選んだ理由:なぜこの業界か?
  5. この企業を選んだ理由:なぜこの企業か?
  6. 締めくくり:改めて、なぜこの企業でなければならないのか?」

この構成を指示した上で、ステップ③で整理した情報を入力することで、論理的で説得力のある志望動機が生成されます。

書き方のポイントを指示する

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より質の高い志望動機を生成するために、以下のポイントもAIに指示しましょう。

プロンプト例:
「以下のポイントを押さえた文章にしてください。

  • 求める人物像にマッチさせる:〇〇株式会社が求める人物像は△△です
  • 結論ファーストで書く:最初の一文で志望理由を明確に伝える
  • 定量的に書く:数字を使って具体性を持たせる
  • 他社にはない企業の強みに言及する:〇〇という点は競合他社にはない強み
  • 原体験を具体的に述べる:いつ、どこで、何をしたかを明確に
  • インパクトのある書き出しと締めくくりにする:印象に残る表現を使う」

▼構成・書き方について詳細を知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
エントリーシートの志望動機の構成と書き方!周りと差をつけるポイントを元日系大手人事が解説

精度を上げるためのコツ

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良い例文を読み込ませて、文体や表現を参考にさせる

内定者のES例文や質の高い志望動機をAIに読み込ませて、文体や表現を参考にさせることで、より洗練された文章を生成できます。

  • やり方のイメージ
    • 内定者のES例文集や就活サイトから、志望業界・企業の良い例文を2〜3個収集
    • AIに「以下の例文の文体や表現を参考にしてください」と指示し、例文を入力
    • 「上記の例文のように、〇〇な印象を与える文章で私の志望動機を作成してください」と指示
  • Tips:例文をそのままコピーするのではなく、「文体」「表現の工夫」「構成」など、参考にしたいポイントを明確に指示しましょう。

文字数を明確に指定する(400字以内、600字程度など)

エントリーシートの文字数制限に合わせて、具体的な文字数を指定しましょう。

  • やり方のイメージ
    • 「400字以内で志望動機を作成してください」と文字数を明示
    • 生成後に文字数が合わない場合は「350字程度に調整してください」と再指示
    • 文字数を減らす際は「冗長な表現を削って簡潔にしてください」と具体的に指示
  • Tips:文字数制限ぎりぎりではなく、少し余裕を持たせた文字数で指示すると、後から自分で調整しやすくなります。

一度で完成を目指さず、複数パターン生成して比較する

一度の生成で完成を目指すのではなく、複数の案を比較しましょう。

  • やり方のイメージ
    • 「上記の情報をもとに、志望動機を3パターン作成してください。それぞれ書き出しのアプローチを変えてください」と指示
    • 3つのパターンを比較し、最も説得力があるものを選ぶ
    • 選んだパターンをベースに「この方向性で、もう少し〇〇を強調したバージョンを作成してください」とブラッシュアップ
  • Tips:パターンごとに「どんな印象を与えたいか」を変えて指示すると、バリエーションが出やすくなります。

「〇〇な印象を与えたい」とトーンや雰囲気を指定する

与えたい印象を具体的に指定することで、狙った雰囲気の文章を生成できます。

  • やり方のイメージ
    • 「やる気と熱意を感じさせる文章で作成してください」と印象を指定
    • 他にも「積極性をアピールできるトーンで」「誠実で堅実な印象を与える文章で」「チャレンジ精神が伝わる表現で」など、企業の求める人物像に合わせて指定
    • 生成後に「もう少しエネルギッシュな印象にしてください」など微調整
  • Tips:志望企業の社風や求める人物像を事前に調べ、それに合ったトーンを指定しましょう。

コピペで使えるプロンプトテンプレート

以下のテンプレートを使えば、記事内で紹介されていたテクニックを漏れなく実践でき、より説得力のある志望動機が作れるはずです。

Step1. 情報を読み込ませて、3パターンのたたき台を作る

コピペで使用可能なプロンプトテンプレートの第一段階として、情報をAIに読み込ませて3パターンのたたき台を作成させるステップを紹介したスライドです。

▼以下のテキストをすべてコピーし、[ ]の部分を埋めてAIに送信してください

あなたはプロのキャリアコンサルタントです。  
以下の【入力情報】と【参考にする例文】をもとに、〇〇株式会社への志望動機のたたき台を「3パターン」作成してください。

# 依頼事項  
- 私の情報と企業の情報を掛け合わせ、論理的な志望動機を作成する。  
- 文体や表現のトーンは【参考にする例文】の雰囲気を参考にしつつ、【狙いたい印象】に近づける。  
- 切り口を変えて「3パターン」提示する(例:情熱重視、ロジック重視、原体験重視など)。  
- 文字数は各パターン「400字程度」を目安にする(今は厳密でなくて良い)。

# 入力情報  
【志望企業】  
[企業名を入力]

【自己分析の結果】  
- 強み:[ここに記入]  
- 経験・エピソード:[ここに記入]  
- 大切にしている価値観:[ここに記入]

【企業研究の結果】  
- 企業の強み・魅力:[ここに記入]  
- 他社にない特徴:[ここに記入]  
- 求める人物像:[ここに記入]

【狙いたい印象(トーン)】  
(例:誠実で堅実、チャレンジ精神旺盛、論理的でスマート、など)  
[ここに記入]

【構成要素(必ず含めること)】  
1. 書き出し:一言で、この企業を志望する理由は何か?  
2. 将来像:どんなキャリアを目指しているのか?  
3. 原体験:なぜそのビジョンを持つようになったのか?  
4. この業界を選んだ理由:なぜこの業界か?  
5. この企業を選んだ理由:なぜこの企業か?  
6. 締めくくり:改めて、なぜこの企業でなければならないのか?

# 参考にする例文(文体や構成の参考)  
[ここに内定者のES例文や、良いと思った例文を貼り付け]

Step2. 選んだ案を洗練させて、提出用に仕上げる

コピペで使えるプロンプトテンプレートのStep2として、「選んだ案を洗練させて提出用に仕上げる」という段階を紹介したスライドです。

▼Step1で出力された3つの中から、最も良いと感じたものを選び、以下のように指示を出します。

作成いただいた「パターン〇(選んだ番号)」をベースに、提出用にブラッシュアップしてください。  
以下の【書き方のポイント】を厳守し、文字数を「〇〇字以内(例:400字以内)」に収めてください。

# 書き方のポイント(推敲指示)  
1. 求める人物像への訴求:企業が求める人物像([人物像を再記])にマッチしていることが伝わる表現にする。  
2. 結論ファースト:最初の一文で「なぜこの企業か」が明確に伝わるようにする。  
3. 定量化:エピソード部分などは、可能な限り数字を使って具体性を持たせる。  
4. 独自性への言及:競合他社ではなく、この企業でなければならない「独自の強み」に必ず触れる。  
5. 原体験の具体化:いつ、どこで、何をしたかが映像として浮かぶように具体的に述べる。  
6. インパクト:書き出しと締めくくりは、採用担当者の印象に残る強い言葉を選ぶ。

以上のポイントを踏まえ、プロとして添削・リライトした完成版を出力してください。

【ステップ⑤】志望動機をブラッシュアップする

志望動機をブラッシュアップするステップとして、最もおすすめな方法として「就活のプロに添削してもらう」ことを強調しています。その他に、「自分の言葉に書き換える」「情報の正確性をチェックする」「不自然な表現を直す」という3つのポイントを挙げています。

成田さんが実際に人事としてESを見てきた経験から、AIが生成した志望動機のたたき台は、そのまま提出してはいけないと強調しています。自分の言葉に書き換え、情報の正確性をチェックし、不自然な表現を修正することで、採用担当者の心に響く志望動機に仕上げましょう。

就活のプロに添削してもらう

AIで作った志望動機の完成度をさらに高めるなら、就活のプロによる添削が一番の近道です。プロの視点でチェックを受けることで、論理の飛躍や違和感を修正し、採用担当者に響く表現へとブラッシュアップできます。

さらに、模擬面接もあわせて依頼しましょう。AIが作った文章をそのまま覚えるのではなく、プロからの深掘り質問を受けることで、面接本番でもスムーズに答えられる「自分の言葉」としての定着を図れます。

自分の言葉に書き換える

AIが生成した文章は、必ず自分の言葉に書き換えましょう。文末や接続詞を修正したり、自分のエピソードを加えたりすることで、自然な温度感のある文章に仕上がります。この作業を行うことで、面接で話す内容との乖離もなくなります。

情報の正確性をチェックする

AIが生成した内容に含まれる企業情報や業界情報は、必ず公式サイトやIR情報で事実確認を行いましょう。組織再編や事業変更などで情報が古くなっている可能性があります。誤った情報を記載すると信頼を失いかねません。

不自然な表現を直す

AI特有の堅苦しい表現や、普段使わないような難解な言葉遣いは、自然な表現に修正しましょう。何度も読み返して違和感がある部分は、自分の言葉で書き直すか削除することが大切です。

AIを使いこなして生成した志望動機の例文とポイント

ここでは、AIを正しく活用して作成した志望動機の例文を業界別に紹介します。それぞれの業界で重視されるポイントを押さえた例文になっていますので、参考にしてください。

メーカー

<AIを使いこなした例文>

素晴らしい技術を「感動」という体験に変えて顧客へ届けたいと考え、貴社を志望します。家電量販店のテレビ売り場で、当初は機能説明に終始し販売不振に陥りました。そこで現状を打破するため、「お客様は機能ではなく生活を買っている」と仮説を立て、理想の視聴環境を徹底して聞き出す接客へ転換しました。さらに、社員の方にも展示方法の改善を提案するなど自ら働きかけた結果、店舗内コンテストで1位を獲得しました。この経験から、技術は正しく届いて初めて価値を持つと学びました。DTC戦略を通じて顧客と直接繋がり、新しいライフスタイルを提案し続ける貴社の姿勢に強く惹かれます。自由闊達な環境で私の「泥臭い行動力」と「聞く力」を活かし、最前線で市場の声を開発へ還元したいです。貴社の商品を通じて、世界中のお客様の日常を豊かに変えることに貢献します。

<AIの使い方が惜しい例文>

世界中の人々に「感動」を届けたいという強い思いから、御社を志望いたします。私は幼少期から御社のプレイステーションやイヤホンに触れ、日常がワクワクするような体験をしてきました。この感動を多くの人に伝えたいと考え、家電量販店でのテレビ販売のアルバイトに注力しました。現場では、単にスペックを説明するのではなく、お客様の生活がどう豊かになるかを提案することを心がけ、信頼を得てきました。私の強みである「誰とでもすぐに打ち解ける明るい接客力」と、現場で培った提案力を活かし、御社の素晴らしい技術と製品を日本のみならず世界中に広めていきたいです。御社の営業として泥臭く走り回り、一人でも多くのファンを増やして売上に貢献したいと考えています。

<どこが違うか>

  • 視点の高さ:「製品が好き(ファン目線)」ではなく、「製品を通じてどう市場に価値を提供するか(ビジネス目線)」で語られているかどうかが決定的に違います。
  • エピソードの具体性:惜しい例が「接客を頑張った」という抽象的な努力に留まっているのに対し、良い例は「仮説(機能より生活)→行動(ヒアリング重視)→結果(1位)」と、再現性のあるプロセスが明記されています。
  • 企業研究の深さ:単に「技術力がすごい」と褒めるのではなく、「DTC戦略」など企業の具体的な戦略用語を用い、それに自分がどう貢献できるかを紐づけています。

金融

<AIを使いこなした例文>

貴社を志望する理由は、お客様の人生に深く寄り添い、世代を超えて資産を守り育てるパートナーになりたいからです。私は塾講師として、勉強嫌いな生徒に対し、毎週の対話を通じて不安を取り除くことに注力しました。信頼関係を築き第一志望合格へ導いた際、人生の重要な分岐点を支えることに大きなやりがいを感じました。「貯蓄から投資へ」の流れの中、資産形成の重要性は高まっています。貴社はMUFGの強固な基盤とモルガン・スタンレーの高度な提案力を融合した銀証連携により、お客様に対し幅広い選択肢を提供できます。この環境でなら、お客様にとって真に最適なソリューションを追求できると確信しています。私の強みである「誠実に向き合う対話力」を活かし、お客様のために考え抜き、「あなたに任せたい」と言っていただけるプロの営業職として成長したいです。

<AIの使い方が惜しい例文>

私は「人との対話を通じて、相手の人生の選択を支える仕事」がしたいと考え、貴社を志望します。私は塾講師のアルバイトにおいて、単に勉強を教えるだけでなく、生徒一人ひとりの悩みや目標に徹底的に向き合うことを大切にしてきました。対話を重ねて信頼関係を築き、志望校合格というゴールを共有して「先生のおかげで頑張れた」と言葉を頂いた時に、これまでにないやりがいを感じました。この経験から、お客様の人生に深く関わり、資産形成という側面から長期間サポートできる証券営業に魅力を感じています。中でも貴社は、MUFGの圧倒的な顧客基盤と信頼、そしてモルガン・スタンレーの高度な金融ノウハウを融合させ、他社にはない質の高い提案が可能です。「貯蓄から投資へ」という時代の転換期において、お客様にとって最適な解を提案し、最も信頼されるパートナーとして貴社で成長していきたいと考えます。

<どこが違うか>

  • 差別化の根拠:惜しい例は「MUFGとモルガン・スタンレー」という事実を述べるだけですが、良い例は「銀証連携による幅広い選択肢」がなぜ顧客にとって重要なのか、そのメリットまで踏み込んでいます。
  • 「寄り添う」の定義:惜しい例が「精神的な支え(感謝された)」に重点を置いているのに対し、良い例は「不安を取り除き結果(合格)を出させる」という、プロとしての課題解決に焦点を当てています。
  • 自立的な姿勢:「成長させてほしい」という受け身な姿勢ではなく、「自分の強みを活かしてプロとして成果を出したい」という能動的な貢献意欲が示されています。

商社

<AIを使いこなした例文>

貴社の「New way, New value」を掲げ、若手から挑戦を促す風土に惹かれ志望します。私は居酒屋のリーダーとして、店舗改革を最後までやり抜きました。当時、ホールとキッチンの対立によりオーダーミスが月30件多発していました。私は解決のために双方の間に入り、ピーク時の動線や伝達方法の不備を特定。互いの主張を汲み取りながら、粘り強くオペレーションを再構築しました。結果、ミスは月5件に激減し、チームの信頼関係も回復しました。この経験から、困難な状況でも周囲と協力し、成果を出すことに情熱を感じています。多様な関係者を巻き込み事業を創出する貴社で、私の「泥臭い調整力」と「どんな環境も楽しむタフさ」を活かしたいです。世界を舞台に、新たな価値創造の現場を動かす人材になります。

<AIの使い方が惜しい例文>

世界中のあらゆるビジネスに関わり、人々の生活を豊かにしている商社の仕事は、私にとって最大の憧れであり目標です。中でも、若手のうちから裁量を持って挑戦できる貴社の風土の中で、自分自身を圧倒的に成長させたいと強く願っています。私の最大の武器は、「何事も最後までやり抜く体力と気合」です。居酒屋のアルバイトでは、リーダーとして過酷なシフトやトラブル対応の矢面に立ち続けてきました。どんなに苦しい状況でも「絶対に諦めない」という姿勢で取り組むことで、周囲からの信頼を勝ち取ってきました。貴社に入社後は、このタフさを活かし、国内だけでなく海外の未知なる市場にも臆することなく飛び込みたいと考えています。大きな仕事には大きなプレッシャーが伴うと思いますが、それをエネルギーに変え、元気と行動力で貴社の利益に貢献する覚悟です。

<どこが違うか>

  • 強みの質:惜しい例は「体力・気合・諦めない」という個人の精神論ですが、良い例は「対立する利害関係者の間に入って調整し、仕組みを変える」という、商社業務に直結する調整力・解決力をアピールしています。
  • 成果の示し方:惜しい例が「信頼を得た」という主観的な成果であるのに対し、良い例は「ミスが月30件から5件に激減」と、誰が見てもわかる客観的な数字で成果を証明しています。
  • 企業風土への理解:漠然とした「海外・大きな仕事」への憧れではなく、「若手から挑戦を促す風土(New way, New value)」という企業独自のカルチャーと、自分の性格との合致性を論理的に説明しています。

IT

<AIを使いこなした例文>

IT技術で社会の仕組みを最適化し、人々の暮らしを豊かにしたいと考え、貴社を志望する。原点はカフェのアルバイトだ。手書きによるシフト管理の非効率さを課題と捉え、自らExcelでの自動計算ツールを作成・導入した。結果、店長の作業時間を半減させ、「本来やるべき接客に集中できる」と感謝された経験から、技術を用いて課題解決する意義と喜びを学んだ。この経験を社会規模で実現したい。日本の社会インフラを支える貴社の実績と、個の力を結集してチームで挑む社風に強く惹かれている。現在はITパスポート取得に向け学習を継続中だ。文系未経験ではあるが、持ち前の論理的思考力と粘り強さを活かし、将来的には自ら考え変革を導く「考導力」のあるSEとして、貴社のプロジェクトに貢献したい。

<AIの使い方が惜しい例文>

貴社のIT技術を用いて、社会の仕組みを支えるインフラをつくりたいと考え、志望いたしました。私はカフェのアルバイトで、手書きで混乱していたシフト管理をExcelで自動化し、店長の業務時間を大幅に削減した経験があります。この時、ITの力で業務効率化を実現し、働く人の負担を減らせたことに大きなやりがいを感じました。この経験から、より大規模なシステムで社会課題を解決したいと強く思うようになりました。数ある企業の中でも貴社は、官公庁や金融など社会基盤となるシステムを数多く手がけており、その影響力の大きさに惹かれています。また、文系出身者も多く活躍できる充実した育成環境があるため、未経験からでも着実にプロフェッショナルへ成長できると確信しています。入社後は、持ち前の粘り強さと学ぶ意欲を活かして技術を吸収し、顧客の課題に寄り添えるSEとして貢献したいです。

<どこが違うか>

  • 「効率化」の解像度:惜しい例は「負担を減らした(感情)」で終わっていますが、良い例は「作業時間を半減させ、本業(接客)に集中させた(ビジネスメリット)」まで言及しており、IT投資の意義を正しく理解しています。
  • 現在進行形の努力:惜しい例が「入社後に学びます」という未来の宣言であるのに対し、良い例は「現在ITパスポートを学習中」と、すでに独学を始めている事実を伝え、本気度を裏付けています。
  • 職種への適性:単に「影響力が大きいから」ではなく、「論理的思考力」や「考導力(考え変革を導く)」といった、SEという職種に求められる具体的な資質をアピールできています。

広告

<AIを使いこなした例文>

世界屈指のクリエイティビティを、泥臭い実行力でビジネスとして社会実装したいと考え貴社を志望する。どんなに優れたアイデアも、それを実現させるビジネスの土台がなければ世の中には届かない。私は学園祭のスポンサー営業において、当初は門前払いが続いたが、決して諦めなかった。相手企業のメリットを数字で実証する資料へ抜本的に作り直して再訪問を繰り返し、粘り強い交渉の末に過去最高額の協賛金を獲得した。この経験から、熱意と論理で人を巻き込み、企画を成立させることに強い使命感を抱いた。単なる広告枠の販売ではなく、クライアントの事業課題解決の真のパートナーとして「統合ソリューション」を提供する貴社でこそ、私の「やりきる力」は活きると確信する。クリエイターと顧客の間に立ち、どんな無理難題にも食らいつき、誰よりも汗をかいて必ず結果を出すビジネスプロデューサーになりたい。

<AIの使い方が惜しい例文>

「世の中の心を動かす驚きを仕掛けたい」と考え、貴社を志望します。大学の学園祭実行委員として、チーム一丸となり「場の熱狂」を創り上げる過程に没頭しました。自分が考案した企画で多くの人が笑顔になる瞬間を目の当たりにし、クリエイティブな仕事を通じて社会に影響を与えたいと強く思うようになりました。幼い頃から貴社の手掛ける広告やポスターに心を揺さぶられ続けてきました。貴社には、単なる広告の枠を超え、社会現象まで巻き起こす力があると感じています。私の強みである「人を楽しませる企画力」を、貴社の圧倒的なスケール感の中で発揮し、世界中を驚かせるような新しい価値やムーブメントを創出したいです。

<どこが違うか>

  • ビジネスとしての広告:惜しい例は「クリエイティブで驚かせたい・楽しませたい」という制作者目線ですが、良い例は「ビジネスとして成立させる(泥臭い交渉・数字での実証)」というプロデューサー目線で書かれています。
  • 課題解決のプロセス:惜しい例が「チーム一丸となって」という雰囲気重視なのに対し、良い例は「門前払いから資料を作り直して再訪問」という、困難を打破するための具体的な行動力(泥臭さ)が描写されています。
  • 役割の明確化:「新しい価値を作りたい」という曖昧な願望ではなく、「クリエイターと顧客の間に立つ調整役」として、自分がどのポジションで汗をかくかが明確にイメージできます。

よくある質問

就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。

AIで志望動機を書くのはズルい?倫理的に問題ない?

AIを志望動機作成の補助ツールとして活用すること自体は、倫理的に問題ありません。重要なのは、AIに丸投げするのではなく、最終的に自分の言葉で表現することです。ただし、AIで作成した志望動機に自信が持てない場合は、就活エージェントに相談することをおすすめします。プロの視点からアドバイスをもらうことで、より説得力のある志望動機に仕上げられます。

面接で深掘りされたら困らない?

AIを正しく活用していれば、面接で深掘りされても困ることはありません。大切なのは、生成された文章の内容をしっかり理解し、自分の言葉で説明できるようにしておくことです。不安な場合は、就活エージェントに模擬面接をしてもらい、深掘り質問への回答を練習しておくと安心です。書面と実際の回答にズレがないか、第三者にチェックしてもらうことで自信を持って面接に臨めます。

自己PRやガクチカもAIで作れる?

自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)もAIを活用して作成できます。志望動機と同様に、AIを壁打ち相手として使い、自分の経験やエピソードを整理・言語化することで、効果的な文章を作成できます。ただし、自己PRやガクチカは特に個人の経験が重要になるため、就活エージェントに添削してもらい、オリジナリティが出ているか確認することをおすすめします。

無料と有料で精度は変わる?

基本的な志望動機作成であれば、無料版でも十分に対応できます。有料版では回数制限がなかったり、より高度な機能が使えたりしますが、プロンプトの質を上げることで無料版でも質の高い文章を生成できます。AIツールの精度よりも、最終的に自分の言葉で仕上げることの方が重要です。迷った場合は就活エージェントに相談し、自分に合ったツールや使い方をアドバイスしてもらいましょう。


監修:成田 駿

元日系大手人事/就活サポーター

日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。

協力:NPO法人en-courage

全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。