待ったなしの社会課題を解決する東京電力の「決意」
インタビュイープロフィール
能勢 晃太朗(Kotaro Nose)
東京電力ホールディングス株式会社 稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室 人財・組織開発センター 採用グループ マネージャー
2002年入社
千葉工業大学 工学部電気工学科 卒
山田 明璃(Akari Yamada)
東京電力ホールディングス株式会社 稼ぐ力創造ユニット 組織・労務人事室 人財・組織開発センター 採用グループ
2021年入社
神戸大学 経済学部経済学科 卒
一人ひとりが主役となりエネルギーの未来を切り拓く
あらゆるものが電気によって動く時代。電気が使えなくなると、不便どころではなく、生活そのものが成り立たない。電気に支えられる暮らしが当たり前になっている今、エネルギーインフラの担い手、東京電力に求められる役割はあまりにも大きい。
2011年の福島第一原子力発電所事故から10年以上が経過した。廃炉に直接携わる社員だけでなく、すべての社員が、福島への賠償や復興に向けて一丸となって取り組んでいる。電力の安定供給を支えていくのは自分たちしかいないという使命感が、そこにはある。
「私は福井県出身で、原子力発電所が身近にある地域で育ちました。原子力発電の必要性を身に染みて感じる一方で安全への不安もあり、『文系の私にも調査や広報など幅広い職種を通して、日本のエネルギー政策に貢献できることがあるのではないか』と思い、当社への入社を志望しました」(山田)
実際に、廃炉に携わりたい、原子力発電所の安全対策や新規建設に従事したい、新型炉の開発に挑戦したいという明確な動機を持って入社を志望する学生も多い。 2021年7月、東京電力は新たなグループ経営理念を策定した。ミッションは「安心で快適なくらしのためエネルギーの未来を切り拓く」。福島への責任を果たすことを第一に、エネルギーが持つその先の可能性を追求し、お客さま一人ひとりの期待を超える価値を届けることを誓っている。
「まずは、電気を安心・安全に、そして安定して供給する既存事業を、しっかり丁寧に行うことが大事です。新規事業は、そのベースの上に展開していくものだと考えます。とはいえ、激変する社会における課題解決は待ったなし。カーボンニュートラルの実現と、災害時にも電気インフラを維持する電力レジリエンスの確保が、私たちの新規事業の柱です。長期的な安定供給とカーボンニュートラルの両立も、災害に強いまちづくりの実現も、非常に困難な道のりですが、自分たちに課せられた使命を果たすべく、全社一丸となってチャレンジを続けています」(能勢)
具体的な中長期経営戦略として、供給側では、洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーや原子力発電といった非化石電源事業が進行中だ。カーボンニュートラル社会づくりのために、地産地消の分散型再エネ電源の導入や、電化・蓄電池等の設備サービス事業を推進。防災を軸とした価値創造としては、各電力会社間の連携を強化し「電力ネットワークの強靱化」を図っている。
「将来のエネルギー事業をつくっていくのは皆さんです。そして一人ひとりが主役です。自らの可能性を信じ、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいと思います」(能勢)
「エネルギー業界のリーディングカンパニーである東京電力だからこそできることがあります。一緒にエネルギーの未来を切り拓き、カーボンニュートラル社会の実現を目指しましょう」(山田)
待ったなしの社会課題を解決する「PROJECT 01」
インタビュイープロフィール
平野 夏生(Natsuki Hirano)
東京電力エナジーパートナー 法人営業部 スマートコミュニティ 開発グループ
2015年入社
吉田 彬(Akira Yoshida)
東京電力ホールディングス 経営技術戦略研究所 事業開発推進室 水素事業準備室
2023年入社(キャリア採用)
Yasuhiro Koie(鯉江 康弘)
東京電力ホールディングス 渉外・広報ユニット 海外事業室 事業開発第三グループ
2010年入社
Masato Funahashi(舟橋 聖人)
東京電力ホールディングス 経営技術戦略研究所 技術開発部 環境・エネルギーエリア
2023年入社(キャリア採用)
グリーン水素の可能性を追求しカーボンニュートラルの実現に貢献する
山梨県甲府市下向山町、米倉山 ── 山梨県が保有するその山の斜面にソーラーパネル約8万枚から成る東京電力リニューアブルパワーのメガソーラー発電所が広がっている。同発電所は、年間約1,200万kWhもの電力を生み出す太陽光発電所のほかに「電力貯蔵施設研究サイト」を備える。その名の通り、電力貯蔵に関する研究を行うための山梨県企業局の施設だが、いったいそこで何をつくり出そうとしているのか。
その一つが太陽光発電の電力(再生可能エネルギー)をもとに、水素ガスの製造から利活用を行うPower to Gas(P2G)システムの実証施設である。電気(Power)からガス(Gas)を製造するためにP2G と呼ばれている。
県企業局を始めとしたアライアンスパートナーとともにこの米倉山で進化を続けるP2Gシステムをモデルとして、国内外で新たな事業の展開を見据えて実証試験に取り組む4 名の社員が座談会を行った。
脱炭素化の潮流を加速させるために
―製造過程でCO2を排出しない再生可能エネルギー由来の水素は「グリーン水素」と呼ばれ、石油や石炭に代わる燃料として期待されている。グリーン水素の効率的な製造と貯蔵は 、2050年カーボンニュートラル宣言の達成を左右するといっても過言ではない。製造・貯蔵技術が進む一方、今、世界的に課題となっているのはこのグリーン水素の利活用だ。どのようにグリーン水素を使うのか、その需要モデルを構築することが急がれる。こうした背景のもと、2021年に試運転を開始した米倉山のP2Gシステム。その後、どのような発展を見せているのか。
舟橋:2022年にサントリーホールディングス様が「やまなしモデル」のグリーン水素P2Gシステムを、サントリー天然水白州工場と白州蒸溜所に導入すると発表しました。順調に運べば、2025年にはCO2フリーのミネラルウォーターとウイスキーが誕生することになります。
吉田:太陽光発電所の電気をその地域で使えば、エネルギーの運搬によって起こるロスを減らせます。送電網を敷き直す必要もありませんしね。サントリー様とのプロジェクトは、再生可能エネルギーの「地産地消」を実践する重要なモデルケースとなりそうです。
平野:ですが、サントリー様のような大規模プロジェクトは、地理的な条件やコスト面においてハードルが高く、現状では容易に倣うことが難しいように見受けられます。そこで私たち東京電力エナジーパートナーでは、小規模パッケージ化した水素製造装置の開発に取り組んでいます。
鯉江:米倉山が「太陽光発電×水素」だとすれば、インドネシアは「地熱発電×水素」ということで、現在、現地最大のエネルギー会社、プルタミナ・パワー・インドネシア社とともに、地熱発電を活用したグリーン水素およびグリーンアンモニアの共同研究を行っています。
吉田:インドでは、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」に対する期待が高まっています。というのも、この国では発電量の70%が石炭火力発電由来で、大気汚染が深刻。それに、電力網・ガス配管などインフラ敷設も遅滞ぎみです。大規模な集中型エネルギーインフラが整う前に、地産地消型のエネルギーシステムがインド各地で展開される可能性は高いと見ています。
平野:国内・国外を問わず、先行して米倉山で開発を進めてきたP2Gシステムがカーボンニュートラルを加速させる上で非常に重要な役割を担っていることが、さまざまな業種・業界にも理解されつつあるようで頼もしく感じます。
―国内においても、海外においても、水素を熱源とした脱炭素プロジェクトは途上である。日々、現場を動かす4人はこれからの展開をどのように見るか。
平野:小規模パッケージ化したP2Gシステムを導入する私のプロジェクトは、乗り越えなければならない困難が山積みです。ですが、最近ではGX(グリーントランスフォーメーション)という言葉が聞かれるようになり、カーボンニュートラル推進の機運が醸成されてきたと感じます。
舟橋:ただ、こうしたムーブメントを一過性のもので終わらせてはいけないと強く思います。水素社会やP2Gシステムを広く普及させることができてはじめて、プロジェクトが成功したといえるのでしょうね。
吉田:現状ではコスト面において、再生可能エネルギーはどうしても、化石燃料などの直接燃料に及びません。いわば、将来への投資であり、プロジェクトの真価は少し先の未来に輝くものだと思っています。
鯉江:私も吉田さんの考えに共感します。水素事業成功のポイントは、将来のビジョンを描き、共感を得ることだと考えています。世界中にパートナーを広げていき、共通のビジョンに向かって手を取り合って進んでいくことが大事だと思います。
待ったなしの社会課題を解決する「PROJECT 02」
インタビュイープロフィール
中本 雄彦(Takehiko Nakamoto)
東京電力エナジーパートナー お客さま営業部 アセットサービス部 サービス推進グループ マネージャー
2006年入社
水野 未結(Miyu Mizuno)
東京電力エナジーパートナー お客さま営業部 電化推進グループ
2019年入社
手代木 由之(Yoshiyuki Teshirogi)
東京電力エナジーパートナー サービスソリューション事業部 オペレーション企画グループ 企画第四チームリーダー
1996年入社
山本 哲也(Tetsuya Yamamoto)
東京電力エナジーパートナー お客さま営業部 アセットサービス部 サービス推進グループ 第一チームリーダー
2020年入社(キャリア採用)
サブスクリプションモデルの太陽光発電システムで人々に新しいくらしを
2022年2月、東京電力エナジーパートナーから「エネカリプラス」がリリースされた。電気は「買って、つかう」から「つくって、ためて、つかいこなす」時代へ。そのコンセプトが示す通り、自宅に設置した太陽光発電システムで日々の電力をまかなうPPA(Power Purchase Agreement)サービスである。初期費用は無料、毎月定額で利用可能なサブスクリプションモデルとなっており、家計にやさしいだけでなく、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献する。本サービスを生み出したプロジェクトチームから社員4名が再結集して、開発の日々を振り返った。
前例のないミッションに立ち向かうために
―太陽光発電をくらしに身近なものとする定額機器利用サービス。それは2021年当時の東京電力エナジーパートナーにとって、前例のない試みだった。同年夏、2名の若手を中心に、サービス開発チームが形成される。リリースまで、与えられた期間は約半年。高いハードルを前にして、どのようにプロジェクトは動き出したのか。
中本:世界中で、二酸化炭素の排出を減らそうという潮流が生まれています。東京電力グループでも、カーボンニュートラルを軸としたビジネスモデルの変革に取り組んでいますが、その取り組みの一環として「エネカリプラス」は企画されました。エコなくらし方を世に広めるという点でも、また、当社において電力小売以外の収益を確保するという点でも、大きな期待のかかったサービスだと思います。そんなプロジェクトに、社歴の浅い水野さんと山本さんがリーダーとして抜擢されました。ずいぶんと戸惑ったのではないですか?
水野:まず何をすれば良いのか、それすら分からない状態でした。ですが、開発期限が迫っていたので、不安を感じている暇もなく、知見のある先輩方を質問攻めにして情報収集を進めながら、必要なタスクや開発プロセスを整理していったのが最初の1ヶ月でした。
山本:特にプロジェクトが始まったばかりのときは、全社横断の連携体制を構築することに苦心しました。サービスのプロモーションを担う「販売方」、契約者さまの各種手続きを支援する「業務方」、システム構築・保守を担当する「システム方」。3部門がしっかりと団結し同じ方向を向いて進めていかないと、プロジェクトは成功しません。ですが、関係各所のモチベーションや目線をなかなかそろえることができず。
水野:そうした難しい社内調整は、経験豊富な中本さんにサポートしてもらいました。
中本:ボトルネックだったのが業務方との連携だったと記憶しています。私たち営業方に知見のない料金請求まわりのオペレーションは、業務方のマネージャー層との密なコミュニケーションが不可欠。そうした働きかけは、社歴の浅いお二人には少し負担が大きいものですから、私がサポートを務めました。業務方に手代木さんが加わってからは、いろんなことが円滑に流れ出しました。
手代木:私自身、本社出向から戻り3ヶ月遅れのプロジェクト参画ということで、まずは皆の認識をそろえ、同じ方向を向くことに全力を注ぎましたが、それが功を奏したようです。
―リリースまで残すところ3ヶ月、部門を超えた連携体制が強固になり、プロジェクトは加速し始めた。だが、クリアしなければならない課題や検討すべき事項はまだまだ多い。最終局面に向けて、どのように駆け抜けていったか。
手代木:サブスクリプションモデルは、これまで私たちが構築したことのない仕組みです。お客さまからお支払いいただいたサービス料金をもとに、私たちは太陽光発電設備のリース会社にリース料を支払うため、請求や督促の業務設計にはずいぶん頭を悩ませました。
山本:太陽光発電設備の設置に伴う「詳細設計」の仕様を検討したり、業務方やシステム方と連携して実務のフローを構築したり、さまざまなタスクが同時並行で進捗していましたので、スケジュール管理に苦心しました。
水野:私は工事業務の委託先と契約準備を進めていて、想定以上に時間がかかったことを覚えています。太陽光発電の設置工事では効率も大切ですが、何より「安全性」が最重要。工事業者の方々にご理解いただくために、じっくり協議を重ね、法に則った安全基準や作業手順を作成しました。
中本:多くのステークホルダーを抱えつつ、山本さんも水野さんも、プロジェクトのリーダーとしてしっかり中心に立ってくれたと思います。
特別INTERVIEW 01
インタビュイープロフィール
黄地 のぞみ(Nozomi Ochi)
東京電力パワーグリッド株式会社
銀座支社 港制御所 配電保守グループ
2017年入社 千葉工業大学 工学部生命環境科学科 卒
配電保守グループは、電柱や電線、地中機器の保守と保全を担当する部署。停電などのトラブルを未然に防ぐための点検や、停電が発生した際の原因特定と復旧、お客さまからの設備確認などの依頼対応が主な業務です。管轄は港区、中央区、千代田区の中央三区。政府や皇室の施設、各国大使館、大型ホテルなど重要な施設が多く存在することもあり、電気を安定供給する仕事に大きなやりがいを感じています。東京オリンピック・パラリンピックの際には、電気トラブルの発生に備えて選手村に待機していました。世界最大のイベントに仕事で関わることができたことは、一生忘れられない思い出です。
当社を志望した理由は、女性としてライフステージが変わっても長く働き続けることができると思ったから。実際に、仕事と子育てを両立されている先輩方も多く、私自身も育児休暇取得後に職場復帰しました。妊娠時から電柱に昇ったりする現場作業はなくなっているので、在宅勤務やフレックスタイムが活用でき、子どもの急な体調不良にも対応が可能です。男性でも育児休暇を取っている人が多く、周囲の理解があることが働きやすさにつながっています。
また、研修が充実していることも当社の魅力。手厚く学ぶ機会が豊富にあり、私のような化学系の出身でも電気エンジニアとして成長できる環境があります。今後も知識の習得を続けつつ新しい業務にも挑戦して経験を積み、プロとして社会に貢献していきたいです。
特別INTERVIEW 02
インタビュイープロフィール
中浦 加寿絵(Kazue Nakaura)
東京電力ホールディングス株式会社
原子力設備管理部 設備計画グループ兼原子力耐震技術センター 安全強化プロジェクト管理グループ
2019年入社 岐阜大学 工学部電気電子情報工学科 卒
多くの人の役に立てる仕事としてインフラ業界を志望。中でも、社会の基盤となる「電力」を担う当社に興味を持ちました。またインターンシップに参加したとき、女性社員が活躍されている姿を見て、「自分も先輩方のように成長して社会に貢献したい」と思ったことも、入社理由の一つです。
入社後は柏崎刈羽原子力発電所に配属となり、保全の仕事を3年余り経験しました。その後、本社に異動。現在は原子力設備管理部に所属し、原子力部門の工事発注や部品調達のプロセスの整備、発電所で使用するシステムの整備など、現場業務を安全かつ効率的に進めていくための各種検討を行っています。検討業務の中では、自分が経験したことのない新しい課題と向き合っていく必要があります。ときには部署を超えて周りを巻き込んで業務を進めることもあり、一つひとつの課題を乗り越えるごとに、成長とやりがいを感じています。
女性ならではの視点で発想や考え方を提言できる技術者になることが私のキャリアビジョン。そのためにも、さまざまな経験をして知見を重ねることが必要です。今後は海外で原子力に関わる仕事に挑戦して、視野をさらに広げていきたいと考えています。男女関係なく、自分の能力を発揮してやりたいことを実現できる環境がある当社だからこそ、その夢も叶えられそうです。
東京電力グループ
設立
1951年5月
資本金
1兆4,009億円
売上高(連結)
7兆7,986億円(2022年度)
従業員数(連結)
27,585名(2022年度末)
事業内容
電力供給やガス供給等の総合エネルギーサービス
事業体制
2016年4月にホールディングスカンパニー制へ移行。採用活動は東京電力ホールディングス(株)にて一括で実施。
・東京電力ホールディングス(株)
・東京電力フュエル&パワー(株)
・東京電力パワーグリッド(株)
・東京電力エナジーパートナー(株)
・東京電力リニューアブルパワー(株)
東京電力ホームページ
https://www.tepco.co.jp/index-j.html
2026卒向け採用マイページ
https://mypage.3030.i-webs.jp/tepco2026/