日本発「世界No.1のM&A総合企業」を目指す日本M&Aセンターに迫る
インタビュイープロフィール
中村 健太(Kenta Nakamura)
執行役員
人材ファースト統括部長 兼 人材戦略部部長 兼 コンプライアンス統括部
大阪大学 理学部物理学科 卒
2005年、新卒第1期生として入社。M&Aコンサルタントとして15年間で80件以上のM&Aに貢献。2020年4月より、「人材ファースト」をテーマに人材戦略部を立ち上げ、社員の成長と会社の発展に注力している。
2022年にパーパスを策定された背景を教えてください。
創業30年を迎え、第2創業を目指していく中で、自分たちの存在意義や何を成そうとしているのかを明確化し、社員が同じベクトルで仕事ができるようにと、経営陣が議論を交わしてパーパスを策定しました。
「最高のM&Aをより身近に」のパーパスに表現されていることが御社の強みであり、競争優位性につながっているのですね。
日本M&Aセンターは、そもそもミッションありきでつくられた会社です。33年前、「少子高齢化が加速していく中、これから事業承継が大きな社会問題になる」と予見し、その社会課題解決のために「M&Aを通じて企業の『存続と発展』に貢献する」という理念を掲げて設立されました。M&Aを正しく、より価値高くお客さまに提供し、真に社会課題を解決する企業として機能しなければならない。その想いは今も脈々と受け継がれています。近年では、事業承継が社会問題として顕在化してきたため、M&A仲介業に参入する企業が増えていますが、黎明期よりリーディングカンパニーとして市場をつくってきたこと、そして、豊富な実績とノウハウを持っていることが、当社の強みだと思います。
M&Aを通してお客さまに提供している価値は?
会社を譲り受けたい企業さまも、会社を譲渡したい企業さまも、本質的に求めていることは一つ。「より良いご縁」です。豊富な実績とノウハウという強みを生かして、お客さまにとってより良いご縁を提供できることが、当社が選ばれる理由だと思います。また、組織の中に弁護士や税理士、会計士などの専門部隊がいること、グループ会社としてシンクタンクや戦略コンサルティングファームを有していることで、M&Aだけで終わるのではなく、その前後を含めて総合的にご支援できるところが当社の特長です。
それが「最高のM&A」ということですね。では「より身近に」とはどういう意味でしょうか。
60万社。これは数年前に中小企業庁が推計した、後継者不足によって黒字にもかかわらず廃業の危機にある企業数です。これだけM&Aが必要とされながら、年間のM&A実績は業界全体で見ても4千〜5千社レベル。世界一の契約数を誇る当社でも年に千数百社しかご提供できていません。顕在化してきたとはいえ、まだまだ潜在マーケットであり、もっと経営者の方にM&Aのことを知ってもらう、身近に感じてもらうことが大切だと思っています。
求める人物像について教えてください。
M&Aは、実際に成約しなければ何も生み出しません。頑張ったけどうまくいかなかったというのは、残念ながら社会に対して価値を提供できていないことになります。したがって、求める人物像は、お客さまに最高のM&Aをお届けすることにこだわりを持てる方、自分自身のビジネスの成功においても絶対にやり遂げるんだという強い意志を持っている方ですね。
仕事の喜びはどんなところにありますか?
M&Aの成約や自分自身の成功にこだわるというと、お客さまを置いていっているように聞こえるかもしれませんが、それは違います。M&A仲介ビジネスにおいては、成約すること=売り手、買い手、双方のお客さまの課題解決をすることであり、私たちも決して少なくない報酬を得られるうえに、社会課題の解決にもつながる。つまり、成約することでみんなに喜んでいただけるビジネスです。「この仕事は社会の役にたっているんだろうか」と悩む必要はなく、全力でまっすぐに突き進んでいけることがこの仕事の最大の魅力です。会社を譲渡する、譲り受けるということは、経営者にとって人生で一番大きい決断ではないかと思います。その大切な場面において、20代の若手であってもしっかりとお客さまに向き合い、場合によっては背中を押していく仕事なので、正直めちゃくちゃ大変です。それでも、最高のM&Aを仲介できたとき、「あなたのおかげです」と涙を流しながら言われると、「もう、この仕事はやめられない」と誰もが思うでしょう。苦労が大きかった分、やりがいも大きくなる。それが当社の仕事の醍醐味です。
入社してどのようなキャリアが歩めますか?
繰り返しになりますが、今は、必要とされる事業承継問題が1%も解決できていない状況です。またM&Aは、事業承継だけでなく経営の成功へのプロセスを加速させる手段として注目されているので、今後マーケットは爆発的に拡がっていくでしょう。当社自身も今は約900人の会社ですが、マーケットの成長とともに会社も成長し、数万人のグローバルコンサルティングファームになっていくはずです。M&Aを専門とするコンサルタントがまだまだ数少ない中で、5年、10年と当社の仕事に真摯に取り組んでいけば、M&A業界において極めて稀有な人材になれます。そうなると、世の中に大きなインパクトを与えられる事業を生み出したり、新しいビジネスをつくり出したりすることも可能でしょう。しかも、数万人規模のグローバルコンサルティングファームというフィールドで。ぜひ一緒に社会課題を解決し、未来の日本を創っていきましょう。
若手社員座談会Talk Session
インタビュイープロフィール①
上山 宗一郎(Soichiro Ueyama)
会計チャネル コンサルタント戦略営業部東日本三部
2022年入社
京都大学 経済学部 卒
インタビュイープロフィール②
前田 七森香(Nashika Maeda)
成長戦略チャネル 成長戦略部
2022年入社
津田塾大学 学芸学部 卒
インタビュイープロフィール③
木本 倫大(Michihiro Kimoto)
法人チャネル 東日本事業法人一部
2023年入社
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部 卒
涙を流して喜んでもらえる仕事。厳しさの先に感動があるから頑張れる
前田:木本さんは、入社1年目がもうすぐ終わるけど、今はどんな案件に関わっているの?
木本:あるメーカー企業の案件を担当しています。製造業の会社同士のマッチングなのですが、双方がまったく違う事業をしているので調整が大変。でも、買い手の企業さんがかなり前向きに検討してくださっていて、成約まであと少しというところです。
前田:決まれば初成約だね。
木本:それにしても、1件だけでもつきっきりで大変なのに、先輩方は並行して複数の案件を担当されていてすごいと思います。
上山:確かに忙しい毎日だけど、成約したときの感動を経験すると、大抵のことは乗り越えていける気がする。
木本:とくに印象に残っている案件はありますか?
上山:ご病気で余命半年と宣告された経営者の方から「会社の歴史と従業員を守ってほしい」と依頼されて取り組んだ案件。残された時間が限られている中で、かなり大変だったけど、約1ヵ月半で相手先を見つけることができた。成約式で感謝のお言葉をいただけると、苦労も吹き飛ぶというか、このための時間だったんだと思えるよね。
木本:前田さんはどうですか?
前田:M&Aを進めている途中で、譲渡企業のオーナーさんが急逝されて、二人のご子息のうちのお兄さんのほうから「契約書には印鑑を押せない」と言われて。
木本:そんなこともあるんですね……。それでどう対応されたのですか?
前田:まず、お兄さんのお話を聞いて、それを弟さんに伝えて、双方の意見を聞きながら調整して……。根気よく伝えたのは「事業を存続するためにはM&Aが必要だ」ということ、「M&Aをすれば廃業の危機を免れるだけでなく、こんな未来が待っている」ということ。何度も何度も説明して、最後には納得していただいた。
上山:そういうところが当社ならではで、BS(バランスシート)やPL(損益計算書)の数字だけを見て企業を評価するのではなく、その向こうにいる人、オーナーやご家族、従業員の方々などいろんなステークホルダーの想いを大切にして仕事を進めていく姿勢が大事だなと感じる。
前田:社長さまと面談して、これまでのご経験や会社に対する想い、これから何をしたいのか、プライベートも含めたご自身のビジョンまでしっかりお聞きしたうえで、それを相手側に伝えて、共感していただける企業をマッチングするからこそ、成約式であんなに喜んでいただけるんだと思う。
木本:涙を流すほど喜んでもらえる仕事なんてなかなかないですよね。それと、アドバイザリー契約があることも当社らしいと思います。成約に向けて本格的に動き出す前に着手金をいただく。それは「お互いに本気で最高のM&Aを実現する」という覚悟の現れでもありますよね。主担当があきらめたり、折れてしまったりしたら、最高のM&Aは実現できない。だから決してあきらめないで最後までやり切る。
前田:そう、最後までやり遂げる力は絶対に必要。私たちは、ステークホルダーみんなが納得するM&Aを目指しているだけに、それぞれの意見や要望が食い違ったりして難航することが多いよね。その大変なところを乗り越えた先にしか成功はないから、何が何でもやり切るしかない。
木本:まさに、ビジネスの総合格闘技ですよね。みんなが納得するM&Aを実現するためには、コミュニケーション能力や、ネゴシエーション能力、法務、財務会計、労務の知識など、あらゆる要素が必要ですから。
上山:それに相手は百戦錬磨の経営者。当社の営業は、売り込み営業でもお願い営業でもなくて、依頼主の経営者とパートナーとしての関係で進めていく仕事。社会人1年目から自身がフロントに立って、オーナーと対等な立場で仕事ができることが、最速の成長につながっていくのだと思う。
世界マーケットや士業ネットワークを活用して、地方、そして日本を創生する
上山:日本M&Aセンターの強みは、会計事務所の先生や銀行、証券会社の方とつながりがあること。ただ単にお客さま企業を紹介していただくだけでなく、オーナーにとって一番身近な存在の人たちが、自身のビジネスにプラスしてM&A事業を推進できるようになれば、後継者問題に悩む経営者をより多くご支援できる。当社が運営する日本M&A協会には既に1000を超える会計事務所の方が理事会員として参加していて、このネットワークをさらに拡大すること、ひいては日本経済を活性化していくことが僕の目標。
前田:私は九州出身で、入社1年目に北陸を担当していたこともあって、「地方」に焦点をあてて頑張りたいなと思ってる。M&Aは事業承継型から成長戦略型に変わってきているよね。M&Aの成約はゴールじゃなくてそこがスタート。今、成長戦略部に所属して、お客さまと一緒になってどんなシナジーが生み出せるのかを追求する仕事をしているので、その経験を生かして中小企業の成長をサポートしたい。そして、地方を創生していくことが当面の目標。
木本:僕は大学2年生のときに中国に留学したのですが、相対的に見て日本の国力がどんどん衰退していると感じました。「日本のGDPを上げるにはM&Aが必須だ」と思ったことが日本M&Aセンターを志望した理由です。当社はシンガポールを始め東南アジアに海外拠点を持っていて、そこから「会社や事業を譲渡したい」という企業さまの情報が入ってくるのですが、海外の企業や事業を譲り受ける会社はかなり限られていますよね。今の目標は、海外事業部で海外案件の成約実績を増やすこと。クロスボーダーのM&Aに携わっていきたいです。
前田:当社は世界一M&Aの取引数が多い会社としてこれから海外案件が増えてくると、この記録はずっと続きそうだね。
上山:日本発「世界№1のM&A総合企業」になることをビジョンとする当社は、成約数といった数字だけでなく、顧客満足度や業務品質、対象企業の多様性や支援の幅など、「総合」でトップになることを目指してる。僕たち1年目、2年目の社員も含め1200人の社員全員が同じ目標に向かっているから、必ず実現できると思う。
株式会社日本M&Aセンター
設立:1991年4月
資本金:40億円
売上高:413億1,500万円(2023年3月期時点)
従業員数:876名(2023年末時点)
事業内容:中堅・中小企業のM&A支援
(公式サイト:https://www.nihon-ma.co.jp/ )