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2030年に売上高500億円 西日本No.1のICT企業へ|ICTで事業をクリエイトする

「ICT業界って、かたそう」「理系しか活躍できないでしょ?」というイメージは西日本No.1のICT企業を目指して躍進中の岡山の雄、両備システムズには当てはまらない。同社の採用において求めるのはただ一つ、「ICTで事業をクリエイトできる人」。ICT企業でありながら、ヘッジファンドやアパレル、世界を舞台にしたカーボンニュートラルなどICT、AIの力を生かしてこれまでにない、新しい事業にチャレンジし続けている。新卒から挑戦できる公募制、誰もが恐れず、無我夢中でチャレンジできる社内風土はどのようにして育まれ、花開いているのか。代表をはじめ、チームとともに最先端の事業を推進する社員にその独自のビジョンや想いを聞く。

一人ではなくチームの力で やり遂げることによって成長する

小野田 吉孝 氏

インタビュイープロフィール

小野田 吉孝(Yoshitaka Onoda)
株式会社両備システムズ 代表取締役副社長 兼COO 兼ビジネス戦略本部長両備ICTグループ副部門長

千葉工業大学工業経営学科卒。1990年両備システムズ入社。グループ経営理念である「忠恕 真心からの思いやり」を顧客、パートナー、社員、社会に行き届かせた経営を目指している。

企業や社会が抱える課題をICTの力で解消する

 当社は岡山で創業した企業ですが、2030年に売上高500億円、西日本No.1のICT企業を目指しています。そのために、社員には「ICTで事業をクリエイトできる人」になることを求めています。昨今、ICT技術を使って社会基盤を構築する流れが加速しています。当社では今後も最新技術を駆使してさまざまな社会課題や地域課題を解消する、社会貢献度の高い事業に挑戦したいと思っています。地方企業なので、都心の大手企業が足踏みしている領域を見つけて切り開いていきたいですね。そうしたチャレンジ精神が、社員の間でも高まってきています。

 例えば、AIで為替相場を予測するフィンテック事業はスタートから3年ほどになりますが、当時、AIを使って株価の予想をする技術はあっても、為替の予測をするというのは日本にはまだなく、アメリカとシンガポールのベンチャーで着手し始めた程度でした。将来的にはファンドをつくって利益を出すことを目標にしていますが、24時間365日動き続ける世界の為替情報を集めて大変な思いをしているディーラーの負担を、AIの技術によって軽減できないか、というところからスタートした事業です。  また、カーボンニュートラルは、私たちの主なクライアントである国や地方自治体にとって喫緊の課題です。当社では以前から自治体における二酸化炭素を削減できる仕組みづくりを支援してきましたが、これを海外にも生かす取り組みを進めています。現在も複数の社員が海外に出張していますが、グローバル展開はこれからさらに積極的に進めていく予定です。

 「ICTで事業をクリエイトできる人」とは、これらの事例のように、お客さまや社会の課題を解消するための仕組みづくりを、お客さまと一緒に考え、つくり上げられる人のことです。これまでのICT技術者のように、与えられた設計書通りにプログラムを作成すればよいのではなく、新しい技術を習得しながら、事業全体を広い視野で動かしていけるスーパープレイヤーを求めています。当然、最初からそれができる人はいませんから、社員が成長できる環境を整えることに注力しています。当社で文系理系問わない採用をしているのも、入社後の成長を期待しているからです。理系には技術を深掘りして高められる人が多い一方、文系には発想力がある人も多いように思います。

 一人ではなく、チームの力で成し遂げることも大切にしています。何か課題や不安があれば、必ずチームで解決すること。そして、他の人が困っていたらお互いに助けようということをいつも社員に伝えています。一人でできる仕事は限られていますから、チームで協力することで最も成果が出る方法を考えるようにしています。それぞれの力を掛け合わせることで、どこにも負けない技術とアイデアが生まれ、それにより新しい事業をデザインしていくという、一人の力では難しいことができるのです。

社員の自由な挑戦を最大限に支援

 社員がチャレンジできる土壌をつくるため、何か事業を始める際には新入社員でも自ら手を挙げられる公募制を取り入れています。また、当社では社員の挑戦を応援する資金として、年間1億円の研究開発費を確保しています。その中で、例えば若手社員が2、3人でチームをつくって「こんなことをやりたい」と提案し、経営層がジャッジして、やってみようということになれば数千万円単位の開発費を充てています。環境や技術が目まぐるしく変わる世の中ですから、10のチャレンジをして、1つでも成功すれば良いという考えです。

 その際に、私が社員によく話しているのは、「挑戦して、やり切る」ということです。これは利益が出るまで責任を持て、ということでは決してなく、自分がやりたいと言って始めたことは、小さくてもいいから自分で決めた目標までやり切ってほしいということです。私自身の経験からも言えますが、失敗しながらでも、人を巻き込み、やり切ることで成長することができます。自分が汗をかいたことによって周りにも認められ、人間関係が変わり、違う世界が見えてくるのです。社員にはそうやって、人間としても社会人としても成長してほしいと思っています。プロジェクトが失敗するときは、途中で担当する人が抜け、続けられなくなってしまうというケースもあります。そうならないように壁を越えてほしいですし、会社としても社員が完走できるように最大限のバックアップをします。人やモノ、予算を補充するだけでなく、精神面でも支えられるよう、上司や先輩が常に相談に乗り、寄り添っています。

 会社全体のチーム力を高めるために、各部署の活動や取り組みを共有する動画サイトもつくっています。私もその動画の中で、若手社員と一緒にどういう挑戦がしたいのか語り合っているんですよ。何でも言える心理的安全性を担保しながら、各々がどう成長していきたいかという自覚を持って技術や業務を学び、個人が強くなることで、さらにチームが強くなる。それが会社を強くすることにつながると思っています。

両備システムズのチャレンジ

AIによる為替予測システムを開発 未知の金融領域に、ICTで挑む

鈴木 恭輔 氏(CHALLENGE 01)

インタビュイープロフィール(CHALLENGE 01)

鈴木 恭輔(Kyosuke Suzuki)

神戸大学大学院 国際協力研究科 修士課程修了(経済学)
日系と外資系の金融機関勤務を経て2021年入社

驚異的スピードでの開発を5人の精鋭メンバーで実現

 当社に入社する前は、外資系の金融機関で為替ディーラーをしていました。独立して新しいAI技術を使った為替の運用を始めようと考えていたときに、最初に勤めた銀行の同期だった両備システムズの松田社長と話をして、「それなら一緒にやってみよう」と意気投合。金融というと、両備システムズにとっては新しい事業領域ですし、スピード感を持って技術開発ができるチームと組む必要がありますが、AIに特化した研究チームがあることは大きな魅力でした。しかも、両備グループの安定基盤を持ちながらベンチャーのようなチャレンジ精神に満ちていて、経営層の方とお話をしていても会社として新規事業を支えようという強い意欲が感じられました。これは自分でチームを集めるよりスピーディーに物事が進むに違いないと確信し、入社を決めたのです。

 結果は大正解で、スタートからわずか3年で、開発環境の構築からAIによる為替相場の予測システムを開発していて、現在は実際に資産運用を行っています。失敗することもありましたが、今では安定した運用成績を出せるようになっています。大手の金融機関であれば数百人のチームで膨大な工数をかけて行うような技術開発を、たった4、5名の精鋭で、短期間でここまで到達できたのです。これはひとえに、チームの力だと感じています。チームは公募制で参加してくれた中堅エンジニアと、クライアント寄りのプログラマー、プロジェクトに関心を持ってくれた元経理担当者、そして2021年度の当時新入社員で始まりました。現在は2023年度の新入社員にも参加してもらっています。新入社員に入ってもらったのは、私たちが新たな領域に挑戦しているため、新しい感性でアイデアを積極的に発信してもらうことで彼らが活躍できる場所になると思ったからです。最初は個々で仕事を進めていましたが、試行錯誤を重ねる中でメンバーからの発信で、全員で一つのことに取り組むようにしてから、より大きな推進力が生まれるようになりました。さらにAIの研究チームからも協力してくれるメンバーがいますが、彼らの力なしでは難しかったと思います。まだ開発段階ですが、将来的にファンドを立ち上げて運用することができたら、金融機関ではなくてICT企業が立ち上げた日本初のファンド、そして金融市場での資産運用実績に裏打ちされたシステムとして注目されるでしょう。自分たちがゲームチェンジャーとなることに、今からワクワクしています。

アパレル業界トップシェアの業務システムを目指して

畝岡 歩 氏(CHALLENGE 02)

インタビュイープロフィール(CHALLENGE 02)

畝岡 歩(Ayumu Uneoka)

岡山大学大学院 自然科学研究科 地球科学専攻 修士課程修了
2019年入社

同世代の尊敬できるメンバーとともに成長

 大学では理学部で地震の研究をしていたのですが、仕事としてやりたいことが特になく、業種を絞らずに就活していました。その中で、ICT業界はこれからの時代をけん引していくと感じるようになり、この環境であれば楽しく働けそうだと思った両備システムズに入社しました。

 現在は、Sunny-Side(サニーサイド)というアパレルに特化した業務システムの開発に取り組んでいます。素材を仕入れて、加工して服をつくり、在庫管理をしながら販売するという業界の流れを、小売向け、メーカー向け、卸向けの3種類のシステムで網羅し、業界で求められる機能をオールインワンで提供できることが強みです。地方自治体の公共ソリューションを得意とする当社が、なぜアパレルなのかと思われるかもしれませんが、当社の創業の地である岡山県には児島というジーンズや学生服の生産が盛んな地域があり、最初はそうした地元企業の課題解決のためにシステムを開発したという経緯があります。それを、より直感的に操作できるSunny-Sideというシステムに進化させることで、全国の大手アパレル企業様にも導入していただけるサービスとなりました。アパレル業界出身の社員が中心となって開発したこともあり、たとえば他の製品であれば一つの品番で管理すれば済むところを、洋服はサイズやカラーバリエーションでも個々に管理しなければいけないというような、アパレル特有の課題にも対応していることから、かゆいところに手が届くシステムとして多くのお客さまにご満足いただいています。また、売上実績からさまざまな軸で分析することができるので、適切な販売戦略を立てることができ、大量に製造して大量に余ってしまう、「衣類ロス」という社会課題にも応えられるシステムだと自負しています。

 両備システムズには、Sunny-Sideの他にも製品やサービスがたくさんあります。それをつくっているのは魅力的な人たちで、人間力の高い仲間たちが集まっているということを日々感じています。技術力が高いだけでなく、優しくてチームワークを大切にできる社員が多いんです。Sunny-Sideはいくつかのチームに分かれていて、私が所属するチームには約20名のメンバーがいるのですが、そのうちの15名は20代・30代の若手社員です。世代が近いこともあり、いつも賑やかで、明るい雰囲気ですね。

 現在の目標は、Sunny-Sideをアパレル業界でトップシェアとなるシステムに成長させることです。入社当初は特にやりたいことも見つけられていなかった私ですが、Sunny-Side に携わりお客さまから直接喜びの声をいただくことで、やりがいをもって働くことができています。少しでも多くの技術や知識を吸収し、チームに貢献できるよう、日々勉強に励んでいます。

株式会社両備システムズ

設立:1969年12月
資本金:3億円
売上高:402億9,700万円(2022年度/両備システムズ単体) 421億7,300万円(2022年度/両備システムズグループ連結)
従業員数:1,519名(2022年12月現在/両備システムズ単体) 1,673名(2022年12月現在/両備システムズグループ連結)
事業内容:公共、医療、社会保障分野および民間企業向けの情報サービスの提供(システム構築、アウトソーシング事業)、ソフトウェア開発、ハードウェア販売および保守サービス、ネットワーク構築サービス、データセンター事業、クラウドサービス事業、セキュリティ事業
(公式サイト:https://www.ryobi.co.jp/