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99%の未開拓市場で圧倒的優位に 金融データマイニングで世界と渡り合う

企業間取引の信用リスクを「保証」という契約で引き受け、流動化する。これまでになかったビジネスモデルとデータマイニング力で業界をリードするイー・ギャランティ。今後の可能性を、代表取締役社長・江藤公則氏に聞いた。

Masanori Eto 江藤公則

代表取締役社長 1998年、神戸大学を卒業して伊藤忠商事に入社。金融・不動産・保険・物流カンパニーに配属されるも、思い描いていた夢と大きくかけ離れた仕事に落胆。IT・金融系の事業にこだわり、自ら事業を立案し、2000年に社内ベンチャーとしてイー・ギャランティを設立。営業マネージャーとして出向する。2004年に取締役、2005年に現職、2006年に伊藤忠商事を退職しプロパーに。2007年ジャスダック上場、2011年東証二部上場、2012年には東証一部上場を果たす。

―すべては、伊藤忠の社内ベンチャーからはじまった―

新卒入社の伊藤忠で見つけたビジネスチャンス

イー・ギャランティのビジネスのアイデアは、新卒で入社した伊藤忠商事の1年目に考えました。1990年代後半、バブル崩壊の影響で土地などの担保価値は暴落していました。銀行はリスクを怖れるあまり、企業への融資に消極的になっていたのです。

担保がないとお金を貸せない銀行に代わり、担保のない企業にも実質的な融資を行っていたのが商社です。「商社金融」といいますが、私は伊藤忠の1年目に、この領域を担当していました。担保に頼らず、事業内容や、その将来性を見て信用供与するというビジネスです。

これをさらに柔軟性の高い金融サービスにしたのが「信用リスク保証」。企業間取引で発生するさまざまな信用リスクを「保証」という契約で引き受け、データ分析によってリスクを流動化。マーケットという開かれた場でリスクを可視化し、保証に値付けすることが可能だと考えたのです。2000年に伊藤忠が出資する形でイー・ギャランティが設立され、私は入社3年目で、営業マネージャーとしてイー・ギャランティに出向しました。

中小・ベンチャーの挑戦を後押しし日本経済を底上げする

大企業にはメガバンクという味方がいますが、イー・ギャランティは設立5年、10年というベンチャーや中小企業の与信に力を入れています。担保を持たないがゆえに銀行から融資を受けられず、新たな事業への挑戦に踏み込めずにいる企業のチャンスを広げる。これがイー・ギャランティ創業の目的です。

企業間の商取引において発生する信用リスクを「保証」というかたちで引き受ける。例えば、売り手企業が商品やサービスを提供したときに生じた売掛債権などの各種債権が、買い手企業の倒産等によって未回収となった場合に保証金をお支払いします。

ただし、当社が単独でリスクを引き受けているわけではありません。引き受けたリスクは、定性的な情報を含む当社独自のデータベース等を活用して分析し、可視化します。それを金融機関や投資家、ファンドなどに分散(ヘッジ)しているのです。リスクの流動化といいますが、ここが既存の金融機関との違いです。リスクを分散しているからこそ、自社の事業規模に関わらず多くのリスクを引き受けることができています。

勝ち残れた理由はデータマイニング力

当社は創業22年のまだ若い企業ですが、株主は伊藤忠商事、NTTデータという大資本。営業先でおおよそ好意的に受け止めてもらえるのは、大きなアドバンテージとなっています。

実は、イー・ギャランティが誕生した2000年当時、他の大手総合商社にも競合となる事業組織が発足しました。その中で当社が勝ち残れた理由は、データからビジネスに有益な知見を導き出す「データマイニング力」にあったと言えます。膨大な数値や定性データから隠れた法則性をいかにして見つけ出し、蓄積していくか。そうしたデータマイニング力の優位性こそが当社の強みであり、これまでこのビジネスをリードしてこられた要因だと考えています。

現在、日本の企業間取引の市場は約200兆円。このうち当社が保証している額はまだ1兆円に過ぎません。単純に、100兆円を超える手つかずのマーケットが目の前にあります。

海外では、企業間取引における信用リスク保証ビジネスは、ある程度、浸透しています。例えばドイツでは2割以上、フランスでは1割以上。それに対し、日本における浸透率は1%もありません。99%残された国内市場で、当社は圧倒的優位に立っているのです。

さらに、直接金融の分野でも可能性が見えています。クラウドファンディング(CF)で資金を集められる今、これまでにはなかったようなビジネスチャンスも生まれてきました。CFのページに「信用リスク保証ボタン」をつける、そんなアイデアもすでにあります。

これから加わってくれるメンバーが、既存の領域や常識にとらわれることなく、新たな事業にどんどんチャレンジしてくれるのを楽しみにしています。

金融データビジネスで日本を再生する この挑戦には、一生を懸ける価値がある

Reina Sonoda 薗田 怜奈

経営企画部 営業推進チーム長 2015年新卒入社 法政大学 経営学部卒

社会貢献度の高さを肌で感じる毎日、その魅力を多くの人に伝えていく

若いうちからさまざまなチャレンジができるベンチャー企業に絞って就職活動を進めてきました。ベンチャーの持つ自由度や裁量に魅力を感じる一方「5年後に存在しているだろうか?」と不安を感じていた時期にイー・ギャランティを発見。ベンチャー気質ながら強固なバックボーンを持つバランスの良さに惹かれ、入社を決めました。

入社後は経営企画チームに配属され、社内の多岐にわたる会議の運営に携わる中で多くの知識を吸収していきました。3カ月後に社長室に異動。「どうすれば商品が売れるか」より「お客さまにとって何がメリットか」を常に考えている上司や先輩から、仕事に対する姿勢を学びました。3~4年目からは、お客さま向けパンフレットの作成や研修企画に携わるようになり、業務の効率化と会社のブランディングを推進。その経験を生かし、ブランドマネジメント強化を目的として新組織を立ち上げ、社内外に対する情報発信を強化しました。コロナ禍で必要とされるようになった医療商材やアクリル板の中にはイー・ギャランティが介在しなければ流通しなかったものもあり、当社の社会貢献度の高さを肌で感じている毎日です。

Nami Minakata 南方 菜美

営業第四グループ 第二課 2020年新卒入社 同志社大学 経済学部卒

業界をけん引する、この場所で自身を大きく成長させたい

金融業界志望ではなかった私がイー・ギャランティに入社を決めたのは、まだまだ未開拓の日本市場においてまったく新しい領域に挑むユニークなビジネスモデルに興味を持ったから。業界をけん引する企業で働くことで、自身を大きく成長させたいと思いました。

さまざまな業界の企業を訪問し、経営者から経営課題や業況について直接お伺いする中で、自身の知見を広げられることがこの仕事の魅力。また当社のサービスをご利用いただき、お客さまの経営を後押しできたときは、素直に嬉しいです。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で刻一刻と経済状況が変容する中、求められるサービスも変わっていきます。そのときどきのニーズに合わせて商品を企画しリリースする、そのスピードの速さはイー・ギャランティならでは。タイムリーな商品をお届けすることで、お客さまからの信頼も深まります。私の目標は、お客さまが困ったとき「この人に相談したい」と一番に思っていただける存在になること。その実現のために、商品開発にも積極的に関わり、お客さまが抱える課題を解決できる商品を提供し続けます。

Hitoaki Yamamoto 山本 仁章

営業第七グループ 名古屋支店三課長 2013年中途入社 同志社大学 商学部卒

ここで知見を積みベンチャーキャピタルを創設する

「将来、ベンチャーキャピタルを創設する」と決めている私は、学生時代から金融について学び、さまざまな可能性を感じて証券会社に新卒で入社しました。証券マンとして知識と経験を積み、ベンチャーキャピタルの可能性を探っていたところで出合ったのがイー・ギャランティです。金融マニアを自称する私も知らない斬新なビジネスモデルを見て、「ここで知見を積むことがベストだ」と直感しました。

現在はプレイングマネージャーとして名古屋地区の営業と組織運営を担当。担当として企業に当社の保証サービスを提案、契約を獲得し、課長として課員をフォロー、組織目標を達成することが私の役割です。原則、保証サービスは1 年契約なので、アフターフォローをしっかり行い、継続してご利用いただけるような信頼関係づくりを心がけています。日々の営業活動とマネジメント、双方から得られるノウハウや経験はとても貴重。一歩一歩、夢に近づいていることを実感できるから毎日が楽しいです。

社長自らが経営者マインドを教示してくれることもあり、すでにいくつも社内ベンチャーが立ち上がっています。私も営業に磨きをかけ、初志貫徹できるよう頑張ります。

企業情報

設立   2000年9月 資本金  35億971万円 保証残高 8,315億円 従業員数 163名 事業内容 信用リスク受託・流動化事業