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配属先はどう決まる? 配属のリアルと希望部署に行くコツ

入社後、誰もが経験する配属。たとえ憧れの会社に入社できても、「配属リスク」という言葉もあるほど、配属先によって働き方が大きく変わります。本記事では「配属って何?「どういうシステムなの?」「希望通りの配属を受けるには?」などを、先輩たちの配属のリアルを通して、ご紹介します。

配属とは何か?

■配属の意味

配属とは、会社が社員の所属部署・部門を定めることです。

部署・部門ごとに採用をおこなっている場合もありますが、入社後に新入社員の配属先を決める企業が多いです。

■配属は誰がどう決める?

配属を決めるのは、人事部です。 人事部は新入社員の配属をはじめとした、全ての社員の配属・異動を司っています。

多くの企業が、10月もしくは4月の1日付けで人事の異動をおこないます。 定期的に異動があるのは、欠けた人員を補充するほか、人員の変化による生産性の向上や組織の活性化などが主な理由です。

また、配属は適性・本人の希望・欠員補充や増員などを加味して決められます。 後述しますが、これらは面接の結果や配属面談などから統合的に判断される場合が多いです。

■配属リスクとは

では、よく聞く「配属リスク」とは何なのでしょう?

配属は、本人の希望が反映される場合もありますが、適性や人数調整が優先される場合も多いです。 よって、希望とは全く違う部署に配属される可能性もあるのです。

しかも、キャリアは初めに配属された部署に大きな影響を受けます。 たとえば、「商品開発部」を希望していても「営業部」に配属されてしまった場合、以降のキャリアも営業部で身につけた知識・技術が活きるような配属になりやすいのです。

さらに、配属は2〜4年単位で変更されることが多く、長ければ10年以上変わらないことも。

せっかく志望通りの会社に入社しても、配属によっては思っていた仕事ができないということもありえるのです。

また、新入社員の場合は特に、上司やメンバーとソリが合わなかったり、思っていた仕事内容と違ったりと、ギャップを感じることも多いようです。

配属が理由で、退職や転職を考える人は少なくありません。

そうならないためにも、配属のリアルについて知識を持っておきましょう。

新入社員の「配属リスク」の実体験は、こちらの記事を読むとよくわかります。

配属までの流れ

配属とは何かについて理解したところで、新入社員の配属までの流れを紹介します。

新卒の配属は、入社1ヶ月前から前日までに決まることが多いです。 地方への配属など、引越しの必要がある場合は2ヶ月前くらいに通知があるようです。

配属先を決めないままで新入社員の研修を設ける場合もあります。

それぞれ詳細を見ていきましょう。

①就職面接(インターン/新人研修)の結果を元に、配属先を絞る

就職面接の結果を元に、人事部での話し合いをおこないます。 その新入社員が、何に適性があるのか、どんな仕事を志望しているのか、どういう能力があるのかを踏まえて、配属先の候補を絞るのです。

インターンや新入社員向けの研修を実施している場合は、そこでの働き方も配属に影響します。現場社員たちの声を元に、業務や部署との相性を測っているのです。

②本人との配属面談

人事部と新入社員自身とで希望配属先についての面談をおこないます。

面談回数や面談の内容が実際の配属に反映されるか否かは、企業によって大きな差があるようです。 自分の会社がどういう傾向なのか、事前に調べておくといいです。

③仮配属

一定期間、OJT(実務を通した研修)を中心とした仮配属をおこなう企業も増えています。実際に現場で仕事をさせてみて、本人とのマッチ度を測るのです。

仮配属は半年程度が多いですが、仮配属を飛ばしていきなり本配属になる場合もあります。

手厚い研修や仮配属で仕事にゆっくり慣れたい人も、1日でも早く自立したいと考える人もいます。どちらを理想とするかは、就職先を選択するうえで重要な要素です。

④本配属

いよいよ本配属になったら、少なくとも次の人事異動まではその部署で仕事をすることになります。 万が一、本配属後に不満が出てきた場合の対処法は、のちほどお伝えします。

配属のリアル<先輩たちのアンケート>

では実際、新入社員はどのような配属を受けるのでしょうか。 配属データと先輩たちの声を元に、配属のリアルを見ていきましょう。

以下は、株式会社マイナビが、20年10月に20卒の新卒社員に実施したアンケートの結果です。

■配属は希望通りか?

希望通りの配属になった割合は文系6割・理系7割。 理系のほうがやや高いですが、全体的に希望通りという人が多い傾向が見てとれます。

■希望通りに配属された、部署ごとの割合

次に、職種別の詳細を見てみましょう。

技術系・研究系やIT系分野の志望通りの配属率が非常に高いのは、専門知識を必要とするために、職種別採用が多いことも影響していると思われます。

反対に、企画系は希望通りの配属率が低いことがわかります。 企画系の部署は配属人数の割に人気があり、倍率が高くなりがちです。

企業によっては、新入社員にまず営業を経験させてから企画などの部署に配属するという方針のところもあるようで、それが企画系・営業系の希望通りの配属率の低さに繋がっている可能性があります。

■配属後のリアルな声

今度は、希望通りの配属になった先輩・希望とは違う配属になった先輩の声を見てみましょう。(※エンカレッジ20卒の声を元に構成)

●希望通りの配属だった

「入社前から志望していた部署に配属されました。OBOG訪問をたくさんしていたので、想像通りの仕事内容・部署の雰囲気でした。(人材企業、企画系配属)」

「配属人数が多い営業志望だったので予想通りの配属だったが、いきなり九州配属になったのはびっくりした。全国転勤があるとプラベートな見通しが立たないので、異動が恐いという同期もいる。(食品メーカー、営業系配属)」

●希望とは違う配属だった

「管理系を希望していたのですが、営業系の仕事になりました。うちの企業は希望より適性優先で配属していると聞きます。たしかに、部署の雰囲気が合っていると感じるので、結果的に不満はありません。(商社、営業系配属)」

「自分の専門知識を活かせると思って入社を決めたのですが、全く違う部署で驚きました。志望通りだった同期が羨ましいです。人事とも相談していますが、転職も考えています。(IT企業、管理系配属)」

●その他

「職種別採用だったので、志望通りの配属だった。大きな会社ほど扱う案件も分業がなされており、配属が重要になると感じる。やりたい仕事が明確なら、職種別採用を受けるべき。(インフラ企業、技術系配属)」

「希望は特にありませんでした。しかし、部署によって将来の仕事内容も左右されるということがわかっていたら、もっと慎重に選んだのにとは思っています。(通信会社、事務系配属)」

「入社時の希望先に配属されたものの、仮配属でどうしても馴染めず、人事に相談しました。本配属は別の部署に変えてもらったのですが、雰囲気も良く、遠慮せず相談してよかったと思いました。(電機メーカー、管理系配属)」

企業によって配属方法や対応が異なるものの、「自分は何をしたいのか」をきちんと見極めたうえで配属に臨むべきということは伝わってくるでしょう。

また、配属への疑問や不安・不満がある場合は、人事に相談してみるのが吉。 自分の想いを素直に伝えておくことで、後々の配属や異動に加味してもらえる可能性もあります。

希望の部署に配属されるためのポイント

では、配属面談時に意識するといいことは何でしょう。先輩たちの声をもとにまとめてみました。 配属リスクを避けるためにも、以下のポイントは非常に重要なので覚えておきましょう。

■自分が活躍できることを伝える

人事部が期待しているのは、「配属先でその新入社員が活躍し、会社に利益が出ること」です。よって、志望先で具体的にどう活躍できるのかを挙げる志望先で具体的にどう活躍できるのかを挙げるスキルフィットとカルチャーフィットの2観点からアピールできるといいです。

配属先で活躍できるかどうかは、能力と性格どちらも重要だからです。

スキルフィットをアピールする場合は

「学生時代に打ち込んだ光工学の研究で得た知識を使い、新商品開発がしたい」 「留学経験を活かして、現在は2社しかない東南アジアでの取引先を営業開拓したい」

など能力・知識・経験を活かして、会社に貢献できることを伝えられるといいです。

カルチャーフィットをアピールする場合は 「OBOG訪問で10人以上面談させてもらった商品管理部の方たちの働き方に憧れ、同じ仕事がしたいと思いました」 「協調性を活かし、チームでの結束が重要となる製造部で働きたいです」

など親和性・性格によって、現場に良い影響を与えられることを示すといいです。

ただし、いずれの場合も重要なのは、配属先についてよく理解していることです。 勝手なイメージで話していると、適性がないと真っ先に判断されてしまいます。

よく調べたり、実際に働いている人に話を聞いたりしたうえでアピールしましょう。

■仕事への熱意を伝える

志望通りの仕事に配属されると、熱意ややる気が高まるというのは人事部も理解しています。

よって、どれだけ希望しているのか、どのくらいやりたい仕事なのかを伝えることで、配属を考えてもらえる可能性が高まります。

たとえば、

「高校の頃の職業体験で編集部の人にお話を聞いて以来、ずっと志望していました」 「同業の5社に内定しても貴社を選んだ理由は、企画部で高年齢の人材サポートについての企画がしたかったからです」

など、期間や経緯と一緒に話すと、やる気の強さを伝えられるでしょう。

反対に、 「仕事が楽だから」 「花形というイメージがあるから」 「残業代が出やすいから」

など、仕事自体への熱意とは関係ない理由はネガティブに取られやすいため、避けるようにしましょう。

■苦手なことや許容範囲を伝える

忘れがちですが、どんなことが不得手かを話しておくことも重要です。 たとえ第一志望への配属が叶わずとも、苦手な部署への配属は避けられる可能性が上がるからです。

また、伝える際は、「■■は嫌です/無理です」ではなく、理由と一緒にどの程度なら耐えられるのかも添えるようにしましょう。

たとえば、

「一人で黙々と作業すると効率が下がりやすいので、チームからフィードバックがもらえると嬉しい」 「残業が多めでも問題ないが、単純作業が続くと集中力が切れやすいので、メリハリのある働き方がしたい」

というようなことです。

もちろん、過剰なわがままはいけません。 また、社会人として好き嫌いだけで仕事を選ぶことはできません。時には苦手なことにも挑戦する必要はあります。

それでも、どうしても苦手なことがある場合は先に伝えておくことで、人事側も対応しやすくなるのです。

■将来どうなりたいかを伝える

配属は、キャリアを決めるための重要な一歩です。 やりたい仕事と将来の目標が必ずしも一致するとは限りません。 今やりたい仕事とは別に、将来的にはどうなっていたいかも人事に話すといいでしょう。

たとえば

「海外での勤務は必ず経験したい」 「誰もが知っているような商品を開発したい」 「若手の育成ができる立場にいきたい」

など。

長い目で見たとき、自分にとってどんな配属がふさわしいかを相談できるといいです。

希望配属先が明確にあるのはいいことですが、入社時点で本当にふさわしいかどうかを判断するのは困難です。

自分の希望を伝えたうえで、最終的には人事の判断に委ねる姿勢を持てるといいでしょう。

配属が希望通りにならなかった場合は?

最後に、本配属後に不満を感じる場合、どのように対処すべきなのかをお伝えします。

■良いところ・悪いところを書き出してみる

一つの部署しか経験していないと、ネガティブな面ばかりが目につきやすいです。 他配属の同期から話を聞いてみたり、同じ部署の先輩のキャリアを見てみたりすることで、配属先の良い点・悪い点をなるべくたくさん書き出してみましょう。

俯瞰的に見ることで、意外なアドバンテージを見つけられる可能性があります。

悪い点については、その不満が本当に配属の問題なのかも考える必要があります。 働き方や仕事への向き合い方によって解決可能な部分もあるかもしれません。

■再度自己分析・企業研究する

自己分析や企業研究をあらためてしてみるのもおすすめです。

就活当時とは、自分自身の志向や会社の業況も変化している可能性が高いです。 そのうえで配属理由について考えてみると、どんな役割を期待されているのかが見えてくることも多いです。

■人事に相談してみる

今回、コメントをもらった20卒からは「人事の裁量に任せたことで、結果的にいい配属先に就けた」という話も多く聞きました。

人事部は、多くの従業員を見てきたうえで、最適と思われる配属判断をしています。 配属に不満がある場合、なぜその配属になったかを直接聞いてみることで、納得できることがあるかもしれません。

納得できない理由であれば、思っていることを素直に話してみるのも一つの手です。 人事の大半は、従業員に真摯に向き合ってくれます。

「配属を変えてほしい」というより、どうすればうまく働けるかという観点で相談すると、自身の成長にもつながる回答がもらえる可能性が高いです。

「配属」についてもっと知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。

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