はじめにーーBtoCとは? BtoBとの違いを解説!
BtoCとはビジネス形態の一つで「Business to Consumer」の略です。 Consumerとは一般消費者を指します。 企業(Business)が一般消費者(Consumer)に対してモノやサービスを提供することをBtoCと言います。
私たち消費者はスーパーや百貨店でお金を払い、商品を買いますよね? このモノの流れがBtoCにあたります。
反対に企業から企業に商品を売ったり、商品を作る元となる原材料を売ったり、機械を売ったりする取引をBtoBと言います。 BtoBはBusiness to Businessの略で、企業から企業にモノやサービスを提供することを言います。
例えば自動車業界の場合、
車の部品を製造する会社は自動車メーカーに部品を売ります。 企業対企業なのでBtoBの領域です。 一方で自動車メーカーは車を消費者に売ります。 企業対個人なのでBtoCの領域です。
さらに細分化すると、
・部品メーカーに金属を売る素材メーカー ・部品を運ぶ物流会社 ・メーカーの代わりに素材や部品を買い付ける商社
・メーカーの代わりに自動車を販売するディーラー ・自動車保険を販売する会社
など多岐に渡ります。
毎年就活生から人気なのは、BtoCをメインで展開している会社です。CMや広告で見かけることが多く、皆さんがイメージしやすいのも人気の理由の一つ。
しかし、BtoBをメインでやっている会社の方が経営が安定していたり、景気に影響されにくかったり、隠れた優良な会社も多いと言われています。
業界や会社ごとに特徴は変わってきますが、BtoCやBtoBといった分類でも、それぞれに働くうえでのメリット、デメリットが存在するのです。
一つの会社のなかにBtoCとBtoBの両方が存在することも多く、営業相手、営業のやり方は多岐に渡ります。 さらには、営業相手が消費者でも会社でもない、BtoEやBtoGといった形態も存在します。
それぞれどんなビジネスモデルなのか見ていきましょう。
BtoC,BtoB以外にはどんなビジネス形態があるの? CtoC, BtoE, BtoGを紹介
企業対消費者のBtoC、企業対企業のBtoB以外に、ビジネス形態はあるのでしょうか。 他には以下のようなモデルがあります。
CtoC: Consumer to Consumerの略で個人が個人に対してモノやサービスを提供します。例:メルカリ
BtoE: Business to Employeeの略で企業が従業員に対してモノやサービスを提供します。例:従業員向けの福利厚生サービスなど
BtoG: Business to Governmentの略で企業が行政に対してモノやサービスを提供します。例:LINE株式会社が自治体の防災情報を配信する仕組みなど
上記のようにBtoC, BtoB以外にも、ビジネスには様々な形態があります。
一つの会社がBtoBをやりながら、BtoGも提供していることもあります。 BtoC営業をメインでする会社がBtoB営業をすることもあります。
様々なビジネスの仕組みを通し、企業と企業、企業と消費者、従業員、行政が繋がっているといえるでしょう。
こうした意味で、就活において志望する会社を考える際には、単に「有名な会社だから、好きな商品を作っている会社だから、BtoCのほうが面白そうだから」という理由だけではなく、働くうえでのメリット、デメリットを知り、「自分は何にやりがいを感じるのか」を整理することが大切です。
では、BtoCをメインでやっている会社、BtoBをメインでやっている会社のそれぞれ就職するうえでのメリットとデメリットを見ていきましょう。
BtoC企業に就職するメリットとデメリット
ビジネスには様々な形態があり、一つの会社のなかにもいくつかのビジネスモデルがあるものの、BtoCをメインでやっている会社は多く存在します。
このようなBtoCの会社には、就職するうえで特有のメリットはあるのでしょうか。
BtoCの会社に就職するメリットとデメリットをここで紹介していきます。 志望する業界を選択するうえで、自分は何を軸にしたいのかを考える参考にしましょう。
●BtoC企業に就職するメリット
・知名度の高い会社が多く、モチベーションに繋がる。キャリアに役立つ。 BtoCの会社は私たち消費者向けに商品を展開します。 直接商品を手にすることもあればCMなどで見かけるため知名度が高いのが特徴です。
知名度が高い会社に就職するのはどんなメリットがあるのでしょうか。
一つはモチベーションに繋がります。 知名度の高い会社で仕事をした場合、家族や友人にどんな仕事をしているかという説明がしやすく、仕事に携わるうえでのやりがいに繋がります。意欲的に、充実した気持ちで商品の営業に携わることができます。
それに加え、例えば数年度に転職や起業をしたくなったとき、自分のキャリアを別の業界の人に説明するうえで非常にイメージがしやすく、説得力のある説明ができるともいえます。
・消費者の声が届きやすく、やりがいを感じられる。 営業活動を通し、商品が直接消費者に届くので「世の中を支えている実感」を感じやすいのも特徴です。 市場調査を通じてマーケティング活動がしやすいともいえます。 世の中を支えている実感が仕事への意欲に繋がる人には大きなやりがいを見出せる環境といえるでしょう。
・消費者に対しブランド構築していく魅力、面白さ。 BtoCの会社は相手が消費者であるため、強いブランド力の意識したマーケティング戦略が必要となります。
「ビール」と聞いて、頭のなかにいくつかのビールの商品名が思い浮かびますね? これがその商品を世の中に送り出した企業が作り上げたブランド力です。 こういった戦略を打ち出すことに魅力を感じる人にとってはやりがいに繋がる仕事といえるでしょう。
・購買決定までの時間が短いため成果が見えやすい。 BtoCの場合、顧客対象は消費者全てです。 顧客対象が広く、消費者の購買決定までの時間は短いため、BtoC営業は商品が売れた時の成果が見えやすいといえます。 これは働くうえで個人の営業成績にも繋がりやすく、成果の見えやすい環境で働きたい人にはやりがいのある仕事といえます。
×BtoC企業に就職するデメリット
BtoCの会社に就職することには上記で紹介したメリットがある一方、デメリットもあります。
・消費者の感情に影響を受けやすい 論理的には売れる理由が揃っているのに相手は人である以上、消費者の感情や気分の影響を受けることがあります。
・価格競争に陥りがちなため、成果に繋がらないこともある。 特に不景気の際は、せっかく良い商品を提案し、世の中に送り出しても、消費者は安いものを買ってしまうことが多いです。 ただし、そうした困難や壁を乗り越え、ヒット商品を生み出すことができれば、それは大きなやりがいに繋がるともいえます。
・知名度の高さは内定を勝ち取る難しさ BtoC企業には、思い入れのある商品開発に携わりたいなどの理由から、志望する学生が多くいます。 それは内定を勝ち取る難しさにも直結しています。 また、内定を貰って就職できても、レベルの高い同期が沢山います。 志望した部署に配属にならない、あるいは自分の思い描くキャリアプランを実現できない可能性もあるので、「〇〇という商品の開発に携わりたい」「〇〇を売り込む営業の仕事がしたい」という強い想いで入社をしても、必ずしもその部署に配属になるとは限りません。
BtoB企業に就職するメリットとデメリット では、BtoBをメインでやっている企業にはどんな魅力があるのでしょうか。 これにはBtoCとは全く異なる観点でメリット・デメリットがあります。
自分が働くうえで何にやりがいを感じるのかを考えてみましょう。
●BtoB企業に就職するメリット
・相手は法人であるため消費者心理の影響を受けにくい BtoCのデメリットの一つに、消費者心理の影響を受けることを紹介しました。 BtoBは相手が企業である以上、ニーズは明確なことが多いため、こうした影響を受けにくいといえます。
つまり、高い分析力のデータや資料、調査をもとに論理的に説明できれば、想像できないような消費者心理の影響を受けにくいのです。
・経営が安定 法人を相手にしているため、一件あたりの取引額が大きく、ひとたび受注が決まれば継続的に受注できることが多いです。 それは経営の安定に繋がります。 そのため高収入な会社が多いのが特徴です。
・市場の規模が大きく、一件あたりの単価も高いためハイリターンに繋がる。 対企業である以上、市場の規模が大きく、契約1件あたりの単価も対消費者に比べて高いです。 ひとたび受注が決まれば、ハイリターンが見込めるといえます。
「大きな金額を扱う」ということに「広く社会に貢献している」実感を持つ人にとっては大きなやりがいとなるでしょう。
×BtoB企業に就職するデメリット
BtoBには上記で紹介したメリットがある一方、デメリットもあります。
・知名度が低いため優良企業かどうかの判断が難しい。 BtoCのメリットの逆になりますが、誰もが知っている会社で働くことに魅力を感じる人には魅力的に映らない可能性があります。 このことは、就活においてはきちんと受ける会社の研究をしておかなければ、優良企業かどうかの判断が難しいともいえるでしょう。
・成果が見えにくいため、やりがいを感じにくい。 契約がひとたび決まれば、単価が高く、リピートしてもらえることも多いものの、関わる関係者が多く、購入までの期間は長いといえます。
「自分がこの商品のリサーチをした、広告宣伝活動を提案した、自分が携わったから売上が伸びた」などの成果が見えにくいため、そうした観点に魅力を感じる人にはやりがいは感じられにくいかもしれません。
BtoCをメインとする企業の例
BtoCにはどんな会社があるのかを見てきましょう。
BtoCとは私たち消費者を相手に営業するビジネス形態のため、普段の生活で関わることが多いです。
普段買い物をするスーパーや百貨店はもちろん、旅行、保険会社が提供する「サービス」もBtoCに該当します。
具体例としては、キリンビール、トヨタ自動車、JTB, JR,など。 飲料や食品、自動車などのメーカー業界やインフラ業界、旅行業界、金融業界が多いです。 誰もが知っているなじみのある会社が多いですね。
ただし、これらの会社もBtoCビジネスだけでなく、法人向けに販売をしていたり、商品を作るために素材メーカーや部品メーカーと関わるなど、BtoBビジネスもやっていきますので、こうした会社に入社したから必ずBtoCの営業に携われるわけではありません。 ビジネスの特徴を知ったうえで、興味のある会社の社風や仕事内容を研究し、「この会社に入って何をやりたいか」を考えることが大切なのです。
「BtoCの会社は有名だし、消費者向けのマーケティングは面白そうだけれど、コロナ禍で買い物をする人が減ってきていて、大丈夫なの? BtoBの会社に入ったほうが良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。 BtoCの会社も、時代の流れに合わせて新しい取組みを実施しています。 消費者がモノを買うように、いろんなビジネスを生み出しているのです。
では、コロナ禍におけるBtoCの展望をみていきましょう。
BtoC EC事業とは? コロナ禍でのBtoC企業の展望
コロナ禍の影響を受け、私たち消費者はインターネットを通じて買い物をする機会が以前より増したのではないでしょうか。 「BtoCに魅力を感じるけれど、コロナ禍で買い物をしない人が増えたし、良いものを作っても売れないのでは? この先難しそう」と思う学生もいるかもしれません。
そんななかで、今後の展望としてBtoC EC事業というものがあります。
ECとはインターネット上で行う商取引のこと。 EC事業とは企業が消費者にECサイトを通じて直接販売できるビジネスモデルのことを指します。
Amazonや楽天市場はBtoCのEC事業であり、インターネットの普及によりEC事業は右肩上がりとなっています。 コロナ禍の影響を受け、人々がインターネットを通じて商品を購入することは益々増えていきます。
BtoC EC事業はこれからも市場拡大しやすいビジネスといえるでしょう。
おわりに
BtoB、BtoCそれぞれに魅力ややりがいがあります。
また対消費者を相手にする、銀行や保険、証券、あるいはメーカーであっても、法人向けに製品を販売している場合はBtoBの性質を持つため、両方の性質を持つ会社も多く存在します。
自分が働くうえで何に軸を置いているか、何にやりがいを感じるか、整理したうえでどの会社を志望するのかを考えましょう。
本記事でも紹介しましたが、BtoCは知名度の高さという点で就活における競争率も高い傾向があります。 内定を勝ち取るために、面接やESの対策をきちんと行いましょう。
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