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面接の志望動機の長さは何分が正解?個人•集団•WEB面接など例文で解説

志望動機は、面接で必ず聞かれる質問のひとつ。志望動機の内容は大事ですが、適切な長さで答えられるかが第一の関門になっています。長すぎると「空気が読めない」印象を与えますし、短すぎては説明不足になってしまいます。本記事では、志望動機を最適な長さで答えるためのノウハウと、面接のシチュエーション別にさまざまな例文を紹介します。

はじめにーー面接における志望動機の長さは2分でまとめよう

面接で志望動機を話す際、時間指定がなければ、2分前後にまとめるのがベスト。 他人の話を聞くときに、1分以内では情報不足、3分以上は退屈を感じさせてしまうと言われているからです。

また、面接官から時間指定がある場合、短いと「30秒〜1分以内」、長いと「3分程度」の志望動機を求められることがよくあります。 ゆえに、その中間である2分程度の志望動機を用意すると、概略版・詳細版を考えやすく、さまざまな長さの志望動機に対応しやすくなるのです。

とはいえ、志望動機を伝える際にベストな時間を意識するのは、初めは難しいもの。 面接で適切な時間内に過不足なく、そして感じ良く志望動機を伝えるためには、内容を上手く整理する必要があります。

志望動機はどう整理したら良いのか、面接で話すときに意識すべきことは何か、面接官に評価される志望動機は具体的にどんなものなのか。有名企業に受かった先輩たちの例文を参照しつつ、以下でくわしく見ていきましょう。

なぜ面接の志望動機の長さが重要なのか?

そもそも、なぜ面接で志望動機を話すのに時間を気にする必要があるのか? 志望動機が良ければ、長さは関係ないのでは? と思う人も少なくないでしょう。

しかし、面接の時間は限られています。長々と話すことで、企業側が他の質問ができなくなったり、集団面接では他の就活生にも迷惑がかかったりします。

それを気にせず話す人は、志望動機の中身と関係なく、「空気が読めない」「自分勝手」というような印象を面接官に与えてしまうのです。 反対に、回答が短すぎると「熱意がない」「アピール下手」と思われてしまう可能性も。

就活中のみならず、入社後に企業で実際の仕事をするうえでも、適切な長さで伝える能力は重要です。コミュニケーションの基礎にあたる部分のため、どんなに良い志望動機を作っても、長さが不適切なら評価のスタートラインにも立てません。 よって、面接で志望動機を話す際は、必ず時間を意識するようにしましょう。

面接の志望動機を適切な長さでまとめるためのテクニック

では具体的に、適切な長さでまとめるための方法を見ていきましょう。

●文字換算だと500字程度

面接は、履歴書やESをもとに行われるので、志望動機をあらかじめ文章で用意する人が多いでしょう。

文字数で換算すると、2分前後で話すには500字ほどが最適です。 この分量が、聞き手にとってもっとも聞き取りやすい速度であり、話し手のほうも余裕を持って話すことができるからです。

話しのプロであるアナウンサーは、1分間に300文字を目安に話すといいます。 就活の面接では、原稿もありませんし、相手のリアクションを見ながら話したり、緊張して早口になりすぎたりしないように意識する必要があります。 ゆえに、面接では1分間で250文字ほどを意識することで、ちょうど良い長さで志望動機を伝えやすくなるのです。

500字の志望動機とはどの程度の分量なのか、以下に例文を掲載します。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文①<2分程度・500字ちょうど>

私は、ゴムという素材に特化したソリューションカンパニーである御社を志望します。 志望理由は2つあります。 第1に、御社の事業に魅力を感じています。 私は東日本大震災で被災し、災害の恐怖を身をもって実感しました。御社では、タイヤ事業だけでなく、地震から暮らしを守る建築用免震ゴムの開発もおこなっています。私は今後、ゴムという素材が建築分野のみならず、インフラを強固にするための立役者になっていくのではないかと思っています。この開発事業に、どこよりも早く取り組んでいる御社で働きたいと思いました。 第2に、御社の使命に共感しました。 私は大学3年間を通し、「旅行プレゼンコンテスト」を実施する団体で活動してきました。そこでは、コンテストに出場した学生が舞台で輝くための最善のサポートをしていくことに責任を持ち、大きなやりがいを感じてきました。 この経験から、使命として「最高品質で社会に貢献」を掲げ、どうすればより良いものが作れるのかを真摯に考える貴社の姿勢に感銘を受けました。 今までは「学生のために」でしたが、社会人としては「この国のために」「世界のために」という、より広い対象に手厚いサポートをおこないたいです。 ――――――――――――――――――――――

面接での志望動機の伝え方がいまいちわからないという人は、ちょうど2分間で上の例文を読み上げる練習をしてみてください。 本番の面接では、どのような速度で志望動機を話すべきか、おおよそのイメージが掴めるはずです。

その際、ハキハキと笑顔で話すことを意識しましょう。就活において、面接官は話し方も見ています。自信があるような話し方をすることで、志望動機の説得力も増すのです。

●「簡潔な志望動機→くわしい理由→どう活躍したいか」で構成

面接の限られた時間で、志望動機をわかりやすく伝えるためには、構成も大事です。 具体的には、「簡潔な志望動機→志望動機のくわしい理由→どう活躍したいか」の順で話すと良いでしょう。

以下の例文で、ポイントを解説します。 ―――――――――――――――――――――― 志望動機例文②<2分程度・約500字>

私は、社会に欠かせない基盤をつくり、人々の活躍を支えたいという想いから御社を志望しています。 ↑企業に対する簡潔な志望動機。結論を最初に持ってくることで、わかりやすさが上がります。

私は、自営業で大工をしている父の存在がきっかけで幼い頃から建設業に興味を持ちました。そして、大学進学で宮城に来た時に、御社が女川町の震災復興のまちづくりを手がけていることを知りました。現場で最前線に立って復興事業に携わる社会貢献性の高さ、自身の手がけたものが目に見える大きな成果となって、人々の生活を支えるというやりがいの大きさに強く惹かれて、私もこのような仕事をしたいと考えるようになりました。 また、私は高校時代に演劇部を立ち上げた経験から、自身の作った仕組みや環境を使い、人々が活躍をしてくれることに喜びとやりがいを感じてきました。 そして、御社の現場社員の方からお話を伺った際に、現場事務として工事系社員や作業員の方の働く環境を整え、工事を竣工させることが、ゆくゆくは大きな成果となって人々の生活を支えることができるという言葉に強く共感しました。 ↑志望動機のくわしい理由。志望企業の事業内容や社風・社会的な意義を、自分の経験に絡めて話すと◎。具体性が高いエピソードほど印象に残りやすいので、5W1H(いつ・どこで・だれが・どうした・どのように)を意識的に入れ込むようにしましょう。

私は、御社の「現場第一主義」のもとで、顧客だけでなく工事を支える全ての関係者から信頼される社員となり、将来はプロジェクトの中心となって社会に貢献していきたいと思っています。 ↑どう活躍したいか。「企業のなかで採用後にどう活躍してくれそうな人材か」を面接官にアピールしやすくなります。

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また、「その企業でなければならない理由(他の企業でも共通する志望動機は×)」になっているか意識すると良いでしょう。

たとえば、上の例文では「震災復興のまちづくりを手がけていること」や「現場社員の方から伺った話」を盛り込んでいることで、この企業でなければならないことに説得力が出ています。

面接では、志望動機に対して、「なぜうちの会社なの?」「他の企業ではダメなの?」と突っ込まれることが非常に多いです。 この質問に的確に答えられると、「うちの会社についてよく調べているんだな」「本気で志望しているんだな」と企業側に熱意を伝えることができ、採用に有利になります。

最適な長さが例文でわかる! 面接のシチュエーション別志望動機集

●個人面接の志望動機

個人面接では、他の面接形態よりも比較的じっくり質問してもらえる傾向があります。ゆえに、志望動機で指定される時間も長めな傾向があります。

面接官から指定がない場合は、基本の2分程度を意識して志望動機を話すようにしましょう。

反対に、企業側から3分以上の志望動機を指定された場合は、どのように話すと良いのでしょうか。 3分ほどなら、700〜750字程度を意識すると良いです。

志望動機の基本の構成は、2分と変わりありません。面接で長めの時間を指定されたら、志望動機の「くわしい理由」と「どう活躍したいか」をより具体的にすると良いでしょう。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文④<個人面接・3分程度・約700字>

私が御社を志望するのは、投資銀行での提案を通して、業界全体の経済を活性化させ、企業が成長するための新たな挑戦を支える仕事がしたいからです。 また、インターンシップで御社の社員の方々の働き方に憧れを抱き、志望しました。 私は、大学生協新生活サポートセンターという組織でのアルバイトで、家具家電と広報を主に担当しました。販売スタッフにどう営業提案をしてもらうか、研修内容を一から作り直したり、顧客ニーズを分析したりすることで、家具家電の売上高全国一位を4年間継続させることができました。 しかし、全国の大学自体の売り上げが伸び悩んだことにより、商品やサービスの縮小を余儀なくされ、大きな葛藤を抱きました。ここから、業界全体が元気にならなければ、個々の企業業績も伸び悩んでしまうことを痛感しました。 そこで、業界全体の活性化を支える投資銀行業務――特に公開取引部門に興味を持ち、御社のインターンシップに参加しました。 そこで学んだのは、大きなインパクトで企業の成長を支えられるソリューションが想像以上に多いこと、そして個々の企業に真摯に向き合う社員の方々の姿でした。 企業の成長に大きく関わるからこそ、多様な視点から企業の特徴をよく理解し、どのソリューションが最も良い選択か、顧客の立場に立って吟味する大切さとやりがいを、知ることができました。 私は顧客の立場に立ちながら、独立系証券だからこそできる幅広い提案と実行力を持って仕事をしていきたいです。まずソリューションの専門性をつけていきたいと考えているため、公開取引部門で知識とスキルを身に付けたいと思います。 そして御社の方々のように、広い視点から顧客に寄り添い、企業がそれぞれの方向性で成長できるような提案できる人材になりたいと考えています。 ――――――――――――――――――――――

上の例文のように、2分間では収まりきらない5W1H情報や、自分がどのように感じたのかなどを入れ込むと、志望動機にさらにオリジナリティが付与でき、面接官の印象に残りやすくなります。

●集団面接の志望動機

集団面接では他の就活生と一緒に面接を受けるので、ひとりあたりの回答時間が短めです。企業側に志望動機を「30秒程度で」と指定されることも少なくありません。 30秒の文字目安は150〜200字程度です。

30秒程度でも、「簡潔な志望動機→くわしい理由→どう活躍したいか」の構成は押さえるようにしましょう。くわしい理由の5W1Hの一部を省略することで、より短くまとめることができます。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文⑤<集団面接・30秒程度・約200字>

私は、■■の卸売を通じて世界を豊かにする御社で働きたいです。 私はインドネシア留学中に、■■工場で雇用されたことで暮らせるようになった人と交流しました。これは御社のプロジェクトで、商品の世界的拡充とともに、地域の貧困問題解決にも注力していることに感銘を受けました。業界内でも御社しか行なっていないものです。 3年間の留学経験を武器に、世界の工場拡充と地域の人々が幸福に暮らせるような仕事がしたいです。(※本人希望のため一部情報を伏せ字) ――――――――――――――――――――――

面接官に時間を指定されない場合も、1分半など少し短めを意識すると良いでしょう。 集団面接の場合、長いと特に「協調性がない」「周りが見えていない」と思われやすいからです。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文⑥<集団面接・1分半程度・約400字>

御社の「経験価値」という考え方に共感したこと、また自身の経験を活かせる環境があることから、入社を志望しております。 私は中学・高校の6年間で全都道府県を巡り、大学入学後は海外も積極的に旅行しました。その中で大切にしていたことは、行くだけでなく、現地で何を見て何を食べ何を学ぶかということです。この価値観を商品にし、お客様に提供する仕事は、経験価値を重視する御社でなければできないと考えます。 夏冬のインターンに参加し、実際の商品を研究する中で、お客様を「連れていく」旅行ではなく、お客様が「参画する」旅行づくりが徹底されていると感じました。 企画・添乗・調達など、旅行に関わる様々な仕事に一貫して携われる御社でこそ、自分の経験を活かし、大好きな旅行を一生の仕事にできると考えます。 御社に入社し、お客様に「最高の経験」をお届けする一員になりたいと思っています。 ――――――――――――――――――――――

また、集団面接では、話そうとしていたことを他の就活生に先に言われてしまったり、似た志望動機を持っている人と一緒の面接になったりすることもあります。

そんなとき、「志望動機を変えないと...!」と焦ってしまうでしょう。 しかし、他の人と志望動機が似ていても、わざわざ変える必要はありません。

自分の言葉で志望動機を伝えれば、面接官におのずと想いは伝わります。 それよりも、面接の間に急いで別の志望動機を作ったり、自信なく答えたりするほうがマイナスの印象を与えてしまいます。 どうしても気になる場合は、「前の方と少し似ているのですが〜」などと前置きすれば、面接官も納得してくれるでしょう。

また、集団面接では、「他人の話をきちんと聞けるか」も見られています。 大げさにする必要はありませんが、面接の間、話している人のほうに視線を向けたり、時々頷いたりすると印象が良いでしょう。 他の就活生の回答に意見を求められる場合もあるので、自分の話が終わっても気を抜かずに、面接中は話をしっかり聞くようにしましょう。

●WEB(オンライン)面接の志望動機

企業や面接のフローにもよりますが、WEB面接では回答時間がやや短めの傾向があるよう。「1分程度」などの指定が多いようです。 先述のとおり、1分で話すには250字ほどを目安にすると良いでしょう。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文⑦<WEB面接・1分程度・約250字>

将来の不安を安心に変える生命保険業界で、御社のお客様本位の商品開発・サービス向上に注力する点に魅力を感じ、志望しました。 以前、私が幼い頃から長く我が家の担当だった保険会社の方が、20歳を迎えたことを家族同様に喜んでくれました。この経験から、生命保険は長い間お客さまに寄り添う、他にはない商品だと感じました。御社ではお客さまの満足度向上のために分かりやすさを追求しており、その点にも魅力を感じております。 入社後には、私の強みである【課題分析力】と【一人一人に合わせた対応力】を活かし貢献します。 ――――――――――――――――――――――

面接官から指定がない場合も、集団面接のときと同じく、1分半前後を目標にすると良いでしょう。 理由としては、オンライン面接では音声が聞き取りづらい場合もあり、対面面接よりもさらにハキハキ・ゆっくりと話すことが求められるからです。

また、対面面接よりも聞き手の集中力が散漫になりやすい傾向もあるそうです。ゆえに、簡潔にまとめたほうが好印象を与えやすいようです。

―――――――――――――――――――――― 志望動機例文⑧<WEB面接・1分半程度・約400字>

未来に残る建設を通して、末永く社会に貢献したいという思いから建設業界を志望しています。中でも御社は、鉄道工事に深く携われる環境があります。 鉄道は都市と地方との交流を生み、駅は地域の拠点としてにぎわいを創出します。 地方の鉄道が廃線後、地価が下落したり人口流出が加速したりした一方で、北陸新幹線のように開通がきっかけとなって発展が加速した例もあります。このような鉄道という公共性が高いインフラに対し、土木と建築の両面からアプローチできる環境を魅力に感じました。 御社で働くなかで、リニアモーターカーの新線建設や地域のシンボルとなる駅関連施設の建設に携わりたいです。職種では、文系であっても建設の第一線に立つことができる現場事務に特に興味を持っております。最前線で工事をサポートすることで、遅滞なく施工を進めることに貢献し、建設の歓びを共に分かち合いたいと考えています。 ――――――――――――――――――――――

また、WEB面接ではカンペを用意することもできてしまいます。 カンペを使うことで、志望動機をスムーズにアピールできるというメリットもあります。

しかし、面接官にカンペを使っていることがバレるのは好ましくありません。面接官は、あらかじめ用意した原稿を読むのではなく、自分の言葉で回答してほしいと思っているからです。

「文章を読んでいる」感が出てしまうとマイナスなので、もし面接でカンペを使いたい場合は全文を用意するのではなく、志望動機のなかでキーワードとなる言葉だけをメモ書きする程度にすると良いでしょう。

カンペの位置もカメラに近い場所に置くなど、面接官から不審に思われないようにすると良いでしょう。 WEB面接ではつい忘れがちですが、就活では対面面接と同じく、面接官の目を見て回答することが重要なのです。

おわりに

面接における、志望動機の長さについて解説しました。 就活に慣れていないと、志望動機の内容ばかりを気にしてしまい、回答時間はおろそかになってしまいがち。しかし、回答時間をきちんと守ってこそ、内容を評価してもらえるのだということがわかったと思います。

また、面接のシチュエーションによっても、好ましく思われる回答時間は変わります。 今回示したのはあくまで目安なので、企業ごとに面接官の指示をよく聞いて回答するようにしてください。

本記事でもいくつか志望動機の例文を紹介しましたが、エンカレッジでは、たくさんの先輩方のES全文や企業ごとの就活体験記を公開しています。

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