インターンシップとは
インターンシップとは、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義されています。
"就業体験"とは、具体的にどんなことをするのでしょうか? また、参加するとどんなメリットがあるのでしょうか? どうすれば参加できるのでしょうか? それぞれ、順を追って説明していきます。
インターンシップの種類
インターンシップの定義である"就業体験"という言葉を聞くと、社員と同じような業務を長時間行うのかな? と思う人もいるかもしれません。 実は、就活におけるインターンシップはそのような形をとらないものの方が一般的です。 ここではよくあるインターンシップの種類を3つに大別し説明していきます。
●セミナー型
セミナー型のインターンシップは、1日間もしくは2日間程度で、企業が学生に対して会社説明を行ったり、自己分析の支援を行ったりします。
人事が学生に向けて講義するセミナー形式や、少人数のグループに分かれ簡単なワークを行うワークショップ形式などが存在します。
セミナー型は選考が存在せず、誰でも参加できるものが多いことが特徴です。 また、企業によっては本選考を受けるために参加必須の場合もあるので、自分が気になっている会社がどういう形をとっているか、きちんと確認しておきましょう。
<セミナー型の例> ・企業説明1dayインターンシップ...企業の人事や社員が学生に対して業界・会社概要・魅力の説明を行うインターンシップ ・企業説明+自己分析2dayインターンシップ...少人数のグループに分かれ、企業人事と学生の相互コミュニケーションにより企業理解や自己分析を深めるインターンシップ
<こんな人におすすめ> 就活を始めたてで、どのように進めたらいいかわからない、まずは雰囲気を味わいたい、という方に特におすすめです。
✓企業分析のやりかたがわからないから勉強したい。 ✓自己分析のやりかたがわからない、やってみたけどなかなか深まらないので企業の人事や 社員のフィードバックがほしい。 ✓その企業自体に興味があり、理解を深めたい。
●ビジネスコンテスト型
ビジネスコンテスト型のインターンシップは、少人数でグループワークを行いながらお題に対する解決策を企業側に提示し、成果物を納品します。 就活においては、このタイプのインターンシップが一番多く存在します。
会社によって開催期間は様々ですが、5日間~2週間毎日グループメンバーと企業の担当者で集まってお題に向き合うようなスタイルもあれば、2か月の間、自由にグループメンバーで議論を進め、期間中5日間程度社員と接点をもちフィードバックをもらいながら、最終日に成果を発表するようなスタイルもあります。
また、有給のケースが多く、さらには提案内容が一番優れていたグループに賞金や豪華景品が贈呈されることもあります。
<ビジネスコンテスト型の例> ・課題解決型...お題例:A社の売り上げを1.5倍に伸長させるための施策を考えよ ・事業立案型...お題例:A社の新たな柱となる新規事業を立案せよ ・戦略立案型...お題例:○年後の○○業界を見立てた上で、A社がとるべき事業戦略を立案せよ
<こんな人におすすめ> ビジネススキルを体感してみたい人や、その会社で求められるスキルを理解したい人に特におすすめです。
✓社会人になってから使うフレームワークやビジネススキルを体得したい ✓難しいお題に向き合って腕試しをしたい ✓優秀な仲間と切磋琢磨したい
●実務型
実務型のインターンシップは週2〜3日以上で長時間の就業を行う長期インターンシップとなります。まさに就業体験という言葉でイメージするものはこちらではないでしょうか。
実際に社員が行っている仕事を任せてもらい業務を遂行することで、社会人経験を疑似体験できることが特徴です。 またこちらも有給で、時給制が多く、成果に応じて昇給するケースも存在します。
<実務型の例> ・社長直下での経営戦略策定の各種サポート ・プロダクト開発部門におけるユーザー調査・分析~要件定義〜関係者への合意形成 ・営業部門における売上分析~資料作成~顧客提案
<こんな人におすすめ> いち早く社会人と同じような仕事の進め方を経験したい方に特におすすめです。
✓実務経験を詰んでみたい ✓社会人として働くイメージをつけたい ✓社会人になったときにスタートダッシュを切りたい
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インターンシップに参加するメリット
さて、どんなインターンシップがあるかについては理解ができたかと思いますが、そもそもインターンシップに行くとどんなメリットがあるのでしょうか? ここでは参加することで得られる経験についてご紹介します。
1、企業の理解が深まり、自分がその企業とマッチするかを判断できる
どの企業も、自社のことを理解してもらい魅力を感じてもらうことがインターンシップを実施する目的の1つです。 そのため、プログラムに参画することでその会社の事業・職種・働き方等の理解は確実に深まります。また期間中に採用担当のみならず他の部署の社員が登壇することも多々あり、社員の人柄・雰囲気も知ることも可能です。 ビジネスモデルや事業内容の理解に加え、様々な社員との接点を通じて社風を肌で感じることで、自分がこの会社とマッチしそうかどうかを確認することができるのです。
2、自己理解が深まり、自分がどんな仕事に就きたいのかの考えが進む
特にビジネスコンテスト型や実務型のインターンシップにおいては、自分の仕事の進め方や考え方の特徴を捉え、自己理解を深める機会を得ることができます。 ・自分はあれこれと考えることが好きなのか、それとも手を動かすことが好きなのか? ・チームで動くことが好きなのか、1人で調べ物をするのが好きなのか? などを内省することによって、自分がどんな業界、仕事、職種に就きたいのか? を深めることが可能となります。
3、切磋琢磨できる仲間ができる
インターンシップでは、普段の学校生活では接点を持たないような、バックグラウンドも価値観も全く異なる人と出会うことができます。そんな人たちとの出会いにおける学びは絶大です。 自分にはないスキルや姿勢を目の当たりにして刺激を受け、自分にはない就業観を聞くことで新たな気づきを得ることができるのです。そんな仲間との出会いを通じて自分を大きく成長させることができます。 実は、ここでの出会いがのちにビジネスパートナーとなるケースも。それくらい今後の人生を左右する出会いがインターンシップには秘められています。
4、社会人として働く実務スキルがつき、入社後のスタートダッシュを切れる
特に実務型インターンシップの場合、社員と変わらない業務を遂行するため、仕事の段取りや、社内での合意の取り付け方、企画書の作り方などを社会人と同じ感覚で体得することができます。 また日常的に社員からの本格的なフィードバックをもらえるので、仕事の進め方、アウトプットの精度をどんどん高めていくことができるのです。 その実務経験をもとに、入社後のスタートダッシュを切ることが可能となります。
インターンシップのスケジュールと参加方法
続いて、開催時期と参加方法について説明します。
●開催時期
就活を考え始めた大学3年生を例にとると、大学3年の春からインターンシップの募集を開始する企業が出てきます。
4~6月で夏インターンシップの募集・選考、6月~8月で秋インターンシップの募集・選考、9月~10月で冬インターンシップの募集・選考を行う、といったイメージです。
企業によっては毎年決まった時期にしかインターンシップを行わないため、見逃さないように就活サイトでチェックしておきましょう。
ただし、下図のスケジュールを逃したらインターンシップは絶対に参加できない! ということは全くないので安心してください。 最近は学年不問のものや、通年募集のもの増えてきているため、焦らなくても応募できる企業はたくさんあります。
●参加方法
では、どのようにしたらインターンシップに参加できるのでしょうか? 実は多くのインターンシップは参加するために選考を突破しなくてはならないのです。おおまかには1〜4の工程を辿ります。
1、就活サイトやSNSにて気になる情報を収集する 2、応募する 3、選考を受ける -エントリーシートを提出する -適性検査を受ける -グループディスカッションや面接を受ける(1~3回程度) 4、参加する
選考のないプログラムも存在しますが、行ってみたいインターンシップに選考がある場合、しっかり対策をして受験することが肝要です
インターンシップ対策の詳細記事はこちら>>
インターンシップに参加するにあたっての心構え
インターンシップに参加さえすれば自動的に内定に近づくわけでも、自動的にスキルアップするわけでもありません。選考を突破したら、以下を心掛けて参加してみましょう。
1、参加する目的と参加後のゴールイメージを明確にしよう
何のために参加するのか、終わったとき自分がどんな状態になっていたいのか、について今一度考えてから臨みましょう。 目標を持って参加すると、振り返ったときの学びがたくさん得られるからです。
(例)メーカーのインターンシップに参加することになったA君の場合 ・目的:会社理解を深めて自分がこの会社とマッチするのか判断する ・ゴール:本選考も受けるか、辞めるか判断できている状態
例えばこのように設定すると、必然的にインターンシップでは判断材料を収集するために動きますよね。また、以下のような目的を持つのもおすすめです。
・ビジネスモデルや商材の特徴から、自分が希望しているマーケティング職についたらどんなサイクルで仕事を回すのか、どんな力がつくのかを確かめる ・会社の戦略から、自分が希望している事業部が今後投資されるのか、新卒社員が配属されそうなのかを確かめる ・社員の雰囲気は自分と合うのかを確かめる など。
このような情報を収集できれば、振り返った際に、自分が企業とマッチするかを明確に判断することができます。
2、相互理解の場であることを意識しよう
どうしても選考を突破すると、自分が会社にジャッジされて選ばれたのだ、という気持ちになりがちですが、実はインターンシップは、あなたが会社を見極めて自分に合うかどうかを判断する場でもあるのです。
人事や社員にどう見られているか? と目線が気になってしまうかもしれませんが、それよりも、自分はこの会社に本当に行きたいのか? 自分の進みたいキャリアは歩めるのか? と確かめる気持ちを忘れずに臨みましょう。
気になるあの噂:インターンシップに参加すれば本選考に有利になるのか?
インターンシップの話で真っ先に飛び交う噂があります。それは「参加すれば本選考に有利になる」。これは本当なのでしょうか?
結論からお伝えすると、「有利になる場合もあれば、全く本選考と関係ない場合もある」、が回答となります。 会社がインターンシップを実施する目的や意図から考えてみましょう。
<企業側のインターンシップ開催の目的> 企業はわざわざお金と時間をかけてインターンシップを実施しているため、それなりのリターンが見込めると考えているはずです。 企業がインターンシップを行うメリットは主に以下3点となります。
1、優秀な学生と早期に接触し、早期に内定を出して早期に承諾してもらうため
就活マーケットはいつでも優秀な学生の取り合いです。そのため、企業は早期に優秀な学生と接点を持ち、早めに内定を出して承諾をしてもらいたいのです。 インターンシップは学生と早期に出会う恰好の場。この場を活用して、のちの本選考ルートを一部スキップさせたり、インターンシップ直後に内定を出したりしている企業が一定数存在します。
2、ブランドを向上させるため
もう1つはブランド向上のためです。学生もその企業の消費者の1人。そのため、認知度やイメージ向上を狙いとして人目を引く魅力的なインターンシップを行います。 ブランディングを目的にインターンシップを行っている会社は、インターンシップと本選考に何ら関係がないことが多いです。
3、労働力を確保するため
最後は、会社の労働力を確保するためです。 特にスタートアップやベンチャーは慢性的に人が不足しており、雇用形態関係なく優秀な人材にいつでも参画してもらいたいと考えています。 そこで、長期インターンシップを募集することで自社の人員を充足させているのです。 このような会社は本選考につなげるためにインターンシップを行うというよりは、インターンシップを雇ったら、その結果たまたま新卒社員として入社してくれた、というケースが多いです。
最近は内定直結型のインターンシップを謳っている会社もありますが、それ以外のインターンシップは実際のところ本選考に有利になるのかどうかわからないですよね。 OB・OG訪問や、就活メディアの手を借りて情報を収集してみましょう。
インターンシップ一覧
さて、どんな企業がどんなインターンシップを予定しているのでしょうか。ここでは現時点でHPに情報が公開されている企業を紹介します。
●日系大手企業
・ソフトバンク株式会社:8月〜10月に開催。実務型でビジネスコース、エンジニアコースがあります。
・アサヒ飲料株式会社:8月〜9月上旬にて3日間。ビジネスコンテスト型。
・パーソルキャリア株式会社:8月〜9月開催。ビジネスコンテスト型。
●ベンチャー企業
・株式会社ネオキャリア:ビジネスコンテスト型。
・レバレジーズ株式会社:ビジネスコンテスト型。
・株式会社GA technologies:3日間のビジネスコンテスト型。
・UTグループ株式会社:1日間のビジネスコンテスト型。
また、過去のインターンシップ開催実績を踏まえて傾向をマッピングすると以下の通りです。 ぜひ参考にしてみてください。
最新状況は随時アップしていくのでこちらをチェックしてみてくださいね>>
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よりインターンシップへの参加を効果的にするために
本記事ではインターンシップの概要をお伝えしました。 ここでは代表的な種類について説明しましたが、10社があれば10社分のインターンシップの特徴があるはずです。ぜひ気になった会社の情報はご自身でも調べてみてください。
そしてインターンシップで得られる経験やメリットも人によって感じ方は様々。ぜひOB・OG訪問を活用してリアルな声をきいてみてください。
また、それらに役立つのがen-courageです。en-courageでは有名企業に内定している先輩がみなさんの就活をサポートしています。活用してみてくださいね。
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