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適性検査とは何? 就活で知っておくべき内容・例題・対策法を徹底解説!

適性検査とは、多くの企業が採用選考で実施しているテストで、能力・性格などがその会社に合っているかを測るものです。本記事では、人材業界の現役社員の監修をもとに、適性検査の概要・種類・検査方法・例題・対策法などを紹介します。

適性検査とは? SPIは何のこと? わかりやすく解説

■適性検査って何? 企業が実施する目的は?

採用選考時に、企業が実施する能力・性格などのテストのこと。

適性検査・筆記試験を実施している企業は91.8%にものぼります(出典:リクルートキャリア『就活白書2019』)。

能力や性格など、その会社とはあまりにもミスマッチな人員をあらかじめ避け、適性の高い人材に絞って選考をおこなうために使っているところが多いよう。

ゆえに、能力検査では、ボーダーラインを設けてスコアに満たない人材を足切りする企業も多くあります。 性格検査は参考程度に見ている場合がほとんどのようですが、面接時のアピールポイントとの一貫性や、社風との適合性は重視されます。

どんなに志望度が高くても、ここでミスマッチと判断されると、その後の採用選考に進めなくなってしまいます。 内容は、コツを掴めば得点できるものなので、必ず把握・対策をしておきましょう。

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■適性検査の内容(能力検査/性格検査)

一般的には、能力検査と性格検査の2部構成です。会社によっては、どちらかだけの場合もあります。

<能力検査> 思考力・論理性・数値能力など、学力を測定します。 読解問題や語彙力などを測る「言語分野(国語問題)」、計算力や図形把握能力などを測る「非言語分野(数学問題)」が主に出題されます。

中学や高校で習う基礎知識で解ける問題が大半ですが、時間制限があるので、ミスや回答漏れに注意しましょう。

このほか、英語や一般常識問題が入ってくる場合もあります。

<性格検査> 思考傾向・性格など、パーソナリティを測定します。 考え方や行動に関する質問に対し、自分に当てはまるものを選択する検査が中心。 行動性・意欲性・情緒性・社交性・慎重性・共感性・社会関係性などが判断されます。

たとえば、「トレンドや新しいものが好き」に対して「YES /NO」のいずれかを選択したり、「落ち込みやすいほうだ」に対して「すごくあてはまる/ややあてはまる/どちらともいえない/あまりあてはまらない/まったくあてはまらない」のなかから近いものを選択するという形式が大半です。

能力検査とちがって、正答はありません。回答数が多いため、最後まで回答できるようにしましょう。

■適性検査の受験形式(WEBテスト/テストセンター/筆記)

適性検査の主な受け方は、WEBテスト・テストセンター・ペーパーテストの3つです。

<WEBテスト> 受験者のPCで検査をおこないます。いつでもどこでもできるメリットがある反面、身代わり受験やカンニングなどのリスクがあります。

<テストセンター> 日時と会場が指定され、受験者はその会場のPCで検査をおこないます。会場には監督者がおり、本人確認もされるので不正は起こりづらいです。

<筆記> 日時と会場が指定され、受験者はその会場で筆記検査を受けます。マークシート形式のものが多いです。不正リスクは低いですが、紙による集計には手間がかかることから、実施企業は少なめです。

このほか、「インハウスCBT」という、会社のPCで検査をおこなう方法もありますが、導入しているところはかなり少ないです。

■適性検査の主な種類と実施企業

適性検査をおこなっている会社のうち、約半数がSPIを導入しています。 以下では、SPIをはじめとして、有名企業で利用されている適性検査の概要と特徴をまとめています。

※年度によって異なる適性検査を採用している企業もあるため、本年度選考時も同じ形式とはかぎりません。

SPI 能力検査では、語彙力・読解力を測る、国語問題を中心とした「言語分野」、論理力・計算能力を測る、数学問題を中心とした「非言語分野」があります。会社によっては、英語検査を実施する場合も。

中学までに習得する知識が主で、難易度はそこまででないものの、平均スコアも高いため、ミスには注意しましょう。 1問ずつ制限時間が設けられており、未回答でも制限時間を超えると次の問題に移ります。

<主な出題形式と制限時間> ・WEBテスト形式  能力検査35分 ・筆記(マークシート)形式  能力検査70分

<実施有名企業> 電通、伊藤忠商事、ゴールドマンサックス、三井不動産、明治安田生命など。

●玉手箱 SPIに続くシェア率を誇っており、WEBテスト形式での受験がメインです。

能力検査では、言語3項目(IMAGES・GAB・趣旨把握)、計数3項目(四則計算・図表読み取り・表の空欄補充)、英語2項目(IMAGES・GAB)の計8項目の問題が出題され、項目ごとに制限時間が設けられています。

問題ごとの制限時間が短いため、正確性とスピードが求められます。

<主な出題形式と制限時間> ・WEBテスト形式:能力検査 言語分野37分(IMAGES 32問/10分+GAB1 32問/15分+趣旨把握10問/12分)、計数(四則計算50問/9分+図表読み取り29問/15分+表の空欄補充20問/20分)、英語(IMAGES 24問/10分+GAB形式24問/10分)

<実施有名企業> TBSテレビ、富士通、メリルリンチ日本証券、アクセンチュアなど。

●TG-WEB SPIや玉手箱に並んで、多くの会社で使われている適性検査。

言語・計数が出題されるのですが、「従来型」と「新型」の2種類があり、それぞれ内容が異なります。

従来型 言語は空欄補充・長文読解、計数では暗号や展開図・パズル・推論などが出題されます。 ほかの適性検査では見ないような独自の問題が多く、難易度は高めです。多少時間をかけても、正答を得られるようにしましょう。

新型 言語は、「従来型」では出題されない同義語・対義語といった単発問題が中心で、計数はSPIなどでよく見かける四則計算・図表問題などが多いです。 難易度が高くない代わりに、短時間で非常に多くの問題をこなす必要があります。

<主な出題形式と制限時間> ・WEBテスト形式(従来型):言語問題12問/12分+計数問題9問/18分 ・WEBテスト形式(新型):言語問題34問/7分+計数問題36問/8分

<実施有名企業> デトロイトトーマツコンサルティング、モルガン・スタンレー、資生堂、三菱UFJ銀行など。

CAB・GAB CABはIT系のSEやプログラマー向け、GABは総合商社・証券・投資業界などでよく使われています。 SPIや玉手箱よりも難易度の高い問題が多く、かつ速度も求められます。

能力検査では、CABは、暗算/四則逆算・法則性・命令表・暗号で構成されます(※WEBテスト形式では四則逆算、筆記形式では暗算が出題)。 GABは、言語(論理的読解・趣旨判定)・計数(図表の読み取り)で構成されており、英語(長文読解)が入る場合もあります。

<主な出題形式と制限時間> ・WEBテスト形式  能力検査+性格検査 Web-CAB:72分、Web-GAB:80分 ・筆記(マークシート)形式  能力検査+性格検査 95分

<実施有名企業> 東京海上日動、三井物産、住友商事、サントリーホールディングス、JICA.など。

SCOA 民間企業のほか、地方公共団体(市役所・町村役場)などで公務員試験の代わりに実施されることもある検査です。

言語・英語・数理・常識・論理の5分野からの出題で、応用問題よりも「知っていれば解ける」ものが多いです。 ただし、ほかの適性検査よりも出題分野が多く、120問を60分程度でさばく必要があるため、処理能力が求められます。

常識分野では、時事問題のほか、理科(物理・化学・地学・生物)と社会(歴史・地理・政治経済)からも出題があります。論理分野は、サイコロ問題や推論が中心です。

<主な出題形式と制限時間> ・筆記(マークシート)形式  120問/60分

<実施有名企業> 全国農業協同組合連合会、東洋紡、日本中央競馬会、ヤクルトなど。

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適性検査に落ちないために! 無料の例題や対策法のおすすめは?

■適性検査対策全般に共通するポイント

スピード・処理能力が重要 問題数がとにかく多い検査が大半です。時間をかけて解いていると、タイムアウトになってしまうことも。 正答率で評価されるものがほとんどなので、わからない問題があったら、最悪「これかな」という答えを選んで、次に進むべきです。未回答は絶対に避けましょう。

消去法を活用しよう 明らかに不正解だとわかる選択肢が混じっていることも多いです。答えに自信がない問題でも、消去法を意識すれば自ずと正答率が高くなります。

出題パターンを知る 問題の難易度はそこまで高くないものの、制限時間や形式に戸惑ってしまうものがほとんど。初見では、本来の能力が発揮できません。検査ごとに出題パターンが決まっているため、例題や過去問を解いて、どういう問題が出るか把握しておきましょう。

■適性検査<言語分野>の対策

国語能力を測る言語分野では、 ・語彙力問題(類義語・対義語・正しい意味など) ・文法力問題(正しい接続詞・助詞・助動詞など) ・長文読解問題(空欄補充・正しい要約など) が頻出します。

おすすめの対策は、新聞を毎日読むこと。 時事問題の対策もできますし、文字を素早く処理する能力を高めやすいです。 わからない単語があったら辞書で調べるようにしましょう。また、なるべく短い時間で目を通し、段落ごとの主旨を要約し、指示語や接続詞を意識するとさらに良いです。

■適性検査<非言語分野>の対策

数字や論理、把握能力を測る非言語分野では、 ・計数(四則演算、累乗、1次・2次・連立方程式、割合、不等式・不等号、グラフなど) ・推論(図表を比較して空欄補充、論理問題など) ・図形把握(展開図の予想など) が頻出します。

なかでも重要なのは、計数。問題のなかでも割合が高く、誰でも解けるものが大半のため、落とせません。電卓は使用不可の検査がほとんどなので、計算ミスをしないように気を付けましょう。暗算では間違いも多くなるので、筆算・メモをしながら解くのがおすすめです。

■適性検査<性格検査>の対策

性格検査は、基本的に素直に回答すればOK。ただし、次のポイントは意識しておきましょう。 ●時間内に終わらせる 能力検査と同じく、タイムアップにならないように注意。とくに、性格検査は300問以上ある場合も少なくありません。性格検査で落ちることはほとんどありませんが、未回答はNG。必ず最後まで回答しましょう。

一貫性を持たせる 性格検査では、「同じ内容の言い換え」が頻出します。 たとえば、「初対面の人と仲良くできるほうだ」/「社交的だと言われる」もしくは「休日は外出するのが好きではない」/「休日は家にいるのが好き」など。 あまりに矛盾が多いと、不信感を持たれてしまうので、自分がどう回答をしたか覚えておくようにしましょう。企業が求める人物像に寄せて回答してしまう人がいますが、一貫性を持たせるためにも、素直に答えるのが一番です。

あまりに極端な回答は避ける ただし、あまりに極端な人物像は、敬遠されてしまう可能性もあります。 たとえば「他人と対立してでも、自分の意見を通したい」や「調和よりも競合を好む」のような質問に、「よくあてはまる」を選択してしまうと、チームやグループではたらく仕事ではマイナスの印象を与えてしまいかねません。 「自分が採用者だったら、どんな人とはたらきたいか」を意識して、極端な回答ばかりにはならないように注意しましょう。 迷ったら、「ややあてはまる/どちらともいえない/あまりあてはまらない」のいずれかを選択するのもアリです。

■無料でできる適性検査の例題はある? おすすめの対策法

克服するためのコツは、とにかく慣れること。さまざまなタイプの問題を、事前に目にしておくことが重要です。

学生時代に苦手な科目があった人や、内容に不安がある人は、やはり対策問題集を買うのが一番です。 お金をかけたくない人は、ネットでも無料で公開されている一部の例題はあります。ただし、多くの問題を時間内に解くという形式に慣れておくことのほうが大切。

ゆえに、第一志望の前に、ほかの企業で適性検査を受けておくと良いでしょう。 細かな結果を知ることはできませんが、時間配分や傾向を把握することができます。

公務員の適性検査って何をするの?

適性検査は、多くの民間企業の採用選考で使われますが、国や都道府県、市町村などの公務員の採用でも使われる場合があります。

公務員の能力検査は、基本的に公務員試験によっておこなわれます。 職種や採用機関ごとに実施される試験で、民間企業の能力検査よりも範囲が膨大で、専門的な知識が問われるものもあります。

公務員試験の詳細は、以下の記事が役立ちます。

公務員試験でも、性格検査を実施しますが、民間企業と同じくあくまで参照程度という機関が多いよう。 ただし、独特の形式も多いため、以下によくおこなわれているものを挙げます。

YG性格検査 民間企業でもよく実施されており、「落ち込みやすい」「他人から頼られるのが好き」などに「YES /NO」で答えます。

ロールシャッハテスト インクでできた模様が、何に見えるかを回答するもの。 有名な心理テストのひとつで、連想するものによって思考過程を診断します。

内田クレペリン検査 左右の数字をひたすら足し算し、下一桁を回答していくというもの。 たとえば、「3 4」には「7」、「8 5」には「3」(合計が13なので)、と記入します。 膨大な量の数字が並んでおり、注意力や処理能力、ストレス耐性を測ります。

これで適性検査の対策はバッチリ!

適性検査は、事前にどんな内容が出題されるか把握しておけば、難易度の高いものではありません。 ただし、採用選考の序盤に実施されることがほとんどなので、準備不足になってしまう人も多いです。志望企業の選考に進むために、必ず対策するようにしましょう!

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