研究内容(1200文字以下)
大脳皮質感覚野の神経細胞は、感覚刺激に対して活動電位(スパイク)発火頻度を変化させます。しかし発火頻度変化は試行ごとに異なり、同じ刺激を与えたとしても同じ頻度で発火が生じるわけではないことが知られています。したがって、神経細胞の活動に対して感覚刺激以外にも影響を与える要因があると考えられました。感覚刺激以外の要因として、周囲細胞の活動状態とその細胞自身の過去の活動状態があげられます。このように、①感覚刺激の有無、②周囲の神経細胞の活動状態、③細胞自身の過去の活動状態、の三つの要因が、感覚野の神経細胞スパイク発火に対して影響を与える可能性がありますが、これら三つの要因が相対的にどのような強さでスパイク発火に寄与しているかは不明です。そこで卒業研究ではこれら三つの要因の相対的寄与率を、一般化線形モデルを用いて推定しました。ウレタン麻酔下ラットの一次視覚野(V1)と体性感覚野バレル領域よりマルチプローブ電極を用いて、複数の神経細胞から同時にスパイク活動を計測しました。解析には、刺激に対して有意な応答があった細胞(n
288)を用いました。各試行に対する刺激応答期間と自発発火期間の発火頻度に着目することで「刺激の有無」の影響を考慮しました。「周囲の活動状態」を同一試行に対する着目細胞以外の細胞の平均発火頻度と定義しました。ただしZスコア化することで内在的な刺激の影響を除去しました。「過去の活動状態」を二つの期間それぞれの直前の発火頻度と定義しました。三つの説明変数をすべて含むFULLモデルと説明変数を一つ除いたモデル(1、刺激の有無を除去; 2、周囲細胞の平均発火頻度を除去; 3直前の発火頻度を除去)を設定し、FULLモデルと説明変数を一つ除いた各モデル間で逸脱度(deviance)を比較することで、「刺激」、「周囲細胞の活動状態」、「過去の活動状態」、の寄与を算出しました。スパイク発火頻度に対して最も強く影響を与える要因は、周囲細胞の平均発火頻度でした。すなわち、周囲細胞の平均発火頻度の寄与を最も強く受ける細胞は、V1では80%(143/179)、バレル皮質では89%(98/109)となりました。本研究より、多くの大脳皮質感覚野神経細胞は「刺激」よりも「周囲細胞の活動状態」の影響を強く受けてスパイク発火が引き起こされていることが明らかになりました。ただし、「刺激」による影響を強くうける細胞も少数存在したことから、感覚皮質神経細胞は互いの発火活動に強く影響しあうネットワークを形成しており、そのネットワークのごく一部の細胞のみが感覚刺激による強い影響をうけてスパイク発火を引き起こしていることが示唆されました。
自分のセールスポイントを教えてください(200文字以下)
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当社への志望動機を教えてください(200文字以下)
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デジタルを活用し日立のビジネスにおいてどのような活躍をしたいですか(200文字以下)
データサイエンティストとして、課題に対して必要なデータと収集システムを設計することで貢献したいです。私は動物実験によるデータ収集を通じて、目的や解析手法を見据えた上で細かい条件を設計する思考力を磨いてきました。この思考力を活かして課題解決のためにはどのようなデータが必要かを柔軟に考え、貴社の強みであるIoT基盤技術を組み合わせてそれらの収集を可能にするシステムの設計することで貴社に貢献したいです