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群雄割拠の小売業界!業界の今後を握るキーワードとは?

コンビニエンスストア、スーパーマーケット、家電量販店など、私たちの生活は小売業の存在なくして成り立ちません。近年は、百貨店の衰退と対照に、アウトレットや大型ショッピングセンターの成長が目覚ましいものとなっています。 今回は、小売業界を徹底解剖します。業界の市場規模や課題だけでなく、小売業界を目指す上でチェックしなければいけないキーワードも確認していきましょう!

私たちが最も馴染みのある小売業界とは

小売業界とは?

セブンイレブン、イトーヨーカドー、ビックカメラなど、小売業界に属するお店を使ったことがない人はいないでしょう。しかし、そもそも小売業界とはどこまでを示すのでしょうか?

明確な定義はありませんが、消費者が購買する店舗が「小売店」であるため、その店舗を経営している会社は「小売業界」に属すると考えることができます。

小売業界の市場規模は61兆円の超巨大マーケット!

市場規模を微増している

小売業界の市場規模を確認しましょう。業界動向サーチによれば、小売業界の市場規模は61兆1,279億円であり、自動車業界や金融業界に続き、巨大なマーケットを誇ります(注1)。

小売業界は、業界が大きいため、小売業界の中でもさらにジャンル分けをすることができますが、小売業界全体としては、市場規模は堅調に推移しています。

その理由としては、訪日外国人の増加が挙げられます。

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小売業界の主要企業を紹介。選考の早期化を把握しているか

小売業界の主要企業を確認しよう。

小売業界の中には、多くの小さな業界があります。この章では、百貨店業界、コンビニ業界、ファッション業界からそれぞれ主要企業を紹介します。

・百貨店業界 百貨店業界で勢力を誇る三越伊勢丹は、2018年度の売上が1兆1968億円です。 三越伊勢丹のセグメント別売上高を確認すると、売上のほとんどを百貨店事業が占めています。それ以外にも、金融事業や、不動産事業も展開しています。

百貨店業界で異色を放っている企業として、丸井グループは外せません。丸井グループで消費者が最も身近であるのは、ターミナル駅に点在する百貨店でしょう。

その中で、丸井グループは創業当初から百貨店を主軸とする小売事業とクレジットカード事業を一体としたビジネスを展開しています。

創業当初の1930年代、資産の7割が不動産などの固定資産が占め、クレジットカードを起点とする営業債権が3割です。

しかし、現在は営業債権が6割を占め、固定資産などは4割となっています。

小売業の成長が、金融事業の成長を促している状況です。

・コンビニ業界 コンビニ業界で覇権を握っているのは、セブン&アイホールディングスが統括するセブンイレブンジャパンです。

セブンイレブンは国内で4兆8988億円の売上高(2018年)を誇っています。

セブンイレブンの強みは、顧客視点に立った商品開発力の強さ、そして、「オペレーションフィールドカウンセラー(OFC)」の存在です。

セブンイレブンの店舗の大部分は、それぞれオーナーが経営するフランチャイズ形式であり、OFCはオーナーに対して適切なアドバイスを行うコンサルタントの役割を果たしています。

販売の経験に関してオーナーは長い経験を持つことがほとんどですが、過去の成功体験に縛られてしまい、昔と変わらない販売手法を取ってしまうケースが散見されています。その中で、OFCのコンサルティングが入ることによって、現代にあった販売手法を提供することが可能になりました。

また、「セブンプレミアム」などのプライベートブランドを始めとしたブランド力のある商品を販売することで、圧倒的な売上高を実現しています。

・ファッション業界 日本のファッション業界を支配している企業は、ユニクロ・GUを運営するファーストリテイリングでしょう。

ファーストリテイリングは、山口県の小さなメンズファッションストアから始まり、現在は2兆2905億円の売上高を記録する大企業となっています。

圧倒的な成長を実現した要因は、自社で生産から販売を行い、大量生産体制を敷くことによって、高品質の商品を、低価格で販売することに成功したためです。

ユニクロで最も売れている商品であるヒートテックは、薄手であるのにもかかわらず暖かいため、冬のファッション事情に革命を起こしました。

一口に小売業界といっても、百貨店業界が長い歴史を持つことに比べて、コンビニやファッション業界は、歴史が浅く、選考を通じて求められることも変わってきます。

また、往往にして、歴史が浅く若い企業は選考が始まる時期も早い傾向にあります。例えば、ファーストリテイリングは四年生の11-12月から説明会がスタートするだけでなく、難関として知られるインターン「Global Study Program」は、参加までに数回選考が設定されており、このインターンに参加した時点で、本選考の大半がスキップされるようです。

小売業界の中で目指す業界は就活生によって変わりますが、早期に選考経験を積むことが、小売業界の内定を得ることにつながることは間違いありません。

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小売業界の課題、将来性を把握しよう

それでは、小売業界全体に共通する課題、将来性とは何でしょうか?

まずは小売業界の課題です。一つ目は、国内の人口減少による、マーケットが縮小する懸念があることです。

日本の総人口は2018年現在、1兆2644億人と言われていますが、総務省の調査によると2065年には8808億人に減少すると言われています(注2)。

人口が減ると、経済の流れは停滞し、消費も落ち込みます。一般消費者が顧客である小売業界の企業は、この問題に対処しなければいけません。

人口減少に限らず、世の中の流れに柔軟に対応することが、小売業界の企業に求められることがわかります。

実際、セブンイレブンを始めとしたコンビニ業界では、女性の社会進出など、家事・料理をする時間が減っていることに着目し、簡単に美味しいご飯をコンビニで販売することで、成功を遂げて行きました。

古くは、おにぎりをコンビニで販売したことも画期的な動きであったと言われています。

それでは、小売業界の将来性はどうなんでしょうか。訪日外国人の数が増えている現状は、ある程度楽観的な見方が多いですが、訪日外国人の足が遠のいた際、売上高の増減が予測つかないのが現状です。

また、インターネットの発達によって、オンライン場での消費行動が活発していることは、小売業界の企業の今後を左右します。

アマゾン、楽天が勢力を広げる中で、多くの小売業界の企業も自社ECの開発、楽天市場への出店をするなどECに力を入れ始めています。

この動きに乗ることが出来るか、出来ないかが小売業界の企業の盛衰を決める可能性は極めて高いと言えるでしょう。

このように、各社が力を入れているのECの導入に加え、近年行われているのがO2Oの強化です。次の章では、小売業界の最新キーワードである「O2O」について確認して行きましょう。

小売業界の最新キーワード「O2O」を徹底解説

未来を握るキーワード「O2O」とは。

前の章の最後に触れたO2Oについて確認しましょう。

・O2O(Online to Offline) O2Oは「Online to Offline」の略であり、ネットから、店舗などを始めとするオフラインでの行動、購買に繋げる施策のことです。

具体的なO2Oの事例について確認しましょう。

楽天とビックカメラが運営する楽天ビックは、そのオープン早々から「O2O促進キャンペーン」を実施することで、大きな反響を得ています。

BCNでその施策が解説されています(注3)。

サービスについては、オープン早々に「O2O促進キャンペーン」を展開。家電をECで購入することに迷った顧客が「店で購入」を申請すると倍の楽天ポイントが還元される施策で、「われわれの想像以上のエントリー数があった」(秋保取締役)という。

 楽天の調査でも、8割のユーザーがECでの家電購入を断念した経験があるという結果が出た。O2O促進キャンペーンは、こうした層の不安を払拭する効果があったようだ。

この事例では、家電のような高価な買い物をインターネットですることに消極的である消費者の考えに気づき、店頭で一度試すことを促す効果的なO2O施策でした。

また、カフェ大手のスターバックスコーヒージャパンは、公式アプリで会員登録を済ませている人々を対象に、しばしばクーポンを配ることで、顧客のロイヤリティを高めています。

以上あげた二つの例は、オンラインからオフラインの販売に繋げる戦略でした。逆に、オフラインからオンラインでの行動に繋げる施策も存在します。

ユニクロでは、店頭で気になった商品のバーコードをスキャンすると、オンラインストアに遷移し、オンラインでの在庫確認や、ユーザーのレビューを確認することで、購買の障壁を取り除くことを狙っています。

また、スターバックスを始めとした飲食店のレシートにはしばしばQRコードが記載されています。内容は様々ですが、アレルゲン情報の確認ができるなど、ブランドへの信頼をより強める取り組みを行なっています。

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小売業界を目指す就活生に必要なこと

内定のためのヒント

では、小売業界の企業を目指す就活生に必要なことは何でしょうか?

まず求められることは、「最低限のコミュニケーション能力」です。小売業界で新卒として入社する場合、多くの企業では最初、店舗のマネジメント、販売経験を積むことが求められます。

その際には顧客である消費者の方々と面と向かってコミュニケーションをしなければならないため、コミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。

また、課題解決能力や臨機応変な対応が出来ることも求められます。店舗の売上が低迷した時に何が問題かを把握し、解決する力や、クレームや急な注文に対して、迅速に正しい対応をすることが出来るかが重要になるでしょう。

多くの就活生が抱える疑問として、「飲食などのアルバイト経験がないと難しいのではないか?」という声が上がります。もちろん、それらの販売経験があることは、小売業界を目指す上でプラスになることは間違いありません。

しかし、それらの経験がない就活生でも、サークルや体育会における問題解決やコミュニケーションの例を話すことは出来ます。

また、以上あげた経験が全くない場合でも、例えば就職活動を進める上で、グループディスカッションなどの選考形式では「課題解決型」の選考が課されることがしばしばあります。

多くの選考を経験することが、小売業界の企業だけでなく、結果として全ての業界で求められる課題解決能力、論理的思考能力を養うことにつながるでしょう。

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<参考元> 注1)業界別 業界規模ランキング(2019年版)https://gyokai-search.com/5-kibo.html 注2)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計):出生中位・死亡中位推計」(http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_gaiyou.pdf) 注3)BCN+R「楽天ビック、オープン1年で売上高70%増、『楽天市場』より効果あり」(https://www.bcnretail.com/market/detail/20190417_114709.html)