初めから志望業界を絞らない方が良い理由
はじめから明確なビジョンがあり、業界の知識もある程度ある方ははじめから業界を絞っても良いと思いますが、特に下記のような方ははじめから業界を絞ることはおすすめしません。
・どの業界にしようか、少しでも迷っている人 ・業界に特にこだわりがない人 ・就活の軸が明確に定まっていない人
◆志望業界を絞らないメリットデメリット
メリット ・幅広い業界の知識が得られる ・自分にあった業界を模索できる ・選択肢の幅が広がる
デメリット ・広く浅くの知識になってしまう ・見る企業数が多くなることが多い
以上のことから、 業界に特にこだわりがない場合は、就活初期では業界を絞らず自分にあった業界を探す方が良いかと思います。
確かに業界を絞った方が、特定の業界の業界研究は進みます。 しかし無理に絞り込んでしまうと、もしその業界が自分に合わなかった場合、また一から他の業界を調べなくてはなりません。
そうなると結果的に時間のロスになってしまいます。
最後まで絞らずにやる必要はないと思いますが、はじめから無理に絞ることもないでしょう。
◆就活前と就活後では志望業界は変わる
「自分は志望業界は決めているから、他の業界を見る必要はない。」と思う学生もいるかもしれません。
しかし実際に、内定をもらい就活を終えた大学生にアンケートをとって見ると過半数の学生が就活を始めた時と終わった時で志望業界が変わったと回答しています。
(n=24)
このように、多くの学生が就活を進めていく上で志望業界が変化します。
はじめに志望する業界は、大抵の場合知識がない中でなんとなく選んでいるに過ぎません。
実際に就活を進めていく上で、業界の知識を得ることによってより魅力的な業界を発見したり、今まで良いと思っていた業界が以外に自分に合っていないこともあります。
業界を絞ることは悪いことではありませんが、内定を取ってからでは手遅れになってしまうので少なくともある程度の知識や経験を経てからをお勧めします。
◆興味がある=仕事にしたとは限らない
業界を絞っている学生の理由として、「自分は〇〇に興味があるからこの業界にした」という学生は多いはず。
確かに興味のある業界で働けた方が良い人もいますが、自己分析や業界研究が疎かだと落とし穴にハマってしまう可能性があります。
興味がある=仕事にしたいとは限らないのです。
例えば、
自動車が好きだからという理由で自動車業界に絞り込んで就活を進めたAさん。
しかし、実際に業界研究や自己分析を進めていくと、自分の思い描いていた仕事内容とはまるで違いました。
その時Aさんは自動車を作るのが好きなのではなく自動車に乗ることが好きであったと気付きました。
自動車は仕事にしてしまうと自動車がいくら好きでも続かない。趣味で乗る程度が一番良いという結論に至ったのが就活後半である場合、今まで自動車業界に絞って就活をしてきた Aさんはまた一から他の業界をみなければなりません。
このように、興味があるからといってそれを仕事としたいとは限らない場合があります。
ですから、初めから業界を絞らずにまずは業界研究、自己分析を進めましょう。
そうすることで内定率もあげることにもつながります。
志望業界を絞る適切な時期は?
初めから志望業界を絞らない方がいいですが、かといって最後まで絞らずにやるのはあまり おすすめしません。
志望業界を絞ることによって、特定の業界研究や企業研究に時間が使えるため、業界について情報をより集めやすくなります。
特定の業界や企業について情報を集められることによって、面接対策やES対策も進み結果的に内定率をあげることにもつながります。
志望業界を絞る場合適切な時期としては就活中盤〜終盤がおすすめです。
なぜなら、就活中盤から終盤にかけては選考が進んでくるため、新たに企業説明会に行く時間が限られてきます。
また、業界の情報や知識もある程度溜まってくるので、自分の興味関心も自己分析や業界研究を通して明確になってきます。
限られた時間で効率よく企業を知るためには業界を絞るのも一つの手です。
しかし、就活は人によって始める時期も終わる時期も違います。
明確に〇月〜◯月頃までと具体的な時期で指定することは難しいです。
以下の項目に2つ以上当てはまる人は絞ってもいい時期かもしれません。
・企業説明会に10社以上参加したことがある ・業界の魅力的なポイントを3つ以上言える ・自分のやりたいことやビジョンが特定の業界ではないと達成できない ・就活の軸がはっきり言語化されている ・1つの業界で3つ以上の企業説明会に参加している
志望業界の絞る方法3選!
◆就活の軸と照らし合わせる
自己分析を進めていくと自分の判断基準や価値観が明確になり、いわゆる「就活の軸」が言語化されてくると思います。
その就活の軸と業界との相性を分析してみることをおすすめします。
例えば、
「人生においてキャリアの分岐点に関われる仕事がしたい。」
とすると、間違いなく人材業界は候補に入ってきますし、逆に医療業界やメーカーなどは少し遠い気がします。
このように自分の就活の軸がわかっていると、それを基準として志望業界を絞ることができます。
◆グラデーションを持って絞る
実際に気になった業界を100%の割合で表してみると良いと思います。
志望業界は0か100ではなく、業界ごとに志望度をパーセンテージで表すことによってグラデーションを持って業界を絞ることができます。
この業界は60%この業界は30%この業界は10%と言ったように業界が絞られることが大切だと思います。
この比率はいうならばあなたに合った企業がその業界に存在する確率のようなものだと思います。
あなたが就職するのは業界ではなく企業です。
採取的には企業ごとにみていく必要があるので、志望度が低い業界でもあなたに合った企業がある確率は十分にあります。
このグラデーションの思考によって、選択肢をさほど狭めることなく効率的に志望業界を絞ることができます。
◆伸びている業界に絞る
業界を絞ることに迷ったら伸びている業界を中心に見てみるのも1つの手です。
理由としては、 伸びている業界は企業の業績も上がりやすいからです。
業績が伸びている企業は、資本にも余裕が出てくるので新卒採用も積極的に行う傾向にあるため、相対的に内定も取りやすくなると考えられます。
椅子取りゲームでいうと椅子が余っている状態なので、どんどん新しい椅子に座ることができます。
逆に業界全体が伸びていない業界だと、椅子の奪い合いになります。
企業の業績が厳しい場合に最も削る費用として人件費が挙げられます。
そうなると新卒採用の母数が減ってしまったり、今年は採用しないといた企業も出てくることが考えられます。
そうすることによって相対的に内定も取りにくくなってしまう傾向にあります。
ひとえに業界の伸び縮みだけの影響とは限りませんが、1つの指標して考えてみても良いかもしれません。
ゼミや研究内容と志望業界の関係性について
大学生のが業界を絞る上で迷うポイントとしてよくあげられるのが特に理系において「ゼミや研究」との関係性があります。
ゼミや研究と業界との関係性を解説していきます。
◆学部卒の場合
よほどの成果を残していない限り、さほどゼミや研究内容は志望業界に関係しません。
現在はエンジニア不足であるため、文系大学生も理系企業に就職はできます。 (研究職などを除く)
就活の足がかりとして、自分の研究に関係ある業界のインターンや説明会に参加してみるのは良いと思いますが、必ずしも研究に関係ある業界を選ぶ必要は全くありません。
企業側も、学部の研究内容はさほど加味しないことが多いです。
◆院卒の場合
学部卒に比べ、院卒の場合は研究内容はある程度志望業界に影響してくると言えます。
ですので、就活初めからある程度業界を絞って就活することは学部に比べると可能性を狭めることはないかと思います。
ただ、院卒だからと言って研究と全く関係のない業界に行けないかというとそんなことはありません。
自分の興味ある業界がゼミや研究内容と違ったとしても積極的に説明会やインターンに参加してみることをお勧めします。
就活に正解はない。自分で判断することが最も大切。
ここまで、就活において志望業界を絞ることについて解説してきましたがこれはあくまで参考にしかならないと思ってください。
就活に正解はありません。
初めから志望業界を絞った方がうまくいく人もいれば、最後まで志望業界を絞らないほうがうまくいく人もいます。
大切なのはこのように情報収集をきちんとした上で自分で判断することです。
大学生までは先生や親に言われたことをとりあえずでもこなしていれば、なんとかやって来れますが、社会に出ると自分で意思決定しなければならない場面がかず多く存在します。
就活は社会に出るための準備段階として、自分で考え自分から行動を起こし自分で意思決定していきましょう。