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日本の「ものづくり」を変える次のイノベーションは何だ?

日本の産業を支える、ものづくり。その裏方として、ものをつくる機械に必要な機械部品を提供してきたのがミスミ。2016年、3Dデータのみで部品が調達できるプラットフォーム「meviy(メヴィー)」をスタートし、製造業における部品調達にデジタル革命を起こした。meviy(メヴィー)を武器にミスミはさらなるチャレンジに向かう。

部品調達のデジタル革命「meviy(メヴィー)」の力で製造業の失われた時間を取り戻す

MITSUNOBU YOSHIDA 吉田光伸 3D2M企業体代表執行役員企業体社長 福井県生まれ。金沢大学卒業。NTT、オラクルを経て2008年にミスミ入社。金型事業、中国赴任、FA事業を経てmeviy(メヴィー)の立ち上げに参画。2018年から3D2M企業体の企業体社長としてミスミの将来を担う事業の創発を担当。

---meviy(メヴィー)の誕生によって、ものづくりの〝常識〟が大きく変わろうとしています。

当社は製造業への時間価値の提供を使命に、イノベーションを続けてきました。最初のイノベーションは「カタログ」による部品の規格化です。1977年でした。

当時は部品1つ1つを図面に描き起こし、見積もりを依頼してから価格と納期が分かり、それから発注、製造と非常に長い時間がかかっていました。大きな設備の部品調達の場合、調達プロセスだけで数ヵ月かかっていたのが実情です。

カタログでこれを2日に短縮したのがミスミの起こしたイノベーションになります。しかしながら、形状が複雑な部品は規格化・カタログ掲載ができず、従来どおり図面が必要となります。このカタログの限界に、私たちはチャレンジし続けました。

その集大成がmeviy(メヴィー)ですが、ここに至るまでに何度か失敗を経験しています。幸いながら当社には失敗から学びを得てチャレンジすること、そしてチャンスを取りに行く姿勢を尊重する風土があります。失敗とチャレンジの積み重ねがmeviy (メヴィー)誕生につながりました。

---(メヴィー)によって実現した「革命」とは何でしょう?

機械設計者は3D CADを使って部品の形を設計します。meviy(メヴィー)はその3DC ADデータをWEBにアップロードすると、AIによって即時に見積もりを算出、さらには部品を製造するための機械のプログラムを自動作成することで最短1日での出荷が可能となりました。

図面を描く時間、見積もりを待つ時間、納品までの時間。これまではそこに設計者の膨大な時間が費やされてきました。この「失われた時間」をmeviy(メヴィー)で取り戻してほしい。その時間を、ものづくり本来のクリエイティブな仕事に使ってほしい。

私はmeviy(メヴィー)によって製造業の時間戦略が大きく変わると考えています。

---新入社員にはどんな思いをもってミスミに入社してほしいと思われますか?

ものづくり業界を変えたいという志、グローバルで戦っていきたいという意志、そして「三方よし」の商人魂です。今も日本はGDPの約2割を製造業が占める、ものづくり大国です。製造業が変われば日本も変わるでしょう。日本を元気にしたいというチャレンジ精神にあふれた人と共に日本を変えていきたいですね。

ものづくりの考え方を変え、世の中にインパクトを残す仕事にチャレンジしていく

KENTA OWA 大輪健太 3D2M企業体3D2MFA事業部 3D2M切削事業チームBE開発セクション/2014年入社 早稲田大学政治経済学部卒業後ミスミに入社。大学時代はアウトドアのサークルに所属。グローバルな仕事を目指して、就活では商社やメーカーを中心に回ったが、ミスミの戦略思考の社風に惹かれて入社。

---ミスミに入社を決めた理由と、これまでの仕事内容を教えてください。

私はもともと個の力だけでなく、チームで何かを成し遂げていくことに魅力を感じるタイプです。当社にはそのような仕事が多いと感じて、入社を決めました。

入社1年目に営業、2年目に中国工場の立ち上げに携わりました。3年目にはmeviy(メヴィー)の自動見積もりシステムを開発するPO(プロダクトオーナー)になりました。

---文系でシステム開発を?

ええ、私はバリバリの文系で当初図面も読めませんでしたが、自動見積もりのアルゴリズム、つまり部品の製作可否判定と価格算出のアルゴリズムを担当することになりました。またmeviy(メヴィー)自体が革新的なシステムなので、当然自動見積もりのプロなんて、社内にも社外にもいませんでした。

当初は、製作可否判定、価格算出ともに完璧に行いたい、お客様から要望のある部品は全て取り入れたいと考えていました。でもそれを100%実現することは不可能。何を優先すべきなのか。100点を目指して時間をかけ過ぎるなど、開発がうまくいかない中、一人で仕事を抱え込んでしまい、もがく日が続きました。

---世の中でも革新的なサービスだから優先順位の判断基準も自ら考えなければならなかったと。

トライ&エラーを繰り返し、たどりついたのがMVP(Minimum Viable Product)の考え方です。はじめから100点にこだわらないことの大切さを学びました。優先順位の判断基準については「インパクトと実現難易度」という明確な基準を得ました。自動見積もりの品質をチーム全員でウォッチできる仕組みもつくりました。チーム全体で仕事の品質を高められていることに、自身の成長も感じています。

---これからチャレンジしたいことは?

meviy(メヴィー)をもっと浸透させて、ものづくりのプロセスを変えることです。設計者にとって図面と同じくらい、meviy(メヴィー)を当たり前の存在にしたいです。私自身、世の中にインパクトを与える仕事をしたい。そのために、これからもmeviy(メヴィー)を進化させていきます。

「つなぐ」力を生かして、世の中にまだない価値を生み出したい

SUMIRE KAWANO 川野珠美礼 3D2M企業体3D2M金型事業部 3D2M金型加工品事業チームCSセクション/2015年入社 獨協大学外国語学部卒業後ミスミに入社。大学2年時に「東南アジア青年の船」に参加し、東南アジアの国々を回った。その後1年休学し、タイで社会起業家を支援する財団法人でインターンを経験。東南アジアの交流事業に興味をもつ。

---入社動機と、これまでの仕事内容を教えてください。

会社選びの軸は3つありました。1つは年齢に関係なく活躍できるチャンスがあること。2つ目は、大学時代から東南アジアの国々との交流にかかわってきたので、アジアとつながる仕事ができること。3つ目は海外で働くチャンスがあること。全てを満たしていたのが当社でした。

入社後1年の研修を経て、2年目から名古屋営業所へ。meviy(メヴィー)の営業を年半担当し、昨年からマーケティングに携わり、カスタマーサクセス(CS)セクションを立ち上げ、現在に至ります。仕事はひとことで言うとmeviy(メヴィー)ユーザーのフォローです。

---具体的には、どのようなお仕事ですか?

meviy(メヴィー)を利用されるお客様が必要とするサービスやサポートを先読みして実施して、mebviy(メヴィー)を継続的に利用していただくことです。具体的には電話やメールでのフォロー、ブログで使い方を紹介したりしています。

meviy(メヴィー)はこれまでにない新しいサービスなので、ユーザーをフォローする人も、どれだけユーザーの要望を満たしているのかをチェックする人もいませんでした。ですからCS自体も初の試みで着任当時は、仕事内容は白紙。何をするかゼロから自分で考えました。

私自身、マーケティングの仕事は初めてでしたので、知見のある社員にアドバイスをもらったり、外部のセミナーに通ったりして勉強しながら、必要なコンテンツやサポート体制を揃えていきました。営業時代、お客様から直接、meviy(メヴィー)への要望や不安をうかがっていたので、それを解消できることもやりがいの一つでした。

---今後、どんなことにチャレンジしていきたいですか?

3つの入社動機のうち、海外で働きたいという希望が残っています。いつか海外の現地法人でmeviy(メヴィー)の海外展開にチャレンジしたいですね。特に、東南アジアと日本をつなぐ仕事にチャレンジしていきたいです。

私の長所は人と人をつなぐコミュニケーション力だと思っていますが、最近は新しい価値を生み出したいという気持ちもふくらんできました。

たとえばmeviy(メヴィー)をさらに進化させ、装置の設計をしながら部品の見積もりが同時にできるような仕様ができないか。これを実現するには他社とのコラボレーションが必要だと思います。外部と会社をつなげて、新しい価値を生み出せる人材になりたいです。