総合商社内定者が教える、勝てるエントリーシートの書き方
3月解禁以降、必ず書くことになるエントリーシート。
しかし、どうエントリーシートを書けば、厳しい面接を乗り越え内定を獲得できるのか、分からない就活生も多いのでしょう。
そこで今回は、総合商社2社から内定を得た、藤岡さん(仮名)にお話を伺いました。
自身が内定を得たのは、戦略的なエントリーシート作成がカギと語る藤岡さん。
全就活生必見の内容です。
目次 1.総合商社内定者が語る、勝てる就活の大原則[https://syukatsu-pro.com//column/5288#a01**] 2.勝てるエントリーシートの書き方① 「ガクチカ」を志望動機として使え[https://syukatsu-pro.com//column/5288#a02] 3.勝てるエントリーシートの書き方② 志望企業に合わせ、ガクチカを変える[https://syukatsu-pro.com//column/5288#a03]**
総合商社内定者が語る、勝てる就活の大原則
ー藤岡さん、今日はよろしくお願いします。藤岡さんは、つい先日総合商社2社から内定をもらい就活を終えたと。
総合商社2社から内定を獲得するのは相当難しいことだと思います。
その秘訣とはなんだったのでしょう?
藤岡:選考を突破し、内定を獲得するために最も重要な原則は「自分の土俵で面接を戦うこと」だと、考えていて。
その原則に基づき、就活初期からエントリーシートを戦略的に作成。
そしてそのエントリーシートを元に選考に臨んでいたことが勝因だったと思います。
ー「自分の土俵で面接を戦う」と。
これはそもそもどういうことでしょう?
藤岡:要は、「面接における論点を、自分の得意な話題にもちこむ」ということ。
まず就活は学生対企業という構図がありますよね。
その構図を踏まえて、僕が企業の面接官に優位に立てるのは、学生時代の経験や自分の性格といった話題です。
例えば、「学生時代力を入れたこと」や「自己PR」がこれに該当します。
一方で、僕が不利なのは例えば「事業」や「仕事内容」といった企業関連の話題。 それは当然、職務経験を持つ面接官の方が業界や企業の内情を知り尽くしているからです。
ー自分のことは自分が一番詳しい。一方で企業関連の情報は企業の方が詳しい。
当然と言えば当然のことですね。
藤岡:だから「面接における論点を、自分に関する話題にもちこむ」ことが最も重要なんです。
この観点から考えた時、「志望動機」は選考において最も厄介な質問です(笑)。
なぜなら、自己の経験が核となる「学生時代頑張ったこと」「自己PR」に対し、「志望動機」はその企業に入社したい理由を論理的に述べるもの。
それ故、「志望動機」ではどうしても企業関連の情報中心になります。
例えば商社の面接で「インフラ事業に携わりたい」といった志望動機を述べると、「インフラ事業」という企業側有利の話題が面接の中心になってしまう。
なので、面接官の注意を自分に関する話題に引き付けるフックをエントリーシートに仕込むことを意識していましたね。
エントリーシートの書き方① ガクチカを志望動機として使え
ーでは具体的にどのような意識を持ってエントリーシートを作成していましたか?
藤岡:エントリーシートを書く際に意識したのは、「学生時代頑張ったこと」を「志望動機」として機能させることです。
つまりは学生時代の経験で僕が果たした役割と、商社の業態を一致させるんです。
「プロジェクトに携わる関係者を結ぶ」という商社の業態と同じ役割を果たした経験を「学生時代頑張ったこと」に書く。
それによりエントリーシートに書いた「ガクチカ」自体が志望動機になっていたため、僕は面接で「志望動機」について聞かれませんでした。
むしろ面接中の中心話題が「ガクチカ」の深堀だったので、常に僕有利の状況を作れたんです。
ーガクチカにて自分が果たした役割と商社の業態を一致させる。
具体的にどんな内容をエントリーシートに書いていたのですか?
藤岡:僕がガクチカに書いたのは、副店長として飲食店の立ち上げから運営に携わった経験です。
その経験の中で、自分は飲食店に関わる多くの関係者を繋ぐ役割を果たしました。
例えば、僕が間に入って店長の意向とアルバイト店員を繋いだり、お客さんの要望を聞き店のメニューや運営方針に反映させたり、食材の卸業者さんとコミュニケーションを取る。
このように、「調整役として様々な関係者を繋ぎ飲食店を作る役割」を果たしました。
(編集部作成・藤岡さんが「ガクチカ」で果たした役割)
ー様々な関係者を繋ぎ、飲食店の立ち上げに大きく寄与したと。
藤岡:そして、この学生時代の経験が商社の業態と合致しています。
海外における商社のインフラ事業を例にとりましょう。
商社は国内外の重電プラントメーカーや該当国の政府、また現地企業や銀行団、これら関係者の調整役を果たしています。
商社が中心となって共同事業体を結成する。そして資金調達面を担ったり、 仕向け国の需要と地域的特性を考慮して適切なビジネスの形態を組んだりする。
このように、大型プロジェクトに携わる利害関係者を結ぶ調整役を商社が果たすわけです。
(編集部作成・海外インフラ事業における商社の業態)
藤岡:まさしく、エントリーシートで記載した学生時代の経験が商社の業態と合致していた。
だから、ガクチカ自体が志望動機であり、面接官は志望動機を一切聞かなかったと思います。
もちろん「なんで商社の中でもうちなの?」とは聞かれましたが、「そもそもなぜ商社なのか?そのほかの業界はなぜダメなのか?」とは聞かれなかったです。
ーなるほど。
面接官に「ガクチカで、学生が成果を上げた経験が商社の業態と本質的に一緒。だから商社を志望するんだな」とエントリーシートの段階で思わせる。
それにより、面接官の注意点を意図的に志望動機ではなく、ガクチカに向けさせるということですね。
これが、「自分の土俵で戦う」ためのフックだと。
エントリーシートの書き方② ガクチカの見せ方を変えよ
藤岡:そういうことです。
なので僕が思う、内定を獲得する上でエントリーシートを書く際のポイントは2点あります。
1点目は、志望業界・企業の業態を一言で表せるレベルまで理解すること。
2点目は、企業の業態に合わせガクチカの見せ方を工夫することです。
この2つの内優先度が高いのは、最初の企業の業態を知ること。
企業の業態やビジネスモデルを知らないままでは、ガクチカを合致させること自体ができませんから。
なので、企業の業態を知るという目的での企業研究が必要不可欠ですね。
業態とは、「事業・営業の構造」をさします。 ビジネスモデルに近い意味です。
なのでエントリーシートを書く際は、例えば、「商社の業態、ビジネスモデルとは何だろう?」という問いを立てる。
すると、あくまで一例ではありますが商社はプロジェクトに携わる様々な利害関係者の調整役を果たしている。
一言で表現できるくらいには志望企業・業界の業態を理解する。
そして、次にやるべきことは、その業態に合わせて自分のガクチカの切り口を変えることです。
―ガクチカの切り口を変えるとは?
藤岡:多角的な観点から自分の学生時代の経験を捉え、引き出しを増やすイメージです。
僕個人の経験で言うと、商社に対しては飲食店の副店長として様々な関係者をまとめ上げる調整役といった見せ方をしました。
一方で、広告業界を受ける場合ならば、店の集客を向上させるために、ポップやチラシを作成したと伝えられる。
例えば「サークル発表会の集客を二倍にした」というありがちなエピソードでも、「合理的に戦略を立てて集客施策を打った」という見せ方もできれば、「集客向上に向け、サークルメンバーをまとめ上げた」という見せ方もできます。
このように企業・業界ごとに、ガクチカの見せ方を変えることがエントリーシートを作る上で重要です。
ーまとめると、就活を勝ち抜くには、自分が話せる話題いわば"自分の土俵"で面接に臨むことが重要だと。
それを実現するために、企業の業態を知ること。そして企業の業態にガクチカを合わせることで、「ガクチカ」を志望動機に変えてしまう。
エントリーシート段階から戦略立てて取り組んでいく必要があるということですね!
ありがとうございました!