先輩内定者、円満内定辞退の秘訣とは
就職活動がひと段落すると、いよいよ進路を決める時期。内定を複数持っている人は、必然的に内定辞退をしなければならない...。
でも、内定辞退をすると「怒られる」なんて噂もあったり、入社直前の辞退はちょっと不安...。企業に対して、申し訳なさもありますよね。
内定辞退をするにしても、円満に辞退したい、そう考える人は多いはず。
そこで今回は「円満な内定辞退」を経験したという、現在は1年目の社会人として活躍する、吉田さん(仮)にお話を伺いました。
吉田さんは、社会人になってからも「内定辞退をした企業」と飲みに行くほど仲がいいとか。
その秘訣を伺いました!
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先輩内定者、内定辞退の理由と方法
ー本日は、よろしくお願いいたします。聞いたところによると、辞退をした企業とは今でもいい関係を築けているとか。
吉田さんは、いったいどのように内定辞退をしたのでしょうか?
吉田:よろしくお願いします。
実は、内定辞退の際はいわゆる「内定辞退の作法」には全く則っていなかったんですよね...。
内定辞退というと、「失礼のないように電話で連絡をした上で、直接会って謝罪をしましょう」とか。あるいは「企業に迷惑がかからないように、できるだけ早めの辞退連絡を心がけましょう」とか、そういったことが必要とされていると思います。
ただ、私の場合、内定辞退の連絡をしたのは卒業も間近に近づいている3月の頭。しかも、メールで辞退の連絡をしました。今思えば、本当に非常識だったなと思うのですが...笑
ーそうなんですね!何だか、想像していた内定辞退とは全然違うなと...。
内定辞退をする際には、トラブルになることもある、なんていう話がインターネット上でも書かれていますが、吉田さんの内定辞退はトラブルになりそうな気がしますが...。 連絡をした後はどうなったんでしょうか?
吉田:時系列でお話をすると、まずは内定先から電話が掛かってきて。怒るというよりは、「突然どうしたの?」と、心配するような形で連絡をいただきました。
そして、改めて内定辞退をしたい旨を伝えると、ともかく一度会って話をしたいと。
そして、面接も担当していただき、内定者時代も非常にお世話になっていた、人事部の課長さんと話をすることになり、そこで辞退の理由をお話ししました。
ーなるほど。ちなみに、3月にもなって辞退をするに至った理由は何だったのでしょうか?
吉田:1番大きな理由は、他に行きたい企業ができた、ということです。
元々の内定先についても、すごく大きな不満は全く無くて、事業や社風など、いろんな側面からすごく好きな企業でした。
ただ、内定者時代、年明けごろに偶然紹介で、地方創生に関わるベンチャー企業の代表の方と出会って。
私自身田舎出身ということもあって、その方がお話しされていた、課題感や将来成し遂げたいことを聞き、すごく共感をして、最終的にはその会社に入社をすることに決めたんです。
ただもちろん、元々の内定先もすごく良い企業であることは知っていて、いろんな点で惹かれていたので、すごく悩みました。
新卒では大企業できちんと学んだ方がいいのか、ベンチャー企業で多くの挑戦をした方がいいのか、なんていう話もあって、いろんな要素がある中、決断にはすごく時間がかかってしまい、結果として内定辞退の連絡をするのも、3月になってしまったと...笑
ーでは、そういった内容を内定辞退の際に、人事の方とお話しをしたということでしょうか。
吉田:そうですね。
そこでは「怒られる」とかいうよりもむしろ「体裁とかを気にせずに、辞退の理由や、会社の悪いところがあったら何でも話してくれ」と言われて。すごく真摯に接していただきました。
なので、私も本当に真摯に向き合いたいと思って、辞退の理由や、将来成し遂げたいこと、なぜその企業に魅力を感じているか、といったお話しをしました。
人事の方からも、今後のキャリアの話や、客観的な立場から大企業とベンチャーを比較していただいたり、非常にフラットに接していただき、1時間ほど、お互いの考えていることを伝えあいました。
すごく真摯に接していただいて、やっぱりいい企業だな、と思いましたし、お話しをいただいたキャリアや仕事内容などにもすごく魅力を感じていましたが、やはり最終的には、先ほどお話ししたベンチャー企業への想いが強いと感じ、辞退するということをお伝えしました。
ーそして、今でも人事の方々とは良好な関係を築いていると。
吉田:今でも担当者の方々とは連絡を取ったり、飲みに行ったりもしています。辞退をする面談の際にも「それだけ覚悟をしているなら引き止められないけれど、将来一緒に仕事をしよう」とお話しいただいたのは嬉しかったですね。
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内定辞退の秘訣とポイントとは
ーすごく円満な内定辞退ですよね。現役の就活生・内定者の方々も、できればそうしたいと思っているはず。ただ、ここまでお話を伺った中でいくと、あまり変わったことはしていないような...。どんなところにポイントがあるのでしょうか?
吉田:確かに、すごく特別なことをしているというイメージは無くて、「内定辞退の時はこうしたらいいよ」という明確なアドバイスは難しいかもしれません...。
やったことといえば、とにかく真摯に辞退の理由を伝えたことぐらいでしょうか。
敢えて言うならば、就活生・内定者時代から、人事の方とはすごく親しくさせていただいていましたし、信頼関係も築くことが出来ていたのではないかと思います。
キャリアのことや会社のこと、様々お話を伺う機会を設けてもらったり、内定者目線から、会社のこんなところが好きだ、不満だ、という意見をさせていただいた機会もありました。
そういったやりとりを踏まえて、偉そうな言い方かもしれませんが「採用をする側、採用をされる側」という関係性ではなくて、「1対1の人間として、お互いの考え方や意見を尊重する」という関係性になっていたのではないかなと思います。
そういう関係性があったからこそ、内定辞退の際も、私の考えをすごく客観的に受け入れてくださったのではないかと思っていますし、それを元にきちんと話し合いが出来たのではないかと思います。
しかし正直にいえば、「私が辞退の際に気をつけていたこと」よりも、元々の内定先の風土や、担当者の方々の人格といったものの要因が大きいのではないかと思います。
3月にもなって無茶なことを言いだしているにも関わらず、受け入れていただくことができたのは、すごく幸せなことでしたね。
私の大学の友人には、内定辞退を申し出た時に、怒鳴られたり、人格否定をするようなことまで言われたという友人もいました。
ただ、その友人が「今思えば、面接を受けている時からそういった風土の会社だった」っていう話をしていて。
私自身「社風」のような部分をすごく大事にして就職活動をしていたので、そういった会社は内定をもらう前に辞退をしていたと思いますし、逆に、そういった風土の会社であっても、他の部分に魅力を感じて受けている、という方は、内定辞退をする際にはある程度嫌な思いをする覚悟はしておいた方がいいかもしれません。
ー「真摯に向き合う」というのは一つのポイントでありながらも、結局担当者の方や、企業風土と言うところが、円満に内定辞退できるかというところのポイントになるのかもしれませんね。
吉田:暴言を吐く、などの対応をしている企業の噂は学内でも有名になりますし、だんだんとそういう事例も減っていくんじゃないかなと思うんですけどね。
ただ、最後に一般論になってしまいますが、私のように入社直前に内定を辞退したり、ということは基本的には控えた方がいいと思います笑
企業の方も、時間や手間をかけて採用活動をしてくださっていますし、会社にとっても「人材」はすごく重要。その計画を自分の内定辞退で狂わせてしまうことで、必ず迷惑をかけてしまうことは忘れない方がよいですね。
内定辞退をする権利は内定者にあるとはいえ、お世話になった方々にできる限り迷惑をかけないように、迅速に、真摯に対応する。それは辞退の理由がどんなものであっても一緒でしょう。
すごく普通のポイントかもしれませんが、社会人になった今思い返せば、私はすごく失礼なことをしていたんだなって思っています。
ー企業風土によっても違いはあるものの、基本的なマナーを守って真摯に辞退をすることが、トラブルを減らす鍵になりそうですね。本日はありがとうございました。
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