説明会、どんな質問すればいい?
就活生が意外と困る「説明会」の活用方法。
「説明会では何に注目したらいいの?」や、「どんな質問をしたらいいの?」といった悩みだけでなく、ハイスペ学生からは「説明会って行っても意味なくない?」なんていう声も。
なんとなく行く必要がありそうだからと漫然と説明会に行き、疲れて帰ってきたけど得たものはあまりない、という人もいるでしょう。
でも、限られた時間を説明会に費やすのであれば、きちんと就活や企業選びに役立てたいですよね。
そこで今回インタビューを行なったのは、先輩内定者の川藤さん(仮名)。大手企業を中心に内定をいくつも獲得している内定強者です。
そんな川藤さんは「合同説明会」に積極的に参加し、活用していたとのこと。その「説明会活用の秘訣」について、お話を伺います!
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説明会は、質問で会社の評価を得る場所ではない!
ー本日はよろしくお願いします。
早速ですが、今日のテーマは「説明会」。私も「説明会でどんな質問をしたらよい?」や「説明会って行く意味ないんじゃない?」なんていう話をたくさん聞いてきました。
どんな風に活用すべきか、悩んでいる就活生も多いようですが...。川藤さんは説明会ではどんな質問をしていたのでしょうか?
川藤:確かに、私も大学の後輩から「説明会ってどんな質問をしたらいいですか?」なんていう質問を受けることがあります。
就活生向けの本やwebサイトでも「こんな質問は効果的、こういうポイントを抑えて質問をするべき」とか「マナーを守って、こういう質問は避けよう」なんていう情報が書かれていることも見てきました。
ただ、そもそも「どんな質問をすべき?」と考えている時点で、説明会に行く意味はあまりないんじゃないかなとすら考えています。
ーというと...。詳しく聞かせてください!
川藤:「説明会ではどんなことを質問したらいいですか?」という質問についてですが、そういった相談をする人には「質問する内容は思い浮かばないけど、何か質問をしておいた方がいいんじゃないか」「質問をすることで、企業担当者の印象に残ったり、評価されるのではないか」という考えが根本にあるのではないかと思います。
しかし私の実感ですが、その会社が「説明会で筋のいい質問をしていたから、あの学生は高評価だ」と考えるケースはほとんどないんじゃないかなと思います。
もし仮にそこで評価をされていたとしても、その評価が大きなプラスに結びつくとは考えられません。
企業は何回もの面接を通じて、学生の資質を評価したり、会社の雰囲気や風土に合うかどうかを綿密に判断していますから、説明会の質問1つをとって、選考の基準にすることはほとんどないでしょう。
説明会でお会いした社員の方に、後日別の場でお会いした際に、顔を覚えられていないというケースも多々ありますしね(笑)
ー説明会は「質問をして評価をされる場」ではないというのが、前提ということですね。
では、川藤さんは説明会に数多く参加されていたとのことですが、どのように活用をしていたのでしょうか?
合同説明会は、幅広く情報を得るための場所
川藤:私は、説明会を「会社探しの場」として役立てていました。特に、合同説明会に数多く参加していましたね。
当たり前かもしれませんが、会社が個別で行なっている「会社説明会」は、1社について詳しく知ることのできる場所で、いろんな会社が合同で行う「合同説明会」は、いろんな企業の話を聞くことのできる場所だと思います。
そう考えた時に「知らない企業にたくさん会える」というのはすごく重要だなと思って。
元々志望度の高い企業については、時間をかけて、いろんな情報を自分で調べますよね。
どんなビジネスモデルなのか、会社に入ればどんな仕事に取り組むことになるのか、どんなキャリアパスを描くのか。
そういった下調べをきちんと行なっているのであれば、わざわざ説明会でその会社の話を聞く必要は薄いんじゃないかなとも思います。
いざ説明会に行ってみても「この情報、知ってるな」とか「情報の密度が薄いな」と感じるケースも多いかも。
ですが「よく知らないけれども、実は自分にとっては良い企業」というのは、きっと社会にたくさんあるはずです。
私も就活初期においては、商社・広告代理店・金融機関、などのいわゆる就活人気企業についての情報はたくさん調べ、詳しくなっていました。
一方で、素材メーカーや部品メーカー、その他BtoB企業などについては全く知らなかった。でも、そういった企業を知っていくことで、自分に合っていそうだな、すごくやりがいのありそうな仕事だな、と感じる会社もたくさんありました。
でも、そういう会社の情報を全部自分で調べようと思っては、すごく時間がかかる。
ーだから、そういう会社を知るために、合同説明会を活用するということですね。
川藤:そうなんです。いろんな会社にまとめて会って、情報を獲得する場として使おうと。
目的意識が無ければ、説明会の時間は無駄
川藤:ただ、その上で気をつけて欲しいのは「どんな情報を得られればいいか」という目的を事前にキチンと決めておくこと。
私も就活初期に行った説明会では、いろんな会社の話を聞いたものの「なんだかよくわからないけど、すごそうだな」みたいな感想しか生まれてこなかったり。
でも、就活の中盤では、自分の会社選びの軸が定義できていたので、それに合った会社なのかどうかを判断するための情報を得る、ということを説明会の目標にしていて。
詳しく説明すると長くなってしまうので、簡単にですが、私の会社選びの軸は「大きな規模感で、日本の経済に貢献できる仕事か」という点や「若いうちに、色々な業務を経験できるか」という点でした。
そういった観点で「商社」や「自動車メーカー」などの志望度が高かったのですが、じゃあ「鉄鋼業界」はどうか、「プラントメーカー」はどうか、「不動産」はどうかと、情報を入れていく。
ビジネスモデルを聞いて、会社の貢献範囲を考えたり、キャリアパスについて質問をすることで、若手が経験できる業務を聞いたり。
もちろん、説明会という場では時間も限られていますから、ある程度の密度の情報しか得ることはできませんが、そこで興味を持った企業については、別途OB訪問などの機会を自分で作り、改めて質問をして行けばよい。
そんな風に、あらゆる業界について、自分の企業選びの軸に合っているかどうかを判断することを目的としていました。
その「目的」は、その人個人の考え方や、就活のフェーズによっても異なってくると思います。
私のように「会社選びをする」もそうですし、「就活を始めたばかりだから、就職活動の雰囲気を知りたい」や、「とにかくいろんな企業の情報が知りたい」、あるいは「説明会の場で、就活仲間を作りたい」もあるかもしれません。
そうした目標をきちんと定めて時間を有効活用して欲しいと思いますし、会社選びに悩んでいる人は、私のやり方もぜひ参考にしてもらえればと思います。
ーきちんと目的意識を持って、説明会に参加する。それが大事だということですね。
川藤:繰り返しになってしまいますが「説明会で何を質問すればよいですか」という質問はまさに、目的意識がない状態だと思います。
「とりあえず」説明会に行って、「テンプレートの」質問をしておけば良いのではないか、と考えて、目的を持たずに説明会に行けば、それは時間の無駄だと思います。
先ほどもお話ししたように、説明会においては「質問の良し悪し」などで評価をされるということはないと思います。
もしも、説明会に行ってまで得たい情報は無い、とか、いろんな業界についてOB訪問で情報を得ている、という状況なのであれば、説明会という場にはわざわざ行かなくてもいいのではないかなとも思います。
説明会への参加が選考の一部になっている企業もありますから、もちろんそういったケースでは参加しなくてはなりませんが。
ともかく「とりあえず」説明会に参加をして、質問をするのではなくて、きちんと目的意識を持って説明会に参加する。もちろん、説明会以外のイベントやセミナーにも言えることでしょう。
そうすることで、無駄な時間を減らし、効果的に就職活動を進めて欲しいなと思います。
ただ、説明会で質問する際は、他の就活生に配慮してマナーを守った上で質問して下さいね。
説明会で聞くべき、おススメ質問4選
ーとにかく目的意識を持ち説明会に参加するべきということですね。では川藤さんはどんな質問をしていたのですか?
川藤:3月以降志望企業の説明会に参加した時は、選考対策と企業分析を目的に質問していましたね。
ーでは、具体的にどんな質問をしていたのでしょう?
説明会で聞くべき質問:どういった想いや目標を持って入社したのですか? 川藤:これは、その企業の社員がどんな目標をもち、入社したのかを聞く質問ですね。目的は選考対策です。志望動機の参考情報を知る狙いですね。
僕が個人的に、一番選考対策で苦労したのは志望動機でした。なので志望動機に繋がりうる情報が欲しかった。
でも説明会で社員の方に「志望動機を教えてください」って直接的過ぎて質問しづらいなと(笑)。
なのでぼかした聞き方をしていました。この質問をすると、どういった志向性がその会社に好まれるかがわかりやすくなります。
例えば社員の方が「○○というキャリアを歩みたくて、そのファーストステップとして自社が適切だった。」と答えた場合。
その会社は「自己実現」を中心にした志望動機が好まれるんだなとか。そうして得た情報を志望動機の作成や伝え方に活かしましたね。
またこの企業の社員はどういう価値観を持っているのか、それをこの質問で聞き出す。その上で自分に合うか合わないかも判断していました。
説明会で聞くべき質問:収益を上げている事業とその事業が収益全体の内訳 川藤:この質問の目的は、企業研究。
要は、数ある事業の内どれが収益を上げているのか、そして収益を上げている事業の内どれが重要度が高い事業なのかを図る質問ですね。
僕には、個人的に会社の中で売上が伸びている事業に携わりたいと思っていました。なのでそれぞれの会社ごとに一番伸びている事業は必ず聞いていました。
説明会で聞くべき質問:それぞれの事業における利益目標 川藤:これは事業領域の内、利益の目標値を聞く質問です。
狙いとしては、企業研究を深めること。その企業がどれほど成長しようとするか、またどういった戦略で利益目標を達成しようとしているのか、を知ることです。
また次に紹介する質問の伏線でもあります。
説明会で聞くべき質問:現状での利益目標に対する現実と課題 川藤:これは、前に説明した質問に派生する内容です。要は利益目標に対して、事業は上手くいってるの?と確認する狙いです。
それで、目標値を達成していないなら、その原因や課題を聞いていました。やはり企業研究と言えば、会社の歴史や社風など多くの切り口があります。
その切り口として「目標数値と達成度合い」があると思っていて。利益目標と現在の状況、そして目標に対しての課題を聞きだし、少しでも会社の実情に詳しくなろうとしてました。
また漠然と「御社の課題はなんですか?」と聞くより、数字をベースにして「数値目標を達成する上での課題は何か?」を聞いた方が、社会人目線の生々しい情報を得られると思います。
ー川藤さん、ありがとうございました。
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