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理系院生だからこそ「専門性のある総合職」になることを目指しました。〜就活生のReal〜

京都大学大学院2年生でデータサイエンティストのスキルを持つMさん。就活は大成功し、データサイエンティストとして初年度年収1000万のオファーも。なんと、そんなMさんが選んだ職種はごく一般的な「総合職」。彼曰く「専門性があるからこそ総合職にいくんです」と語る。果たしてその真意とは?

専門性の高い理系エンジニアが就活選んだキャリアは「総合職」。20年後を見据えたキャリア選択の真意。

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今回インタビューしたのは京都大学院2年生でデータサイエンティストのスキルをもっているMさん。就活でデータサイエンティストといえば、新卒の初任給がかなり高いことで有名です。

Mさんも就活を通して、データサイエンティストとして初年度1000万のオファーを獲得。将来有望なデータサイエンティストとして大きな期待を受ける中、彼が選んだ就職先は「電気メーカーの総合職」だったのです。

彼は「就活で専門性があるからその職業を選ぶ、というのは危険。20年後を見据えた選択が必要」と語ります。果たしてその真意とは。彼の就活におけるキャリア選択について迫ってみました。

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理系院生としての就活の概要

ー初めまして、エンカレッジ編集部です。本日はお時間いただきありがとうございます。よろしくお願いします。

Mさん:よろしくお願いします

ーまず、Mさんの就職活動の流れについてお伺いしても大丈夫ですか?

Mさん:はい。

就職活動は学部4年生の3月から開始しました。きっかけは同期や後輩が就活し始めたからといったシンプルな理由です。

最初、業界はIT系を中心に総合商社や人材など幅広く見ていました。検討していた職種は総合職とエンジニア職、データサイエンティストなどです。

就活で参加したインターンは以下の通りですね。

【総合職】 レバレジーズ・SMS・サイバーエージェント・パナソニック・川崎重工

【エンジニア、データサイエンティスト】 Wantedly (長期、エンジニア)・beBit (長期、データサイエンティスト)・エムスリー (データサイエンティスト)・メルカリ (データサイエンティスト)

ーありがとうございます。データサイエンティストといえば現在、とても貴重な人材として様々な企業から求められていると思います。その実感はありましたか?

Mさん:はい、そうですね。インターンや面接を通して内定を数社もらったり、提示してもらった年収も満足行く内容でした。

しかし、僕は上記のインターンを通して、「データサイエンティスト」に対してとても大きな課題を感じることになりました。

ーなんと。それはどうしてですか?

インターンを通して気づいた、技術職だけでは解決できないビジネスとの乖離

Mさん:それは院生1年の8月に、とある数千人規模の大企業で「データサイエンティスト」として1ヶ月間インターンをしていた時のことです。僕の業務は「総合職」として働いている社員さんから「このデータを分析してほしい」という依頼を受け解析することでした。

その際に技術職と総合職の大きな乖離に気づいたのです。それは、総合職の社員は技術的な知見がなく、技術をビジネスにうまく利用出来ていない、ということです。

例えば、ある食品系の案件について「このデータを解析してくれ」と社員から依頼を受けたことがありました。しかしその社員さんはそれ以上、何も要求してきません。

とりあえずデータの中を見ると、そもそも分析できないようなデータになっていました。その社員に「このデータから何が知りたいですか?」と聞いても「わからないけど分析してみてくれ」と言われる始末。

もちろん「データサイエンス」は発展途上の新技術でまだわからないことが多いですが 、現場ではここまで理解されていないのだと驚きました。

「データサイエンス」はとても素晴らしい技術なのに、うまくビジネスに活用されていない。すごく課題感やもどかしさを感じました。

インターンを通して、理系職と総合職の仕事の乖離に気づき。そして、このGapを埋めないとデータサイエンスの活躍はないと思いました。

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10年後の自分から逆算して「総合職」のキャリアを選択

ーなるほど、現場ではそのような課題があるんですね。ではその「Gap」を埋める人材が必要ですね。

そうですね。この課題感からデータサイエンスの技術をもっと活かすべく「総合職」になることを決断しました。

データサイエンティストは人手不足で、求められていますし、給与も高い。だからこそデータサイエンティストになるべきだと考える人はいるでしょう。

しかし実際は人手不足だけでなく、ビジネスへの応用も大きな課題なのです。

おそらく10年後、データサイエンティストとして働く人はどんどんと増えるでしょう。そして供給過多になる。そんな時でも「データサイエンティスト」がビジネスの場で活躍できる企業を増やしたい。

データサイエンティストが研究を行い、新しい技術を見つけても社会に活用できない場合がある。同様にその技術を知らないビジネスマンは正確に技術を使うことができない。

僕はそのGapを少しでも埋める人材になりたいと考えています。なぜなら5年後10年後には「データサイエンティスト」より「サイエンスとビジネスのGapを埋める人材」が貴重で必要となると思っているからです。

だからこそ僕は「総合職」として就職することで、まだ理解の浅いビジネスを学ぶことができます。

そして「データサイエンス」「ビジネス」両方の知見を持つことで、サイエンスとビジネスのGapを埋めたいと思っています。

理系で専門性が高いから就職は「理系職」という無思考の選択は危険。

ーなるほど、すごく将来を見据えた決断なんですね。

そうですね。そしてこれは、データサイエンスだけでなく理系全般で問題になっていることだと思います。

例えば食品業界に就職する方も同様。少し極端ですが「社会でどのような食品が求められているか?」不明確なまま研究を行ってしまう。また同様に「技術によってどのようなことができるのか?」を知らないビジネスマンはうまく営業できない。

「理系だから研究職になろう」と決断しても、理想の環境が用意されているとは限りません。研究で見つかった技術がビジネスにうまく活用されないこともあるでしょう。

だからこそ僕は、理系院生の就活生には特に「自分のキャリア」についてしっかりと考えてほしいと思っています。何も考えず「理系院生だから研究の道に進みます」という選択はとても危険だということを把握してほしい。

「自分は何をしたいのか?」

就活が少しずつ長期化している今であれば、自らのキャリアについて思考する時間が取れると思います。実際の現場をよく確認した上で、ぜひ一度「自分にとって最適なキャリアとはなにか」を考えて就活していただければと思っています。

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