広告代理店1年目社員、入社時の志望動機は?
ーー本日はよろしくお願いします。今回は大手広告代理店に入社されたAさんに、新入社員のリアルというテーマで、お話を聞いていこうと思います。よろしくお願いします。
Aさん:よろしくお願いします。
ーーそもそもAさんは、なぜ大手広告代理店に就職することに決められたのですか?
Aさん:就活中は「人の生活に関する課題を多様な面から支えたい」「自分の強みを生かせる社風であること」を軸にして、企業を選んでいました。
もともと建築学科で研究をしていて、人の暮らしを支えるということに興味がありました。しかし、研究を進める中で、建築の分野のみでは人の暮らしを支えるのが難しいということを感じました。
建築という一つの分野に絞ってしまうと、家や家具などと生活を支える手段が限られてしまいます。
しかし、広告代理店は、テレビCMや動画、イベントなど消費者の課題解決の幅が広く、様々なものを消費者に届けることが可能です。
その点で、人々の生活を多様な面で支えることが可能と考え、広告代理店に興味を持ちました。
加えて、先輩に「強みを活かせそうで雰囲気もあいそう」だと勧められたことも理由の一つです。
もともと、人を楽しませることが好きで、お笑いの大会に出たり、人と人とを繋げていたりしていました。
選考中、面接官の方からも「Aは人の心を掴む力があるよね」と言っていただいたりもいました。
自分の強みを生かして好きなことができるより幸せなことはないと考え、入社を決めました。
ーーどのようなことを期待して入社されましたか
Aさん:「どんな手段でクライアントの課題を解決しても良いということ」「優秀な人たちと新しいものを生み出すこと」の二つです。
一つ目に関して話すと、広告代理店は、テレビCMなどのイメージが強いですよね。しかし、実は代理店の業務はもっと広い範囲を担っています。
例えば、ある国のイメージを世界の人々へ認知させ、その国の魅力を伝えることで、その国への観光客を増やすと行ったプロジェクト。お菓子などの商品のパッケージを考え販売を促進したり、PR活動で大勢の人認知させることで新しい流行を作ったりしてるんです。 人の生活を支えるという上で、もっとも幅が広いアウトプットが出せると思いました。
二つ目に関して話すと、今までの広告代理店のイメージは「クライアントに依頼されたことを形にする役目」だと思うんです。 しかし、これからの広告代理店は「クライアントと一緒に作って行く」という流れになっていると言われていて。
今までは、広告代理店がノウハウを持っていて、良い広告は広告代理店にしか作れない状況でした。 しかし、IT分野の発達で、広告の効果測定が可能になり、より簡単に効果的な広告を作れるようになっています。
そのため、広告代理店は依頼されたことを作るだけの受け身の姿勢ではなく、新しい概念や事業、商品をクライアントと一緒につくるという積極的な姿勢をとるようになっています。
学生生活の経験もあり、消費者の課題を解決する、今までになかった、新しいものを作り出すことに興味があったので、この観点への期待は高かったです。
しかし、今までの経験から一人で良いものを作るには限界があると感じていました。その点で、優秀な人とともに良いものを作りたいと考えていました。
あと余談ですが、めちゃくちゃ成長して活躍したいとも思ってたので、たくさん働けたらいいなあと思っていました。(笑)
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現役社員が語る、入社前後のギャップ
ーー実際に入社してみて、求めていたものとのギャップはありますか?
Aさん:想像以上に自由に働くことができるということです。
仕事の方法が自由で、自分の担当領域を超える業務を行うことが可能といいつつも、大手ということもあり、業務範囲はベンチャー企業と比べて、広くないと思っていました。
しかし実際は、非常に自由に仕事をされている方が多いと感じます。
多くの大手企業は、経営陣が決めた仕事を、メンバーたちがこなしていくという、いわゆるトップダウンの業務体系が多いと思います。
これが悪いというわけではなく、効率的に利益を生み、消費者へ安定的にサービスを届けるためには大切なことだと思うんです。
しかし、弊社の先輩社員には、国や海外の有名人と組んで仕事をしたり、自分の発想や、やってみたいことを形にしている方が多いです。
例えば、歌舞伎が好きで、歌舞伎を頻繁に見にいくにうちに、歌舞伎界の関係者の方と繋がり、歌舞伎関係での新たな仕事を生み出した先輩がいたりします。
これはおそらく、普通の大手企業ではありえないと思います。自分の担当の顧客や領域以外のことに、会社自身がバックアップしてくれる環境は、非常に恵まれていると感じます。
また、それだけでなく、自分の持っているクリエイティブに関する知識を活かして、大学などでクリエイティブやデザインに関する講義を行ったり、広告以外の領域に進出している方もいます。
そのため、「広告代理店の仕事はクライアントの商品をCMなどの広告でPRするだけ」と捉えている人は入社後ギャップを感じるかもしれません。
新しいものを作っていくことにポジティブで、挑戦を後押ししてくれる風土が予想以上に感じられました。
これは僕にとって良いギャップでした。
ーー逆にネガティブなギャップはありましたか?
Aさん:想像以上に業務時間が厳しくなっているところです(笑) 業界的に業務時間に厳しくなっていて。部署にもよりますが、新卒は17:30に強制的に帰されています。
また、広告代理店は飲み会が多いイメージを持っている方も多いと思うのですが、社内飲み会もそこまで多くないイメージです。
そのため、社内の人との交流や自分が成長するための機会は、自分で獲得していく必要があります。
その方が、会社で仕事をすることが楽しくなりますし、自分ができることが増えていき、活躍することもできます。
僕が心がけているのは、研修でお世話になった上司を誘ってゴルフに行ったり、自ら社外コンペに出場してアウトプットの回数を増やしたりしています。
広告代理店、1年目社員は研修ばかり??
ーー入社して2ヶ月。どのような仕事をされてきたのですか?
Aさん:2ヶ月間ずっと研修続きでした。4月は全体での研修があり、5月は配属先の営業部での研修になります。 研修の内容は、ほとんどが座学で、社会人としてのマナーや広告代理店のビジネスモデルなど基礎的なことを学びます。
その途中で、有名社員の公演もありました。数々の広告を手がけてきたクリエイターや、様々なビジネスを立ち上げてきた営業の方など、日本を代表する方々の公演を聞くことができました。
社内にいながら国内トップレベルの方の話が聞けるのは恵まれているように感じましたし、近くに素晴らしいロールモデルがいることは、top企業のメリットであるとも思います。
また、研修では、グループワークも行います。ワークを通して業界の理解を深める目的で行われ、1ヶ月後のワーク最終日にアウトプットを発表するのですが、ここで同期の優秀さに圧倒されました。
トリリンガルや企業家、体育会で全国トップクラスの成績を残した人など、実績を残した人が多く自分がついていけるのか非常に不安でした。
ーーさすが大手広告代理店といったところですね。
Aさん:はい。正直、面食らいました。(笑) やはり、「人生で何かやり遂げた経験がある人」が多いように感じます。
一生懸命、研究に勤しんだ過去の自分に感謝したいです。(笑)
ーー研修を通して、仕事のイメージは具体的になりましたか?
Aさん:正直なところまだ具体的にはイメージできていません。
これは大手の共通点だと思うのですが、研修制度が整っているため、丁寧に基礎から教わっている期間が比較的長いと思います。
弊社では、新卒社員1人につき1人以上の先輩社員がトレーナーとして配属されます。僕には10年目の方が担当としてサポートしてくださっています。 研修日記に不安ややりたいことなどを記し、フィードバックをいただいたり、先輩社員の営業に同行させていただいたりと、丁寧に育てていただいている感覚はあります。
ーーその研修で一番印象に残っていることはありますか?
Aさん:「自分で旗を立てろ」と言われたことです。 つまり、自分は何が得意で、何が好きで、どんな仕事をしたいのかを社内で発信し続けることです。
この考え方は、今後自分がやりたいことを実現させる上で非常に重要なことだと感じています。
例えば、クリエイティブ分野で働いていた社員が、営業でやりたいこと発信し続けていると、すぐに営業に異動が決まっていたりします。
僕自身も、学生時代にコンペに出ていたことや、新しいものを作るのが好きだと発信していた結果、上司に社内ビジコンに誘われました。
たった2ヶ月でお声かけいただけるほど、発信する文化が浸透していて、それを敏感に感じ取られている方が多いのだと思います。
働くイメージはまだ曖昧ですが、この研修で学んだことは、これから働く上での兆しだと思っています。
ーー今後はどのような仕事をされる予定ですか?
Aさん:人によって業務が始まるタイミングも業務内容も違ってくるから一概に言えないのが正直なところです。僕の場合、トレーナーである上司が実務に入るタイミングを決めるので、僕自身もいつから本格的に業務が始まるのかわかっていません。
早く、本格的な業務をやりたいとウズウズしています。
ーー圧倒された経験と、兆しが見えたことで早く業務に入りたい気持ちが湧いてきたのですね。そんなAさんの今後の活躍を追跡していきたいと思います。
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