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【電通・博報堂内定者監修】広告代理店の違い・ランキングや選考突破のコツを解説

電通・博報堂の内定者が監修!広告代理店業界のマーケットの全体像から電博に特化したES・面接・GD対策まで、選考突破に必要なポイントをわかりやすく解説しています。

この記事を監修した人

この記事は、実際に電通・博報堂の選考を経験し、内定を得た就活生の監修のもと執筆されています。


電通・博報堂を目指すうえで、企業文化や選考の違いをどう捉えればいいのか、自分の強みをどう表現すれば伝わるのか――。

就活生の多くが悩む“人物像”や“選考突破のコツ”について、実際に選考を勝ち抜いた内定者の視点を交えながら、わかりやすく整理しました。

「広告業界に向いているのはどんな人?」といった素朴な疑問から、GDや面接で見られるポイントまで、あなたの選考対策に役立つヒントをお伝えします。

広告代理店とは?業界全体の構造をわかりやすく解説

広告代理店は、企業(広告主)の「商品やサービスを多くの人に届けたい」という思いを、戦略に落とし込み、実行までを担うプロフェッショナルです。広告主・メディア・制作会社など複数の関係者をつなぎ、広告活動の“司令塔”として全体をコントロールします。

まず、広告代理店業界の関係構造を見てみましょう。


  • 広告主は、「認知拡大」「売上向上」といった目的をもとに、広告代理店に依頼します。

  • 広告代理店は、目的に応じて最適な**メディア(テレビ・新聞・SNSなど)**を選定し、広告枠を手配。

  • 同時に制作会社やクリエイターと連携して、広告の企画・制作までを担います。


このように、広告代理店はメディアと広告主の橋渡しをしながら、成果につながる戦略を設計・実行する“課題解決の設計者”です。

また、広告代理店の主な収益源は、広告枠の取り扱いに伴う仲介手数料と、広告の企画・制作・運用を請け負う業務委託費の2つです。


近年では、Web広告の発展により、クリック数や購入率などのデータをもとに改善を繰り返す「運用型広告」の比重が高まっています。従来の“枠を売る”スタイルから、“効果を売る”スタイルへと進化してきたのが、現代の広告代理店の特徴です。

さらに、広告代理店にはいくつかのタイプがあります。


  • 総合広告代理店(例:電通・博報堂)
    テレビCMや新聞広告など、マス広告を含む大規模キャンペーンを統合的に展開。ブランディングや多媒体を使ったマーケティングに強みがあります。

  • インターネット専業代理店(例:サイバーエージェント)
    SNS広告や検索連動型広告など、デジタルに特化。データ分析をもとに成果を最大化する運用力が特長です。


このように、広告代理店は戦略立案からメディア選定、広告制作・配信に至るまでを一貫して担い、広告主の成果を支える存在です。業界構造や各プレイヤーの役割を理解することで、広告代理店業界全体の動きがよりクリアに見えてくるでしょう。

広告代理店業界の変化とトレンドを押さえよう

広告代理店業界は、近年大きな変革期を迎えています。背景にあるのは、「インターネット広告の急成長」「マス広告とデジタル広告の融合」、そして「新技術や外部プレイヤーの参入」といった大きな潮流です。業界構造だけでなく、求められるスキルや働き方も日々進化しています。

デジタル広告が“主流”に

最も大きな変化は、広告の主戦場がデジタルへと移行したことです。2024年には、インターネット広告費が4媒体広告費合計(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)を上回り、名実ともに“主流媒体”となりました。(”参考:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」”)


SNS広告、検索連動型広告、動画広告などが急速に成長し、ユーザーのオンライン時間に合わせて広告の届け方も多様化。これにより広告代理店は、単に広告枠を確保するだけでなく、「運用型広告」によって効果を継続的に改善するスキルが不可欠となっています。

マス広告×デジタル広告の融合が当たり前に

かつては、テレビCMや新聞広告などの“マス広告”と、SNSやWebバナーなどの“デジタル広告”は別々の領域とされていました。しかし現在では、これらを連携させた一貫したプロモーション設計が主流です。


たとえば、テレビCMで幅広い認知を獲得し、その後SNS広告で興味を刺激し、検索広告やLP(ランディングページ)で購買や応募へとつなげる――こうしたクロスメディアの戦略設計が、広告代理店に求められる標準的な仕事になっています。

次に訪れる変化とは?

今後の広告業界では、さらに新しい潮流が現れつつあります。生成AIによる広告制作の自動化、メタバース空間での広告体験の拡張、環境配慮やSDGsといった社会的な観点を取り入れた表現など、広告の“作り方”も“届け方”も大きく変わろうとしています。


また、外資系コンサルティングファームやスタートアップの参入により、競争環境も激化。広告代理店の役割はより多面的・戦略的になりつつあります。


このように、広告業界はいま「変化」「融合」「再編」が同時に進む過渡期にあります。テクノロジーやデータだけでなく、クリエイティブやビジネスの視点も統合して動ける人材が、これからの広告業界で活躍していくでしょう。

広告代理店の主なタイプと特徴を理解しよう

一口に「広告代理店」と言っても、その役割や強みは企業によって大きく異なります。特に注目すべきは、以下の3タイプです。

  • 総合広告代理店

  • インターネット広告専業代理店

  • コンサル系広告支援会社


それぞれの特徴を理解することで、広告業界の構造がより明確になります。

総合広告代理店|伝統的な大手、統合マーケティングに強み

電通や博報堂に代表される総合広告代理店は、テレビCMや新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアを中心とした大規模な広告展開を得意としています。企業の認知拡大やブランディングといった上流フェーズから関わることが多く、「マーケティング全体のパートナー」としての立ち位置が特徴です。


大手企業の大型キャンペーンを一手に引き受ける機会が多く、影響力の大きな仕事に携わりたい人に向いているタイプです。

インターネット広告専業代理店|デジタル特化で成果を追求

サイバーエージェントやオプトなど、デジタル広告に特化した代理店は、SNSや検索広告を中心に展開。クリック数やCVR(コンバージョン率)などのデータをもとに広告効果の最大化を図ります。


ターゲティングの精度やABテスト、運用型広告のPDCAに強みがあり、短期間で数値成果を出すことに特化しています。データ分析や改善に関心がある人、スピード感ある環境で成長したい人に適した領域です。

コンサル系広告支援会社|戦略と広告を融合するハイブリッド型

近年注目されているのが、アクセンチュアやデロイトなどの外資系コンサルティングファームが展開するマーケティング支援です。これらの企業は、広告運用だけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)や事業開発、経営戦略といった視点も組み合わせた提案を行います。


データ分析やテクノロジーに加えて、広告クリエイティブにも関与するケースが多く、より本質的な課題解決を志向するクライアントに支持されています。広告を手段のひとつと捉え、経営視点で価値を提供したい人に適したフィールドです。


このように、広告代理店にはそれぞれ異なる強みと役割があります。
自分が将来関わりたい広告のフェーズ(戦略・運用・クリエイティブなど)や、伸ばしたいスキルを明確にすることで、どのタイプの代理店を志望すべきかが見えてくるはずです。

広告代理店の業績を知ろう(売上・営業利益・営業利益率)

下記のグラフは、広告代理店大手3社の最新年度の収益・営業利益・営業利益率を比較したものです。

※出典:有価証券報告書「電通 2024年1月1日~2024年12月31日 / 博報堂 2024年4月1日〜2025年3月31日 / サイバーエージェント 2023年10月1日〜2024年9月30日」

※全て連結決算の数値です。

※電通は国際会計基準(IFRS)、博報堂・サイバーエージェントは日本方式に基づいています。

※サイバーエージェントのみ売上高の数値です。


収益(売上高)は、電通が首位です。そして博報堂、サイバーエージェントと続きます。

電通・博報堂という“日本のツートップ”を理解しよう

広告業界を志すなら、まず押さえておきたいのが、電通と博報堂という2大広告代理店の存在です。どちらも日本を代表する総合広告代理店として、業界をけん引し続けてきた企業ですが、その企業文化や仕事の進め方には明確な違いがあります。


ここでは、両社の特徴やスタンスの違いを整理し、広告業界全体を捉える第一歩としての理解を深めていきましょう。


電通と博報堂の企業風土・仕事スタイルの違い

電通|経営視点と統合力で課題を解くリーディングカンパニー

電通は、国内外に広がるネットワークと圧倒的なクライアント数を背景に、大規模かつ複雑なプロジェクトを統合的に動かす力を持った企業です。広告という枠を超えて、企業のマーケティング・商品開発・事業戦略まで踏み込んだ支援を行うスタイルが特徴です。

  • オリンピックや万博といった国家規模の案件に携わる機会もあり、社会全体に影響を与える提案力が求められる

  • メディア、テクノロジー、クリエイティブを掛け合わせた統合型ソリューションを展開

  • 近年はAIやデジタル領域への投資を強化し、変化に強い組織へと進化中

博報堂|生活者発想と共感のクリエイティブを軸に

一方の博報堂は、「生活者発想」という哲学を掲げ、人の感情や日常に寄り添った広告づくりを追求してきた会社です。生活者の視点に立ち、ブランドと人との関係性を深く見つめながら、丁寧に価値を創り出すスタイルが特徴です。

  • リサーチや観察を通じて、生活者の本音や感情の動きを細かく捉える

  • 数々の広告賞を受賞する、高い表現力とアイデアの質

  • クライアントとは対等なパートナーとして信頼関係を築きながら提案を進めるスタンス

自分の価値観と照らし合わせてみよう

両社の違いに「正解・不正解」はありません。重要なのは、自分の価値観や働き方に合うのはどちらかを理解することです。

  • 「大きなスケールで、社会や経済にインパクトを与えたい」

  • 「人の感情に寄り添い、共感から価値を生み出したい」


どちらの視点が自分にしっくりくるかを考えることで、志望動機や企業選びの精度も高まっていきます


次に、両社がそれぞれどんな人物像を求めているかを見ていきましょう。あなた自身の強みや志向と照らし合わせながら、志望理由のヒントを掴んでください。

電通と博報堂、それぞれの特徴と求める人物像の違い

電通と博報堂は、どちらも日本を代表する総合広告代理店。
業界のトップ企業として多くの就活生から人気を集めていますが、実は「求める人物像」には明確な違いがあります。


企業理解を深めたうえで、次に取り組むべきは、自分との相性を見極めること
ここでは、それぞれの企業がどんな人材を求めているのかを比較し、志望動機や自己分析の精度を高める視点を整理していきます。


なぜ“人物像の違い”を知る必要があるのか?

ESや面接で求められるのは、「自分の価値観や行動の背景」と「企業とのマッチ度」を言語化する力です。
つまり、企業の求める人物像を理解しておくことが、そのまま選考対策になるということです。

「どちらの企業がすごいか」ではなく、**「自分がどちらにフィットするのか」**を見極める視点を持ちましょう。


電通が求める人物像|構造化思考と当事者意識を持つリーダー型

電通は、クライアントの経営課題や社会の変化に対して、上流から統合的に関わる提案力を強みとする会社です。
そのため、求める人物像にも戦略的思考力や高い当事者意識が求められます。


【電通にフィットしやすい人の特徴】

  • 情報を整理・構造化し、課題の本質を見抜く力がある

  • 周囲を巻き込みながら、自分から動けるリーダーシップがある

  • 組織や社会に対して、大きなインパクトを与えることにやりがいを感じる

  • 結果に責任を持ち、粘り強く最後までやり抜く力がある

ロジカルな問題解決志向+行動力のある人は、電通の選考で高く評価されやすい傾向があります。


博報堂が求める人物像|感性と共感を活かして人を動かす“共創型”

博報堂は、「生活者発想」を軸に、人の心に届くアイデアや表現を創り出す力を大切にしている会社です。
論理だけではなく、**感情や直感も含めた“共感力”や“人間理解力”**を評価するカルチャーがあります。


【博報堂にフィットしやすい人の特徴】

  • 他者の気持ちや空気感を敏感に察知し、寄り添う姿勢がある

  • 「なぜそれが人に届くのか」を深く考えることができる

  • 表現力やアイデアで価値を生み出すことに楽しさを感じる

  • チームでの信頼関係づくりや、丁寧な対話を大切にしている

感受性・共感力・クリエイティブへのこだわりを持つ人にとって、博報堂は魅力的な環境になるでしょう。


自分はどちらに共鳴するか?志望理由の核を見つけよう

大切なのは、「自分はどちらの価値観に共感するか」をはっきり言葉にすることです。


たとえば──

  • 「社会全体に影響を与えるようなダイナミックな提案に携わりたい」→ 電通

  • 「人の心に届く表現を、共感から丁寧に創り出したい」→ 博報堂

このように、企業理解と自己理解をつなげて**「自分がなぜその会社に惹かれるのか」**を整理することで、ESや面接の説得力は格段に増します。


両社の比較は、“自己分析”にもなる

電通と博報堂を比較する作業は、単なる企業研究ではなく、自分がどんな価値観を大切にしたいのかを見つける自己分析でもあります。

  • ロジックとスピードで動く自分か

  • 感性と共感を起点に動く自分か

  • スケールで社会に影響を与えたいのか

  • 一人ひとりの心に届く仕事をしたいのか

こうした問いを重ねることで、自分らしい志望動機やキャリアの方向性が自然と見えてくるはずです。


電通と博報堂、それぞれの「求める人物像」を知ることは、就活対策における重要な第一歩です。
企業の価値観と、自分の思考や行動の軸とを照らし合わせながら、本質的な志望理由を言語化していきましょう

電通・博報堂の内定者に共通する特徴とマインドセットとは?

電通や博報堂といった大手広告代理店の選考を突破する学生には、共通した“思考の習慣”や“姿勢”があります。選考で重視されるのは、スキルや肩書きの派手さではなく、「自分をどう理解し、どう言語化し、どう成長しようとしているか」という内面の深さです。

広告業界の選考において、特に重要とされるのは以下の3つの視点です。

1|自己理解の深さ:自分らしさを言葉にできるか

面接では「あなたはどんな人ですか?」「その価値観に至った背景は?」といった問いが投げかけられます。
ここで問われるのは、表面的な経歴や実績ではなく、「経験を通じて自分が何を考え、どんな人間になったか」を語れる力です。


自分の強みや弱み、価値観の源泉を深く掘り下げ、それを一貫性あるストーリーとして伝えられる人ほど、面接官の心に刺さる印象を残せます。

2|経験への意味づけ:物語として語る力

「◯◯の代表をしていました」「インターンで営業をしていました」といった事実だけでは、他の応募者との差は生まれません。
重要なのは、「その経験が自分にどんな影響を与えたか」「そこから何を学び、どう行動を変えたか」といった“意味づけ”です。

広告の本質は「情報に意味を持たせ、人を動かすこと」。自分自身の過去の体験を、自ら再構成し、納得感のある“ストーリー”として語れる力は、広告業界が求める資質と直結しています。

3|フィードバックを成長につなげる柔軟性

内定者の多くが、面接練習やES添削などを通じて、他者からの指摘を真摯に受け止め、改善を重ねています。
自分を変えることを恐れず、「他人の目線」を取り入れながら考えを磨いていく姿勢は、成長意欲の現れとして高く評価されます。


広告業界は常に変化し続ける環境だからこそ、“学び続ける力”と“変化を受け入れる柔軟さ”が欠かせません。

「スペック」よりも、「深さ」と「柔軟性」が問われる

選考を突破するのに必要なのは、目立つ肩書きや特別なスキルではありません。
重要なのは、自分自身の歩みを丁寧に見つめ直し、言葉にして伝える力。そして、周囲からの学びを受け取り、自らを成長させていく柔軟さです。


電通・博報堂に限らず、広告業界で活躍するためには、このようなマインドセットを土台に、自分の考えを磨き続ける姿勢が求められています。

選考フローを理解して、効率よく対策しよう

電通・博報堂を目指すうえで、まず把握しておきたいのが選考フローの全体像です。両社ともに「インターンルート」と「本選考ルート」の2通りが用意されており、それぞれのルートに沿って選考が進みます。

選考の基本的な流れは、次のようなステップで構成されています。

  • エントリーシート(ES)提出

  • Webテスト(SPIや独自テスト)

  • グループディスカッション(GD)

  • 複数回の面接

これらの選考ステップの存在は両社に共通していますが、選考時期や通過率、各フェーズで見られるポイントには毎年ことなる可能性があるため、最新の情報は必ず各社の新卒採用サイトで確認しましょう


また、同じフローでも選考で重視される視点や面接の雰囲気には、電通と博報堂それぞれに個性があります。より具体的な選考の様子を知りたい場合は、OBOG訪問がおすすめです。


実際に働いている社員の話を聞くことで、「どんな人物が評価されやすいのか」「面接で重視される要素は何か」といったリアルな情報が手に入ります。インターンや本選考の前に訪問しておくことで、自分に合った準備ができ、選考突破の可能性も高まるでしょう。


このあとのパートでは、電通・博報堂の選考を突破するために押さえておきたいポイントを、選考ステップごとに詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、納得感のある準備につなげてください。

評価されるエントリーシート(ES)の書き方とは?

広告業界の選考において、エントリーシート(ES)は単なる経歴の紹介ではなく、「自分という人間をどう伝えるか」が問われる最初の勝負どころです。特に電通・博報堂では、内容の深さや表現力がしっかりと見られています。

通過するESには、次の3つの要素が共通して見られます。


1|ストーリー性と感情の動き

評価されるのは、経験そのもの以上に、そこに至るまでの思考や行動のプロセスです。
「なぜその選択をしたのか」「どんな壁にぶつかり、どう乗り越えたのか」といった背景や感情の動きを丁寧に描くことで、読み手の印象に残るESになります。


単なる実績の羅列ではなく、自分の内面が伝わるストーリーになっているかが重要です。


2|広告的な“伝える力”

どんなに良い経験でも、伝わらなければ意味がありません。
広告業界では、「どう伝えるか」そのものが評価対象です。結論ファーストでわかりやすく構成する、対比や具体例を用いて印象づけるなど、読み手を意識した表現が求められます。

読みやすさや惹きつけ力にこだわったESほど、選考官の目に止まりやすくなります。


3|価値観の一貫性

ES全体を通じて一貫した価値観や行動軸が通っているかも、重要な評価ポイントです。
自己PR・学生時代の経験・志望動機のそれぞれがバラバラではなく、「この人は何を大事にしてきたのか」が読み取れると、説得力と信頼感が生まれます。


広告業界の選考では、「この人と一緒に働くイメージが湧くか」が重視されるため、価値観の整合性は軽視できません。


ESは、自分を伝える最初のプレゼンです。経験や実績だけでなく、その奥にある考え方や伝え方にまで意識を向けることで、他の応募者と差がつく一枚になります。

GDで評価される振る舞い・考え方とは?

広告代理店の選考で頻出する**グループディスカッション(GD)では、単に発言が多いかどうかや、リーダーを担ったかどうかだけでは評価されません
むしろ見られているのは、「どう議論に関わり、チームにどんな価値をもたらしたか」といった関わり方の“質”**です。

広告業界が重視するチームワークや多様性の尊重といった考え方が、GDの評価基準にもそのまま反映されています。


1|役割にこだわらず、状況に応じて柔軟に貢献する

GDでは、目立つことよりも「チームとして成果を出す」ことが重視されます。
リーダー・タイムキーパー・アイデア出し・全体整理など、状況に応じて自分が果たすべき役割を見極められるかが重要です。

特定の役割に固執せず、今チームに必要な動きを判断し、自然に担える柔軟性が、広告業界にフィットする力として評価されやすくなります。


2|他者の意見を活かし、議論を“共創”する

広告はチームでつくる仕事です。
そのため、GDでも「自分の意見を押し通す力」よりも、「他者の意見を受け止め、発展させる力」が評価されます。


たとえば、「それいいね」で終わらずに、「それを〇〇に応用したらどうだろう?」といった**発展的な“乗せ方”**ができる学生は、共創力のある人材として高く評価される傾向があります。


3|自分の考えに“根拠”と“深さ”があるか

最終的な差がつくのは、議論の深さです。
どれだけ筋の通った考えを持っているか、アイデアの裏にどんな思考や価値観があるのか――そこに説得力があるかが問われます。


表面的な発言ではなく、「なぜその案に至ったのか」「なぜそれが有効だと思うのか」といった思考のプロセスを語れることが、広告代理店のGDで求められる“考え抜く力”です。


GDは、単なるグループ作業ではありません。
広告代理店が大切にしている価値観――チームで創る姿勢・他者を活かす柔軟性・深い思考力――を持っているかを見極める場でもあります。


正解がないからこそ、自分らしさをどう発揮し、どう貢献するかが評価の分かれ目になります。事前準備とマインドセットが、当日のパフォーマンスに大きな影響を与えるのです。

面接で評価されるのは深掘り耐性と自己表現力

広告業界の面接では、表面的な受け答えでは通用しません。
「なぜそう考えたの?」「どうしてそれを選んだの?」といった問いを繰り返され、自分の価値観や思考のクセにまで踏み込んだやり取りが行われるのが特徴です。


だからこそ、広告業界の面接は「どれだけ自分を深く理解し、言葉にできるか」が問われる場だと言えます。


1|「なぜ?」の問いに、どこまで耐えられるか

たとえば「サークル活動を頑張りました」と話したとします。
そこから面接官は、「なぜそのサークルを選んだのか」「どんな役割を担ったのか」「何を大切にしていたのか」「どんな学びがあったのか」と、次々と深掘りしてきます。

このような問いに対して、一貫した軸で、論理的かつ感情を伴って答えられるか。
それが、いわゆる**「深掘り耐性」**です。


準備した答えを繰り返すだけでは乗り越えられません。経験を深く振り返り、自分の行動や選択に納得感のある“背景”を持っておくことが求められます。


2|抽象と具体を自在に行き来できるか

広告業界では、「抽象化力」と「具体化力」の両方が求められます。
たとえば、自分の価値観や強みを語る際には、抽象的な言葉だけで終わらせず、具体的なエピソードで補足することが不可欠です。


逆に、ある経験を語るときには、「その行動の背景にどんな考え方があったのか」を抽象化して伝えると、その人らしさが立体的に伝わります


受かる人の面接には、ただ話しているだけではなく、「自分という人間をどう構造化して語るか」の設計があるのです。


3|言葉の“熱量”と“誠実さ”が伝わるか

同じエピソードを話していても、どんな言葉で、どんなトーンで語るかによって、面接官の受ける印象は大きく変わります。

広告業界は、人の感情や共感を動かす仕事です。
だからこそ、**伝え方そのものに表れる「熱量」「誠実さ」「丁寧さ」**は、それ自体が評価対象になります。

自分の想いや考えを、相手に届く言葉で、真っすぐに伝えようとする姿勢が、選考官の心に残ります。


面接は、自分を飾る場ではありません。
広告業界では特に、「どんな自分をどう表現するか」が、志望者の本質として見られます。


深く自分を理解し、それを言語化し、人に伝える力
この「自己表現力」こそが、広告業界の面接を突破する最大の武器になるのです。

まとめ|電博を目指すなら「理解×自己表現力」がカギ

広告代理店業界は、マスメディアからデジタル、さらには経営・DX領域までを巻き込む変化の大きい総合産業です。
電通・博報堂をはじめ、各社がそれぞれの強みと企業文化を持ち、多様なクライアント課題に向き合っています。


このフィールドで活躍するためには、まず業界の構造や特徴を正しく理解すること、そして自分自身の価値観や強みを深く掘り下げることが欠かせません。


就職活動では、「なぜこの業界なのか」「なぜこの会社に惹かれるのか」を、自分の言葉で語る力が問われます。
ES・面接・GDといったあらゆる選考ステップで大切なのは、“正解”を答えることではなく、自分らしい考えを、論理と感情の両面から伝えられるかどうかです。


広告代理店の選考は、まさに「あなたという人間の本質をどう表現するか」が試される場。
そしてこの業界で働くことは、クライアントとともに課題を解き、社会に新しい価値を届け続けることでもあります。


だからこそ、まずは業界への理解と自己理解を深め、自分の想いを言葉にする力=伝える力を磨いていくことが、広告代理店への第一歩になるはずです。