外資系コンサルティング業界での就活
就活生に高い人気を誇る、コンサルティング業界。
中でも圧倒的実力主義、高い年収というイメージの外資系コンサルティングファームは、外資系金融会社と並び、例年多くの学生が憧れ、志望しているようです。
そんな外資系コンサルティング企業に対し、「学歴フィルターがあるのでは?」「激務に耐えられないかも」という不安を持つ方も少なくないでしょう。
そこで今回は、外資コンサル業界で就職活動を行い、アクセンチュアの内定を勝ち取ったAさんにインタビューを実施しました。
コンサルティングファームにおける就職活動の選考フローや、その後のキャリアについて聞いてみました!
外資コンサル業界の魅力とは?
ー外資系コンサルティング業界の魅力と、コンサルタントを志望していた理由について伺わせてください。
Aさん:コンサルティング業界の魅力は、二つあると考えています。
1つ目は、幅広い業界を横断してプロジェクトを行うこと。
例えば、1つ目のプロジェクトのクライアントがアパレル企業、二つ目はIT系の会社...など、自分が担当するプロジェクトが、一つの業界とは限らないのです。
ここがコンサルティングファームに魅力を感じた部分です。
いわゆるビジネスマンとして大きな成長をするには、経験の質と、経験の幅が重要と考えています。
コンサルティングファームでは、若いうちに多くの経営者と接し、事業の方向性に関わる貴重な仕事ができること、そして1業界に止まらない幅広い情報、知見を得られることは、その後の大きな成長に繋がっていくのではないかと思い、魅力に感じています。
2つ目は、若いうちからハードな環境で「個人」の成長が期待できること。
私の就活の軸として、「チャレンジングな環境で自分を成長させること」「その成長を誰かのために繋げられること」という二つがありました。
幅広い業界に関わり、様々なビジネスの知見と経験を積み上げること、上昇志向の強い人々と一緒に働くことは、私にとって常にチャレンジングな環境であり、それが自分の最短最速の成長につながると考え、コンサルタントは大きなやりがいを得られる仕事だと思いました。
特に外資系のコンサルティングファームは、勤務年数に関わらずキャリアや年収アップを目指すことができる実力主義の文化が、自分にとっては大きな魅力でした。
また、私個人が成長すればするほど、コンサルティングをしたクライアントの企業を通じて多くの人に影響を与えられるところも惹かれた理由です。
外資コンサルティング業界の選考内容と対策
ー具体的な外資系コンサルティングファームの選考フローを教えてください。
Aさん:一般的な流れは以下のようになっています。
ES + Webテスト ↓ グループディスカッション ↓ 面接複数回(ケース面接含む) ↓ 内定
コンサルティングファームの選考でもっとも特徴的と言われるのはケース面接です。
いわゆるフェルミ推定というと多くの就活生は一度は聞いたことがあると思います。
例えばコンサルティングファームのケース面接では「日本にある電柱の数を答えよ」といったお題が与えられる。
それに15分程度で、回答を出すといったものです。
外資系コンサルティング企業で聞かれることが多いのは
・就活の軸、志望動機 ・学生時代の経験(挫折経験、挑戦したこと)
特に志望動機は、「なぜコンサルティング業界を志望するのか」をほとんどの企業で問われました。
また、コンサルティングファームは、他業界に比べて選考対策に対する準備量が重要です。
なぜなら外資コンサル業界は、選考時期も早く、エリート学生に人気の業界のため、全体的な選考の倍率は100~1,000倍と言われています。
企業にもよりますが、ESとWebテストで約9割ほどがふるい落とされると言われています。
その狭き門をくぐり抜けるためにも、ESとWebテストの対策はしっかり行なっておく必要があると感じます。
Webテスト/グループディスカッションとは?
Aさん:コンサルティングファームのWebテストは、企業によって「玉手箱」「TG-Web」「SPI」などの型があります。
これも、やはりコンサルティングファームといえば「地頭が求められる」のイメージがあるように、非常に高い得点を出せなければ通過できないようです。
Webテストに苦手意識がある就活生は、受ける企業がどの型式なのかを事前に調べ、参考書などで徹底的に対策をしておきましょう。
次に、グループディスカッションです。
外資コンサルにおけるグループディスカッションの評価点について、注意をするべきは多くの日系企業で求められる「協調性」だけでないこと。
協調性に加え、議論を前に進める力、議論の本質を突く力、まとめる力...など、「そのグループ内で明確に価値を発揮し貢献していること」が評価の分かれ道であると思います。
ここでの対策は、勝ちパターンを見つける、そして増やしていくということです。
私の場合、議論を前に進めるよりも、みんなのアウトプットを整理して、方向性を整えていくことが得意でした。
自分が一番価値を発揮できる勝ちパターンはその部分だと思っていたので、「ホワイトボードの近くに座る」「誰よりも早くペンを手に取る」ことを徹底して書記をやっていました。
面接の対策方法
面接の一番のポイントは、ケース面接です。
ケース面接とは、出されたお題に対し自分でロジックを立てて1つの答えを用意し、それをもとに面接官と議論をする面接スタイルです。
例えば「通勤ラッシュを緩和するには」というお題を与えられ、30分で考えてください、というものです。
このケース面接では、与えられた時間で「完璧な答え」や「斬新な答え」を用意するよりも、その答えに行きついたプロセスを論理的に伝えることが重要です。
長い場合は30分〜1時間、短い場合は1分でその場で考えて答えてください、と問われる場合もあります。
そのような時間制限があるため、面接官も完璧な答えを求めている訳ではないのです。
また、面接官とのディスカッションも、目的は相手を論破することではなく、突っ込まれたところに対し、その場でどう臨機応変に回答するかという点が見られています。
面接官はあなたが「コンサルタントとして活躍できるのか」という適正を見ているため、ただ論理的なだけでは不十分なのです。
クライアントに信頼されること、チームメンバーと協調性を持ち成果を出すことができるのか、という視点で見ているのだと思います。
だからこそ、相手を論破するのではなく、面接官からの指摘を新しい視点からの意見だと受け入れ、そこから最適なソリューションを導き出そうとするコミュニケーション能力が最も必要なのだと思います。
ー外資コンサルティング企業の選考に向けての対策はどうしていましたか?
Aさん:特徴的な選考であるケース面接に対してはインプットとアウトプットを繰り返し、力を入れて対策していました。
インプットでは、「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ『地図化』」という対策本を読んでいました。
この本には、実際の例題がいくつか載っていてフレームワークのパターンが理解できます。
フレームワークの型をインプットしておくと、ケース面接で出されたお題を、自分の引き出しの中に当てはめることができるため、思考停止する状態はまずなくなります。
例えば、先ほどの「通勤ラッシュを緩和する」というお題であれば、「流入量と処理量」という切り口から考えることができることができます。
いきなり「通勤ラッシュの緩和」と言われても難しいですが、「朝電車に乗る人を減らす方法を考えろ」「より多くの人数を捌く方法を考えろ」と言い換えると、少し考えやすくなるのではないでしょうか。
受験の数学と同じで、まずは公式を覚えたり、解き方のパターンといった基礎をインプットすることが第一です。
様々な切り口で問題に対してアプローチする癖が付くので、グループディスカッション対策にも役立ちます。
ある程度基礎が固まったら、次はアウトプットです。
コンサル志望の友達と議論をしたり、ケース面接対策講座に参加して場数を踏んでいました。
基本的にケース面接の対策においては、自分が出したアウトプットに対し、フィードバックをもらうことで磨かれます。
一人で対策するのはなかなか難しいでしょう。
また、ロジカルに考えることや、物事の構造化が苦手な人は、「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル」を一読することをオススメします。
論理的思考力は、一定レベルまでは必ず後付けできます。
もともと私自身、考えることが苦手でしたが、論理的思考という方法をこの本で学びました。
ー外資コンサルでは論理的思考力はマストなスキルですもんね。
Aさん:しかし、外資コンサルティング企業の内定に一番必要なものは、小手先のテクニックではなく、一般的な就活と同じく、自己分析を徹底的にすることです。
志望動機にしろ、学生時代頑張ったことにしろ、一つひとつの問いに対して面接でかなりの深堀りをされます。
その時にいかに自信を持って、結論ファーストで、頭の中で明確に構成された内容を、わかりやすく伝えられるかが評価の一番のポイントだと思います。
そのためには、一般的な就活と同じような自己分析を徹底的に磨いておくことが必要です。
また、コンサルティング業界に関わらず、外資系企業の面接では
「あなたにとってグローバル人材とはなんですか?」
「嫌いな人がいた場合、どのように接しますか?」
などといった、その場で考えさせる質問が飛んでくることも少なくありません。
想定外の質問に対しても、自分の頭で思考し、自分の言葉で語れるように、常に様々な物事に対し自論を持つようにしていました。
また、私の場合はある程度、業界研究や企業研究をした上で、積極的にOB訪問をしていました。
先ほどお話したように、コンサルティング業界は企業ごとの仕事内容に大きく変わりがありません。
だからこそ、同じコンサル業界の中でも差別化する要素を探すために、実際に総合系の外資コンサル企業と言われているところには、各社2〜3人に会って話を聞いていました。
ただ仕事内容や企業の特徴について聞くだけではなく、自分の就活の状況やコンサル業界への志望動機を話し、そのフィードバックをもらっていました。
フィードバックが厳しく率直に言ってくれる人だったり、言ってることはめちゃくちゃ論理的かつコミュニケーションが上手な人など、なんとなくこの企業はこういう人が多いな、という会社のイメージに繋げていました。
面接が進むにつれ、外資コンサル企業は競合他社との違いが聞かれることが多くあります。
その時に、明確に企業ごとの文化の違いを説得力を持って話せていたのは、OB訪問を通じて、自分で足を運んでキャッチした情報と自分の頭で考えた情報を元にしていたからだと思います。
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外資コンサルの中でなぜアクセンチュアを選んだのか
ーコンサル業界の中でもアクセンチュアを選んだ理由を教えてください。
Aさん:外資系コンサル業界の中でもアクセンチュアを選んだ理由の一つは「キャリアパスの自由さ」です。
コンサルティングファームは、仕事内容だけを見ると、企業ごとに大きな違いはないと思うんです。
そんな中で私が注目したのは、キャリアの歩み方です。
総合系コンサルティングファームの一般的なキャリアの歩み方を見てみると、「業界×ソリューション」のマトリクスで自分の専門性を極めていくコンサルタントが多いです。
総合系といえば、アクセンチュアの他にも、競合他社と言われている、デロイトトーマツコンサルティングやPwCコンサルティング、EYアドバイザリーなどが当てはまりますね。
業界×ソリューションの専門性とはどういうことかと言えば、例えば「金融業界×ロボティック化」のようなイメージです。
今、ほとんどの銀行がスマホから銀行口座にアクセスできる、「ネットバンキング」というサービスをリリースしていますよね。
それがまさに金融業界という1つの業界の中でのIT化に関わっている例です。
スペシャリストを目指すのであれば、このように一つの業界×一つのソリューションを先導するプロジェクトに多く配属され、その分野に特化したコンサルタントを目指すことができます。
一方でアクセンチュアの場合、
・一つの業界に特化したスペシャリストを目指すキャリア
・一つのソリューションに特化したスペシャリストを目指すキャリア
・一つの業界×一つのソリューションに特化すしたスペシャリストを目指すキャリア
など、幅広い選択肢から自分の希望に沿ったキャリアを自分で選択し、歩むことができます。
一つのキャリアに縛られるのではなく、自由にキャリアパスを選択できるという環境を魅力に感じました。
また、アクセンチュアには「Think Straight Talk Straight」という文化があり、参加するプロジェクトにも自由に希望を出すことができ、手を挙げる人には挑戦の機会が用意されている環境が、自分には合っているのではないかと考えていました。
もちろん若手のうちから忙しい環境で働くことで得られる高い年収や、海外へ自分が出るチャンスがあることも、メリットとしてとらえていました。
ーその中でも最終的な決め手はどこにあったのですか?
Aさん:最終的な企業の決め手は、「自分がその企業で働くイメージがわくかどうか」 です。
アクセンチュアの場合、働いている人に共通する「上昇志向」にとても惹かれました。
外資系企業ということもあり、かなりの実力主義の文化があるため、向上心や成長意欲がない人はなかなか続けるのが難しいのではないかと思います。
新卒でアクセンチュアに入社することで、常にハイレベルな環境でチャレンジを続けたい、切磋琢磨して自分を成長させ続けることができる、そう感じ、最終的に入社を決めました。
外資コンサルティング業界を志望する上で考えた就職後のキャリア
ー新卒でコンサルタントの道を選択していますが、就職後のキャリアについての考えを教えてください。
Aさん:実は私の場合、現段階ではやりたいことが明確に決まっていないんです。
就活の軸そのままですが、まずはチャレンジングな環境で成長する、そしてその成長を他者のために繋げる、ということが現段階での自分が目指すべき自分の姿だと考えています。
だから今日は、
「コンサルタントとしてやりたいこと」 「次のステップでやりたいこと」 「いずれ成し遂げたい大きな夢」
の3つに分けてお話します。
まず、「コンサルタントとしてやりたいこと」は、最初の3~4年間で様々なプロジェクトを経験し、一人前のコンサルタントになることです。
一人前のコンサルタントとは、自分がプロジェクトを主導できること、つまりできる限りの速さでマネージャーまで昇進することが直近の目標です。
その中で海外案件にいくつか関わり、グローバルに通用するコンサルタントになりたいと思っています。
面接でも「コンサルタントとして何がしたいのか」「5年後のビジョンは?」とよく聞かましたが、どの領域に携わりたいか、が明確に決まってないからこそ役割という軸で自分のやりたいこと、目指す姿を語っていました。
2つ目の、「次のステップでやりたいこと」はスタートアップ企業で0から1を作り上げる経験を積むことです。
これは完全に自分の成長のためですが、体力も時間もある20代の内に、自分にとって最も厳しい環境に飛び込み、ここでも最短最速の成長をしたいと考えています。
3つ目の「いずれ成し遂げたい大きな夢」は、世界の生活水準の向上に関わることです。
私は高校生の頃から、途上国の問題に関心があり、国際ボランティアの活動やソーシャルビジネスを行う企業でインターンをしていました。
途上国の問題に対する関わり方はたくさんありますが、私は過去のボランティアや学生団体の経験を経て、持続性のあるビジネスで国全体にインパクトを与えられることがしたいと考えています。
コンサルタントとして得た経験や知見をもとに、世界に通用するビジネスパーソンとなり、多くの国、多くの人にポジティブな影響を与えることを、大きな夢として掲げています。
外資系のコンサルティングファームは、だいたい3年で転職すると言われています。
それは、コンサルタントとしてのキャリアを続けるか、それともコンサルタントとは違う道に進むかの分岐点と言われるタイミングが、ちょうど3年経った頃だからだそうです。
そのタイミングで同じコンサルティング業界に転職し、年収アップやキャリアアップを狙う人、事業会社に転職する人、起業する人など、様々です。
コンサルティング業界を受ける就活生は、高い年収や自分の成長・勉強のためだけに外資コンサルティング業界を目指すのではなく、漠然としててもいいので、コンサルタントのキャリア形成について情報を得て「その先にやりたいこと」までを考えぬく必要があります。
そこを目指すにあたって「なぜ新卒でコンサルタントになりたいのか」を説得力をもって、第三者に伝えられるように準備をすることが大切だと思います。
ー本日は、外資系コンサルティングファームの選考対策やキャリア形成のポイントなど幅広くお伝え頂きありがとうございます。
コンサルティング業界への理解を深めるために
今回のインタビューでは外資コンサルティング業界を志望する上で、選考対策の方法や自己分析の大切さを学ぶことができたかと思います!
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