不動産デベロッパーの企業比較は必須
総合商社や銀行などの業界と並んで、就活生からの人気の高い不動産業界。
特に、三井不動産・三菱地所などの「デベロッパー」と呼ばれる企業は非常に高い人気を誇っています。
この、不動産デベロッパーは企業間で事業の違いがあまりありません。
そのため「なぜ、競合他社じゃなくて自社なの?」といった質問に悩ませられる就活生は少なくないでしょう。
そこで今回、人気不動産デベロッパー企業の比較を行いました!
本記事では ・不動産デベロッパーの事業内容 ・不動産デベロッパーとゼネコンの違い ・不動産デベロッパー5社の年収比較 ・5社それぞれの強み などをお伝えします。
本記事を読めば各デベロッパー企業の違いが語れるようになります。
不動産デベロッパー志望の就活生には必見の内容です!
不動産デベロッパーとは
就職活動を始めたばかりの人の中には「そもそもデベロッパーって何?」という人もいるのでは。
不動産デベロッパーとは、一体どんな仕事をするのでしょうか。
デベロッパーは、英語で「developer」のことで、直訳をすれば「土地開発事業者」を指します。
例えば「三井アウトレットパーク」や「東京ミッドタウン」のような大規模商業施設。
皆さんも足を運んだことがあるのではないでしょうか。
そういった商業施設の企画・開発・運営を行うのは、不動産デベロッパーの仕事の一つです。
商業施設を例に、不動産デベロッパーの開発事業に関する仕事の流れを見ていきましょう。
施設を開発する際には、土地開発や企画が必要です。
例えば、六本木の土地が空いている時、そこに、どんな施設を建てることで、人々に利用される施設を作ることができるのか、といったことを考えます。
その上で、その土地にこんな商業施設を開発しよう、という企画が固まれば、地権者との売買交渉を行い土地を取得します。
そして施設のデザインや設計など、より詳細な企画を完成させ、その後は建築会社と共に、実際に土地開発・施設の建築を始めていきます。
そうして、商業施設が実際に出来上がっていくわけです。
デベロッパーの仕事は、施設を開発して終わりではありません。
出来上がった施設にはお店が必要です。
そこでデベロッパーの営業担当が、アパレルブランドなどを対象に「今度、六本木にこういったコンセプトの大規模商業施設が出来上がるのですが、出店をしませんか」といったように、出店するテナントの誘致を行います。
実際に商業施設が完成すれば、消費者を呼び込むためのイベントなどの開催も必要です。
商業施設をより魅力的なものにし、消費者に訪れてもらうために盛り上げる。
そういったところまでも、不動産デベロッパーが行なっています。
こうした流れで、施設の企画から開発管理、運営までを行うのが、不動産デベロッパーの仕事です。
また、商業施設だけでなく、オフィスビルや分譲マンションなどの建物の開発も、不動産デベロッパーの主な事業です。
こちらも仕事の流れは商業施設の開発と同様で、
・建造物の企画・開発、土地の取得 ・建設会社と協働し、施設を建築する ・入居者の誘致 ・その他運営業務
といった流れで、オフィスビルや分譲マンションなどを開発していきます。
不動産デベロッパー業界は、「多くの人が利用し満足する施設を開発できる」「自分の作り上げたものが形となり地図に残る」などやりがいを強く実感出来ることからも、非常に人気の業界となっています。
不動産デベロッパーのゼネコンとの違い
不動産デベロッパーを理解する上で、混同しがちなのがゼネコンです。
ゼネコンも「地図に残る仕事」という観点で就活生人気が高い業界となっています。
しかし、同じ不動産業界ということもあり、デベロッパーとゼネコンの事業内容の違いを正しく理解できていない就活生が多いのも確かです。
不動産デベロッパーの仕事は「大型商業施設やマンションなどといった施設の企画、開発管理、運営」と説明しました。
しかし、施設の企画だけでは、実際に施設は立ちません。
そこで活躍するのがゼネコン企業なのです。
ゼネコンとは「general(=総合)contractor(=契約者)」の略。
規模が大きい施設の建設を総合的に請け負うのがゼネコンと言われる企業です。
ゼネコン業界には、以下のような企業があります。
・大林組 ・大成建設 ・鹿島建設 ・清水建設
施設の完成イメージを依頼者と共有した後、建築物の設計、工事の安全管理やスケジュール管理はもちろん、原価や品質の管理もゼネコンの仕事。
予定通りに建築物が完成するか、品質の良いものが出来上がるかは、ゼネコンの仕事にかかっているのです。
ゼネコンは、デベロッパーからの依頼の他にも、国からの事業も請け負っており、ビルやマンション、空港やトンネルなど様々な建築・工事を一体に担っています。
このようにゼネコンは、デベロッパーが企画した建築物を実現させる役目を担っています。
そのため、ゼネコンとデベロッパーはパートナーの関係にあると言えます。
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不動産デベロッパーの平均年収
不動産デベロッパーが就活生に人気な理由は、事業内容が魅力的というのもありますが、年収の高さも忘れてはなりません。
日本の平均年収ランキングでも、総合商社やテレビ局などと同様に名を連ねています。
実際に、各社の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
以下に、ランキング形式で並べてみました。
(参照:各社の有価証券報告書,2020年3月発表)
1位 三井不動産(1,273万円)
1位 三菱地所(1,273万円)
3位 東急不動産(1,137万円)
4位 野村不動産(946万円)
5位 住友不動産(679万円)
三井不動産と三菱地所が1,237万円で同率の1位となりました。
そして3位の東急不動産までが1,000万円超えとなっています。
三井不動産も三菱地所も平均年齢が41歳。
入社10年ほどで、年収が1,000万円を超える人も多いのではないでしょうか。
不動産デベロッパー各社の違い
そんな、人気の不動産デベロッパー業界ですが、三井不動産・三菱地所・住友不動産など、該当する企業は様々。
これらの企業には、どんな違いがあるのか?
面接では「なぜウチの会社が第一志望なのか?」なんていう質問も日常茶飯事です。
こうした質問に適切に回答し、選考を有利に進めるためにも、各企業の理解は必須と言えるでしょう。
そこで当記事では、不動産デベロッパー業界の中でも規模が大きく人気の高い、三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産・野村不動産の5社を対象に、企業比較を行っていきます。
この5社は様々な施設開発を行うため、総合デベロッパーと呼ばれています。
実は、同じ総合デベロッパー企業でも、得意としている開発事業や地域が大きく異なります。
これらの企業の違いを知ることで、ぜひ就職活動に役立てて下さいね。
それではまず、業界・企業の外観を知るために、それぞれの売上・利益の規模を見ていきましょう。
以上は、2018年3月期の各社の営業収益、営業利益です。
営業利益とは本業の利益、すなわち今回は不動産業における利益を指します。
収益について見てみると、三井不動産が圧倒的な規模。
三菱地所が続き、少し離れて住友不動産、東急不動産が続き、少し離れて野村不動産という並びになっています。
注目すべきなのは「営業利益」の額
三井不動産は圧倒的な収益を誇っているにも関わらず、利益率が低いために、利益の額では三菱地所・住友不動産と近い水準になっています。
同様に、住友不動産と東急不動産では売上高にはあまり差がないのに、営業利益では2倍以上の差が。
東急不動産の利益率の低さも目立ちますね。
では、同じ不動産デベロッパー企業であるこれらの5社、どうしてこのような違いが見られるのでしょうか。
それは、一口に「不動産デベロッパー」と言っても、冒頭に挙げたように「商業施設」「オフィスビル」「分譲マンション」など、取り扱う対象は様々。
それらの対象によって利益の水準は変わってきます。
そして、各企業によって得意とする事業は異なります。
例えば、「オフィスビル」は利益率が高く、住友不動産と三菱地所は「オフィスビル」を多く賃貸しているため利益率が高くなっています。
従って、どの事業でどのくらい収益を得ているかの割合が異なるため、利益率に差が出ているのです。
逆に言えば、売上や利益率といった数字からも、どの不動産デベロッパー企業が、どんな領域や開発事業に強みを持っているのかを知ることができます。
それでは、数ある不動産デベロッパー企業のうち、各社が持つ開発事業の強み、携わっているプロジェクトを整理し具体的な企業の違いを知りましょう。
各不動産デベロッパーの収益形態
まずは、次のグラフを見てください。
このグラフは、各不動産デベロッパー企業について(グループ会社を含む)収益における領域の比率を表したものです。
これだけでも、各企業の取り組みが大きく異なるとわかります。
この中で、不動産デベロッパーが主に携わるのは「賃貸」「分譲住宅」の2点ですので、この2点に注目をして解説を行います。
(その他の「仲介」「マネジメント」などは、子会社が携わっているケースがほとんどです。)
まず前提として「賃貸」「分譲住宅」の定義、ビジネスモデルを整理しましょう。
「賃貸」はその名の通り、建築物を貸し与え、それの対価を受け取ることを売上としています。
賃貸といっても、商業施設のスペースを企業に貸し出す、あるいはオフィスビルを企業に貸し出す、といった大規模施設の賃貸をメイン収益としている不動産デベロッパーがほとんどです。
三菱地所は、丸の内のオフィス街に多くのオフィスビルを持っているため、賃貸の領域にかなりの強みを持っています。
次に「分譲住宅」。
「分譲住宅」とは、マンションのような集合住宅をつくり、個別に販売することで収益を得るのが「分譲住宅」の領域です。
野村不動産の「PROUD」という分譲マンションのCMや広告を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
野村不動産が分譲マンションに強みを持つことは、グラフからも明らかです。
このように「不動産デベロッパー」と言っても、各社ごとに強みが異なります。
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不動産デベロッパーと言えば大規模施設!
それではまず、賃貸事業を見ていきましょう。
就活生の皆さんの中でも、デベロッパーと言えば都心に聳え立つ丸の内のオフィスビルや、大規模商業施設の賃貸事業を想像される方は多いと思います。
「街づくり」に関連する仕事として、人気も高いですね。
ここでは、先ほどの5社について、オフィスビルや商業施設をどれだけ展開しているか、見ていきたいと思います。
以上は2017年度のビル・商業施設の延床面積(どれだけの広さで展開をしているか)を表したものです。
三井不動産と三菱地所、住友不動産が高い数値を誇っていることに注目ですね。
この3社は賃貸事業に力を注いでいるとがわかります。
では、オフィスビルや商業施設の賃貸に力を入れているこれらの3社ですが、違いはどんなところにあるのか?
まず、三井不動産は特に商業施設の賃貸に力を入れています。
「三井アウトレットパーク」「ららぽーと」などの商業施設を広く展開しています。
三井不動産を就職先として考えると、こうした商業施設の展開に関わる可能性があります。
もちろん商業施設だけに注力しているわけではありません。
オフィスビルにおいては、日本橋エリアを中心に数多くのビルを展開しており、賃貸事業の一つの基盤としています。
三菱地所の強みはオフィスビルの賃貸です。
日本一のビジネスエリアと言われる丸の内を中心に事業を行なっています。
なんとなく聞いたことがある、という人も多いかもしれませんね。
三菱地所のビル・商業施設の延床面積における約半数は、丸の内のビル。
また、丸の内の代表的なビルである「丸ビル」と「新丸ビル」は三菱地所が所有しているビルです。
住友不動産もオフィスビル賃貸に強みを持ちます。
商業施設延床面積の全てがビルによるものです。
三井不動産の「日本橋」、三菱地所の「丸の内」のように、三井不動産には大きな強みを持つエリアはありません。
しかし、渋谷、新宿、六本木など都内の各所で有名なオフィスビルを所有しています。
東京において業界No.1の所有棟数を誇っているのは、住友不動産です。
なので、オフィスビル開発をしたいのであれば、就職先として魅了的でしょう。
住宅事業に強い不動産デベロッパーは?
次に、分譲住宅の事業を見ていきましょう。
今回は、国内分譲マンションの計上戸数から、どの企業が分譲住宅に強みを持っているか、見ていきたいと思います。
以上は2017年度に各社が提供したマンションの計上戸数です。
住友不動産、野村不動産が飛び抜けた強みを持っていることが分かります。
この2社は、両社共に高級マンションに強みを持っています。
都心への人口集中に伴い、都心部の高級住宅の需要が上がっています。
野村不動産は分譲マンションブランド「PROUD」がある
「PROUD」は都市部を中心とした高級マンションの分譲に強みを持っており、マンションブランドで1位を獲得。
また、郊外型ファミリーマンションブランド「オハナ」など、分譲マンションにおいて様々なブランド商品を持っています。
住友不動産は「高級住宅」「タワーマンション」に強みがある
銀座・八重洲・白金といった都心から、目黒や武蔵小山のようないわゆる「城南エリア」と呼ばれる、人気の地区を中心に高級住宅を展開しています。
同じ「分譲住宅」と言っても少し趣の違うこの2社。
就職先を選ぶ際に参考にしてみてはいかがでしょうか。
不動産デベロッパーの強みを把握!
ここまでのデータから、三井不動産と三菱地所、住友不動産は賃貸事業に強く、住友不動産と野村不動産は分譲住宅に強いことがわかりました。
ここで、各社における強みを見ていきます。
また、わかりやすいように先ほどの収益形態のグラフを再掲します。
<三井不動産> 三井不動産の強みは賃貸事業。
日本橋を基盤としたオフィスビル事業、幅広い商業施設展開、共に三井不動産の強みと言えるでしょう。
また収益構造を見ると、海外事業による収益が多いことがわかります。
これも三井不動産の強みです。
国内の人口減少に伴い、市場を拡大すべくいち早く海外進出を推し進めています。
<三菱地所> 三菱地所の強みは丸の内におけるビル事業。
世界有数・日本一の企業集積を誇るビジネスエリア、丸の内に約30棟のビルを保有しています。
アクセスの面でビジネスエリアとしての優位性が高い丸の内。
この安定した収入源は、最大の強みと言えるでしょう。
<住友不動産> 住友不動産は、賃貸事業と分譲住宅の両方で高いシェアを獲得しているバランスの良いデベロッパーです。
また、住友不動産は5社の中で営業利益率が最も高い企業でもあります(21.7%)。
特に、賃貸事業の利益率は39%と非常に高い利益率になっています。
住友不動産は質の良い建築物を値引きしないで販売する戦略をとっており、それにより高い利益率を叩きだしています。
<東急不動産> 東急不動産は、先ほど示した2つの指針では他の4社に遅れを取っているように見えました。
しかし、東急不動産の強みは「東急グループ」の一員として東急電鉄や東急百貨店などと協力しながら、幅広い事業展開を行なえること。
収益構造における「その他」の要素には、まさにその強みを活かした、リゾートホテルや「東急ハンズ」などの事業が含まれています。
また東急不動産は、渋谷周辺を中心とした商業施設に強みを持っています。
「東急プラザ」などが代表的な商業施設です。
オフィスビルに比べ、延床面積あたりの収益率が高い商業施設に強みを持つことも、東急不動産の魅力と言えるでしょう。
<野村不動産> 野村不動産の強みは「PROUD」等の国内の分譲住宅。
「国内の人口減少が進む現状、住宅事業は衰退するのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。
野村不動産は、「利便性の高い都市部への人口集中」に目をつけ、「住宅」のみならず、「利便性の高い町作り」に力を入れています。
高級分譲住宅に強みを持つからこその施策であり、今後も街全体を巻き込んで優れた住宅を作り上げる企業として、注目すべき企業の一つと言えるでしょう。
不動産デベロッパーを目指す人へ
不動産デベロッパー5社がどの業務に力を入れているのか、強みを持っているかが、なんとなくわかったのではないでしょうか。
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