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大手とベンチャーを経験したITコンサルが語る「新卒は大手に行け」の真意

社会人にお話を伺い、様々な業界の仕事を探る本企画。 お話を伺ったのは新卒4年目の寺谷さん(仮名)。大手ITコンサルで活躍し、今はITベンチャーに転職したとのこと。 今回は寺谷さんに、転職した理由、また大手・ベンチャーの環境の差を伺いました。

新卒3年目で、大手からITベンチャーへの転職を決意

―今回は、大手からベンチャーへの転職、そして大手とベンチャーの働き方の違いなど、お伺いしていきたいと思います。

寺谷さんは、新卒3年目に、大手ITコンサルティング会社からITベンチャーへと転職をされたと伺っています。

まず第1に、現在は転職される社会人の方は多いのでしょうか?就活生の中には、まだ「新卒で務めた会社で40年間勤め上げる」、いわゆる"終身雇用"のイメージが強い方もいると思いますが、、

寺谷:業界にもよると思いますが、以前よりもずっと転職のハードルは下がったと思いますよ。より良いキャリアを得るために転職するのはいまや普通のことになりました。

僕の周りでも、 「一定のスキルを身に着けたから、もっとそのスキルを活用できる職をしたい」 「もっと休日に休みを安定してもらえる仕事に就きたい」 などの思いから転職した人がいました。

それぞれの人が臨む仕事環境を、自由に選べる・変えられるようになってきていると感じます。

少なくともみなさんがイメージするガチガチの終身雇用の時代は終わりを迎えつつあるのかなと思います。

ーそのような考えのもと、寺谷さん自身が大企業から転職を決意されたのはなぜだったのでしょうか?

寺谷:僕も転職を決めた理由は、一言でいうと「キャリアアップのため」です。

前職のITコンサルティング会社に勤めているときも、先輩に頼んで、データ解析の案件をもらい、土日を使って、サブの仕事としてデータ解析をしたりしていました。

でも、やはり企業としては、基盤システムの製作・管理がメインのモデルだったので、データ解析の案件はほとんどなかった。

だから、もっと本格的にデータ解析の仕事に携わりたい。そしてその中で、データ・サイエンティストとしての素養を身に着けたいと思い、転職を希望しました。

―たしかに、今世間では、AIやloTが非常に話題となっていますもんね。 現在、転職先の企業では、どのような業務を行っているのでしょうか?

寺谷:ゴリゴリにデータ解析をしています(笑)

自分が転職してやりたいと考えていたデータ解析と、毎日苦労しながらも、楽しく戦っています。職場環境が変わり、大変なこともありますが、総じて転職してよかったなと心から思います。

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どちらも経験したから語れる、大手/ベンチャーのメリット・デメリット

―就活生の多くの人が、一度は、大企業に行くか、それともベンチャーに行くべきか、悩んだことがあると思います。

大手・ベンチャーどちらも経験された寺谷さんは、ファーストキャリアとして、どちらを選ぶのがいいと思いますか?

寺谷:大前提として、それは企業によっても違うし、就活生それぞれによっても違います。

その上で私は、まずは3年くらい大企業に行って、そのあとベンチャーに行きたいなら行くのがいいと思います。

なぜなら、やっぱり大手企業は、ベンチャーよりも「人を育てる」ための環境が整っているから。

例えば、企画書を書いたとして、大手だと先輩が逐一フィードバックしてくれるけど、ベンチャーだとみんな忙しいから、「とりあえずやってみなよ」みたいな感じで流されて、自分の企画書がいいかわからないか判断することが出来ない。

自分でどんどん進むことができる、超優秀な人ならそのような環境でもいいと思いますが、大半の人はそうじゃない。

そういう人がいきなりベンチャーに行くと、自分はなにができてなにができていないのかが理解できなくて、すごく中途半端になって、ただベンチャーに居座ってるだけみたいになってしまう。

だから、まずは1回大企業に行って、自走するために必要な基礎力を身につける必要があると思います。

あと、大手企業がどう回っているのかを、一回実際に入社して、肌感で感じるという経験も大切だと思います。

ベンチャーも大手と戦ったり、大手を相手先にすることがあるだろうし、ゆくゆくはベンチャーも大手企業になっていく。

そんな中で大手企業がどう回っているのか-社内での承認はどうなっているのか、決済はどうなっているのか-といったことを把握できていると強いかなと思います。

―たしかに、大手ではノウハウも蓄積されているし、マニュアルも整っているので、右も左もわからない新卒就活生にとっては、成長しやすいのかもしれませんね。

いまは、大手の良い点を挙げてもらいましたが、逆に転職されてベンチャーに入って、ここは大手より良かったなという点はありましたか?

寺谷:やっぱり、大手企業と比較して「圧倒的に裁量権が大きい」という点です。

―裁量権が大きいというのは、具体的にどういうことですか?

寺谷:プロジェクト・事業全体に携われることですね。歯車の1パーツとしてではなくて、プロジェクトの代表者として、計画から実行、そして経営の部分まで、すべて関わることができる。これはとてもおもしろいし、やりがいもありますね。

実際、いまも自分がリーダーとなって、要件定義書を先方に提案したり、メンバーのマネジメントをしたり、そもそもどうプロダクトを売って行くかみたいなところまで進められれていて、とてもおもしろいです。

これ余談なんですけど、人って、裁量権があると疲れないらしいんです。(笑)

転職後の職場では、ゴリゴリのベンチャーということ、また単純にデータ解析の仕事が楽しいということがあって、毎日24,25時までとかまで普通に働いているんですけど、全然疲れないんです。

そのくらい、仕事が楽しいし、没頭できる。それがベンチャー企業のメリットかなと思います。

あと、「一つの仕事にすごく熱量をかけてやりきるという経験を積める」のも、ベンチャー企業の良い点かなと思います。

スキルなどの面では、大手が良いよねという話をしたんですが、熱量や、パッションなど、そういう定性的な部分でいうと、転職先では大きな裁量権に比例して、一つのプロジェクトにものすごい熱量をかけてやっています。それは単純に労働時間でもそうです。

ものすごく定性的なんですが、なにか一つの物事にものすごい熱量をかけて突き詰めてやった人は、深さとか、力強さっていうものを兼ね備えているなと思うんです。

あくまで個人的な意見ですが、そういう経験がある人は、30,40代になったときに、そういった経験がない人に比べて、なにか内から溢れ出る"強さ"を持っている。

そういう姿勢に自分自身がなれるというのは、ベンチャーという環境のおかげなのかなと思います。

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大手・ベンチャー関係なく、IT業界を志望する就活生へ

―初回、前回、そして今回と貴重なお話をしていただき、本当にありがとうございました。最後に、IT業界に入ろうと考えている就活生に向けて、一言アドバイスをいただければと思います。

寺谷:「勉強し続けろ」。これに尽きます。

ITっていうのは、技術の進捗のスピードがとてつもなく早いので、常に、自分で情報収集し理論の勉強や、コーディングのスキルなどをキャッチアップしていかなければならないです。

でも、これは、本当に心からそれを学ぶことが好きで、実装して動かすのが好きな人じゃないと続かない。

だから、もしそういった学ぶ意欲がないのであれば、例えエンジニアになったり、IT業界に入ったとしても、中途半端な人生で終わるから、そういう人は、そもそもならないほうがいいと思います。

大手企業・ベンチャー企業、どっちも経験して感じたのですが、ITに関して自分で学んだスキルや情報は、企業や場所を選ばずどこでも必ず生きてくる。

それは、コーディングする側じゃなくて、マネジメント側に回ったとしても一緒。

だから、ITが好きで、自分から学ぶ意欲のある人に、ぜひIT業界に入ってきてもらいたいです。

―時代に流されず、しっかりと自分の心と向き合い、本当にITが好きかどうか見極めることが重要なのですね。

貴重なお話、そしてためになるアドバイス、本当にありがとうございました!

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ITベンチャーへの理解を深めるために

本記事では、大手とベンチャーを体験された寺谷さんに、大手とベンチャーの違いや新卒でのITベンチャー就職についてのお話を伺いました。

しかし 「それでも、自分は新卒でITベンチャーに行きたい」 「新卒で行かないにしても、自分はITが好きだから中途でITベンチャーに行きたい」

そんな思いを持っている就活生も多いと思います。

en-courageでは、そんな就活生に向けITベンチャーの業界研究資料を作成しました。

業界の知識を深めるために是非ご活用して下さい。

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