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情報通信スキルで、環境課題に立ち向かう。J-POWERが挑む、地球規模のミッション。

自分のスキルが、地球規模のエネルギー変革を支える力になる。 技術者としての粘り強い探究心が、企業の成長を推進させる。

■ インタビュー者プロフィール

平岩さん

2011年入社。四国情報通信所(情報通信設備の保守)に配属したのち、国際標準規格(IEC61850)準拠の通信アダプタ開発プロジェクトに従事。現在は本店で全国の情報通信設備の技術管理業務や研究開発等を担当し、次世代電力システムへの移行に向けて通信システムの検討を進めている。デジタルイノベーション部デジタルネットワーク推進室兼人事労務部人事室・人財開発室所属。

渡辺さん

2020年入社。四国情報通信所(情報通信設備の保守)に配属したのち、本店でサイバーセキュリティに関する管理・運用・教育等の業務に従事。現在は、AI・データの利活用推進プロジェクトを担当し、データ分析ツールの導入支援等を通じて社内DXと業務効率化を進めている。デジタルイノベーション部DX推進室兼イノベーション推進部企画室所属。



まさか自分が、電力会社に行くなんて。 情報系専攻の自分が、J-POWERを選んだ理由。

平岩:電力会社に就職すること。正直、最初は選択肢にありませんでした。「通信ネットワークやプログラミングのスキルを、電力の基盤構築に活かせる。」そう話してくれたのは、大学研究室OBの先輩。教えてもらったことがきっかけで、J-POWERを知りました。就活では、SIerやメーカー、他インフラなど、色々な会社を見ましたが、最終的な決め手は「電力」という事業が及ぼす社会全体への貢献度と影響力の高さ。電気がないと、工場もスマホも動かない。生活になくてはならない存在ですし、産業の大きな基盤を担う存在です。電力という「見えないインフラ」の奥深さが社会を根底から支えている面白さに惹かれ、J-POWERを選びました。


渡辺:J-POWERは日本全国に発電所を持っていて、周波数の異なる東日本と西日本の電気を融通し合える技術も持つ、「日本の舞台裏」みたいな存在ですよね。僕も平岩と同じく情報系出身で、就活ではSIerなどIT系を受けていました。J-POWERはインターンシップをきっかけに知りましたが、日本全体への影響範囲や、そこに紐づく業務内容を知っていくうちに、みるみる惹かれていきました。社員も親しみやすく、自然に受け入れられていると感じられ、ここで働くイメージが湧いたのが1番の理由です。

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平岩:社会の役に立ちたい人には、かなりフィットする場所だと思います。今、世界は「2050年カーボンニュートラル」という大きな目標に向かっていますよね。まさにエネルギー領域は、激動の時代。電力というエネルギーを通じて世界規模の課題解決に貢献できる今こそ、面白いフェーズです。



電力インフラの「OS刷新」に挑む、 国際標準規格準拠装置の開発プロジェクト。

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渡辺:「2050年CO₂排出実質ゼロ」という大きな目標の実現には、太陽光や風力といった「再生可能エネルギー」を今の電力網に大量に組み込む必要があります。ただこれらは、天候が発電量に大きく影響を及ぼします。火力発電など、従来の電力網が持っていた需要と供給の変動を吸収する慣性力や、発電量を迅速に調整する力がありません。調整力がないと、電源が突然脱落した時に需給バランスが大きく崩れ、大規模停電につながる可能性もあります。これを防ぐには、蓄電池や揚水発電などを「ミリ単位」の精度で連携・制御する高度なシステムが不可欠です。※揚水発電 =水を低地からくみあげ、その水を落下させることで電気を生み出す発電方法


平岩:挑んでいるのは、電力システムの「OS入れ替え」につながるプロジェクトです。最大の挑戦は、従来からの独自のプロトコル(通信ルール)を国際標準規格「IEC 61850」にどう統一させるかということ。これまで電力各社は、それぞれ独自のプロトコルを使用しており、汎用機器の導入が困難だったのです。そこで、プロトコルの相互変換を行う「通信アダプタ」を開発することで、国際標準規格導入の目処を立てました。世界共通規格に統一することで、汎用機器の活用や保守性の向上を図りながら、コストダウンと設備の近代化を推進。再エネ時代に求められる高信頼で柔軟な通信ネットワークの構築に向けて貢献することができました。

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平岩:このプロジェクトの真の難しさは、技術開発の前提となる「ルール」の存在。「電気事業法」という法律のもと、高信頼な通信ネットワークが求められるため、実績のある従来方式を長く使用してきた歴史があり、それをどのような形に置き換えられるのか。一方で、既存のシステムは通信方式も古く、専用機器が高額になることもしばしば。「海外で使われている国際標準やIP方式などを使えば、信頼性を維持しつつ、柔軟に、より安く通信ネットワークを構築できるはずだ」と信じ、既存ルールとの適合性を検証しながら、新たな開発を進めていったことが、大きな挑戦でした。長い構想と開発を経て、ついに実際の機器として形になり、納入されようとしている今この瞬間に、大きな達成感を感じています。自分たちが作り上げてきたものが、実際の電力インフラとして動き始める実感が湧いたからです。



就活で、電力知識がなくても大丈夫。 「粘り強く考え抜ける技術者」が、活躍できる場所。

渡辺:「電力会社だと、電力の具体的な知識がないといけないのか」とも聞かれますが、情報通信部門ならその心配は要りません。専門知識があるに越したことはないですが、むしろ必要なのは論理的思考力です。私の仕事は、社内DX推進業務。例えば、発電所を運営する担当者から「報告書作成業務を改善してほしい」という相談を受けた時のこと。ヒアリングを繰り返しながら、データ分析ツールを駆使して、データの取得・加工するワークフローを作成しました。このワークフロー導入により、報告書にかかる時間の削減に繋がりました。完成後、ワークフローが業務適用され、「負担が減ってよかった。更に作りこんで分析・可視化も実装していきたい」という感想をもらったのが、とても印象に残っています。電力の知識は入社後で大丈夫。まずは「目の前の課題をどう乗り越えるか」という論理的思考が一番の武器になります。

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渡辺:また、電力は止められない巨大なインフラだからこそ、「全部壊して新しく作り直す」ことができない。動き続けている既存のシステムを深く理解し、その上で最適な形にアップデートすることが重要。ただ新しいものを作るのとは違う難易度の高さ、チャレンジングな役割が求められているのです。「今ある資産をどう使いこなすか」に面白みを感じ、粘り強く考え抜ける技術者が活躍できる場所だと思います。


平岩:情報通信部門ではまず、電力会社における通信設備とはどのようなものか、またそれらがどんな電力設備を動かしているのか、実設備の運用・保守を通して現場のリアルを理解する必要があります。最初の配属地である愛媛県西条市での設備保守業務と、新潟県魚沼市にある出向先のグループ会社での実務経験がまさにそれです。机上では分からない現場実務を知ることができたのは、今につながる大きな財産になっています。そういったリアルを知るための全国転勤はあるものの、社員のライフイベントも大切にしてくれる会社です。結婚・育児などで異動が難しくなった時、勤務地を配慮してもらえたのは大変ありがたかったです。



エネルギー転換の、主人公へ。 電力という基盤から、脱炭素社会への挑戦を。

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平岩:J-POWERは今、創業以来大きな転換点にいます。J-POWERが保有する電源構成として火力と再エネ両方がある中で、掲げたのは、「J-POWER BLUE MISSION2050」。火力発電の主な燃料である石炭の燃焼時に排出されるCO₂を削減し、カーボンニュートラルを実現していかなければならない。CO₂フリー電源である、原子力の活用や、水力・風力などの再エネ電源を拡大させると共に、既存の火力発電のCO₂排出を抑えるための燃料転換を進める。世界中がエネルギーの最適解を探している今、この国のインフラを支える私たちには、新しいことに挑む義務とチャンスがあります。そのど真ん中で仕事ができること、新しい挑戦を前向きに進められる風土があることは、J-POWERならではの魅力。事業フィールドが日本全国なので、一つの取り組みを進めれば、その影響は全国に波及します。そんなスケールの大きさも、挑みがいのある仕事です。


渡辺:どんなことにも興味を持って、「やってみたい」という前向きな思いがあれば、受け入れてくれる風土があります。「AIやデータ分析をやってみたい」「セキュリティを極めたい」。そんな意欲があれば、若手でもどんどんチャンスをくれる。僕も、データ分析のスキル、統計や機械学習の知識など、新しい技術を取り込みながら、仕事をしていきたいと思っています。


平岩:情報通信部門では情報系の知識を活かすことができますし、仮にそうした専門を学んでいなくても、幅広いバックグラウンドの方を受け入れられる職種だと思っています。必要なのは事前の知識というより、「次世代の電力システムを作りたい」という思いや、この激動の時代を面白いと思えるマインド。全国に発電設備があるJ-POWERが、第一線でその取り組みを推進すれば、日本のカーボンニュートラルに貢献できる意義がある。歴史に残る仕事を、一緒につくっていきましょう。

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