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【例文付き】「短い自己PR」の正解を元人事が伝授!文字数別の構成と短くするポイント

自己PRを短くまとめられず、内容が薄くなってしまうと悩んでいませんか?元日系大手企業の人事担当者が、企業が短い自己PRを求める理由から、100文字・200文字それぞれの構成、具体性を残したまま文字数を削るポイントまで解説。実際に300〜400文字の自己PRを短縮した実例も多数掲載しています。

「短くまとめようとすると強みが弱まってしまう」
「どこを削ればいいかわからない」
これは多くの就活生が抱える共通の悩みです。企業が短い自己PRを求める背景には、社会人に必要な「要約力」や「指示を守る誠実さ」を見極めたいという明確な意図があります。

今回は、元日系大手人事で、en-courageの就活サポーターとして延べ3,000名以上の学生を支援してきた成田さんやen-courage利用者へのインタビューを基に、短くても魅力が伝わる自己PRの作り方を徹底解説します。100文字・200文字別の構成から、具体性を残したまま文字数を削るポイント、実際に自己PRを短くした例文までお伝えします。

短い自己PRが求められる理由

「短い自己PRが求められる理由」をテーマにしたスライド画像です。主な理由として、左から「端的に伝える力を見るため」、「採用担当者がESを効率よく確認するため」、「指示をしっかりと守るか見るため」の3点が挙げられています。画面下部には成田さんのコメントがあり、「限られた文字数や時間で強みをどう表現するかを通じ、社会人に必要な能力や適性を見極めようとしている。」と解説されています。

元日系大手人事で、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ成田さんによると、企業が選考において短い自己PRを求める背景には、明確な意図があるといいます。限られた文字数や時間で強みをどう表現するかを通じ、社会人に必要な能力や適性を見極めようとしているのです。ここでは、成田さんが人事時代、特に注目していた3つのポイントを解説します。

結論を端的に伝える力を見るため

社会に出ると、上司への報告や顧客への提案など、限られた時間で要点を明確に伝える場面が多々あります。話が冗長になると本質が伝わりにくく、業務効率の低下を招きかねません。そのため、情報を整理し、簡潔に結論を伝える能力はビジネスの必須スキルです。短い自己PRを課すことで、企業はこの要約力やプレゼンテーション能力の基礎が備わっているかを確認しています。

採用担当者がESを効率よく確認するため

人気企業や大企業では、採用担当者が数千、数万通ものエントリーシート(ES)を確認しなければなりません。すべての文章を隅々まで熟読する時間は限られています。短い自己PRを求める背景には、採用担当者が効率よく学生の特徴や強みを把握したいという事情もあります。一目で内容が入ってくる簡潔な文章は、読み手の負担を減らし、好印象を与えることにもつながります。

指示をしっかりと守るかを見るため

200文字以内で、簡潔にといった指定がある場合、そのルールを守れるかも評価対象です。文字数制限を大幅に超過したり、逆に少なすぎたりする場合、指示を正確に理解し遵守する意識が低いと判断される可能性があります。与えられた制約の中で最大限のパフォーマンスを発揮しようとする姿勢は、仕事に取り組む誠実さとして評価されます。

短い自己PRを求められたときの文字数・回答時間の目安

短い自己PRといっても、具体的な文字数や時間は企業や状況によって異なります。新卒採用に5年以上従事した成田さんの経験に基づき、エントリーシート(ES)と面接、それぞれの場面における一般的な目安を解説します。

エントリーシート(ES)の場合

「短い自己PRを求められたときの文字数の目安」について、状況別に解説している画像です。左側の枠には「指定がある場合」として「上限の8割以上を埋めるのが基本マナー」、右側の枠には「指定がない場合」として「200文字程度を目安に作成」という指針が記されています。

指定がある場合:指定文字数の8割〜10割

文字数の指定がある場合は、上限の8割以上を埋めるのが基本マナーです。例えば200文字以内であれば、160文字〜200文字程度を目指しましょう。極端に文字数が少ないと、入社意欲が低い、あるいはアピールする内容が薄いと受け取られるリスクがあります。

指定がなく「簡潔に」とだけ記載されている場合:200文字程度

文字数の指定がなく「簡潔に」とだけ記載されている場合は、200文字程度を目安に作成します。これくらいの分量があれば、強みとその根拠となるエピソードを過不足なく伝えられ、読み手にとっても負担にならない長さです。

面接の場合

面接などで「短い自己PRを求められたときの回答時間の目安」を提示しているスライドです。左側の枠内には「簡潔に」と言われた場合として「1分程度(200文字程度)」、右側の枠内には「一言で」と言われた場合として「20秒程度(100文字程度)」という基準が大きく表示されています。

「簡潔に」と言われたら:1分程度(200文字程度)

面接官から自己PRを簡潔にお願いしますと言われた場合は、1分程度を目安に回答します。緊張による早口や間を考慮すると、200〜250文字程度の内容をゆっくり話すのが理想的です。強みとエピソードをバランスよく伝えます。

「一言で」と言われたら:20秒程度(100文字程度)

一言で教えてくださいと求められた場合は、20秒〜30秒程度で答えます。文字数なら100文字程度です。詳細なエピソードを語る時間はないため、私の強みは〇〇です。××の経験で培いましたのように、結論と最重要要素だけをインパクト重視で伝えます。

短い自己PRの作り方

en-courage利用者からは「削りすぎて強みが弱まってしまう」という悩みをよく耳にします。ただし、ポイントを押さえて、正しい構成で書けば、短くても魅力が十分に伝わる自己PRになります。ここでは、成田さんが推奨する短い自己PRの作り方をお伝えします。

構成

「短い自己PRの構成」を文字数別に構造化した図解スライドです。左側の「200文字の場合」は「結論(20文字)」「行動(80文字)」「実績(60文字)」「仕事への活用(40文字)」の4段構成で示され、右側の「100文字の場合」は「結論(20文字)」「実績(50文字)」「仕事への活用(30文字)」の3段構成で示されています。

200文字の場合

200文字の場合、構成要素の配分目安は以下の通りです。

  • 結論(強み)
    • 約20文字(全体の1割)
    • 私の強みは〇〇です。と端的に述べます。
  • 行動(強みを活かしてどう取り組んだか)
    • 約80文字(全体の4割)
    • 課題や目標に対し、どう動いたかを具体的に示します。
  • 実績(成果)
    • 約60文字(全体の3割)
    • 結果どうなったか、数値を用いて説明します。
  • 仕事への活用
    • 約40文字(全体の2割)
    • 入社後どう活かすかで締めます。

この配分であれば、具体的なエピソードを盛り込みつつ、論理的な文章になります。

100文字の場合

100文字の場合は、エピソードの背景や詳細を大幅にカットし、骨子のみを残します。

  • 結論(強み)
    • 約20文字
    • 冒頭でズバリ言い切ります。
  • 実績(成果)
    • 約50文字
    • プロセスよりも何をしたか、どうなったかの事実に絞ります。
  • 仕事への活用
    • 約30文字
    • 意気込みを一言で伝えます。

「〜という強みがあります。〇〇の経験で××を達成しました。貴社でもこの力を活かします。」といったシンプルな構成を目指しましょう。

短くするポイント

自己PRの文章を「短くするポイント」として4つの手法を挙げている画像です。上から順に、1番目は「伝える強みは1つに絞る」、2番目は「エピソードを短く伝える」、3番目は「修飾語を削除する」、4番目は「文末は『だ・である調』と『体言止め』を使う」と説明されています。

作成した自己PRが文字数を超えてしまう場合や、よりシャープにしたい場合に役立つ短くするポイントを紹介します。

伝える強みは1つに絞る

短い自己PRで複数の強みをアピールしようとすると、一つひとつの印象が薄くなり、要点が伝わらなくなります。私の強みは〇〇ですと一点突破でアピールし、その一点を深く印象付けることに注力しましょう。

エピソードを短く伝える

エピソード部分では、状況説明や背景描写を極力省きます。アルバイト先の飲食店は駅前にあり、いつも忙しいのですが〜といった前提は繁忙期の飲食店アルバイトでのように要約します。読み手が状況をイメージできる最低限の情報に留め、自分のアクションに文字数を割くことが重要です。

修飾語を削除する

とても、非常に、様々な、一生懸命といった副詞や形容詞は、削除しても意味が通じることが多いです。これらを削ることで文字数を節約し、事実ベースの筋肉質な文章に仕上げられます。

文末は「だ・である調」と「体言止め」を使う

〜です・〜ます調(敬体)よりも、〜だ・〜である調(常体)の方が文字数を少なくできます。また、適度に〜による成果。〜の達成。のように体言止めを使うことで、リズム良く、かつ短い文字数で表現可能です。ただし、ES全体でのトーン&マナーの統一には注意しましょう。

作成時の注意点

自己PRの「作成時の注意点」を4つの項目で整理したスライドです。1番目に「第三者にチェックしてもらう」、2番目に「5W1Hを削りすぎない」、3番目に「専門用語を使わない」、そして4番目に「定量的な表現はある程度盛り込む」というポイントがそれぞれ枠で囲まれて配置されています。

短くまとめることに集中しすぎて、自己PRとしての質を落とさないための注意点です。

第三者にチェックしてもらう

自分では省略しても通じると思っていても、予備知識のない第三者が読むと意味が分からないことがあります。特に就活エージェントのようなプロに相談することをお勧めします。多くの学生を見てきた視点から、短くても伝わる表現になっているか、客観的なアドバイスをもらえるはずです。

5W1Hを削りすぎない

短くするあまり、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにの要素を削りすぎると、論理が飛躍してしまいます。付随する情報の中でも、なぜその行動をとったのか(動機)やどのように解決したのか(行動)が抜けると、思考プロセスが伝わらなくなるため注意が必要です。

専門用語を使わない

特定のサークルやゼミ、アルバイト先でしか通じない専門用語や略語は避けましょう。短い文章の中で補足説明をする余裕はありません。誰が読んでも一発で理解できる一般的な言葉に言い換える工夫が必要です。

定量的な表現はある程度盛り込む

頑張りました、多くの人が来ましたといった抽象的な表現よりも、売上を1.2倍にしました、50名の集客を達成しましたのように数字を用いることで、短い文章でも具体性と説得力が格段に増します。定量的な成果は削らずに残すようにしましょう。

短い自己PRの例文

成田さんが監修した例文を紹介します。実際に300〜400文字の自己PRをベースに、200文字、100文字へと短く修正したものです。どの要素を残し、どこを削ったのかを参考にしてください。

継続力をアピールする例文

「短い自己PRの例文」の「継続力をアピールする例文」を紹介するスライド画像です。右下の成田さんというアドバイザーの吹き出しには、「強みと根拠となるエピソードを端的に伝えましょう。『目標達成まで努力を続ける』等、重要な部分は残しましょう。」という注意点が記載されています。

元の300〜400文字

<例文>
私の強みは、困難な状況でも諦めずに努力を続ける継続力だ。この強みは、大学の体育会ラクロス部での活動で発揮された。入部当初、私は同期の中で最もフィジカルが弱く、試合ですぐに当たり負けしてしまうのが課題だった。悔しさをバネに、私は「チームで一番のフィジカルを手に入れる」という目標を立てた。全体練習とは別に、週4回のジム通いと、体重を増やすための食事管理を3年間一日も欠かさず継続した。また、練習映像を見返して体の使い方を研究し、ノートに記録して改善を繰り返した。その結果、体重は入部時から10kg増え、当たり負けしない強靭な体を手に入れた。4年次にはスタメンとしてリーグ戦全試合に出場し、チームの勝利に貢献することができた。この経験から得た継続力を活かし、貴社においても高い目標に向かって粘り強く取り組み、成果を出していきたい。(363文字)

修正後の200文字と削った部分

<例文>
私の強みは、目標達成まで努力を続ける継続力だ。ラクロス部ではフィジカルの弱さを克服するため、「チーム一の体づくり」を目標に掲げた。全体練習に加え、週4回のジム通いと食事管理を3年間徹底し、体の使い方の研究も重ねた。その結果、体重を10kg増量し、4年次にはスタメンとしてリーグ戦全試合に出場できた。この継続力を活かし、貴社でも困難な課題に対して粘り強く取り組み、成果に貢献したい。(190文字)

<削った部分>

  • 動機の詳細:悔しさや同期との比較などの感情描写をカット。
  • 具体的な行動の補足:ノートへの記録などの細かい工夫を省略。
  • 成果の修飾語:「当たり負けしない強靭な体」「チームの勝利に貢献」などの表現を簡潔化。

修正後の100文字と削った部分

<例文>
強みは継続力だ。ラクロス部ではフィジカル強化のため、3年間の筋トレと食事管理を徹底した。結果、体重を10kg増やしスタメンを勝ち取った。貴社でもこの粘り強さを活かし、目標達成に向けて泥臭く努力したい。(100文字)

<削った部分>

  • 背景説明:入部当初の課題や具体的な目標設定のプロセスをカット。
  • 行動の詳細:「週4回」「全体練習に加え」などの情報を「徹底した」に集約。
  • 結びの言葉:入社後の抱負を最小限に短縮。

協調性をアピールする例文

「短い自己PRの例文」の中で「協調性をアピールする例文」について説明している画像です。下部のメッセージボックスには成田さんからのアドバイスとして、「プロセスやアピールポイントなどは、一番伝えたいところだけ残して、思い切り良く情報を削りましょう。」と書かれています。

元の300〜400文字

<例文>
私の強みは、周囲を巻き込みながら課題を解決へ導く協調性です。学生時代から多様な人と関わる経験を重ね、相手の立場に配慮しながら動く姿勢が身につきました。カフェのアルバイトでは、新人定着率の低さが課題で、マニュアル不足による業務の分かりにくさとスタッフ間のコミュニケーション不足が原因だと考えました。そこで店長に改善を提案し、写真付きで理解しやすいマニュアルを作成するとともに、休憩時間には新人へ積極的に声をかけ、質問しやすい雰囲気づくりを主導しました。また、他のスタッフにも協力を依頼し、店舗全体で新人を支える体制を整えました。その結果、半年間で新人離職率はゼロとなり、売上目標も継続的に達成できました。貴社でも周囲を巻き込みながらチーム力を最大化し、プロジェクト成功に貢献したいと考えています。(347文字)

修正後の200文字と削った部分

<例文>
強みは周囲と協力して課題を解決する協調性だ。カフェのアルバイトで新人定着率の向上に取り組んだ。マニュアル不足と対話不足が原因と考え、写真付きマニュアルの作成と、スタッフ間の交流促進を主導した。周囲にも協力を仰ぎサポート体制を整えた結果、半年間の離職率はゼロになり、店舗売上も目標を達成した。貴社でも周囲を巻き込み、チームの力を最大化して貢献したい。(174文字)

<削った部分>

  • 状況説明:「店長に改善を提案し」などのプロセスを一部省略。
  • 行動の詳細:「休憩時間には新人へ積極的に声をかけ」などの具体的なアクションを「スタッフ間の交流促進を主導」と要約。
  • 接続詞:文章をつなぐ接続詞を減らし、体言止めなどを活用。

修正後の100文字と削った部分

<例文>
強みは協調性だ。カフェのアルバイトで新人定着率向上に向け、マニュアル作成や対話促進を主導。スタッフを巻き込んで環境を改善した。結果、半年間の離職率ゼロを達成した。入社後もチームワークを大切に働きたい。(100文字)

<削った部分>

  • 課題分析:原因の考察部分をカット。
  • 成果の副次的要素:「売上目標達成」を削り、メインの成果である「離職率ゼロ」に絞る。
  • 文章構成:事実と結果を端的に並べる構成に変更。

行動力をアピールする例文

「短い自己PRの例文」として「行動力をアピールする例文」を取り上げているスライドです。右下の成田さんのコメントとして、「シンプルな文章をつくる上で、修飾語を削る技術は重要です。何がどこを修飾しているかを考えると良いでしょう。」という、文章構成に関するテクニックが記されています。

元の300〜400文字

<例文>
私の強みは、目標達成のために自ら考え動く行動力だ。所属するテニスサークルでは、新入生勧誘がうまくいかず、入会者が減少傾向にあった。例年通りのビラ配りだけでは不十分だと感じた私は、SNSを活用した広報活動を新たに企画した。サークルの活動風景やメンバー紹介動画を撮影・編集し、魅力がより伝わるよう構成にも工夫を凝らしたうえで、毎日投稿を続けた。さらに、新入生からの質問に答えるオンライン相談会も開催し、参加への不安解消に努めた。幹部の反対もあったが、数値データに基づき施策の効果を説明して説得し、最終的にはチーム全体で一丸となって取り組める体制を整えた。その結果、前年比1.5倍となる50名の新入生を迎えることができ、サークルの活気向上にもつながった。貴社でも、この行動力を活かし、新たな課題に果敢に挑戦し続けたい。(356文字)

修正後の200文字と削った部分

<例文>
強みは目標達成に向けた行動力だ。テニスサークルの新歓で、入会者減少を食い止めるため、従来のビラ配りに加えSNS広報を新たに企画した。活動紹介動画の毎日投稿やオンライン相談会を実施し、新入生の不安解消に努めた。周囲の反対も粘り強い説得で協力に変え、チームで取り組んだ結果、前年比1.5倍の50名の入会を達成した。貴社でも自ら課題を見つけ、主体的に行動することで貢献したい。(185文字)

<削った部分>

  • 背景説明:「減少傾向にあった」「不十分だと感じた」といった動機部分を圧縮。
  • 行動の詳細:「撮影・編集し」などの作業内容を省略。
  • 結び:意気込みをシンプルに。

修正後の100文字と削った部分

<例文>
強みは責任感だ。塾講師として意欲の低い生徒を担当した際、信頼関係を深め、学習習慣が身につくまで粘り強く向き合った。結果、数学の点数が30点向上し志望校にも合格した。入社後も仕事に真摯に取り組みたい。(99文字)

<削った部分>

  • 具体的な数字:「50名」を削り「1.5倍」というインパクト重視の数字のみ残す。
  • プロセスの詳細:説得の過程や毎日の投稿などの努力プロセスを「企画・実行」に集約。
  • 修飾語:「果敢に」「新たに」などを削除。

責任感をアピールする例文

「短い自己PRの例文」シリーズの一つで、「責任感をアピールする例文」についての解説画像です。画面下部の吹き出しでは成田さんが、「状況説明や感情説明もカットできる部分が多いです。具体的な工夫も本筋と関係が薄いものはばっさり削りましょう。」と、文章を短くするための具体的な助言をしています。

元の300〜400文字

<例文>
私の強みは、役割を最後までやり遂げる責任感だ。個別指導塾のアルバイトで、学習意欲が低く成績が伸び悩んでいる中学2年生の生徒を担当した。彼は宿題をしてこないことが多く、授業にも集中できていなかったため、周囲からは改善が難しいとも言われていた。そんな中でも私は彼を見捨てず、志望校合格まで必ず伴走すると決意した。まず、彼の趣味であるサッカーの話題を取り入れながら信頼関係を築き、勉強への抵抗感を少しずつ取り除いた。そのうえで、彼専用の小さな目標を設定し、達成するたびに丁寧に褒めることで成功体験を積ませ、学習意欲の向上につなげた。さらに、授業外でも自作プリントを作成して渡すなど継続的なサポートを続けた結果、半年で数学の点数が30点アップし、無事に志望校へ合格した。この責任感を活かし、貴社の業務にも真摯に向き合い、粘り強く成果創出に貢献したい。(371文字)

修正後の200文字と削った部分

<例文>
強みは最後までやり遂げる責任感だ。塾講師として学習意欲の低い生徒を担当した際、志望校合格まで伴走すると決めた。趣味の話で信頼関係を築き、小さな目標達成を重ねて自信を持たせた。授業外でも自作プリントでサポートを続け、粘り強く指導した結果、半年で数学の点数が30点向上し、志望校合格に導くことができた。貴社でも任された仕事に責任を持ち、成果を出すまでやり抜きたい。(180文字)

<削った部分>

  • 状況説明:「宿題をしてこない」「集中できていない」などの生徒の現状描写をカット。
  • 心理描写:「見捨てず」などの感情的な表現を削除。
  • 具体的な工夫:「サッカーの話題を取り入れながら」などの詳細を要約。

修正後の100文字と削った部分

<例文>
強みは責任感だ。塾講師として意欲の低い生徒を担当した際、信頼関係を深め、授業外でもプリント作成などの支援を継続した。結果、数学の点数が30点向上し志望校にも合格した。入社後も仕事に真摯に取り組みたい。(100文字)

<削った部分>

  • 具体的な取り組み:プリント作成・サッカーの話を交える・小さな目標設定などの細かな指導プロセスを削除し、行動を「粘り強く向き合った」と抽象化。
  • 自身の決意表明の描写:「見捨てずに伴走すると決めた」など感情的・物語的な描写を削除し、文章のテンポを維持。
  • サポートの種類:授業外での具体的な施策(プリント、声掛け、成功体験づくり)を削って、支援の継続性だけを残した。

課題解決力をアピールする例文

「短い自己PRの例文」というタイトルのもと、「課題解決力をアピールする例文」についてのポイントを紹介している画像です。右下には成田さんという人物の顔写真と共に吹き出しがあり、「課題解決力をアピールする場合は、スキルや成果をしっかり伝える必要があります。インパクト重視で要約しましょう。」というアドバイスが記載されています。

元の300〜400文字

<例文>
私の強みは、現状を正確に分析し、根拠に基づいた最善策を実行に移す課題解決力です。長期インターンでWebメディア運営に携わった際、記事の閲覧数が伸び悩んでいることが課題でした。私は過去半年分のアクセスデータを精査し、想定していたターゲット層のニーズと実際の記事内容にズレが生じている点を明確化しました。そこで、検索キーワードに沿った記事構成へのリライトや、タイトル・アイキャッチ画像の改善を提案し、実行に移しました。また、分析手法をチーム全体に共有し、メンバーが主体的にデータを活用できる体制づくりにも取り組みました。その結果、3ヶ月で月間閲覧数を5万から15万へと3倍に伸ばすことに成功しました。今後もこの経験を活かし、貴社でもデータに裏付けられた課題解決で事業成長に貢献したいと考えています。(347文字)

修正後の200文字と削った部分

<例文>
強みは現状分析に基づく課題解決力だ。長期インターン先のWebメディアで閲覧数の低迷を解決するため、アクセスデータを分析。読者ニーズとのズレを特定し、検索意図に沿った記事へのリライトやタイトルの改善を実行した。また、分析手法をチームに共有し組織的な改善も図った。結果、3ヶ月で月間閲覧数を3倍の15万PVに増加させた。貴社でもデータに基づき課題を解決し、貢献したい。(182文字)

<削った部分>

  • 背景の詳細:「過去半年分の」「アイキャッチ画像の改善」などの細かい情報をカット。
  • 数値の具体性:「5万から」を削り「3倍の15万」としてインパクトを維持しつつ短縮。
  • 接続詞:文章の流れをスムーズにしつつ簡潔化。

修正後の100文字と削った部分

<例文>
強みは課題解決力だ。長期インターンでメディアの閲覧数低迷に対し、データ分析に基づく記事改善とチームへのノウハウ共有を行った。結果、月間閲覧数を3倍に増加させた。入社後も分析力を活かし成果に貢献したい。(100文字)

<削った部分>

  • 具体的な施策:「検索キーワード」「リライト」などの手法を「記事改善」と総称。
  • 期間:「3ヶ月で」を削除。
  • 数値の詳細:「15万」を削り「3倍」のみ残すことで成果の大きさを強調。

よくある質問

就活のサポーターとしてよく聞かれる質問や、en-courage利用者へのインタビューで出てきた疑問への回答をご紹介します。

エピソードを詰め込みすぎて「何が言いたいか」ブレる

あれもこれもと情報を詰め込むと、強みが伝わらなくなります。構成を守り、一つのエピソードに絞ることが解決策ですが、自分一人では整理が難しい場合もあります。そのような時は、就活エージェントに相談してみましょう。プロの視点でエピソードの優先順位を整理し、最もアピールすべき核を見つけ出してくれます。

具体性が消えすぎて「抽象的な良いこと」の羅列になる

文字数を削る過程で、具体的な行動や成果まで削ってしまうと、内容が薄くなりがちです。数字や固有名詞を残すことが重要ですが、どの情報を残すべきか迷う場合は、就活エージェントへの相談をお勧めします。第三者に伝わる具体性のレベルを客観的に判断し、適切な添削を受けられます。

指定文字数を大幅に下回る

200文字指定に対し極端に短くなってしまう場合は、エピソードの背景描写や、経験から得た学びを具体化して肉付けする必要があります。文章を膨らませるコツがつかめない場合は、就活エージェントを活用しましょう。対話を通じて自分では気づいていない詳細なエピソードを引き出し、文章化をサポートしてくれます。

面接で気をつけることはあるか

面接では、作成した文章の丸暗記は避け、キーワードを意識して自然に話すことが大切です。しかし、実際の面接での話し方や熱意の伝え方は練習が必要です。就活エージェントでは模擬面接の実施やフィードバックも行っているため、相談することで、短い言葉でも相手に響く話し方を身につけられます。

▼面接での自己PRについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【長さ別の例文付き】面接での志望動機の「評価される話し方」を元人事が解説


監修:成田 駿

元日系大手人事/就活サポーター

日系大手事業会社で最年少部長に就任し、新卒採用に5年以上従事。戦略設計からイベント企画、選考フロー、研修まで新卒採用の入口から出口までを幅広く担当し、延べ3,000名以上の学生と接点を持つ。人事業務以外でも累計2,000名以上の就活生を個別に支援し、大手・外資・メガベンチャーなど多様な企業への内定実績を誇る。

協力:NPO法人en-courage

全国約120の大学に支部を展開し、就活生を対象としたキャリア教育支援を行うNPO法人。独自にイベントやメディアを多数運営し、年間2,500件以上のセミナーを開催。企業と学生の間に年間約80万回の接点を創出するなど、国内最大級の規模で活動している。すべての就活生が本質的なキャリアを通じて人生を最大化できるよう、個別支援やコミュニティづくりを通じたサポートを目指している。