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「関係者全員の幸福の追求」理念に込められた想いとサービス作り レバレジーズとはどんな会社?

創業17年目、売上649億円のメガベンチャーのレバレジーズ。「関係者全員の幸福を追求する」を企業理念に掲げて、現在、40以上のサービスを運営しています。 40以上のサービスには、世の中に不足している仕組み、環境、人に関する課題を解決しているという共通点があります。 今回は、26歳で執行役員に抜擢された藤本直也さんにインタビュー。理念に込められた想いと、ビジネスで社会課題を解決したいと望む今の若手が身につけるべきスキルに迫ります。

「仕事とお金で苦労する人をなくしたい」が創業の原点

ーーレバレジーズは、ITや医療・福祉、M&Aと非常に幅広い領域で、40を超えるサービスを提供していますが、そのすべてに共通する「想い」があるそうですね。

藤本:はい。それは、経営理念である「関係者全員の幸福の追求」です。これはレバレジーズの創業者で代表取締役の岩槻知秀が、大学時代に学費と生活費を稼ぐために日雇い労働やブラック企業での仕事に明け暮れざるをえなかった苦しい経験から生まれたものです。岩槻は、自分のように「仕事とお金」で苦労する人をなくしたいという思いから、2005年にわずか25万円の貯金をもとに起業しました。

「関係者全員の幸福の追求」は、言い換えると「感情貢献をする」ということ。レバレジーズのサービスに関わる人全員が、ポジティブな感情を持てるように努力を惜しまないということです。

藤本:「関わる人」には、大きく分けて「お客さま」と「社員」がいます。「お客さま」であれば、レバレジーズのサービスを使うことで、ニーズが満たされて幸せになってくれる人を増やしていきます。それをいろんな業界で、いろんな国で誠実にやり続けていれば、世の中はどんどんよくなると、僕らはとても素朴に信じています。

実際に、レバレジーズのサービスは「顧客満足度」の高いものが多数あり、ITや医療、福祉など、どれも競争の激しいドメインでシェアを拡大しています。これは「お客さま」の感情にとことん貢献しようと努力した結果だと思います。

「社員」に関しては、そうしたサービスを世に出すために、レバレジーズで働いた方がより楽しかったり、やりがいを感じられたりするような「感情貢献」に会社を挙げて取り組んでいて、今年2022年には「働きがいのある会社」ランキング従業員1000人以上の大企業部門にて、ベストカンパニー第3位を受賞していますし、「若手ランキング」大規模部門では第1位です。

人の不幸の上に成り立っていれば、それはビジネスではない

ーー「感情貢献」を誠実にやり続ける姿勢が、実際にビジネス上の「評価」に表れているわけですね。

藤本:レバレジーズには「ビジネスは人の不幸の上に成り立ってはいけない」という思想があります。サービスづくりの基本は、顧客のニーズを満たすこと。ニーズとは、WANT(願望)ではなく不足状態を指していますから、お客さまや社会にとって「足らない部分」をビジネスで埋めていくことができればそれでいいのです。

そういうシンプルな前提に立てば、ビジネスが人や社会を不幸にすることはあり得ないはずです。ニーズをしっかりと捉え、的確なサービスを提供できていれば必ずお客さんを幸せにできると、僕らは心から信じている。だから、もし世の中に人を不幸にしてしまうサービスがあるとすれば、それはお客さんのニーズを汲みきれていないし、そもそもビジネスとして成立していません。

ーーその思想が具体的なサービスとして表れている例を教えてください。

藤本:例えば、レバレジーズには、20代に特化した就職エージェントサービス「ハタラクティブ」があります。フリーターや自衛官、サッカー選手、公務員などなど、素晴らしいポテンシャルを持ちながらも「次のキャリア」がうまく見つけられずに困っている若い人のために、マンツーマンで就職・転職をサポートします。

夢を一生懸命追いかけていても、いろんな理由から諦めざるをえないことはあります。そうした時に多くの人が「自分はレールから外れた」と思い込んでしまう。でも、そうじゃない。社会の中で求められる場所はあるはずです。

実は「ハタラクティブ」の利用者層は、売上に繋がりにくいので大手エージェントが敬遠するセグメントです。もし取り組んだとしても大量の求人情報を10件、20件送りつけてそれで終わり。でも、「ハタラクティブ」はその人の適性をカウンセリングで丁寧に見極め、選択肢を3つくらいしか提示しません。その人とちゃんと向き合い、人生の相談に乗りながら、「感情貢献」を大切にしているからです。結果的に、「ハタラクティブ」は業界1位を獲得しました。

ーー「感情貢献」が必ず結果に繋がった例ですね。

藤本:他にも、レバレジーズには企業のM&Aを支援するサービスがあります。これは、特に「日本のテクノロジーの可能性を高めたい」という想いで手がけているサービスです。日本には、いい技術者といい技術を抱えた企業が実はたくさん存在します。しかし、そうした企業が必ずしも正当な評価を受けられていないという課題がある。いくら優れた資産を持っていても売上が高くなければ、安く買い叩かれてしまうのです。

私たちは、これを正しく評価し、双方にメリットのあるM&Aを実現することに取り組んでいます。単なるお金の計算ではなく、サービスやテクノロジーの目に見えない資産そのものを評価に組み込み、企業の統合を進めます。

結果、売る側の企業から喜ばれるだけでなく、買う側の企業もアセットを正しく活用して成長していきますし、何より日本のテクノロジーが全体的に前進するきっかけにもなります。売る会社、買う会社、そして社会全体。これも「関係者全員の幸福の追求」をやりきるサービスです。

スキルゲッターよりも「困っている相手」に貢献できる人が本当に市場価値が高い

ーー「関係者全員の幸福の追求」という理念に照らした時、レバレジーズで働くなら20代で身につけて欲しい姿勢やスキルはありますか?

藤本:「優秀」と言われる学生の中には、時々「スキルゲッター」みたいな人がいます。次々に新しいスキルを身につければ、自分の市場価値を上げられると信じているようなタイプ。でも、僕自身、あれでは「成長」はないと思っています。

人が本当に「成長」するのは、自分以外の他人に貢献しきった末に、結果が出て、評価が上がった時です。社会の中で困りごとを抱えている人や、チームの困っているメンバーの問題を解決するために、自分ができることをやりきれば、結果的に人間としてもビジネスパーソンとしても「成長」している。この構造を心と体でちゃんと理解することが、20代においてとても大事です。

ビジネスで解決していく社会課題は、AとBとCのスキルを身につければ解決するというほど単純ではありません。目の前のお客さんのニーズを満たすために必要なスキルをそのつど学んでいくという考え方の方がいい。自分のスキルにフォーカスするよりも「相手がどうして欲しいのか」をよく考え、実行することを地道に積み重ねていける人材こそ、将来的にビジネスパーソンとして活躍できます。逆にそれさえできれば、スキルは自然と更新されていきます。