就職活動の定番・自己紹介で知っておくべき基本ポイント
■自己紹介が重要な理由
自己紹介は、面接における一番初めの質問になる場合が多いです。 このため、面接官は自己紹介から第一印象を判断します。
一度悪い印象がついてしまうと、それを覆すのは難しいです。 反対に、自己紹介で好印象を与えられると、その後の面接でも好意的に受け取ってもらいやすくなるのです。
■なぜ面接官は自己紹介を問うのか?
面接において、自己紹介から問う企業が多い理由はなぜでしょうか。 本人確認をするためでもありますが、氏名や学校名など、誰もが答えやすい質問から始めることで、面接の緊張をほぐしてもらおうという意図もあります。
また、面接官は以下の要素を面接全体で重視しています。
・自分を正しく理解しているか、客観性があるか ・業界、企業、仕事内容をきちんと把握しているか、志望度は高いか ・企業に適正のある、人柄や能力を持っているか ・コミュニケーション能力があるか
これらが揃っているほど、企業にとって採用メリットがある人材だと判断されやすく、内定が出やすくなります。
自己紹介でも、この要素を意識すると、面接官に評価されやすくなるのです。 では具体的に、どうすればこの要素を含んだ自己紹介が作れるのか、紹介していきます。
■良い自己紹介をするためのポイント
①自己分析と企業研究をきちんとおこなう まず、魅力的な自己紹介をするためには自己分析と企業研究が欠かせません。
先に挙げた面接官が重視している要素を網羅するために、どうしても必要だからです。 また、自己PRや志望動機といった他の定番質問に答えるうえでも重要です。
自己分析・企業研究のやり方がわからないという方は、こちらの記事を参照してください。
②とにかく簡潔にまとめる 自己紹介は、会話の引き出しを見せる場と考えてください。 面接官に「こんな話題もあるなら、後でこんな質問をしよう」と思わせられれば勝ちです。
ゆえに、自己紹介では話しすぎないことも重要。 あくまでトピックだけ示して、具体的な内容は面接官が深掘りしてくれるのを待ちましょう。
自己紹介でだらだら話してしまうと、「空気が読めない」「ひとりよがり」という悪印象を与えてしまいます。
③他の質問と混同しない
●「お名前と大学を教えてください」との違い 面接では自己紹介ではなく、「お名前と大学を教えてください」と問われることがあります。 この場合、面接官は本人確認だけしようとしています。
大学名・氏名を伝え、「よろしくお願いいたします」などと挨拶するだけに留めましょう。 求められている情報以外を伝えると、却って印象が悪くなってしまいます。
<「名前と大学名」を求められた場合の例文> ■■大学■■学部4年生の■■です。 本日は何卒、よろしくお願いいたします。
<「自己紹介」を求められた場合の例文> ■■大学■■学部4年生の■■です。 大学では■■について学んでおり、■■部では部長を務めております。■■が強みで、これを活かして■■大会で優勝することができました。
貴社には■■に憧れ、志望しております。 本日は何卒、よろしくお願いいたします。
●自己PRとの違い 面接における自己紹介を自己PRと混同してしまう就活生も多いです。
自己PRでは、自分の長所・能力とそれを発揮したエピソードを、なるべく具体的に伝えます。
自己PRには、5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・どうした・どのように)や数字(■人、■%、■位)を使って、どんな困難をどのように乗り越え、成果を出したのかの子細を示すことが重要です。
いっぽう自己紹介では、氏名や大学名などと共に、強み以外のガクチカや志望動機にも触れます。ただし詳細まで掘り下げず、概略のみ示すのが、自己PRとの大きな違いとなります。
<「自己PR」を求められた場合の例文> 私の強みは▲▲です。
これは●●な状況の時には発揮でき、これまでの経験では●●の際にこの強みを活かして活躍することができました。●●では●●という課題があり、●●が困難でした。
そこで私は●●と考え、●●をすることで解決しようとしました。実際に●●をして働きかけ、その結果●●を達成できました。
貴社でも▲▲を活かして●●として活躍してまいります。
<「自己紹介」を求められた場合の例文> ■■大学■■学部の■■と申します。 大学では■■について学んでおり、■■部では部長を務めております。
■■が強みで、これを活かして■■大会で優勝することができました。
貴社には■■に憧れ、志望しております。 本日は何卒、よろしくお願いいたします。
自己紹介から「たくさんアピールしたい!」という気持ちはわかりますが、面接官が自己紹介で求めているのはあくまで概略のみ。自己PRは「自己PRをしてください」と言われたときに回答するようにしましょう。
自己紹介と自己PRを使い分けてこそ、面接官に好感を持ってもらえます。
就職活動で有利になる!面接における自己紹介のノウハウ
では具体的に、面接官に評価される自己紹介の組み立て方・アピール方法を見ていきましょう。
■自己紹介の基本構成と要素
まず、面接における自己紹介のテンプレートをお伝えします。 こちらの構成内容に沿って自分の情報を入れ込めば、適切な自己紹介を作ることができます。
①基本プロフィール<大学名、学部・学科、氏名> 必ず冒頭に入れましょう。 これだけで評価されるものではありませんが、これが抜けると自己紹介ではありません。
例:「■■大学■■学部4年生の■■です」「■■大学■■部から参りました、■■と申します」
②パーソナルな情報<ガクチカ、志望動機、強みなど> 人柄が伝わる情報を補足します。 内容は、大学で学んでいること、部活動、サークル、アルバイト、ガクチカ、強み、志望動機、趣味・特技、出身地など、どんなことでもOKです。
基本的には、面接で深掘りしてもらいたい内容の簡略版にするのがポイントです。
例:「大学のゼミナールでは、■■を学んでいます。私は■■県出身なので、子どもの頃から身近に■■があったため、興味を持ちました。部活では■■をしており、今年の■■大会では優勝することができました。部活動で培った■■が私の強みです」
③挨拶 面接の時間をとってくれた企業への感謝の言葉を入れると、礼儀正しい印象を与えられるので◎。 また、最後は必ず「よろしくお願いいたします」で締めるようにしましょう。
例:「本日は貴重なお時間をありがとうございます。何卒よろしくお願いいたします」
■面接で好印象を残す自己紹介の話し方
良い自己紹介ができても、面接では話し方が良くなければ魅力を伝えることはできません。 どんなポイントに気をつけて話すと良いか、具体的にご紹介します。
①1分以内で話す 自己紹介のベストな時間は、30秒〜1分ほど。 聞き手が最も関心を持てる長さは1分間と言われています。
特に自己紹介の場合は、簡潔に話すことが求められます。 面接官から時間指定がない場合、この時間を必ず守るようにしましょう。
程よいスピードで話すなら、文字数に換算すると1分間では250〜300字が目安です。
30秒では150〜200字と考えると良いでしょう。
自己紹介を面接前にテキストで用意する場合は、この文字数を参考にしてください。
②丸暗記しようとしない 良い自己紹介をするためには、面接でどんなことを話すか用意しておくべきです。
しかし、就活生がよくやってしまいがちな間違いとして、事前に作ったテキストを丸暗記しようとするということがあります。
なぜなら、暗記した内容を自然に、感情を込めて伝えるのは至難の業だからです。
本番面接でも上手に話すためには、丸暗記するのではなく、キーワードとそれを出す順番だけ押さえるようにすると良いです。 細かな部分は、都度自分の言葉で補うようにしましょう。
これを、面接の前に何度か練習します。 そうすることで、丸暗記せずとも上手に必要な内容を伝えることができます。
③明るく、ハキハキと伝える 自己紹介は第一印象を決めるため、内容のみならず話し方が重要となります。 丸暗記がNGなのも、内容に気を取られ、話し方が疎かになってしまうことを避けるためです。
具体的には、以下のポイントを意識すると面接官に良い印象を与えやすいです。
<話し方・姿勢のポイント> ・椅子には浅めに座り、背筋をピンと伸ばす ・多少の手振りはOKだが、基本的に手は膝の上に乗せる ・面接官の目を見て話す(目を見ると緊張してしまうなら、眉間のあたりでも相手にはバレません) ・口角を軽く上げる(笑顔を感じさせる表情で愛想良く。「軽く」でOK。ニヤニヤするのは逆効果) ・少しだけ声を張り、高めのトーンを意識する(文末に「!」が付いているようなイメージで) ・普段よりゆっくりの速度で話す ・口を大きめに開け、発音をはっきりする ・「よろしくお願いいたします」など、挨拶と共に面接官にきちんと頭を下げる ・冒頭に「はい!」「はじめまして」などを挟んでも良い
本番面接でいきなりこの要素をクリアするのは難しいです。 よって、面接前に予行演習をしておくことをおすすめします。
面接の予行演習では、可能なら、OBOGや家族・友人に受け答えの様子を見てもらい、感想をもらうようにしましょう。
または、自分の受け答えを撮影し、客観的に見てみるのも良いです。 自分にはどんな話し方の癖があるか把握することで、本番面接でも意識すべき点が絞れるからです。
有名企業に就職した先輩達の自己紹介例文集<業界・長さ別10例>
ここまで、自己紹介に入れるべき要素と面接での話し方のポイントをお伝えしました。 では、実際に有名企業に内定した先輩方の回答をもとに、自己紹介の例文をお伝えします。 長さのイメージと、どんな内容かもまとめてあります。
■通信業界の面接(〜30秒程度、ガクチカ→自己PR→志望動機) <21卒、NTTドコモ内定>
■電機メーカーの面接(〜30秒程度、趣味・特技→自己PR→ガクチカ→志望動機) <21卒、ダイキン工業内定>
■不動産業界の面接(30秒〜1分程度、自己PR→志望動機) <21卒、三井不動産リアルティ東北内定>
■人材業界の面接(30秒〜1分程度、ガクチカ→大学で学んだこと→志望動機) <21卒、ゼロイン内定>
■自動車業界の面接(〜30秒程度、大学で学んでいること→自己PR→ガクチカ) <21卒、本田技研工業内定>
■インフラ業界の面接(〜30秒程度、ガクチカ→志望動機) <21卒、西武鉄道内定>
■食品業界の面接(〜30秒程度、大学で学んでいること→ガクチカ・特技) <21卒、サッポロビール内定>
■保険業界の面接(1分程度、ガクチカ→自己PR→志望動機) <21卒、三井住友海上火災保険内定>
■旅行業界の面接(30秒〜1分程度、趣味→自己PR→志望動機) <21卒、クラブツーリズム内定>
■コンサル業界の面接(〜30秒、大学で学んでいること→志望動機) <21卒、日本IBM内定>
就職面接でやりがちなNG例と、上級者向けテクニック
■面接における自己紹介のNG例
先輩たちの上手な自己紹介例とは反対に、面接でやってしまいがちなNGな例もお伝えします。 自分の自己紹介がこうなってしまっていないか、面接前にチェックしてください。
NGポイント①:冗長で、整理できていない
繰り返しになりますが、面接における自己紹介はとにかく簡潔にするのがポイント。 基本プロフィール(大学名・氏名)と挨拶以外の要素は、3つ程度をピックアップすると良いです。 ES・履歴書に書いた全ての内容を入れ込む必要はありませんし、自己PRばかりになってしまわないように注意しましょう。
また、内容の繋がりを意識すると、まとまりがある自己紹介に見えます。 たとえば、部活→部活で培った強み→強みを活かしたいという志望動機という順で入れると良いでしょう。
NGポイント②:ネガティブすぎる
自己紹介は、面接におけるその後の会話を引き出すためのもの。 せっかくの自己紹介で、深掘りできないことばかり話してしまうと、面接官も困ってしまいます。 短所に触れるならどのように克服したかなど、自己PRに繋がる、ポジティブなものにするのがポイントです。
NGポイント③:フランクすぎる
自己紹介は面接官とのアイスブレイクの場でもありますが、馴れ馴れしすぎる態度はNG。 面接官は友達ではありません。目上の方へのマナーを弁えて接しましょう。 また、できるだけ人格や能力など自分の採用メリットを伝えられるような話題を選択しましょう。
■面接官にウケる!上級者向けの自己紹介テクニック
最後に、他の就活生から一歩リードできる自己紹介のテクニックをお伝えします。 コミュニケーション能力が重視される自己紹介では、ちょっとしたユーモアが含まれていると、面接官の評価が大きく上がりやすい傾向があります。 自己紹介に慣れてきたら、以下の内容を取り入れてみると良いでしょう。
●名前ネタ ちょっと読みが難しい漢字や珍しい苗字、有名人と同じ名前など。 読み方や由来に触れることで、印象に残りやすくなります。 実際のビジネスシーンでも、名刺交換の際などによく使われる話題です。
例:苗字の「栗落花」は「つゆり」と読みます。珍しいので、ほぼ初対面では読んでもらえません。梅雨に入る頃に栗の花が落ちることが由来の苗字だと聞いています。
●出身地ネタ 出身地の、気候・特産物・有名人にまつわる話題を挙げるのも良いです。 こちらもビジネスシーンでは定番の話題です。 面接官が同郷だったことで気にかけてもらったという先輩達の声も複数上がりました。
例:私は北海道の幌加内町出身です。積雪量が日本最大級で、2m近くなります。冬場は毎日雪かきをしており、このおかげで体力とガッツには自信を持っています。
●趣味・特技ネタ 趣味・特技も会話を広げやすいです。 趣味にハマったきっかけや特技を取得した理由にも触れると、面接官に人柄を伝えやすく、自己PRにも繋げやすいです。
例:趣味は節約です。スペインに行くために、1年間で50万円の節約を達成して旅行資金にしました。以来、節約が趣味です。
●時事・近況ネタ 流行っているものや、面接会場に来るまでに起こったことなど。 臨機応変な世間話ができる人は、コミュニケーション能力が高い印象を与えられます。
例:本日は貴社に向かう途中でゲリラ豪雨に遭いかけたのですが、晴れ男を発揮してまったく濡れずに到着することができました。
●感情ネタ 「緊張しているのですが」など感情を口に出すと、リラックスできる場合があります。 変に隠そうとするよりも、愛嬌を見せたほうが面接官には好意的に受け取ってもらいやすいです。
例:今とても緊張しているのですが、精一杯お伝えできるようにいたします。
就職面接で評価される自己紹介を完璧に習得しよう
以上、就職活動の自己紹介で話すべき内容・面接でのノウハウ・実際の例文をお伝えしました。 押さえると面接官の評価に繋がるポイントが把握できたと思います。
それでも、自己紹介で話せることがないという方には、エンカレッジでは、たくさんの先輩方のES全文や選考体験記を公開しています。 自分の志望する業界に内定した先輩や、似た経歴を持った先輩が、面接でどんな自己紹介をしていたのか例文から把握できます。
このほかにも人気業界や、有名企業に受かるためのポイントをまとめた記事が満載!! 自己PRや企業研究の方法もチェックするようにしましょう。 会員登録して、気になる例文を参照してください。
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