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超人気企業の人事が語る! 新卒面接で受かる志望動機を伝授

最近就活をはじめたばかりの現役就活生の佐藤。何から手をつけていいかわからず困っている模様。しかも先輩から「特に志望動機が答えられない奴は絶対就活に失敗する」とトドメを刺され瀕死状態です。しかしひょんなことから倍率200倍以上の超人気企業で毎年1000人以上の学生と面談してきた人事にインタビューする機会をゲット。普段は教えてもらえないぶっちゃけトークと志望動機を話す上でのメソッドを具体例付きで語っていただきました。インタビュー終盤には魅力的な志望動機を話せるようになった佐藤の成長と合わせてご一読ください。

はじめに –現役就活生佐藤、「新卒面接で志望動機が話せないと就活に失敗する」と聞き、怯えて人事にインタビューする–

こんにちは、現役就活生の佐藤です。最近就活を始めたのですが、どうしたらうまくいくのか全くわからず困っています。 特に、エントリーシートや面接において必ず聞かれる"志望動機"。「その会社の事業が好きだから」とか、「サービスが好きだから」みたいな志望動機しか思いつかず、どういう風に作ればいいか全く見当がつきません。

しかも恐ろしいことにエンカレッジのメンターさんには  ・ほぼ全ての企業が志望動機を聞く  ・志望動機をきちんと答えられなければ絶対に内定は取れない と言われていて、怯えています。

そこで今日は機会をいただき、倍率200倍以上の超人気企業で毎年1000人以上の学生と面談してきた人事の金田さんに、魅力的な志望動機を作る秘訣を伺ってみました。

企業が新卒採用の面接において志望動機を聞くのは「不幸せな人をなくすため」

佐藤:今日はよろしくお願いします。就活生の佐藤です。最近就活を始めたのですが、内定が取れる気がしなくて心配です。今日はいろいろ教えてください。 早速なんですが、私は志望動機が考えられなくて悩んでいます。どうしたらうまく作れるようになりますか?

金田:今日はよろしくお願いします。なんでも話すので、気楽にお話ししていきましょう。

早速質問いただいた「志望動機の作り方」についてですが、その質問に回答する前に、企業が新卒採用の面接で確認していることから整理していきます。

基本的にはこの3つなんです。  1、会社の事業を成長をさせられる能力がある人がほしい  2、仕事に向き合う姿勢が会社とマッチする人がほしい  3、会社の方向性と本人の志向がマッチする人がほしい つまり「能力」と「姿勢」と「志向」です。

佐藤:能力、姿勢、志向?

金田:はい。企業の採用選考は、その企業とマッチする人を見つけるために行っています。面接という手段で学生に色々な質問を投げかけることで、「この子は会社とマッチするのか?」 を判断しているのです。

ところで佐藤さん、「学生時代に力を入れたこと」といえばエントリーシートでも面接でも必ず聞かれる定番の問いですが、企業はこれで何を知ろうとしてると思いますか?

佐藤:えーっと、その人が学生時代に何をやったか? ですか?

金田:そのままじゃないですか〜! なんでこの質問をしてくるのか? と、意図をとらえてみる癖をつけてください。 この質問をする企業側の意図は、その人の持ち味や強みを聞き、その特長が入社してからも再現されそうか? を確認しているのです。つまり主には「能力」の確認です。

佐藤:なるほど! あの質問は会社に入ってからも僕の強みが発揮されるか? を確認してたのか......

金田:そうです。「人生で一番辛かった経験とどう乗り越えたか?」という質問もよく聞かれますよね。 これは、「仕事に向き合う姿勢」を確認しているのです。

会社勤めは楽しいことばかりではない中で、この子は辛い時にどういう反応を示すのだろうか? そしてそれはどのような思考や行動プロセスで乗り越えるのだろうか? を確認しているのです。

佐藤:とてもよく理解できました。ということは、志望動機は会社の方向性と学生の希望がマッチするか? の「志向」を見ているってことですね!

金田:その通りです! どんなに「能力」と「姿勢」が会社とマッチしていても、 ・本人がその会社に行きたい気持ちがない場合や、  ・本人がやりたいと思っていることや求めている環境が会社で用意できない場合 内定を出して入社してもらっても、会社も本人もどちらも不幸せですからね。 入社後のミスマッチを極小化するために、ひいては不幸せな人をなくすために、志望動機を聞いているのです。

新卒面接の志望動機は意中の相手への告白と一緒! 「具体的な動機」と「個別性」が超大事

佐藤:企業がミスマッチを減らすために志望動機を聞くということはわかったのですが......。 どうしたら志望動機をうまく作れるようになるのでしょうか? 実は、「事業内容が好きだから」とか「創立100年で安定していそうだから」ということ以外なかなか思いつかなくて悩んでるんです。

金田:佐藤さん。仮に今、佐藤さんに好きな人がいたとして。その人に告白しようとしているシーンを思い浮かべてください。 佐藤さんの今の回答は、恋愛に置き換えると、意中の相手に「顔とスタイルが好きだから付き合ってください」とか、「あなたの実家がお金持ちだから付き合ってください」と言っているのと同じですよ。

佐藤:わー!! それは!! 絶対に告白失敗しますね。

金田:もちろん顔や収入も好きになる一要因としてあると思いますけどね。この理由だとさすがに浅くて、相手も「ぜひ付き合ってください!」とはなりにくいですよね。

佐藤:確かに......。この志望動機じゃ面接官に「本当にうちの会社のことが好きなの? 行きたいと思ってるの?」 って思われそう......。

金田:じゃあ佐藤さんだったら、告白を成功させるために何を伝えますか?

佐藤:好きになったきっかけとか、どうしてその人の明るい性格が好きになったのかとかを伝えると思います。

金田:そうそう。「見た目が好きだから」じゃなくて「なんでその子の見た目に惹かれたのか?」、つまり「事業や仕事が好きだから」じゃなくて「なんでその会社の事業や仕事に惹かれたのか?」という具合に、もう一段掘り下げたきっかけ、背景、理由を伝えることが大事なんです。

佐藤:そしたら、今行きたい企業があるんですけどそこの志望動機を伝えるとしたら、こんな感じですか?

事業に惹かれたため志望した。特に、中小企業への支援に特化している点が まさに自分がやりたいことと一致しているので行きたいと考えている。
 なぜならば、父が小さい企業を経営しており、事業を伸ばすことにかなり苦 心していた。周りにも苦しんでる会社はたくさんあると思う。
 自分は将来個人の力でも中小企業の支援をできるようになりたいと思ってい て、まずは御社に入っていろいろな課題解決のスキルを伸ばしたいと思った。

理想の志望動機

金田:先ほどより良くなりました! なんでその事業に惹かれたのか? がきちんと盛り込まれていますね。ただちょっと惜しいです。 例えるなら「一緒にご飯に行ったときに話した映画や音楽の趣味が合って楽しかったから好きになりました! 付き合ってください!」って感じです。

佐藤:あ......、わかった。これだと「私じゃなくても、別の人でもいいじゃん!」って思われそうだなぁ......。

金田:おっしゃる通りです。佐藤さんが考える「あなたじゃなきゃいけない理由」つまり、「他社じゃなくて御社じゃないといけない理由」を盛り込みましょう。 まとめるとこの2つです。 1、御社を好きになったきっかけ・背景・理由(具体的な動機)  2、御社じゃなきゃダメな理由(個別性)

佐藤:とってもよくわかりました!

金田:このインタビューの最後に、もう1度佐藤さんに志望動機を練り直してもらうので、一旦ここまでで、この2点を押さえておいてくださいね。

新卒面接の「志望動機は?」 以外にも対応できるようにしよう! 変化球な質問の攻略ポイント

佐藤:これでもう志望動機は完璧な気がしてきました!

金田:待ってください。世の中そんなに甘くありません。「志望動機は?」というストレートな質問を投げかけてくる企業ばかりではないのです。ここからは、企業が学生の「志向」を確認するために投げかけてくる変化球の質問3つとそれぞれの意図、そして回答におけるポイントを整理していきましょう。

1、就活における軸 質問:「どのような軸で就職活動をしていますか?」    「どのような業界を受けていますか?」

こちらの質問で企業側は「学生がその企業を受けている理由に一貫性があるか」、つまり「適当にうちの会社を受けていないか?」を確認しています。

基本的には、自己分析や企業分析と通してあなたが見つけた軸を素直に回答すれば問題ないですが、面接官に「一貫性がないなぁ、適当に受けているなぁ」と思われないように、併願している企業に共通点があるように回答できれば良いと思います。 例を挙げますね。

良くない例)併願している会社の志望動機に共通点が全くない  システム会社はOBに薦められて受検しており、広告代理店は大学のゼミでマーケティングについて学んでいたため自分の知見を活かしたいと考え受検しており、コンサルティング企業は幅広い課題解決能力を身につけたいと考え受けています。

良い例)併願している会社の志望動機に共通点がある  システム会社、広告代理店、コンサルティング企業と、一見するとバラバラな業界で一貫性がないように見えますが、私は様々な業界を顧客に持つ会社で仕事をすることで、様々な業界知識を得たり、領域にとらわれない課題解決能力を身につけたいと考えているため、これらの会社を併願しています。

2、同業他社との比較 質問:「弊社の他に同業他社はどこを受けていますか?それはなぜですか?」    「同業他社のXX社さんは受けてないのですか?」

こちらの質問では、先ほどの一貫性に加え、志望動機の個別性を確認しています。つまり、なんで同業他社のA社じゃなくてうちの会社がいいの? を聞いているのです。

そこで回答のポイントとしては、その会社ならではの理由を用意しておきましょう。

良くない例)その会社じゃなくても実現可能なことを伝えている  御社は国内シェアNo.1を誇っており、No.1ということは資金力が一番豊かだと考えています。資金力があるということは新しいこと含めいろいろなことに会社として挑戦できると考えています。私は新しいことにどんどんチャレンジしたい性格なので、他社ではなく1番新しいことができそうな御社を志望しました。

(ツッコミ:国内シェアNo.1じゃなくても新規事業に取り組んでいる会社は多数存在します!)

良い例)その会社じゃないと実現できないことを伝えている  御社が注力している○○事業への配属を希望しています。なぜならその仕事であれば大学院時代の「企業と協働して事業を立ち上げたフィールドワークの経験・スキル」が活かせると考えているからです。

また、○○事業は他社の追随を許さないほど圧倒的シェアを誇っており、事例やナレッジは他社と比べものにならないほど豊富だとOB訪問でも伺っています。そのような他社には絶対にない環境下で自分の知見を活かしながら、より磨いていきたいと考えています。

3、入社後にやりたいこと 質問:「入社したらうちでどんなことやりたいですか?」

この質問では、本人がやりたい仕事や環境が、企業側で用意できるかを確認しています。

ポイントとしては、会社に入ったらやりたいこととその理由、それが御社でならできると思う理由を伝えることが大事です。

良くない例)自分がやりたいことと会社が与えられる環境のミスマッチが発生  御社に入社した場合、マーケティングの部署にて、顧客から受託するシステム開発の案件を増やすためのマーケティング施策を考えたいと考えています。理由は学生時代のインターンでマーケティング実務を行っており経験が活かせると考えたからです。

(ツッコミ:この会社の場合、マーケティング部署の配属になる例はほぼなく、この話をした瞬間マッチしないと判断される可能性があります!)

良い例)自分がやりたいことと会社が与えられる環境が合致  御社に入社した場合、将来的にはシステム開発のプロジェクトマネジャーとして大規模プロジェクトを成功に導く仕事をしたいです。

理由としては、学生時代の学園祭実行委員の代表経験が大きいです。学園祭を成功させるというゴールに向かって当時、様々な利害関係者の意見をまとめ、調整していました。

私は人の意見を汲み取りプロジェクト遂行することが得意で好きなので、入社したら将来やってみたいです。また御社のキャリアパスの1つとして営業やサービスの運用・保守を経験したあと約8年後にそれが叶えられるということも御社の社員に伺っていますので、御社ならそれが実現できると考えています。

佐藤:なるほど、それぞれの問いの意図と、気をつけるべきことがよくわかりました。

金田:この話をまとめると、 ・御社を真剣に受けている証拠(一貫性)  ・御社じゃなきゃダメな理由(個別性)  ・御社でやりたいことと、それができる理由(実現性) この3つを押さえておけばOKです

佐藤:話を聞いていて思ったんですけど、志望動機をきちんと語るには、深い企業分析、企業理解が必要なんですね。

金田:そうなんです! 本当は、志望動機を作るという感覚というより、あくまで行きたい企業の理解を深めていく中で、志望動機がおのずとできていく感覚の方が近いかもしれません。

>>企業分析についてのコラムはこちら

伝わらない志望動機で新卒採用担当は寝る! 面接で話すポイントは「結論から、簡潔に」

佐藤:なんとなく志望動機をどのような考え方で作り、回答すればいいかわかってきました! あとは面接対策......。

金田:採用担当って朝から晩まで面接しっぱなしの日もあるんです。そう、ずっと学生の似たような話を聞かされてめちゃくちゃ疲れているんです。そんな採用担当に面接でわかりづらい回答をしたら一瞬で落とされてしまいます。 せっかく考えた志望動機が伝わらず落ちてしまったらもったいないですよね。

佐藤:そんな裏話が......。どんなことに気をつければいいのでしょうか。

金田:ポイントは大きく2つかなと思います。 1、結論から話す  2、簡潔に話す これから話す志望動機の例についてどんな印象を持ちますか?

私はソシャゲが趣味で、いろんなゲームをやっているのですが、○○○(ゲーム名)を無課金でプレイしてて、どこの会社のゲームかなと思って会社名を調べたら御社で、御社といえば、ECサイトも有名で、それも利用していて、こんなに消費者の身近にあるサービスをたくさん展開しているなんて驚いて、幅広いサービスに関わることで、様々なビジネスを作るスキルをつけたいと思ったので志望しました。

理想の志望動機

佐藤:友達との会話を聞いてるみたいでした。面接だとちょっとわかりづらい印象です。

金田:これを採用担当が聞いたら、というか私が聞いたら確実に寝ます。なのでできるだけ要点を絞って結論から、簡潔に話しましょう。

志望動機は2点あります。
 1点目は、御社であれば領域にとらわれないビジネススキルが付くのではないかと考えたからです。御社は1つの事業領域にとらわれずゲームからECまで多角的に事業展開しているため、キャリアパスの中で様々な経験を積むことでそれが実現できると考えました。
 2点目は、厳しい環境に身を置くことで自分の成長確度を高め、御社にいち早く貢献できるようになりたいと考えたためです。会社説明会やOB訪問をさせていただきましたが、全員非常にロジカルで物事を合理的に捉えている方ばかりでした。また、社風としても成果主義で、成果物に対する厳しいフィードバックを日々受ける印象を持っており、そのような環境下で優秀な先輩、同輩と切磋琢磨して行きたいと感じたためです。

理想の志望動機

佐藤:理由が何個あるのか、それぞれ具体的にどういう理由なのか、と順番に話されているので、頭に入って来やすかったです。

金田:そうですよね。結論から話されると、聞き手の頭の中が整理されて内容が入ってきやすくなるのです。

佐藤:ところで、結論から話す、簡潔に話すのがポイントとおっしゃっていましたが、何分くらいが良いのでしょうか?

金田:そうですね、一般的には2分以内と言われています。この長さで1度考えてみて、面接前に話す練習をしておきましょう。

佐藤:わかりました! あ、そうだ。面接では2分以内とのことですが、エントリーシートについても知りたいです。志望動機は何文字くらいで書けばいいのでしょうか。

金田:一般的には500文字くらいですね。会社に惹かれた理由と、その会社じゃなきゃダメな理由、できればその会社で実現したいことを簡潔に記載するとおのずと500文字程度になるかと思います。

佐藤:ついでに......。エントリーシートに書いた志望動機と面接で話す志望動機の内容は変えたほうがいいのでしょうか? 一緒でいいのでしょうか?

金田基本的には一緒でいいと思いますよ。志望動機を質問する意図はあくまで学生の「志向」の確認ですから、志向がきちんと伝わる内容であれば同じで問題ありません。 ただし1点だけ。面接官は事前にエントリーシートを見ている可能性があるので、面接で話すときはその内容を100%そのまま伝えるというよりは、具体例や、補足にも言及できると良いと思います。

佐藤:ありがとうございます! よくわかりました。

新卒面接における志望動機のポイントまとめ -佐藤、完璧な志望動機を語れるようになる-

金田:ここまできたらだいぶ志望動機の考え方と話し方のコツがわかってきたのではないでしょうか。

佐藤:はい、企業側の意図から知ることができたので、どうしたら伝わる志望動機になるのかがわかりました。

金田:繰り返しになりますが、志望動機や志望動機関連の質問で盛り込んでいくべきポイントはこちらです。

志望動機) ・御社を好きになったきっかけ・背景・理由(具体的な動機) ・御社じゃなきゃダメな理由(個別性)

志望動機関連の質問) ・御社を真剣に受けている証拠(一貫性) ・御社じゃなきゃダメな理由(個別性) ・御社でやりたいことと、それができる理由(実現性)

では仕上げに、佐藤さん渾身の志望動機を考えて、話してみてください。

佐藤:はい!

金田:このインタビューの間でとても良くなりましたね! 御社に惹かれた理由と御社じゃなきゃダメな理由も入っていてわかりやすいです。話す時も結論から、簡潔にまとまっていますね! これからも、これらを意識して取り組んでみてください。

佐藤:ありがとうございました。

編集後記

今回は現役就活生佐藤さんと人事の金田さんの対談を通して面接における志望動機のポイントをお伝えしました。 こちらの記事を通して、みなさんの志望動機について理解が深まっていれば幸いです。

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