あなたが生きる上で譲れないこととそれに関するエピソードを記入(500文字)
私が生きる上で譲れないことは、「他者が困難を乗り越える瞬間まで、その人に伴走し続けること」だ。これを表すエピソードが、NPOでのボランティア活動である。私は大学1年の4月から、都内の個別指導型食事つき無料塾でボランティア講師として活動している。ここはひとり親家庭や発達障害等の問題を抱える、偏差値25~55程度の生徒が30名ほど在籍する塾だ。私は不登校と発達障害を抱える中学1年の生徒を担当する中で、生徒が基礎学力不足の他に、自己肯定感が低下し学習意欲も減退していることがわかった。そこで、「教え・考えさせ・褒める授業」を実践した。授業では生徒に問題の解き方を口で説明させ、どこにつまずいているか生徒自身が自覚的になれるよう工夫した。また、問題の正誤にかかわらず自力で最後まで説明できた成果を褒めることで、自己肯定感の向上に努めた。発達障害による多動症や注意力欠如に悩み、成果の結実しない日々が続いたが、根気強く生徒と向き合い続けた。その結果、塾内模試偏差値を入塾当初の29から約1年半後には53まであげることができた。私の関わる人々が成果を上げるまで寄り添い、幸せを創出する姿勢は生涯大切にしたい。
マネジメントの必要性について『あなたの考え』を教えてください(2000文字)
私は3つの理由からマネジメントが必要であると考えています。 第一に、目的達成に向け軌道修正を可能にするためです。私は成人式実行委員におけるマネジメントの失敗経験を通じて、客観的な立場で目標や手段、人的配置の見直しを検討する重要性を認識しました。動画編集チームリーダーとして活動する中で、編集者として動画を作ることに注力しすぎたために、メンバーの進捗確認や編集作業の見直し、目的達成に必要な作業の検討を怠りました。その結果、行程の遅れが積み重なり、動画の完成が納期1ヶ月半遅れになってしまいました。この経験から、マネジメントを通じて目的達成に向けてこまめに計画とメンバーの進捗をすり合わせて、タスクや人的配置の見直しを図ることが必要だったと学びました。私はPMOなど現場のプレーヤーから少し離れた立場でマネジメントすることで、現場レベルで気づけない課題にいち早く気づき、早期の軌道修正が可能になる点が利点だと考えています。現場から少し離れた視点で客観的に課題を分析し、解決に向けた目標変更ができるのは、マネジメントの重要な部分だと考えています。 第二に、組織の目的を達成するためです。組織の抱える課題に対して、原因と解決策を検討した上で、行動できるレベルまで細分化する力が重要であると考えています。これを痛感したのが、ボランティアサークルにおけるマネジメント経験です。今年度サークルの代表を務める中で、前年度団体入会者が2名で廃部寸前に陥る中、私は団体運営維持に必要な人数を確保するという目的を達成するため、新規入会者数の目標値を10人に定め、サークル全体で新歓できる体制を築くことを決めました。弊団体は広報力と要員の即戦力化に課題があったので、私は広報の強化に向けた戦略決めと新歓作業のマニュアル化を担いました。そして戦略とマニュアルに基づいてタスクをサークル員に割り振り、実際の広報活動や新歓活動の主要な運営はサークル員に実行してもらう体制を整えました。その結果、潜在層へのアプローチと体験希望者支援の充実を図ることができ、最終的な入会者数も29名まで増やすことができました。この経験を通じて、課題分析と施策検討を行い、組織の構成員が計画を実行可能な形になるように落とし込んでいくことが、目的達成において重要であると学びました。 第三に、組織内の人々のスキルを最大限活用するためです。マネジメントによって人材育成や人材の最適配置を行っていくことで、個人のモチベーションを高めて、仕事のパフォーマンスを向上させることができると考えています。私はアルバイト経験を通じ、適性に合った場所で活躍できることの楽しさを感じるようになりました。私はファストフード店で接客のアルバイトをしておりますが、大学1年の時にクルー育成プログラムの一環として、調理担当を任されるようになりました。しかし、臨機応変さに欠けて動きに素早さのない私は調理担当で失敗を繰り返し、お客様とのコミュニケーションを楽しんでいた私にとって会話機会のない調理担当は過酷で、何度もアルバイト先を辞めたいと考えていました。その様子に気づいた店長から調理担当を離れ、代わりに「おもてなし専門クルー」のポジションを勧められ、現在まで同ポジションで働いています。調理担当として働いていた当時は、何ヶ月経っても成果を出せず周りに迷惑をかけていることに苦悩してモチベーションも下がっていたのですが、おもてなし専門クルーに異動してから自身の強みを生かして接客できることが楽しく、生き生きと働けるようになりました。また、おもてなしの視点を生かして後輩育成やセールス目標修正に従事する中で、売り上げや顧客による店舗評価が向上したことで、店舗全体の成果に貢献できている実感を得られるようになりました。この経験を通じて、組織構成員の強みや性格を理解した上で、彼らが一番成果を上げられる環境に配置することが、構成員のモチベーションを上げることにつながると考えています。さらに、構成員のパフォーマンス改善につながり、一人ひとりの成果が最大化されることで、組織の成果を高めることにもつながると考えます。 以上の理由から、マネジメントは私たちの生活において必要不可欠なものであると考えています。
人生で一番記憶に残っている失敗or困難と、その失敗or困難からの学び(2000文字)
私が人生で一番失敗した経験は、成人式実行委員のチームリーダーとしての活動です。 私は大学2年の7月から市の成人式実行委員として活動し、成人式当日の抽選会やメッセージムービー、装飾の企画・運営に携わりました。中でも私はメッセージムービーの撮影・編集チームのリーダーと、成人式当日のスピーチ企画のチームリーダーを兼任し、メンバーマネジメントを担当しました。成人式で上映するメッセージムービーは、市内の教員120名からの新成人に対するお祝いの言葉が込められており、新成人からの注目度が毎年一番高い企画です。さらに、当日のスピーチも、市内各中学校出身の新成人代表が決意を伝える重要な場面。どちらの企画も失敗は許されない状況でした。しかし、当時リーダー経験の少なかった私は、2つの失敗を犯してしまいます。 第一に、計画立案を怠ったことです。当時の私は、事前に計画を立てることの重要性を認識していました。しかしロードマップをつくらず、「目的」にあたるビデオ完成時期を大まかに決めるのみで計画を立てた気になっていました。そのため、作業が進むに連れてメンバーのタスク完了率が一向に上がらないという課題に直面しました。私は目的達成に向け、メンバーの稼働率を考えないままビデオ編集の仕事を均等に配分しましたが、私以外のチームメンバーは動画編集の未経験者。さらに授業やサークルで忙しく、作業可能時間が限られていました。その一方で、自分の作業で手一杯になっていた私は、メンバーの動画編集のトレーニングや作業量の調整を後回しにして、メンバーの育成と作業負荷の調整を怠ってしまいました。その結果、完成品の納期1週間前にもかかわらずメンバーから成果物が上がらず、最終的に120人中70名分の動画編集と全動画の結合作業を私一人で担当したことで、納期より1ヶ月半以上遅れての提出になりました。その上、成人式前日に誤植が見つかったため、成人式当日の朝まで動画を修正せざるを得なくなりました。 第二に、メンバーの取り組みに対する不適切なフィードバックを見逃したことです。スピーチ企画のリーダーとしてスピーチ原稿の添削環境の構築を担当しました。原稿に対するフィードバック担当者を実行委員の中から数名選出し、スピーチ代表それぞれの原稿を添削してもらう中で、ある担当者のフィードバックに過激な発言がありました。その発言をそのままスピーチ代表者に返却したところ、彼が大激怒。実行委員のモチベーションも下がってしまいました。 私はこれらの失敗経験を通じて、リーダーとして意識すべき3つのことを学びました。 第一に、計画立案の大切さです。ただ最終目的と達成時期を決めるだけでは、メンバーの行動は促されません。途中目標やそれぞれの達成時期の目安、想定されるリスクをあらかじめ考慮して可視化することで、メンバー間で目標達成までの道筋を共有できると学びました。 第二に、メンバーの状況をこまめに把握することです。今回の編集チームの失敗が直前期に明らかになった理由としては、作業期間中にメンバーの進捗を把握していなかったためであると考えています。タスク分配後も定期的に連絡を取り、メンバーの作業状況や困りごとを確認した上で計画や分担量の修正を行うべきだと学びました。 第三に、調整力です。スピーチ企画リーダーとして引き起こした失敗の原因は、利害対立を増幅したことにあると考えています。フィードバック担当者も悪意はなく、本人の原稿を良くしたい一心であえて厳しい言葉をかけた一方、スピーチ代表者は作成した原稿に厳しいアドバイスが飛んできたことで、否定されたと感じて感情的になってしまい、間に入った私が双方のすれ違いを調整できなかったことに原因があると考えています。同じ轍を踏まないためにも、「一人の言動が利害関係者にどのような影響を与えるか」「利害関係者はどう反応するか」を先読みしてネガティブチェックをし、必要な対応を検討する必要があると考えています。 私はこの失敗経験をもとに、現在は所属するボランティアサークルの代表として活動しています。試行錯誤しながら、上記3点を達成できるように心がけていますが、まだ発展途上──。これから社会人として様々な経験を通じて、マネジメント力とリーダーシップ双方を高めていきたいです。