「趣味・特技」の意味とは? 企業はどんなところを見ているの?
■なぜ「趣味・特技」が必要? 採用担当者が重視すること
そもそも、なぜ多くの企業が履歴書やESに「趣味・特技」の項目を設けているのでしょうか?
人材業界の現役社員によると、面接官は「趣味・特技」から「応募者の人となりや、実際にはたらく姿を想像する」といいます。
履歴書・ESの志望動機や自己PRは、企業の求める人材に合わせて飾ってくる志望者も少なくありません。しかし、「趣味・特技」には自然体な答えが多いといいます。
とくに特技は、志望者のこれまでの人生における努力の方向性を知るために、重要な質問のひとつなのです。
また、「趣味・特技」は面接の雰囲気を和らげるための、アイスブレイクとして使われます。 加えて、「趣味や特技の話題から面接官と親しくなり、就職が決まった」という先輩の声が多いことは特筆すべきところ。
新卒採用では、ポテンシャルや企業文化との相性を重視している企業が多いです。 もちろん、自己PRやガクチカでアピールした内容も重要な評価ポイントですが、特技や趣味の話から表れる自然な人となりが、企業とマッチしていると評価が上がります。
趣味や特技によって話が盛り上がることで好印象を持ち、その人物を推す、というのは多々あるようです。
履歴書やESでは、ほかの要素のアピールにばかり注力しがち。しかし、「趣味・特技」欄の回答によって、面接がうまく進むこともあるのです。
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■「趣味・特技」って何? どんな内容を書けばいいの?
<趣味と特技のちがいは?>
「趣味・特技」で、ひとつの欄にまとめられている履歴書やESは多いです。
趣味は純粋に好きなもの、特技は何らかのアピールポイントがあるものと捉えるといいでしょう。趣味でも、「他の人がすぐに真似できないもの」は特技といえます。
たとえば、「ランニング」が好きだとして、「10年以上毎朝のランニングを続けている」、「●●の大会で優勝したことがある」「▲キロを■分で完走する自己ベストを更新した」などの実績があれば、十分に特技として捉えられるでしょう。
<特技として履歴書やESに書いていい基準は?>
履歴書やESの特技には、誇れること・アピールできることなら、基本的に何を書いてもOKです。
たとえば、「英会話」「誰とでもすぐに打ち解けられる」「料理」「早起き」「節約」などは、履歴書・ESにおける定番の特技です。 冒頭でもお話しした通り、特技では「努力の方向性」を示すことができます。 自分が今まで努力してきたことと、入社後の仕事との関連性を示すと、「入社後も活躍するほど努力ができる」と示すことができます。
他にも、アイスブレイクに使う方法や他の就活生と差別化を図れるようなものもあるので、参考にしてみてくださいね。
とくに、履歴書やESに以下の書き方をすると面接官に好印象を与えやすいので、ぜひ取り入れてください。
★志望業界や志望職種の仕事に関係する特技→即戦力として期待されやすい 例:・プログラミング(IT業界やSE志望) ・一度会った人の顔と名前を忘れない(営業職志望) ・英会話(海外勤務や駐在のある企業) など
★ユニークで、ついツッコミたくなる特技→話が盛り上がり、記憶に残りやすい 例:・マンドリンを演奏できる ・クロアチア語を話せる ・フラッシュ暗算 など
★本人やほかの欄の回答とギャップがある特技→多面性や個性をアピールしやすい 例:・小柄な女性が、格闘技のチャンピオン ・一見真面目で落ち着いた人柄だが、一発芸やお笑いが得意 ・体育会系のスポーツマンで、書道もプロ並み など
<避けるべき趣味・特技の内容>
・ギャンブル(パチンコ、競馬、競輪など) 志望企業に関係がある場合を除き、趣味や特技ギャンブルは人となりに不信感を持たれることも。履歴書に書くのは避けましょう。
・反社会的活動、犯罪系 ハッキングやいたずら、転売など、犯罪を連想させるものはNG。 気を付けたいのが、違法無料サイトの漫画や動画に関すること。転載のみならず、見るのももちろん犯罪です。
・思想や宗教にまつわるもの さまざまな主義があるので、面接や履歴書に留まらず、仕事関係の場ではなるべく避けたほうがいいでしょう。占いやタロットなど、スピリチュアル系の話題も好まれません。
・特定の作品や団体、チームへの否定的な意見 趣味や特技で話が盛り上がると、自分の好きなものと比較して、ネガティブな感想を言ってしまうことも。しかし、面接官がそちらの関係者やファンということもありえます。何かを貶めるような話題は避け、相手を不快にさせない気配りをしましょう。
・書かない 履歴書の「特技・趣味」を空欄のままにしたり、「とくになし」と書いたりするのはNG。面接官に自分をアピールする熱意がないように受け取られてしまう可能性もあります。 どうしても趣味や特技が思いつかない場合は、本記事の例文を参照してみてください。
■評価される「趣味・特技」の書き方、ポイント
・履歴書やESの、ほかの欄とかぶらない内容を 先述のとおり、趣味・特技には話題を広げる効果もあるので、自己PRや志望動機、資格などでは触れていない内容を選ぶとGOODです。 履歴書から多様性が感じられると、面接官の印象に残りやすいです。
・「一言+詳細説明」の書き方をすると◎ 履歴書では面接官に分かりやすく伝えるために、2段階の書き方をするのがポイント。 まずは一言で趣味や特技を簡潔に表現し、その後ろにカッコ書きで具体的な内容や頻度、続けている期間などの説明を加えます。 例:・節約(月の目標を決めてやりくりしており、ひとり暮らしをはじめた大学1年生から現在まで、●円の貯金に成功しました。) ・7桁の暗算ができる(小学3年生からそろばん教室に通っていました。)
詳細説明では、なるべく数字を入れると面接官がイメージしやすいです。 ただし、ESや履歴書で細かく説明しすぎてしまうと、面接でアピールすることがなくなってしまうので、説明部分は1〜2文程度に留め、キーワードとなる単語のみ入れるようにしましょう。
・「趣味・特技」欄の大きさに合わせて、読みやすく整理しよう 履歴書やESの欄の大きさに合わせて、文字数を調整しましょう。あまりにもスカスカなものや、文字が詰まりすぎているのはNG。
複数書く場合は、箇条書きを使って整理しましょう。 例:・スペイン語(大学のゼミで専攻し、1年間スペインの●●大学に留学しました) ・掃除(整理整頓が得意で、ゼミでも教授から掃除長に任命されていました。)
「趣味・特技」欄が同じ履歴書の場合は、特技と趣味はとくに区別せず箇条書きにしてしまってOKです。どうしても趣味と特技を区切りたい場合は、以下のような書き方でまとめるといいでしょう。
例:<趣味> ・水泳(小学校から11年間続けており、毎週末プールに通っています。) ・読書(週に3冊以上読みます。とくにミステリーが好きです。) <特技> ・お菓子作り(焼き菓子からケーキまで、どんなものでも自作できます。)
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これでバッチリ! 面接でウケる「趣味・特技」の例文
■男性・女性ともに使いやすい! 定番の「趣味・特技」
<部活関連の趣味・特技> ・野球(小学5年生から今にいたるまで、13年間ずっと続けています。) ・テニス(中学生から軟式テニスをはじめ、現在もテニススクールに通っています。) ・短距離走(都大会で3度の入賞経験があります。) ・剣道(三段取得) ・吹奏楽(クラリネットを演奏でき、県コンクールの入賞経験があります。) ・ダンス(ジャズダンスが得意で、身体がとても柔らかいです。) ・マッサージ(サッカー部のマネージャーとして活動し、スポーツマッサージを習得しました。)
このほか、 ・野球 ・キャッチボール ・サッカー ・バスケットボール ・ソフトボール ・バドミントン ・卓球 ・ハンドボール ・ラグビー ・長距離走 ・ハードル走 ・柔道 ・空手 ・剣道 ・弓道 ・ボクシング ・レスリング ・フェンシング・ゴルフ ・アイススケート ・スキー ・スノーボード ・茶道 ・囲碁 ・将棋 ・華道 など
<習い事や好きなもの関連の趣味・特技> ・料理(大学に入学してからほぼ毎日自炊しており、お弁当も作っています。) ・似顔絵(イラストが得意で、特徴を捉えた似顔絵をすぐに描くことができます。) ・字が綺麗(高校生からペン習字を習っており、よく字を褒められます。) ・裁縫(ぬいぐるみを作るのが趣味で、針仕事などの細かな作業が得意です。) ・登山(子どもの頃から、夏休みは富士山に登っています。体力には自信があります。) ・採譜(3歳からピアノを習っており、どんな曲でも聞いただけで完全コピーできます。)
このほか、 ・水泳 ・書道 ・写真 ・楽器(ピアノ、ギター、ベース、バイオリン、ドラムなど) ・ちょっと変わった楽器(ハープ、オカリナ、バグパイプ、ハンドスチールドラムなど) ・口笛 ・歌 ・作詞作曲 ・旅行 ・そろばん ・写真 ・バレエ ・節約 ・チェス ・ボウリング ・ビリヤード ・ものまね・ 漫才 ・一発芸 ・落語 ・動画編集 ・映画の内容を1分で説明できる ・読書 ・映画 ・DVD収集 ・ブログ ・食品や飲料の銘柄を当てられる ・食べ歩き ・小説執筆 ・川柳 ・俳句 ・写経 ・発明 ・DIYなど
<学問や専攻関連の趣味・特技> ・植物に詳しい(草花が好きで、道端のさまざまな植物の正式名称が分かります。) ・地理が得意(世界のすべての国の名前と、場所、首都が分かります。) ・辞書を早引きできる(ふだんから辞書を引くことが多いので、目当ての言葉を10秒以内に見つけることができます。) ・子どもの世話をすること(ゼミで頻繁に幼稚園・保育園に通っていたので、ひとりで幼児の面倒をひととおり見ることができます。)
このほか、 ・天体観測 ・美術館めぐり ・博物館めぐり ・資格取得 ・城めぐり ・歴史に詳しい ・動物に詳しい ・語彙力が豊富 ・計算が得意 ・美術、芸術に詳しい ・文学に詳しい ・心理学の知識がある など
■地味にすごい! 仕事で評価されやすい「趣味・特技」
・記憶力(一度会った人の顔と名前は絶対に忘れません。) ・トラブル対応力(旅行代理店のアルバイトで、さまざまなトラブルを解決しました。) ・速読・多読ができる(読書が趣味で、単行本1冊を30分程度で読むことができます。) ・プログラミング(大学1年生から、プログラミング教室に通っています。) ・コミュニケーション能力(年齢・性別に関わらず、誰とでも仲良く話すことができます。) ・体調管理能力(健康に気を配っており、中学生以降一度も風邪をひいていません。) ・早起きが得意(毎日6時に起きており、目覚ましなしでも寝坊したことがありません。)
このほか、 ・ホームページ制作 ・手話 ・点字 ・論文、レポートを書くのが得意 ・英会話 ・英語以外の語学習得 ・整理整頓能力 ・マナー習得 ・時間を守るのが得意 ・疑問を徹底的に調べる ・聞き上手 ・高い計画性など
■ちょっと変化球の面白い「趣味・特技」と体験談
実際に先輩たちがES・履歴書でアピールし、面接でウケた「趣味・特技」を体験談とともに紹介します。
・フラッシュ暗算 「子どもの頃からそろばんを習っており、家族と問題の出し合いをしていました。面接官の方に実際に問題を出してもらうことで、話が弾みました!(女性、銀行、事務職)」
・家族・兄弟構成や出身地を当てられる 「ふだんから会話のきっかけにしていたことを履歴書に書きました。大学の専攻をもとに、人の話し方の特徴や身振りをもとに予想するんです。面接でも、選考官の方や一緒に受けた人の家族構成や出身地を当てることができました。外れたとしても、どういうところから予測しているかを話すと、盛り上がりました。(男性、食品メーカー、営業職)」
・お腹の音を自由自在に鳴らせる 「周りの人のように立派な特技がなく悩んだのですが、笑ってもらえたらいいなと披露しました。入社後に取締役からも『お腹の音の子だね! 度胸があって良かったよ!』と覚えてもらっていました(笑)。いまでも、仕事の飲み会や取引先とのアイスブレイクに特技として使っています。(女性、広告代理店、営業職)」
・ギリシア語が少し話せる 「大好きな映画をきっかけに、ギリシア語を勉強しました。『どうしてギリシア語にしたの?』『ギリシアのどんなところが好き?』『●●はギリシア語で何と言うの?』など、各面接でかなり深掘りしてもらえました。当時はそこまでペラペラではなかったのですが、語学への興味・関心が評価されて、内定をいただきました(女性、出版社、総務職)」
このほか、先輩たちの体験談に共通するものは、「失敗やスベることを考えず、実演を求められたらノリよくこなす」「どんな内容でも、堂々と自信を持って話す」ことが成功の秘訣だということでした。
履歴書に書けるものがない? 「趣味・特技」の見つけ方
ここまで、さまざまな「趣味・特技」の書き方や例文を見てきましたが、それでも履歴書やESでアピールできる趣味・特技が見つからない......という方は、家族や友人など、周りの人に相談するといいでしょう。自分では意識していなくても、他人から見るとすごいことというのは意外にあります。
また、趣味や特技は内容そのものよりも、いかに話を広げられるかのほうが重要です。受賞したことがないから、自分より長く続けている人もいるから、などと他人と比較する必要はありません。 先述したポイントや書き方を押さえていれば、どんなの趣味・特技でもOKです。 部活や好きなもの、習い事、褒められた経験......などから、の趣味・特技を探ってみましょう。
このほか、そもそも履歴書・ESの書き方や、面接の話し方について、不安な方も多いでしょう。 エンカレッジでは、内定者との1対1の面談をはじめとして、就活生のさまざまなサポートをおこなっています。 「趣味・特技の内容はほんとうにこれでいいのか」「形式や書き方に不備はないか」「面接でウケるためのポイントは?」など、素朴な疑問をぶつけてみましょう。
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おわりに
履歴書・ESにおける、「趣味・特技」の書き方、例文を紹介しました。
ただの趣味や特技を書いて終わりではなく、詳細を求められたときにどうアピールするかはきちんと準備していきましょう。 また、実際にの趣味や特技を披露する場合は、恥ずかしがらずに堂々とおこないましょう。 すごいと思われるだけでなく、「ノリのいい人だな」「話せる人だな」と感じてもらえれば勝ちです。
履歴書やESではほかの欄に注力しがちですが、「趣味・特技」から話が盛り上がったり、面接官と意気投合することはよくあります。 志望企業の選考を有利に進めるためにも、必ず対策をするようにしましょう!
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