たばこの価値を再定義していく 変革期の渦中にいることがおもしろい
就活の過程では外資のメーカーやコンサルティングファームなどを受けていて、頭キレキレの合理主義者になるという道もありましたが、最終的にJTを選んだ理由は「40年後に自分がどんな人物になっているのか、一番想像がつかなかったから」という非合理的なもの。
というのも、JTが扱ういわゆる「嗜好品」というものは、人によって、楽しみ方やそこに感じる価値が変わるものだと思っています。
なので「ある特定の決まった価値」を社会にがむしゃらに提供すればいいということはありません。そのため「なぜJTがこの社会に存在しているのか」という問いを通して、社会的価値の模索をしていく必要があると考えています。
それは生きていく上で「なぜ私がこの世に存在しているのか」ということを考え続けることに似ていて、だからこそ、JTでなら生きていくように働くことができると感じたのが入社の決め手です。
現在はR&DグループのRRP開発センターで、加熱式たばこのデバイス開発を担当しています。紙巻たばこが主流だった時代は、たばこの味づくりに商店が当てられた、農学/化学/官能評価などの研究中心でした。
現在もR&Dグループの別部隊がその分野で職人技を発揮していますが、私の部署は家電メーカーのプロトタイピングのような仕事が中心。
関心事は「紙巻たばこの提供してきた価値を、どう再定義して、どう拡張するか」。
開発しているデバイスは、元々はキセルやライターのような喫煙具にあたるもの。それが電化製品に化け、たった数年で、新しい分野(機械/電気など)の技術が開発/投入されている。そんなオープンイノベーションの真っ只中でもあります。
ご存知のように喫煙率は年々下がってきています。とはいえ、「たばこ」の提供する価値が否定されたわけではありません。時代に合わせて進化的にモノの形態が変わるのは当たり前。
さらに、たばこの形態を変えるだけでなく、たばこの価値を他のモノやコトに展開していくことも必要だと考えています。世界中で10億人以上が嗜んでいるたばこが、今、大きく変わろうとしている。
そんな変革期の渦中にあるたばこ事業で、ものづくりの最先端にいられえることは、私の日常にたくさんのワクワクをもたらしています。
不可能だったことも数年後に実現する たばこの進化に未来を託す
大学では喫煙室にいることが多く、そこで友人から「JTの説明会に一緒に行こう」と誘われたことが出合いのきっかけ。
ほかにも地元北海道のインフラ、銀行、テレビ局、東京のメーカーや商社などを訪問する中で、「ものづくりができる会社」「海外に行けそうな会社」「人がおもしろそうな会社」の3つの観点からJTに決めました。
現在はマーケティンググループの商品企画部で、加熱式たばこのチームに所属。商品の価値は何か、それを伝えるためにはどんなコミュニケーションが必要かを考えて、発信しています。
数年前、ある会議で上司から「世の中から求められているのは、リスクがより少なくて煙がでないたばこだ」と言われ、「そんなもの、できるわけないだろう」と思っていたのですが、その翌々年に加熱式たばこが発売されました。
不可能だと思われていることも2~3年後には実現できているかもしれない、予想もつかないことが起きる、そんな楽しさはありますね。
たばこは確かに合理的ではありません。ほかの嗜好品と比べても、カロリーさえ取れないので、言わばムダなもの。でもそんなムダなものを愛せる/楽しめるのが人間らしさだとも思います。
社会は合理化への流れが進んでいてムダは排除され、さらにAIの出現で合理化に拍車がかかっています。
でも、そんな社会に疲れている人が出てきているのは事実。あらためて「人間らしさって何だろう」ということに人々の想いがフィーチャーされたとき、たばこの進化も重なって、その価値が見直されるときが来るのではないかと期待しています。
~Talk Session~ JT社員座談会
「学生が本気で聞きたいこと」に対してJTの社員が本音でトーク。
たばこを吸わない人の入社動機は?
コピートフ:私は吸うから、お二人からどうぞ。
藤長:母親が嫌煙家で、母の弟がめっちゃ吸う。で、いつも喧嘩していました。僕は母が好きで、あっ、マザコンじゃないですよ(笑)、その母が喫煙者というだけで人との交流の可能性を遮断しているのはもったいないと思ったんです。
一見して行動様式や価値観が異なる人たちとの共存という、多様性社会の構築における永遠の命題に対する試金石になるかもしれない、というのが私の興味。
近岡:喫煙者じゃなくても、たばこの魅力に気づいた人たちが入社しているんじゃないかな。
たばこは世間から叩かれているけど、反面すごく好きな人もいて、ちょっと不思議なプロダクトだと思う。私もそういうところに関心を持ったから入社したんだけど、社内の人たちも何かしらたばこに関心を持って入社した人が多いんじゃないかな。
コピートフ:単純に「これだけ世界で売れているのはなぜか、知りたい」でもいいので、何かしら興味を持って入ってほしいよね。まったく興味ないものを売ろうとするとつらくなるだけだから。
新卒に期待することは何でしょうか?
藤長:今を全力で楽しむこと。近岡さんみたいに、一見つながりの分からない異動のされ方をしても、どんな経験も自分にとってかけがえのない経験にしてやろうと思える人は素敵ですよね。
近岡:結局大きな会社に入ると、自分のキャリアって自分の思い通りにはいかないことが多いでしょう。
それでへそを曲げるのではなく、希望通りにならなくても楽しもうというマインドセットがあれば仕事はどんどんおもしろくなるし、いつの間にか新しい扉を開いているなんてよくある話。私なんて、同じキャリアの人がいないから、かえって「自分って何だろう」と考える機会になってる。
コピートフ:しかも、どこに行っても、周囲の誰かが自分のことを気にかけてくれているし、成長をしっかりサポートしてくれるしね。
たばこ産業で働くことの厳しさはありますか?
藤長:たばこはない方がいいよねという方向に傾きつつある逆風の中で、自分の存在証明をし続けなければならない苦しさはあるかも。
コピートフ:僕は子どもがいないけど、もし娘が生まれて「お父さんは、どんな仕事をしているの?」と聞かれたら、どう答えるか常に考えている。
近岡:そういう意味では、社内には哲学的な人が多いかな。自分のこだわりとか自分の想いを持っていて、かつ、それをさらけ出す。
コピートフ:新入社員には、そういう自分の想いと向き合う覚悟はしてくださいというのはあるよね。でもそれをネガティブに捉えるんじゃなくて、楽しもうぜ!といいたい。大切なのは覚悟と遊び心。
近岡:逆風だと明確に分かっている業界はほかにないじゃないですか。だからおもしろい。
藤長:同感です。自然界でも人間社会でも、進化はいつだって逆風の中でしか起こらないですからね。
今後、やりたいことは何ですか?
コピートフ:たばことは全然関係ないところにも行ってみたいし、海外にもう一度、パワーアップした状態で行きたいと思う。2年間ルーマニアに行ってブランドの立ち上げに携わったけど、組織が小さいから反応が早くて楽しかった。ジュネーブ本社にはまた違うものがあるんだろうし、ほかの国のマーケットも気になるしね。
近岡:私はRRPジャパンオフィスに所属していて、ジュネーブとのやりとりも多いけど、確かにジュネーブ以外の海外もおもしろいかも。
藤長:たばこの価値をほかのモノやコトに展開していくという文脈で、私が注目しているのは「サウナ」です。
たばことサウナって、共に「chill」というバズワードで語られるので、価値として近いはずだと思っています。
それだけでなく、個人的には、技術的にも近しい領域にあると考えています。サウナのR&Dってアツくないですか?(笑)
近岡:じゃあ、サウナのリスクも評価しないとだね。サウナが趣味の域を超えて嗜みになる可能性があるってことね(笑)
藤長:なのでJTにサウナ事業部をつくることが夢。喫煙所のようなコミュニケーションの「場」として、サウナを再定義できたらおもしろいかなと。
コピートフ:僕も「場」をつくりたい。「ひとのときを、想う。」はすごく素敵で、その傘の下でやれることは無限にあるはず。人が幸せになる、ほっとする、ワクワクする、何かしらフィールドを設定して、そこに人が集まるような「場」をつくる。
近岡:私は今の合理性一辺倒、効率大事、たばこは悪という世界って悲しいと思うので、そういう世界の考え方を変える仕掛けをやっていきたい。加熱式たばこが試金石になるんじゃないかな。
日本たばこ産業株式会社 設立 1985年4月 資本金 1,000億円 売上収益 連結2兆1,756億円(2019年1月-12月実績) 従業員数 連結61,975人(2019年12月31日現在) 単体 7,464人(2019年12月31日現在) 事業内容 国内・海外たばこ事業、医薬事業、加工食品事業を中心とした事業活動