インターンシップへの志望理由(600-800文字)
貴社へのインターンシップを志望する理由が大きく2点あります。1点目は、貴社が世界の生活環境の向上に強い影響力を持っているからです。父が貴社の社員であることもあり、小学生の頃から興味深く関心をもつ対象でした。幅広い分野で生活を支えていることを知り、父がその一員として世界に貢献していると感じ、私も世界中の人の生活を豊かにできる仕事をしたいと思うようになりました。その中でも、社会の生活の基盤になっているエネルギー事業に興味があります。発展途上国の人口増加と発達により世界のエネルギーの需要が増え続ける今、安全で効率的なエネルギーの供給が求められます。貴社は高性能な蒸気タービンや発電機の設計からサービス提供まで事業を一括して行える技術を持っているため、安全で効率的なエネルギー供給を追求できると考えました。2点目は、セールスエンジニアという立場での職業体験ができるからです。2016年に実施された電力小売全面自由化と2020年に実施予定の送配電部門の法的分離によって、エネルギーの市場がさらに活性化されます。セールスエンジニアとして顧客の要望に対して貴社の技術を最大限発揮できるような方法を考えることは、人とのコミュニケーション力と技術者としての能力の両方を活かしたいと考える私の理想の職種です。今回のインターンシップでは、セールスエンジニアとしての詳しい仕事内容や働くために必要なスキルを知ることを期待します。実際の業務内容や社内の雰囲気を体験し、貴社で必要とされる人材について知りたいです。大学院の2年間を働くための準備期間として有効に使うべく、働くために必要なことを分析、発見し、その能力や知識、コミュニケーション力をつけるために努力し成長したい考えています。
研究もしくは今一番頑張っていること。(800-1400文字)
私は、「応用核物理学」を専門にしており、8000種類以上存在するといわれている原子核の性質を明らかにする研究を行っています。陽子と中性子の組み合わせからなる原子核のうち、アルファ線やベータ線、ガンマ線を放出しながら壊変するものを放射性同位元素と呼びます。地球上の物質を構成するのはわずか300種であり、それ以外は放射線を放出し異なる原子核へ壊変します。放出される放射線を測定をすることで、核データと呼ばれる基本的性質を同定しています。放射性同位元素は、医療をはじめとする多くの産業や、原子力発電における核エネルギー源として利用されています。原子炉の中性子や加速器からの加速ビームによる核分裂、核反応によって生成する半減期が数秒の原子核を、それらに附置したオンライン同位体分離装置を用いて迅速に分離し、崩壊核データを測定して壊変特性を明らかにしています。大型加速器などを利用して極限領域の原子核を創り出し、放射線測定を通して目に見えない原子核を探索しています。この研究を志望した理由は、原子力発電の安全性を高めることに貢献したかったためです。福島第一原子力発電所の事故以降、日本の原子力発電の安全性が問われてきました。中学生の私は、福島県全体が足を踏みいれるのが危険だと感じるほどでした。興味を持って調べていて驚いたのは、放出される放射線の種類と強度、人体への影響が未だ解明されていない部分が多いことです。わからないからこそ危険であり、脱原発という社会の風潮の原因だと考えました。そこで現在の研究を希望し、環境と人体への被爆を定量化することに尽力したいと考えました。この研究の中で特に工夫したことは、丁寧な実験と解析を行ったことです。核データは正確であることが求められます。核データをもとに、放射線治療の研究や被爆量の評価が行われるからです。しかし、原子炉を使った実験が必要なため、実験を繰り返して精度を高めることはできません。そのため年に数回の実験のために綿密な準備が必要です。実際に行ったことは、モンテカルロシュミレーションを用いて実験条件を再現し、得られる結果の予測をしました。その予測から実験の条件を変えてはシュミレーションをすることを繰り返し、実験条件の最適化を行いました。シュミレーションは、目に見えない原子核と放射線を可視化する手段として使用します。また、参考書や論文を50冊以上読むことで、シュミレーションが正しく実験条件を再現できているかを確認します。実験後の解析結果から、シュミレーションした結果との違いを分析し、実験結果とシュミレーション結果を一致させました。実際に起こったことがシュミレーションで再現できると、得られたデータが正しいことの証明になります。それにより、精密な核データと自信をもって発表することができます。このように、正確な核データを同定することで、放射性同位元素の利用のための基礎研究を行っています。