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【業界研究】商社の事業内容や、キャリアとは。ビジネスモデルや身につくスキルを徹底解説

就活を始めると必ずと直面する「業界研究」。本記事では、毎年多くの学生がエントリーする商社を徹底解説します。結局商社は何をしている業界なのか。商社ではどのような仕事ができるのか。商社ではどのようなキャリアが歩めるのか。そういった疑問を解消するためのヒントを詰め込んでいるので、ぜひ参考にしてくださいね。

平均年収は年々増加。総合商社についてを解説。

就職活動を始めると必ず耳にする「商社」。中でも総合商社と呼ばれる企業群は、日本を代表する大企業。

「平均年収が高い」「海外駐在ができる」といった理由で人気が絶えず、毎年各社に約20,000人の学生がエントリーしているという情報も。 五大商社の平均年収は1,400万円を超え、それでもなお近年増加傾向にあります。

しかし、その人気とは裏腹に、実態を知らない人が多いのも事実。en-courageの面談においても、「商社って実際に何をしている会社なのか」「どのようなキャリアを歩めるのか」という疑問を持つ学生が多く集まっているようです。

本記事では、商社の中でも特に人気のある総合商社の、ビジネスモデルや、各社の人材育成方針を解説。 総合商社に入社すれば「なにができるのか」「どのようなキャリアが歩めそうなのか」といった疑問の解消となるヒントを述べていきます。

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商社が持つ3つのビジネスモデル

高い年収や、激務というイメージが先行し、その実態が見えづらいと言われる商社ですが、そのビジネスモデルは大きく3つに分類することができます。

ビジネスモデルとは、各社が持つ利益を得る仕組みのこと。 このビジネスモデルを理解することで、企業で働く社員の働き方や仕事内容をイメージすることができます。

自分のやりたいことや、理想のキャリアを実現させるためにはどのビジネスに関わるべきなのかを考えてみましょう。

また、商社の面接においても「あなたはどんな仕事がしたいのか」「どのようなキャリが歩みたいのか」という質問がされることもあるようです。

商社のビジネスモデルをしっかりと理解し、今後の就職活動に向けて万全な準備をしておきましょう。

商社を大きくした伝統事業。トレード事業

商社のビジネスモデルの一つ目は、トレード事業。 トレード事業とは、仲介業者として需要と供給を結びつけることを言います。 製品Aを売りたい企業と、製品Aを購入したい企業の両方を顧客とし、その間に介入することで、需要と供給をマッチングさせるビジネスと言えます。

商社のトレード事業 とは

この事業を行うことで商社は2種類の利益を上げています。 ①仲介手数料 仲介業者としての手数料のこと。 製品Aを売りたい企業と製品Aを購入したい企業の取引を仲介したことで、この手数料を得ています。 ②利ざや(マージン) 売りたい企業からの買値と購入したい企業への売値の「差額」のこと。 1000円で買った石油を1100円で販売すれば、100円の利益になりますよね。できるだけ低額で商品を仕入れ、それより高い値段で販売することで利益を得ています。

商社は創業から数十年に至る間、このトレード事業を主軸として業績を上げ続けました。 この事業がなぜこれほどまで商社を大きくすることができたのでしょうか。

その秘密は、商社がトレード事業で生み出している3つの価値にあります。

一つは物流価値。 商社が取り扱う商材には、石油や鉱物などの資源から自動車部品など様々です。また、総合商社のビジネス領域はグローバルに広がっているため、必然的に貿易を行う必要があります。

そういった商材を運ぶためには、運搬手段が必要ですが、総合商社は長い歴史と幅広いビジネス領域によって獲得したネットワークで、船や飛行機など最適な手段を用意することができます。 総合商社に依頼することで、企業は安心安全に製品Aを手に入れることが可能になります。

二つ目は金融価値。 石油や鉱物などを購入する際には、長距離の移動かつ莫大な金額がかかります。 長距離の移動を行う際には、事故による製品の毀損、テロなどのリスクが。また、莫大な金額を支払いたくても今すぐにはキャッシュが用意できないという事態も考えられます。

それに対して商社は「保険の提供」「かけ払い」を行なっています。 例えば、石油をトレードする際に商社が代金を肩代わりし、石油会社に支払います。その後、購入する企業は数日後に商社に支払う、ということができます。これがかけ払いです。

総合商社に依頼することで、購入する企業はより早く製品を手に入れることができ、石油会社はより早くお金を手に入れることができます。

三つ目はマーケティング価値。 製品を作っても売ることが難しい。そういった課題を持つ企業は非常に多いです。 しかし商社には、長い歴史で蓄積されたトレードデータやネットワークがあります。

これらを駆使して、製品Aはどこに販売するのが最適なのかを考え、販売先を紹介することが可能になります。 総合商社が存在することで、より効率的に製品を販売することが可能になっているのです。

創業から高度経済成長期までの商社を支えたのはこの「トレード事業」でした。 しかし、インターネット技術の発達などによりメーカーと資源を販売している会社が直接取引ができるようになると、商社のニーズが下がり始めます。

そこで、商社は大きく事業転換を行い、「事業投資事業」をメイン事業に置き換えました。

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資金投資だけじゃない。商社だからできる事業投資事業

一般的に事業投資と言えば、ある企業にお金を投資し、株価が上昇した際に売却することでその差額を得ることができるというものです。

VC(ベンチャーキャピタル)や投資銀行はそれをメイン事業として利益を得ている会社。 商社を志す方には、投資銀行やVCも並行してエントリーされる方も多いのではないでしょうか。

これらの業界は基本的に、資金に置けるサポートがメイン。投資先が成長することでそのリターンを利益としたり、資金調達のサポートをした手数料を利益としています。

上述した業界の事業投資と、商社の事業投資の違いは「ヒト」や「情報」の投資にも力を入れていることにあるといえます。

これまで商社はトレード事業を通じて、商材に関する知見や業界ネットワークを培ってきました。 いちメーカーや資源会社が持ち得ない知見を、内部に蓄積していたのです。

どうすれば良いものが作れるのか、どうすれば商材の魅力を伝えることができるのか、といった情報は、事業を運営する上で非常に重要なものです。

商社は「カネ」だけでなく、これらの知見つまり「情報」、そして情報を持つ「ヒト」を企業に投資することで、商社にしかできない事業投資を行ってきたのです。

商社の事業投資のビジネスモデルとは

例えば、総合商社が東南アジアや中東、アフリカを始めとする新興国を中心に手掛けている発電所の開発・運営事業。

元々、日系メーカーが製造する発電所設備を海外の電力会社に納入するトレード事業として運用していました。

この時、発電設備に関する商材知識、商材を求める海外企業とのネットワークを社内に蓄積します。

そして、投資先の企業に、資金とともに蓄積したノウハウを持った商社の社員を派遣し、事業を伸ばす。

このようにして商社は、その企業価値を見出し、さらに業績を大きくすることに成功しました。

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常に変化する商社のビジネスモデル。今後は事業経営事業へ

さらに今日では、投資だけでなく経営も商社で行おうとする動きが多く見られます。 事業経営とは、投資先の企業に商社の社員を派遣し、実際に経営に携わることで、経営改善を行うことです。

事業投資よりもさらに経営への介入度を高め、より効果のある経営改善をしています。 この事業経営や事業投資が、近年の商社の売り上げを支えています。

経営力を身につけたい学生必見。経営コンサルだけではない、商社という選択肢

ここまでで述べてきたように、商社、特に総合商社においては事業投資・事業経営に力を入れていることがわかります。

それにより、人材育成の方針を「経営人材の育成」に大きく舵を切っています。 実際に、三菱商事では「10~20年で経営人材になるように育成する」といった人材育成計画を打ち立てていたり、住友商事では「事業経営者養成塾」を実施しています。

しかし近年、多くの企業が「経営人材の育成」を重要視しており、このような動きは珍しくありません。 外資コンサル、投資銀行、メガベンチャーなどと比較したときに、商社としての特徴はどこにあるのでしょうか。

それは、「経営スキル×グローバル観点×実務経験」だといえます。

「グローバル観点」 グローバルで活躍できることが、近年市場で求められていることは、いうまでもない。海外の顧客をもつ会社などが多い中で、語学力、海外の文化や思考性などを理解している人材は非常に重宝される その中で商社では、制度や昇格要件に含めることで、グローバルで活躍できる人材になることを支援している会社が多い 例えば三菱商事では、入社8年目までに海外経験を積むことができるグローバル研修制度を実施。 住友商事では、選択研修としてグローバル研修や語学研修を設け、昇格要件にTOEICなどの検定を実施。

「実務経験」 経営戦略を考えるだけでなく、実際に経営をする経験ができるのも特徴の一つ 戦略を作るプロとしてのキャリアも十分に魅力的ですが、将来的に起業や事業責任者になることを考えている方には、必要な経験です

戦略を実現させるためには、人を巻き込み、マネジメントしなければなりません。 部活やサークルでリーダー職についたことのある人は想像できるのではないでしょうか。 それは、ビジネスの場でも同じ。年齢やバックグラウンド、生まれた国が異なる人たちをマネジメントし、戦略を実行する力は実務経験を積まなければ身につきません。

例えば、三菱商事ではローソン、伊藤忠商事ではファミリーマートを子会社化し、商社の社員を派遣することで経営改善を実施しています。 総合商社が持つ多くの子会社や持株会社で実際に経営の経験をすることで戦略も実行もできる経営スキルを身に付けることができるのではないでしょうか。

ここまでで述べてきたように、商社はその事業形態を柔軟に変化させてきました。 これまでの商社のイメージといえば「年収が高い」「グローバルで働くことができる」「貿易に関わることができる」でした。しかし、今後はそれだけでなく「経営人材」もキーワードになりそうです。

これほどまでに柔軟に事業を変化させてもなお、大きな業績をあげてきた業界は他にありますでしょうか。 変化がめまぐるしいこの時代に、商社というキャリアを選択肢の一つとして持っておくのは良いかもしれません。

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