「裁量権だけがあっても意味がない」
--ベンチャー企業をはじめ「裁量権」や「幹部候補」と銘打った新卒採用が近年増加しています。お二方も幹部候補採用にて入社されていますが、そもそも、こう言った採用で入社するメリットは何にあるのでしょうか。
岡部:私の場合、早期に多くの経験を積み、より早く力を身につけることができるという点がメリットでした。
3年生の6月から就活を始めたのですが、自己分析や企業分析を進めても、明確なキャリアプランが特に浮かばなくて。 ただ一つこだわっていたのが、「どうせ仕事をするなら社会貢献をしたい」という思いだったんです。
それを深掘りしてみると、「イキイキ働く」「自分らしい意思決定ができる」。そういった人を増やしたい。それが僕がやりたいと思える社会貢献でした。
しかし、今の自分には話を聞いてあげることはできても、その人が本当にイキイキと働くまでサポートすることは難しい。
力が足りないと感じました。では、より早く力をつけて社会貢献ができる人間になりたい。イキイキ働く人を一人でも多く増やしていきたいと考えました。
早期に裁量権を持ち、一般的な採用よりも多くの経験ができる。それによって、自分の力をより早く高めることができる幹部候補採用は魅力的でした。
佐野:私の場合は、早い段階で会社のリソースを存分に使って仕事ができることがメリットでした。
そもそも私は、日本から世界と戦える事業を作っていきたいと思っており、学生時代から、起業したり、政治の世界に飛び込んだりしていました。
しかし、途中で自分の能力に限界を感じたんです。事業を大きくするには、莫大な資金や、人材が必要になりますが、それらをかき集めることが難しいことでした。
だったら会社に入って大きなリソース(資金や人材など)を借りて、やりたいことを実現しようと。
そういった観点で、私が新卒で会社に入る意味は、「会社のリソースを使ってやりたいことをやる」ことにあったんです。
自分が会社のリソースを使いこなすために、自分が早く成長できるか。短期間で裁量権を与えられるか。会社が多くのリソースを持っているか。これを満たしている会社に入社することにメリットを感じました。
--「早期の成長」、「裁量権」といったキーワードは、いまや多くの企業が採用メッセージとしているように思えます。 また、お二方は実際に、人材系ベンチャーの幹部候補採用なども選択肢にあったとお聞きしました。
佐野:おっしゃる通り、岡部も私も人材ベンチャー企業や組織開発系の企業で、経営幹部候補として採用されるような選考を受けていました。また、大手企業の幹部候補採用の選考にもエントリーしていましたね。
UTグループに興味を持った方はこちら。
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大手企業やスタートアップにはない、UTグループにしかない成長の鍵
--ではなぜ、UTグループの「幹部候補採用」を選ばれたのでしょうか。
佐野:「規模感」と「裁量権」を掛け合わせると、オンリーワンの会社だと感じたからです。
--というと。
佐野:就活生が求めている、「裁量権」や「ポジション」を手に入れることはそれほど難しいことではないんです。社員数が数人のベンチャー企業では、ほぼ全員が役員クラスの裁量権を持っていますし、新規事業を作れば、社長にだってなれます。
もちろん、ハードな仕事をこなす必要がありますが、それはどの会社にいっても同じです。
しかし、その反面「リソース」といった観点では、あまり期待できない。
例えば、マーケティング部で広報を行うとき、資金(リソース)が潤沢な企業は、テレビCM、SNS、イベント広報などたくさんの手段を使うことができます。
リソースがなければ、この選択肢がどんどん少なくなっていくんです。
--なるほど。裁量権を持っていても、自分の挑戦できる範囲が縮小してしまうと。
佐野:逆に大手企業になると、リソースは潤沢で企業としてできることはすごく多いですし、インパクトも大きいですよね。
その反面、裁量権を持つまでに時間がかかってしまう。もちろん企業ごとに制度は異なりますが、中には最初の三年間でジョブローテーションの一回目が終了するという会社もあります。
企業としてできることが多くても、自分がそれを使えるまでに時間がかかってしまうんです。
早期から多くの経験を通して成長していくためには、「規模感」と「裁量権」の両方を兼ね備えている必要がある。
僕がみる限りUTグループ以外にそう言った企業は見つかりませんでした。
UTグループはグループ全体で売り上げ1004億円、従業員数が2万人。 つまり、僕たちが期待されているのは、たった3年間で「1000億円という売り上げ」を動かし、「2万人を超える従業員」を巻き込んでいける経営幹部になること。
従業員や売り上げの観点では、より大きな企業はたくさんありますし、裁量を得るスピードがもっと早いベンチャー企業もあります。
しかし、UTグループのように両方を兼ね備えた企業はないのではないでしょうか。
1年目からM&Aプロジェクトに。潤沢なリソースを使い倒す経験
--3年間でそれ程の経験ができる会社は非常に珍しいです。UTグループの「幹部候補採用」では、どのようなキャリアパスを歩むことで、成長していけるのでしょうか。
岡部:UTグループの幹部候補採用では、3年間で経営幹部を担う人材を育成することを目指しています。 ここでいう経営幹部に必要なスキルは、「プレイヤーとして業務を前に進める力」「チームをマネジメントし、事業を推進させる力」「イノベーションを起こす力」だと考えられています。
営業で例えると、まずは自分で営業目標を達成できるようになる。続いて数人のメンバーをまとめて、営業チーム全体の目標に対して責任を持つ。 そして、新PJTなどを動かし、サービスをもっと拡大していく。こういったイメージです。
このような人材を育成するために、UTグループでは、一年目では「やり切る」二年目では「束ねる」三年目では「変える」と言ったように、年次ごとにテーマを決めて、配属や業務内容を定義しています。
--3年間で、経営幹部になるためのカリキュラムが設定されていると。
岡部:カリキュラムを設定しているのは、大手企業も同じ。どちらかといえば、大手企業の方がじっくり成長できるように緻密に設計されていると思います。
UTグループの「幹部候補採用」の特徴は、新卒への期待値の高さと、個人の仕事の大きさです。
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--実際にどのような経験ができるのでしょうか。
佐野:業務内容は人によって異なりますが、私の場合、1年目から、タイトワーク(現:UTコミュニティ)とM&Aをする際に起こる、社員の入退職・異動の書類の処理や、各グループ会社の規則・ルール策定を行なっていました。
*M&A:エムアンドエー。Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略。企業の合併買収のことで、2つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)。
M&Aとは、もともと文化も経営体制も異なる企業同士を一つにするということ。目標数字や文化が変わることも大いにあります。また、事業部を異動することもありますので、現場社員が困惑することも少なくありません。
統合した全ての会社の社員が活き活きと働けるようにするには、どちらの文化も尊重しなければならない。2万人にもなる社員の一人ひとりが快適に働くためには、部署や仕事内容を変えることだってあり得ます。 変わり続ける環境を整えることで、社員がイキイキと働けるようにすることが私の仕事です。
統合する会社が大事にしている文化は何か、そこで働いていた社員はどのような価値観を持っているのか。数字にできないものを理解しながら、会社の文化や制度を作っていく。
とにかく理解することが必要なので、時には全国各地の営業所を回って直接対話しにいくこともありますし、1つ1つ目の前のことをやりきる必要があります。
もちろん戦略の設計なども行うのですが、それだけでは意味がない。 理想の文化を作ったところで、社員一人ひとりに浸透しなくては、社員の環境は何も変わらない。 最後までやりきることができないと、描いた戦略も意味がないんです。
--戦略だけでなく、やりきる部分までを経験することで、自分の手で事業を伸ばすことができるようになると。2年目はいかがでしょう。
佐野:2年目の今は、人員計画の策定をしています。
グループ9社の事業の伸びを見ながら、どの事業にどれくらいの人数を配置するのかという戦略を決め、2万人の配属を決める仕事ですね。
誰をどの事業に配属すれば事業を伸ばすことができるのかを考えるのですが、実際に現場で働いているわけではないので、現場のことを完全に理解することは難しい。なので、現場社員と話し合いながら情報を吸い上げ、最適な人員配置にします。
効果的な配置でなければ、現場社員は快く働くことができませんし、パフォーマンスも落ちてしまう。 どの事業にどれだけの人が必要なのか。どのタレントをどのポジションに配置すべきなのか。2万人がイキイキと働いてもらえるような人員配置によって、会社全体の成長に寄与していく。今やっているのはそういう仕事です。
私が仕事をやりきれず、進捗が遅れてしまうと会社全体に影響が出てしまう。やりがいを感じる反面、正直プレッシャーは大きいですね(笑)
ただ、この状況を支えているのは、1年目で学んだ「やりきる」という意識。 自分が任されているのは、あくまで人員配置の戦略を設計することですが、
しかし、本当に事業を推進させるためには「成果が出るまでやりきる」ことが重要です。 そういった意味で、1年目の「やりきる」というのは非常に重要な期間だったと思います。
また、こういった経験は、通常のベンチャーだったら味わえませんし、大手にいけば1年目や2年目がやらせてもらえる仕事じゃないですよね。
2万人の配属や業務内容を変えるんですから、影響力は甚大です。知識も経験も少ない2年目社員が、こういった経験をしている状況はある意味特殊だと思います。
--カリキュラムによって着実に力をつけられているのに加え、任される内容がとても新卒1,2年目の仕事だとは思えません。岡部さんはいかがでしょう。
岡部:入社して半年間は、グループのUTグローバルという会社で法人営業をしていました。 新規顧客開拓というミッションを任され、アポイントを取るところから商談まで全てが自分の担当で。
佐野のように目新しいキャリアではないのですが、半年間でお客様の悩みを解決するスキームを手に入れることができたのは大きな経験だったと思います。
営業では、お客様の何が課題なのか、自分の商品を買っていただくためには何が必要なのか、という部分を考えながらお客様に提案するんですね。
この業務を通して、相手は何に困っているのか、どんな情報を提供すれば悩みが解決できるのかという思考が身につくんです。
社内で上長に提案する際、メンバーをマネジメントする際など様々な場面で、生きてくるスキルだと思います。
そのあと現在は、事業開発部門のM&Aユニットというところ、PMIのプロジェクトマネジメントを担当しています。
*PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション。M&A(合併・買収)後の統合プロセスを指す。経営統合、業務統合、意識統合の3段階からなる。
PMIを進めると言っても、様々な仕事があるんですね。例えば、先ほど佐野が申し上げていた人事分野。佐野が担当していた、入退職の手続きや、会社規則の設定の他にも、福利厚生の設定、理念の設定など多岐に渡ります。
プロジェクトを進めるためには、人事分野のような数十、数百ある領域、会社規則の設定のような、数千あるタスクを完了させなければなりません。
これらを担当者に属人的に任せていては、プロジェクトがいつ終わるのかもわかりませんし、質もバラバラになってしまう。
これをマネジメントするのが私の仕事です。 それぞれのタスクの進捗は順調なのか、質のいいアウトプットになっているのか、うまくいっていなければ、課題は何か。そういったものを管理し、スムーズにプロジェクトを進めていく。つまり、数十人、数百人を束ね、プロジェクトを成功に導くんです。
一般的なベンチャー企業は、ここまでのリソースを持ち合わせていない会社がほとんどですし、大手企業でプロジェクトマネジメントを任されるには、3,40歳になってからと聞きます。
こう言った経験を1年目からできるのは、UTグループならではだと思います。
--「幹部候補採用」に飛び込み、実際に業務を経験した今、キャリア選択に悩む学生にアドバイスするとすれば、なんと声をかけられますでしょうか。
岡部:より高い期待値、より高いレベルの中で働きたい人は、こう言った採用に飛び込んでみてもいいのかなと思います。
入社前の能力は極論関係ないと思っています。 成長できる仕組みやサポートは整っているので、頑張りたい理由や、食らいつけるモチベーションがあれば、活躍できる環境です。
もちろん、人生で一回のファーストキャリアですから、悩むのも至極当然。 納得するまで考えた上で、UTグループで頑張りたいとなった方には、ぜひ一緒に働きたいですね。
--「成長できる」というイメージが強かった幹部候補採用。イメージだけでなく、実態が伴うものでした。 大手やベンチャーでは成し遂げられない、今のUTグループだからこそ、できる成長。 企業は変わりゆくもの。今がそのチャンスを掴む時ではないでしょうか。