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~就活に潜む落とし穴・志望動機編~

【完璧!と思われた志望動機。なのに落ちた理由は…】 ”就活に潜む落とし穴”シリーズ!①志望動機編! 8業界・40社もの面接を受け、様々な”落ちる志望動機”を見てきた20卒ライターがコラム形式で面白おかしく語ります

~就活に潜む落とし穴・志望動機編~

みなさん、こんにちは

今週から始まりました連載、「就活に潜む落とし穴」

エンカレッジ京大編集部ライター"I"です。

12月になり、就活解禁を三か月後に控えて、志望業界や志望企業がふわって見えてきたころではないでしょうか?

この時期ちらほらと聞こえてくるのは、こんな声

「志望動機何を話せばいいんでしょう?」「業界の差別化はどうすればいいんでしょう?」

就活生の皆さん、様々頭を巡らし、"御社が第一志望"であるためのロジックを考えていきます

しかし、そこには多くの罠があり、毎年多くの就活生がおじさんと志望動機を30分以上こねくり回した挙句、面接会場をとぼとぼとさることになるのです。

今回は、そんな"志望動機"に潜む落とし穴をいくつか、ライターの私が目の当たりにした例を用いてお見せしましょう

ケース1:“志望業界以外の業界”に潜む落とし穴

さて、今回の主人公はコンサルティング業界を志望するAさん。

理系院生で思考力に優れ、自己分析もばっちり。

自己分析の結果、「自分で何かをするよりも、人を支援したい」という結論に至ったAさんは、合同説明会で出会ったコンサルティング業界がぴったりだと感じ、導かれるようにコンサル志望に。

そうして迎えたインターン選考。

某N総合研究所の二次面接に赴くAさん。コンサル業界研究に、ケース面接対策、自己分析もばっちりのAさんに恐れるものはありません。

3対3の集団面接が始まり、話題はいきなり志望動機。

隣の学生が「コンサルタントで市場価値を、、」とあるある志望動機を話すのを見てほくそ笑むAさん。自己分析の甘さが見え隠れするライバルの回答にAさんは自信を深めます。

そして、いよいよ自分の番。Aさんは、いかに自分が思考力に優れ、また、他者の支援に全力を尽くせる人間かを経験を交えて語り、自信を持って、コンサル一筋を宣言します。

しかし、ここで面接官から予想もしなかった一言。

「ちなみに、どうして銀行には行かないの?」

銀行での職務など考えたこともなかったAさんは戸惑います。そもそも、自分の志望動機でどうして銀行が挙げられるのかもわかりません。

焦ったAさんは、いろいろと理由をひねり出して話しますが、面接官の反応は微妙。

自信を無くしたAさんは、そのあとの面接でも調子が出ず、当然、合格通知がくることはありませんでした。

一見、万全の対策をしていたAさんが面接に落ちてしまったのはなぜでしょうか?

それは、ひとえに「視野の狭さ」が招いたものでしょう。

最初に出会ったコンサル業界にとらわれ、他の業界・企業を調べたり、比較したりすることを怠ってしまったのです。

銀行の業務は、融資と融資活用コンサルティング。コンサルティング業務と近いものがある一方で、価値提供の主軸が戦略かお金かというところにちがいがあります。

こうした違いは、他の業界をしっかりみていてこそ、できるものです。

初めに触れた選択肢の中だけで、自分の選択を決めてしまわず、いろんな業界や企業を見た上で選択することが大事かもしれませんね、

ケース2:“企業の中の個人”に潜む落とし穴

Bさんは、某K大学の経済学部四回生。大学ではマーケティングを専攻し、趣味は料理。

これは食品企業のマーケターこそが天職ではと、食品業界でマーケターになることを志します。

容姿端麗で、有名大学で成績優秀、食への造詣も深いBさんは、無事第一志望の飲料メーカーK社の最終面接へ足を進めます。

最終面接も終盤

「うちで何をしたいの?」という問に対して、Bさんは迷わず、「マーケティングをしたい」と答えます。

面接官の「初期配属は営業やコーポレートかもしれないけど大丈夫?」という問いにも、魔営業で経験を積めばマーケターになれるという社員の話を聞いていたBさんは、迷わず「大丈夫です!」と即答。

無事、内定を得ることをできました。

そして、入社して6年目、Bさんは今日も元気に、車を乗り回し、小売店にあいさつ回り。先週は伏見稲荷まで一時間ビールを抱え山登り。

果たして、マーケターになれる日は来るのかと転職に悩む日々を過ごしています。

Bさんはどこで道を見誤ったのか?

それは、「会社の中での個人のキャリア」に関する"事実"を軽視したことでしょう。

実はK社で新卒でのマーケティング部門配属は100人中3人。近年は中途採用の強化に伴い、営業→マーケティングへの配置転換も年数人と非常に狭き門となっていたのです。

確かに、営業→マーケティングのキャリアもありますが、それは「希望を出せば通る」ではなく、「事例としてなくはない」という程度のものだったのです。

こうした事実をつかめていれば、職種別採用の企業を受けるといった可能性も考えられたでしょう。

数字は嘘をつきません。"印象"に惑わされず、できる限り事実に基づいた選択をすることも大事かもしれませんね。

ケース3:“御社が第一志望”に潜む落とし穴

本日は6月1日、総合商社志望のCさんは、第二志望のM物産の面接に向けて気合十分。二次面接に挑みます。

GDと面接が一緒になった選考にのぞみ、いよいよ面接の時間。

体育会で4年間鍛えてきたCさんは、学生時代のエピソードも十分。面接も順調に進みます。

面接も中盤に差し掛かり、いよいよあの質問が強面面接官から投げかけられます。

「どうして商社を志望しているの?」

総合商社に入るため、30回ものOB訪問をこなしてきたCさんにとっては、恐れるに足りません。堂々と答えたCさんに、面接官も納得のご様子。

そして、面接官は次の質問を、

「その中で、うちは何番目なの?」

商社は志望度が重要と聞いていたCさんは、聞かれるや否や、自信満々で「第一志望です」と断言します。

志望理由の定番といえばやっぱり、「人」。CさんはいかにM物産の社員の人格が優れていたかについて語ります。

しかし、面接官は怪訝なご様子。

「ほかの商社の社員は魅力的じゃなかったの?」

第一志望である理由を絞り出していたCさんは答えに窮します。今までの自信満々の様子はどこへやら。しどろもどろになり、即日連絡のはずの合格通知がその日のうちに届くことはありませんでした。

実績も業界・企業研究も十分なCさんが面接に落ちてしまったのはなぜでしょうか?

理由は単純。"嘘"をついてしまったからです。

いくら、考えて論理的に思える"第一志望である理由"を考えたところで、後付けの理由は、所詮は"正当化"。

歴戦のおじさんにはすぐに見抜かれてしまうでしょう。

もし、第一志望ではない企業で「第一志望?」と聞かれたら、その時は正直に、「第一志望」ではないことを伝えるのも一つの手です。

物事は伝え方です。「迷っている」という伝え方をして、迷っているポイントを伝えれば、おじさんも中々、追及はしてきません。

おじさんたちが見たいのは、「第一志望であるきれいな理由を話せるか」以上に、「しっかりと自己理解をして、業界・企業理解をしたうえで、選んでいるか」という点であることが多いのです。

最後に

さて、いかがだったでしょうか?

キャリア選択や面接における志望動機には様々な罠があります。

上でお見せしたのはほんの一例にすぎません。

こうした罠にかからぬよう、「自らのキャリア選択」や「話そうと考えている志望動機」を常に批判的に検討し続けることが大切です。

せっかくの就活という、「自身と社会を向き合う」機会。

足を動かし、ベストな選択を追求してみてください!!

本日はお付き合いいただきありがとうございました!

次回をお楽しみに!

エンカレッジ京大編集部 I