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自動車業界の今後の動向を徹底解剖!本選考で必ず問われること。

日本の経済を牽引する自動車業界。世界の企業ランキングでTOYOTAが日本で唯一トップ100にランクインするなど、日本の主要産業として、就活生からの人気も高いです。 そんな自動車業界は、現在自動運転やMaaSなど、新たな技術の台頭もあり、大変革が起きている業界です。今後の自動車業界の動向について解説すると共に、実際の選考で問われることを確認していきましょう。

自動車業界は日本経済の生命線?!

日本における自動車関連産業はとても重要です。

日本自動車工業会の調べによれば、2017年の自動車製造業の製造品出荷額等は前年より5.1%増の60兆6,999億円、全製造業の製造品出荷額等に占める自動車製造業の割合は19.0%、自動車関連産業の就業人口は546万人にのぼります(注1)。

自動車業界における、546万人の就業人口は日本の就業人口の1割ほどを占めており、自動車業界は日本経済の生命線といっても過言ではないでしょう。

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トヨタ自動車_ES(2020卒_本選考) 本田技研工業_ES(2020卒_本選考) 日産自動車(NISSAN)_ES(2020卒_夏インターン) 三菱自動車_ES(2020卒_本選考)

自動車メーカーTOP3の企業文化を探る

自動車業界のメーカーとして名前が挙がるのは、トヨタ自動車や本田技研工業などではないでしょうか?これらの会社は、自動車業界の中では完成車メーカーと呼ばれています。

一方で、自動車を構成する数多の部品を製造する自動車メーカーを部品メーカーと呼んでいます。有名な企業としては、デンソーやアイシン精機が挙げられます。

今回は、完成車メーカーに絞って企業の概要を確認していきましょう。

・トヨタ自動車 売上:30兆2256億円 創業年:1937年 従業員数:36万4445人(連結) 海外拠点数:50(製造事業体の数) トヨタ自動車は、言わずと知れた日本最大の自動車メーカーです。世界の企業ランキングでも日本企業の中で唯一トップ100に入り、現在は41位にランクインしています。

「カイゼン」に代表される挑戦の文化が根付き、日本の経済成長とともに歴史を重ねてきました。この「カイゼン」という概念は、自動車業界に留まらず、世界中で重要視され、「Kaizen」という言葉で通じる時もあるようです。

トヨタ自動車の経営理念は、「トヨタウェイ」という行動指針に示されています(注2)。

「知恵と改善」「人間性尊重」という二つの柱によって構成されています。「知恵と改善」は常に現状に満足することなく、より高い付加価値を求めて知恵を絞り続けることを指し、「人間性尊重」は、あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長を会社の成果に結びつけることを意味しています。

・本田技研工業(ホンダ) 売上:15兆8886億円 創業年:1948年 従業員数:21万9722人 海外拠点数:57(事業所の数)

本田技研工業(以下ホンダ)は、1948年に本田宗一郎によって創業された自動車メーカーです。自動車メーカーであるものの、近年は小型ジェット機であるHondaJetを開発し、売上が好調に推移するなど、自動車に固執せず、圧倒的な技術力で革新的な機械を開発する総合機械メーカーになっています。

1958年のスーパーカブの発売で人気を確かなものにすると、モーターレースにも積極的に出場することで海外での名声も高めていきました。

四輪車ではトヨタ自動車などの後塵を拝していますが、二輪車の販売では世界1位の出荷台数、売上高を誇っています。

創業者である本田宗一郎自身が生粋の技術者であり、その社風が現在も色濃く残っています。情熱を持った、技術者気質の社員が多いようです。

・日産自動車 売上:11兆5742億円 創業年:1933年 従業員数:13万8893人 海外拠点数:27(生産拠点の数)

日産自動車は、1933年に創業しました。日産自動車の特徴は、1999年にフランスのルノーと資本提携を交わしたことにあります。

当時、経営が傾いていた日産自動車を、最高執行責任者として赴任したカルロス・ゴーンが立て直しました。

日産自動車の特徴は、ルノーとの提携からもわかる通り、自動車業界の中でも特に国際色が豊かであることです。TOEICの推奨スコアを730点に設定することや、「和魂多才型人材」を求める新卒採用では、最低限の英語力が必要でしょう。

ある社員によれば、上司が英語のチームで働く場合は、資料なども全て英語で用意することが求められるそうです。自動車業界の中でも、トップクラスのグローバル環境で働くことができるでしょう。

自動車業界の今後:「運転手」はいなくなる。

IoTの波が自動車業界を飲み込んでいく

自動車業界は、現在大変革の時代です。ここでは、自動車業界の今後を左右する業界のトレンドについて確認していきます。

・MaaS(Mobility as a Service)=マース 国土交通政策研究所によれば、MaaSは新しい概念であり、その定義は様々ですが、

「ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。」

としています(注3)。簡潔にまとめると、自動車業界だけでなく、交通に関するあらゆる情報を一元管理することで、移動効率を高めることがMaaSの目的です。

実際、トヨタ自動車は最近の取り組みとして、モビリティサービスに特化した自動車である、「e-Palette Concept」を発表しています。

トヨタ自動車による「e-Palette Concept」の説明は以下の通りです(注4)。

e-Palette Conceptは、電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EVです。移動や物流、物販など様々なサービスに対応し、人々の暮らしを支える「新たなモビリティ」を提供したいと考えています。将来は、複数のサービス事業者による1台の車両の相互利用や、複数のサイズバリエーションをもつ車両による効率的かつ一貫した輸送システムといったサービスの最適化を目指しています。

・自動運転の実用化 自動運転に関する研究は、世界中で行われている技術開発の中で最も重要な開発の一つです。前提として、自動運転には5つのレベルが存在します。

完全自動運転に至るための5段階のレベル定義

現在、最先端の技術を持つ自動車メーカーはレベル4の実証実験を行なっており、近い将来、「運転手」という概念は世界から消え、交通事故がない世界が到来するかもしれません。

・CASE CASEという単語をご存知ですか?これは、Connected(インターネットと自動車の常時接続)、Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)という、近年の自動車業界における大きな四つの変革を纏めた総称です。

先ほどのMaaSはConnectedやSharedに該当し、自動運転はその名の通り、Automatedに該当します。

自動車業界を志望する就活生は、今紹介したような最新のトレンドに関して、普段のニュースや新聞を見ることで、情報をアップデートしておきましょう!

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自動車業界の企業が就活生に求めるチカラ

自動車業界は他業界よりもグローバル化が進んでいる

トヨタ自動車が新卒採用サイトで掲げていることは、「自ら高い目標を掲げ、周囲を巻き込んで挑戦していく人」です。さらに細かく言うと、

「あえて『困難で高い目標』を自分で掲げ、現場の事実を しっかり見据えたうえで、泥臭く、愚直に、そして主体的にやり抜いていける人」

「他の価値観を尊重し、意見に謙虚に耳を傾け、周囲を巻き込んで 仕事を進めていくことを、グローバルな舞台で実行できる人」

の二通り、もしくはどちらも満たした人材を求めていることがわかります。実際、数回行われるリクルーター面談や最終選考においても、上記についてかなり深掘りされます。

それぞれについて、簡潔で、論理的に選考官に伝えることができるかが重要になります。

・ホンダ

採用サイトにおいては、具体的な人物像は設定されていませんが、ホンダには企業哲学である「Hondaフィロソフィー」と、 長年の歴史の中で受け継がれた信念を言語化した「Hondaイズム」が掲載されています(注6)

Hondaフィロソフィーは、「基本理念(人間尊重と三つの喜び)」、「社是」、「運営方針」から成り立っていますが、本稿で取り上げるのは、「基本理念」における、「人間尊重」のカテゴリです。

「人間尊重」は、「自立」「平等」「信頼」の三つの柱で構成されています。

「自立」した心を持って、主体性を発揮しながら行動し、常に「平等」な視座を持って個人の違いを尊重し、お互いを「信頼」し合うことで、お互いの足りない所を補い、チームとして結果を残すことがホンダが求める人物像なのではないでしょうか。

・日産自動車 日産自動車は採用サイトには具体的な人物像を設定していませんが、推測することは可能です。

まず、近年の内定者の傾向としては、留学経験者が多く、体育会出身の学生もいるようです。日産自動車は、ルノー、三菱自動車とのアライアンスをしており、自動車業界の中で、最もグローバルな経験や、他者との協働を経験している人材を欲しています。

実際、最終面接時に、英語力についての確認をされたり、「リーダーシップを持って周りを巻き込んだ経験」について深掘りをされる場合もあるようです。

選考で問われること 前項で示したように、自動車業界では変革が起きており、最新のトレンドを拾っていくことが重要です。

その中で、自動車産業は、日本で最も重要な輸出産業でもあります。そのため、英語を中心とした語学力があることは望ましいと言えるでしょう。

もちろん、語学力は必須条件ではありませんが、バックグラウンドが異なる他者と協働して、事業を進めていくことが可能にすることが求められる自動車業界において、リーダーシップを持って、チームを引っ張った経験は必ず選考中に問われます。

そして、それぞれの自動車メーカーではかなり志望度が重要になります。OB訪問や公式サイトを通じて、企業理解を深めていくことも忘れずに行いましょう!

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本田技研工業_選考体験記(2020卒_本選考) 日産自動車_選考体験記(2020卒_本選考) トヨタ自動車九州_選考体験記(2020卒_本選考) デンソー_選考体験記(2020卒_本選考)

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内定を得るために必要なことは?

自動車業界を志望する就活生へ 自動車業界を志望する際、他業界も併願することが一般的でしょう。

エンカレッジでは、自動車業界以外にも、多くのメーカー業界の記事を掲載しています。業界によっては求められる人物像や、経験も異なるため、記事を見て早めの対策をしましょう!

また、トヨタ自動車をはじめとして、自動車業界ではリクルーター面談が設定されることが多く、フランクな雰囲気の中でも、自分が伝えたいことをしっかりと選考官に伝える力が必要不可欠です。

エンカレッジでは、自動車業界を皮切りにメーカー、商社、コンサルなど、各業界の優秀な内定者が自己分析やES対策、内定に至るまでを一括サポートします!

就活のことで不安がある方はぜひ相談してみてくださいね!

注)

1)日本自動車工業会「基幹産業としての自動車製造業」(http://www.jama.or.jp/industry/industry/index.html) 2)トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト「トヨタウェイ2001/トヨタ行動指針」(https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/toyotaway_code-of-conduct/) 3)国土交通政策研究所「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)について」(https://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2018/69_1.pdf) 4)トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト「トヨタ自動車、モビリティサービス専用EV "e-Palette Concept"をCESで発表」(https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/20508200.html) 5)TOYOTA新卒採用サイト「求める人物像」(http://toyota-saiyo.com/recruit/) 6)Honda新卒採用サイト「Hondaについて」(http://www.honda-recruit.jp/about/)