田中 弦 YUZURU TANAKA Fringe81株式会社 代表取締役CEO
1999年、ソフトバンク株式会社にインターネット部門採用第一期生として入社。
ブロードキャスト・コム(現Yahoo!動画)の立ち上げに参画。 その後、ネットイヤーグループ創業に参画。2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。
モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。 2005年Fringe81を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。
好きなことを極めたい、ただそれだけでもいい
六本木グランドタワーの最上階に広がる、Fringe81のオフィス。業務拡大と人員増加のため、2019年に移転してきた。
Fringe81は、広告代理業やメディアの収益化支援事業を展開し、17年には上場を果たしたネットベンチャー。HR(HumanResources)テックサービス「Unipos(ユニポス)」でも話題を集めている。
「よく聞かれます。インターネット広告とHRテックという〝飛び地〞で、どうして事業をやれるのかって。でも僕の中では一貫していて。好きなことを極めたい、ただそう思っているだけなんです」と、Fringe81の田中CEOは語る。
「まず大前提として、僕たちはインターネットが大好き。メディアやクライアントに最大の成長資金を提供できる手段として、インターネット広告やマーケティング事業を始めました。
次に僕自身が、組織運営が好きということ。独立して以来、社員の生産性を高めながら、独自の採用制度やカルチャーをゼロからつくってきました。それがHRテックの事業開発にもつながっています」(田中CEO)
どんな事業も、根底にあるのは「Be an Explorer(探検家であれ)」という理念。
「インターネット広告をやっているのに、当社の経営陣には広告代理店出身者が一人もいません。業界経験や事業プランがあって、資金を集めてスタートする普通の企業とは違う。生まれながらにして、変わった会社なんです」と田中CEOは言う。
社員の挑戦を認めるカルチャー、イノベーションのための組織運営から生まれた「Unipos」は、社員同士が少額の成果給〝ピアボーナス〞を送りあうWEBサービス。もともとは社員の頑張りを発見してシェアしあう社内制度「発見大賞」を事業化したものだ。現在はメルカリなど280社を超える企業に導入され、飛躍的に成長している。
それぞれの思いを、実現できる会社でありたい
「会社は箱。そこに、社員それぞれの思いを乗せていい」と田中CEOは言い切る。
「先日、日本最大の保険会社から参画した女性社員は、ユニポスによって、大企業を社員の声が届く組織にしたいと転職してきました。それなら、思い切りやってほしい。僕の思いを代わりに表現するのではなくて、社員一人一人が挑戦しながら、自分の思いを実現できる会社でありたいです」。
経営陣は〝知的好奇心を満たすこと〞や〝公序良俗に違反しない〞といったポリシーについては口を出すが、基本的に事業の進め方などは若手に積極的に権限を与えているという。
その言葉通り、2つの子会社ではトップを20代社員が務め、経営の意思決定を任せている。
「仕事で活躍するための能力は後天的なものだと思っています。学生たちは、学部や学科などで職業を決めてしまいがちですが、僕の大学時代の専攻って、『平家物語』ですよ。生まれてからたった20年ほどの経験なんて、ほとんど役に立たない。少し怖いのは分かるけど、やってみたいことに思い切り挑戦するのは楽しいよと、伝えたいですね」(田中CEO)
再チャレンジで掴んだ、成長が信じられる場所
下倉 拓人 TAKUTO SHIMOKURA Fringe81株式会社 / 内定承諾者 名古屋大学経済学部。2020年入社予定。
諦めなかったから、次の扉が開いた
初めの印象は、会社説明会でCEOである弦さんの話を聞いた時、「インターネットってこんなに面白いんだ。自分で事業をつくり、自分で動かすってこんなにワクワクすることなんだ」と感じたこと。そこから、ベンチャー企業で働くという選択肢が生まれました。
でもその後、Fringe81のサマーインターンシップ後の選考を受けて、不合格になってしまったんです。悔しくてたまらなくて、その挫折を糧に10社ぐらいのインターンシップを巡りました。
さまざまな企業のインターンを通じて常に自分と向き合い続けた結果、Fringe81のサマーインターン参加時とは違う自分になれていると確信をもてるほどになりました。
ですが、多くのインターンを巡った中でも、一番多くのことを学ばせてもらったのがFringe81のインターンだったという思いがあり、「やっぱりもう一度チャレンジしたい」という気持ちが沸き上がってきました。そこで、Fringe81通年採用に申し込みました。
採用のプロセスでは社員との面談もあり、自分が入社したいと感じていた魅力を再確認できました。人に対しても、仕事に対しても、誠実にコミットする人たちだということ、そして挑戦を応援するカルチャーがあることなどです。最終的には、自分のFringe81に対する熱量が内定につながったと思います。
4月からはインターン生としてメディアの収益化を支援する広告事業部で、適切な施策につなげるための調査/分析を任されています。分析はほぼ未経験だったので、壁に直面することも多いですが、先輩社員たちや社風にとても支えられていると感じます。
「自分がチャレンジする姿勢」を周りが賞賛してくれるんです。失敗を受け入れて、そこからまた次につなげていける環境があると感じています。いまは、いつか自分の事業といえるものをつくりたいという目標ができました。会社にも、社会にも当事者意識をもって貢献していきたいと考えています。
社会を動かしていく手触り。鳥肌が立つ、そんな瞬間がある
柳川 小春 KOHARU YANAGAWA Unipos株式会社 / マーケティング・ブランドチームリーダー 一橋大学経済学部卒業。2017年入社。
怒涛の日々の先にあった、受け入れられる喜び
もともとは、何か資格でも取ろうと漠然と考えていた、安定志向の人間でした。就活を始めた頃、あるイベントで弦さんのプレゼンに遭遇したのです。
「新しい発見をもとに、地球の未来をつくる集団」という当時のビジョンにワクワクが止まらなくなってしまって。大学では大企業や官公庁に進む人が多かった中、Fringe81への入社を決めて驚かれました。
Fringe81での最初の仕事は、デザイナーの補佐として仕様を考えることでした。その後、カスタマーサポート体制をつくったり、プレスリリースを出したり、ローンチイベントを開催したりと、プレッシャーの大きな仕事を立て続けに経験しました。社会人一年目にここまでの大仕事を任せるFringe81のクレイジーさを改めて実感した半年間でした。
こうして2年前に産声をあげたUniposは、今280社を超える企業でご利用いただいています。テレビや新聞で取り上げられる度、SNSで「Uniposをもらって頑張ろうと思えた」といったつぶやきが流れる度、確かに誰かの働く喜びに貢献できている手応えを感じ、鳥肌が立ちます。
プロダクトすらなかった3年前には、想像もしていなかった未来です。あの時、安定した未来よりもワクワクする未来を選んで、心から良かったと感じます。
現在はのブランドチームのリーダーとして、マーケティングコミュニケーションの全体設計や、ブランディング・認知拡大施策を担当しています。
立ち上げフェーズから成長フェーズへと移り変わり、求められる職能は日々増え、与えられる責任もますます大きくなっていますが、Fringe81の歴史・文化・ユニークネスの結晶であるを世界中に広めるために、未経験の領域にも果敢に挑戦していきたいです。