素材メーカーとは?
素材メーカーと一言に言っても、「どの素材を商材にしているか」によって、ビジネス領域は企業によって全く異なります。
企業によって多少の違いはあります。基本的には、開発・研究を経て新素材を作り出し、その素材を各種メーカーに提供することで収益を得ることです。
また、自社または子会社において、新素材を使って自前で商品を作り出す場合もあります。このように、様々な事業を行なっていることが素材メーカーのビジネスモデルの典型的なパターンです。
後で紹介する、クラレを例にしてみましょう。
クラレの現在の売上の4割を占めている「ビニルアセテート事業」の一事業として、光学用ポバールフィルム事業が存在します。
この事業内における生産素材として、ポバールやエバールという樹脂を生産しています。この領域において、クラレは圧倒的な世界シェアを握り、収益性を向上させているのです。
光学用ポバールフィルムは、液晶ディスプレイの素材として使用されており、液晶ディスプレイの需要が増加した現在、企業の主力商品の一つとなっています。
この事業で安定的に収益を上げることで得た資金を元に、研究開発に対しても費用を割くことが可能になっています。
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素材メーカーは安定?
素材メーカーに限らず、メーカー各社を志望している就活生は、その志望理由に「安定していそうだから」という意見をよく聞きます。
しかし、その考えは本当に正しいのでしょうか?例えば、富士フィルムという企業をご存知ですか?
その名の通り、1934年当時の企業の中心事業は写真フィルムに関する事業でした。
しかし、デジタル化が押し寄せた20世紀後半は、デジタルカメラの登場も相まって、フィルム事業は売上は激減しました。
そこで、企業の事業を整理し、現在は大改革に成功しています。
企業としては改革に成功することができましたが、その陰では数千人規模のリストラを断行しています。
写真フィルム事業の縮小に伴い、2005年度には5000人程度の写真事業の社員をリストラし、「選択と集中」を体現しています。
素材メーカーは、企業の財政基盤の安定さや、業界の特性上、比較的高年収であることで就活生に人気のある業界であることは間違いありません。
しかし、志望企業に入社したことに甘んじて安住していると、リストラされる可能性があることを頭の片隅に入れておきましょう。
素材メーカーは決して「安定」している訳ではないのです。
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素材メーカーの現在の動向
現在の素材メーカー、業界全体の動向を確認していきましょう。
冒頭で話した通り、素材メーカーは「何を素材とするか」によってビジネス領域が全く異なります。
しかし、多くの素材メーカーに共通するキーワードとしては、「海外進出」が外せないでしょう。
例えば、冒頭に例として挙げたクラレは、今から30年前の1990年は全体の売上に対する海外売上比率は20%以下でした。
しかし、現在は6030億円の総売上高に対して、68%が海外での売上となっています。
その理由としては、国内の需要が減少しているということ、そして、アメリカや中国だけでなく、新興国の成長が著しいことにあります。
企業によっては海外駐在のプログラムを豊富に整えています。
「海外志向」が強いのは勿論ですが、「海外駐在」に対する抵抗が少ない学生を欲していることは間違い無いでしょう。
他言語ができることが必須である訳ではありませんが、企業によっては選考を進める上でプラスになる可能性があります。
素材メーカーを志望する場合は、海外駐在する可能性も加味した上で、企業研究を重ねましょう。
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素材メーカー5社の紹介
ここからは、素材メーカーの業界を代表する五つの企業を簡潔に紹介していきます。
<帝人> 売上高(2018年度):8886億円 営業利益(2018年度):600億円
帝人は三つの強みを標榜しています(注1)。
それは、異なる三つの事業領域を持つことかつ、それらを支える技術基盤。変革と挑戦のDNAを受け継ぐ人財。
先駆けて取り組んできたガバナンス体制。
特に、変革を象徴する事例として、同社が持つIT子会社が運用する電子コミック配信サービスが挙げられるでしょう。
素材メーカーとしての軸足をしっかりとしながらも、電子コミック配信サービスといった全く異なる業界にチャレンジする風土がある企業と言えるでしょう。
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<クラレ> 売上高(2018年度):6030億円 営業利益(2018年度):658億円
クラレの強みは、光学用ポバールフィルムに代表される、「ビニルアセテート事業」で安定した収益を確保していることにあります。
その中で、新規事業に対する投資も怠っていません。
近年の事例で言えば、液晶ポリマーフィルムが5G高速通信向けの販売を拡大したことにより、生産能力を増強しています。
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<AGC> 売上高(2018年度):1兆5529億円 営業利益(2018年度):1205億円
AGCには大きく分けて三つの事業セグメントがあります。
ガラス、電子、化学品です。その中で主力であるガラス事業は、建築用ガラスと自動車用ガラスの両翼で成り立っています。
2018年度は日本、欧州で出荷量が増え、売上高は増加しましたが、原材料費の高騰が伴い、営業利益は減益となっています。
その中で、化学品セグメントにおけるライフサイエンス事業は積極的な設備投資も相まり、順調に規模を拡大していく可能性があります。
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<旭化成> 売上高(2018年度):2兆1704億円 営業利益(2018年度):2095億円
旭化成は三つの事業セグメントに分かれています。マテリアルセグメント、住宅セグメント、ヘルスケアセグメントの三つです。
全てのセグメントにおいて、2018年度は増収、増益を果たすことができています。
その中でも、マテリアルセグメントにおける、繊維事業は25%の売上増加となっています。
その要因としては、不織布(ふしょくふ:織らない布状のものを言い、通気性、ろ過性、保温性を持っていることが基本)の販売数量の増加や、米国自動車内装材メーカーSage Automotive Interiors, Inc.の買収が挙げられます。
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<東レ> 売上高(2018年度):2兆3888億円 営業利益(2018年度):1414億円
東レは五つの事業セグメントに分かれています。繊維、機能性化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンスの五つです。
東レの強みは、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーという四つのコア技術を基幹にした、技術力です。
私たち消費者に身近な製品としては、コンタクトレンズの生産も行なっています。
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(注1)参考 帝人「2019 統合報告書より」
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素材メーカーの就活で大切なこと
これまで、素材メーカーの業界全体の現状や、各社の簡単な説明を通して、素材メーカーについて触れてきました。
ここで、素材メーカーの就活において特に大切になることをお伝えします。
大切なのは、新たな領域を開拓する気概を持つ、「挑戦」的な心を訴えることです。本稿でもお伝えした通り、素材メーカー各企業は海外にビジネスを展開しています。
その中で企業が求めていることは、どんな困難な状況の中でももがき続け、答えを導き出す挑戦心です。
留学経験だけでなく、サークルや部活の中でうまく行かなかったこと、困難に直面した時に、どのようにその課題を解決していったのかをしっかりと言語化できるようにしておきましょう。
例題としては以下のような設問が考えられます。
<質問例> ・あなたが大学入学後に乗り越えた困難を具体的に教えてください。 特に、難しかった点、及び自分なりに創意工夫した点を重点的に教えてください。
<回答例> 私が大学入学後に乗り越えた困難は、広告代理店で企業SNSの運営に携わる長期インターンで、クライアントのSNSチームの課題を解決したことだ。
チームの課題は投稿プランを守れていないことだった。
業務内外で分析を続け、原因がクライアントの製品部によるSNSの投稿依頼が急であるためにプランがすぐに変動することだと突き止めた。
強い立場の製品部に代理店として働きかけることは困難だったが、私は二つの工夫をした。
一つは自身の説得力を上げるため、どんなに急な依頼があってもプランを死守する姿勢を見せたこと、もう一つは会社で発言力を持つマーケティング部長と関係性を築き、チームの発言力を増したことだ。
前者によってチーム全体がプランの死守に向けて動く流れとなり、それが後者を通してマーケティング部長に伝わって、チームの要望が通りやすい状況となった。
結果、製品部の投稿依頼に明確な期日が設定され、プラン通りに投稿できるようになった。
このように、自分が直面した困難に対して、周りを巻き込んでどのような結果をもたらしたのかを具体的に書けるようになりましょう!
そうすれば、企業側も納得感を持って、面接のフェーズに進めることができるでしょう。
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素材メーカーに関連する業界
これまで、素材メーカーの就職活動について説明してきました。その他の業界研究記事もあなたの就職活動の助けになるはずです。
自分が志望する業界だけでなく、他業界の業界研究記事も目を通して就活偏差値を挙げていきましょう!
<ESってどう書けばいいの?>
<鉄道業界>
<広告業界>