旧帝大理系院生でもあっさり落ちたサマーインターン
ー今日はよろしくお願いいたします。まずは簡単に今のお仕事を教えてください。
菅澤さん(以下、菅澤):3月に大阪大学の大学院を卒業して、都内のベンチャー企業で働いています。ベンチャーなのですが、ソフトウェアだけではなく、ハードも自社でプロダクトを持っています。今は自社ソフトウェアをカスタマイズして納品する際の、設計、要件定義がメインです。大手企業が基本的にはお客様なので、やりがいは大きいですね。
ー少し、過去の話になってしまうのですが他はどんなところの選考を受けていましたか?
菅澤:他にはベンチャー企業を10社程度、受けていましたね。あとは外資コンサルも受けていました。
ただ、自分はアメフト部、かつ理系院生ということもあり、同期は三菱商事だったり、三井物産だったり。いわゆる一流企業に行くような友人も多いです。
ーそんな中で菅澤さんは、ベンチャー企業、外資コンサルに絞って、就職活動をしていたのですね。
菅澤:いえ、当初はエネルギー系の大手会社に行こうと思っていました。自分の大学院での専攻がエネルギー関係だったので。(笑)
ーなるほど(笑)、いつごろからベンチャー、コンサルに絞るようになったのですか?
菅澤:この話をすると、結構長くなるのですが...(笑)
まず就職活動自体はサマーインターンの選考から開始しました。エネルギー関係の大手企業を受けたのですが、あっさり落ちました。「あ、普通に落ちんねや。」と思ったことを覚えています。
その後、同期で先に就職していた友人と会う機会があって。ベンチャー企業に就職していたのですが、就職の初期は彼に大きな影響を受けましたね。
ただ、この時はまだベンチャー企業に行こうとは思っていませんでした。
「とりあえず、就活はした方がいいよ。いろいろ知ることができるから」
的な言葉だったのですが、自分は素直なので、そうなんか!と思って。
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就活観を変えるほど、衝撃を受けた1枚の写真
ーそこから本格的に就活を開始したってことですね。
菅澤:そうですね。まずは学内で行われているセミナーに参加していました。
11月にベンチャー系を紹介している企業のイベントに参加したときにベンチャーに意識が振り切れるきっかけがありました。11月23日ですね。衝撃的だったのではっきり覚えています。(笑)
ーもう2年前くらいですよね。そんなに衝撃的だったのですか?
菅澤:そうですね。結構衝撃的でした。
イベントでは有名ベンチャー企業2社の社長講演があったのですが、その時に1社の社長が、通勤ラッシュの画像を見せて、「こうなりたいですか?」と。
その写真に写っている方が生き生きしていないことは写真を見ても分かる。今、考えると演出の一種だと思うのですが、こうなるのは嫌だなと、自分は仕事を生きがいの1つにしたいなと思った。
どうするのかを考えたら、人生を早送りして生きる、つまり生き急ぐしかないと思いましたね。自分は飲み込みが遅いと思っているので、同じように働いていたらダメだと。
ーなるほど、素直に影響を受けたのですね。それが結果的にはいい方向に進んだと思いますか?
菅澤:そうですね。ただ素直さだけではなくて、とにかく自分の意思決定について、時間の許す限り振り返りをすること。それがいい方向に進むことにつながると思います。多分、自分の意思決定に正しいと言い切ることは簡単で、ただそれをやると将来的に違和感を持ちそうだなと思っています。もちろん、その時にもまた蓋をできる人も多いと思いますが。
ー意思決定に対しての振り返り、なかなか難しいと感じる学生も多いと思いますが。
菅澤:例えば、
『大手企業に行こうと考えている人はベンチャーに行くとしたら、自分の人生はどうなるか。』
『ベンチャー企業に行こうと考えている人は大手企業に行くとしたら、自分の人生はどうなるか。』
単純な二項対立ではないし、企業を考えるときの比較はこんなに単純ではないですが、これを考えるだけでも、自分の意思決定に対しての振り返りになる。
もちろん、この時に点で振り返るのではなくて、過去の経験や、そこから考えた、これからどう生きるのか。そういうものを前提として頭の中に持っておく必要はあると思います。
ー振り返りって、結局は問いでしかないですよね。
菅澤さんは、今後はどんなキャリアを進んでいきたいと思いますか?
菅澤:今の会社はいい意味で、長い目を持ってビジネスを考えるベンチャーです。『20年、30年後、この会社は社会の中でどうなっていくのか、何を担っていくのか』
だからこそ、じっくり時間を使って大きな成長をしていく。そんな文化があります。この環境の中で何かを考える経験はとても貴重です。ただ、一方でひたすら目の前の事象に取り組む、目の前の数字にコミットする経験も今後はしていきたいですね。
あとは将来的には、社会の理不尽な面に対して自分の力を使えるようになっていきたい。具体的な領域はまだ決まっていないのですが、価値観の根底に存在しているので。
ーこれからの活躍もまた聞かせてください!菅澤さん、今日はありがとうございました!
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