留学先で恥を捨てて見えてきたもの
ー並木さんはどんな学生時代を送っていたのですか?
並木さん(以下、並木):主に留学とアルバイトの2つに力を注いでいました。
アルバイトは4年間を通して全部で5つくらい行いましたね。飲食、個人塾の受付、キャンペーンガール、バリスタ、ショールームのスタッフ等。
とにかくその当時所属していたバイト先のコミュニティで、がむしゃらに頑張ってきたという感じです。
バイト以外では、ジャーナリズムを学ぶために、アメリカのオレゴン大学に1年間留学していました。
もともとアメリカへの憧れや尊敬する先輩が留学していたのがきっかけで自分も行きたいと思ったのがきっかけでした。
ただ実際に留学してみると、自分の思い描いていた理想と現実のギャップがすさまじく、どちらかというと留学は辛かった思い出の方が多いです(笑)
ー具体的に何が大変だったんですか?
並木:寮生活では人種差別が存在していましたし、最初の頃は英語ができないから馬鹿にされて相手にされないということが結構ありました。
それまで東京生まれ実家暮らしだったところからいきなり、田舎の大学で寮生活をする上にルームメイトが常に同じ部屋にいるので、プライベートが全く存在しない。
こういう生活が辛くて当時は毎日泣いてました(笑)
ただ、英語が上達してくると大学の勉強の要領も掴めてくるし、それに伴って自分に振り返ってくれて、一緒に勉強したり遊んだりするような友達が増えていったんですよ。
とにかく恥を捨てて目の前のことに全力に取り組む姿勢が良かったんじゃないかなと思います。
生活自体は特に最初の頃と変わり映えはしなかったものの、物事をポジティブに捉えるようになれたのは、留学して一番良かったなと思うポイントですね。
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就活観を変えた先輩の一言が、外資メーカー就職のきっかけ
ー並木さんはアメリカ留学から帰ってきてから就活を開始したようですが、きっかけは何だったんでしょうか?
並木:就活を始めたのは、留学から帰ってきた3年の夏頃でした。
きっかけは、留学に行っていた時に先輩がみんなやってたからという理由です。
でも、夢もやりたいこともなかったので、右も左も分かりませんでした。なので、とりあえずなるべく多くの業界/企業を見るようにアドバイスされたことを覚えています。
ーでは、就活を進める中で企業選びの軸はどのように変化していったのですか?
並木:最初は就活の軸がなくて、なんとなくの憧れから人気ランキング順にいろんな業界の企業を受けていたのですが、ある時外資メーカー内定者の先輩と話す機会があって。
当時ふわふわしていた自分に喝を入れてくれたのがその先輩でした。
ーその外資メーカーの先輩には、どんなことを言われたんですか?
並木:「将来どうなりたいのか」「なんでそう思うようになったのか」をとにかく深掘りされたのですが、何も答えられなかったんです。
「そんな甘ったれた気持ちで就活するんじゃない」とまで言われました(笑)
それからは、自己分析・自己理解を重視するようになりました。
当時はなんとなくワクワクできる企業や、なんとなくグローバルに働きたいという思いはあったものの、それが具体的にどういう環境か、企業なのかを言語化できていませんでした。
ー言語化するために、なにか意識していたことはありますか?
並木:企業の説明会やOB訪問等、社会人の方の話を聞く時に、その人の話のどこが良くてどこに興味を持てなかったのかを全てノートに書き出してました。その人の雰囲気や言葉も判断材料になります。
そうしていく内に自分にとって大事なのは、「人に感動を与えられるもの」や「結果がすぐに見えるもの」だと気付きました。
最終的には、①人の生活を彩る仕事であること、②若手から裁量権があたえられる企業であること、③企業の一側面にグローバル性があること(風土、カルチャー、ビジネスモデル等)といった軸が明確になっていきましたね。
ーなるほど。ではそれらの軸で業界を選び就活をした結果、現在の内定先を選んだ理由を教えてください。
並木:上記で上げた軸のグローバルという面で見ると、内定先のカルチャーが好きでした。とにかく多様性にあふれた環境ですね。
経営陣にはアジア系の人も欧米系の人も幅広くいて、その点が他の外資系企業と違っていて魅力でした。
成長環境の面でいうと、自分の可能性を狭めることはなるべくしたくないので、キャパオーバーなくらいがちょうど良いと考えています。
内定先企業では、新卒からたった1人で消費財ブランド1つを担当するので、常に「自分が日本で一番そのブランドに詳しい人間である」という意識で仕事に取り組むことが求められます。
また、私は消費財セールス採用なので結果がすぐに見えるという点においても、シビアではありますが、刺激的な環境だと思っています。
これらの環境を総合的に比較検討した結果、内定先の企業がベストな選択だと思いました。
企業に依存するキャリア形成/働き方はしたくない
ー並木さんの将来のキャリアイメージを教えてください!
並木:今は5年を一つの目安に考えています。
内定先ではだいたい1年ごとに自分のやれることや領域が増えていくので、5年目になると、かなり成熟してきて、そこから様々にキャリア選択をする人が多い印象があります。
全く違うブランドに異動する人もいれば、同じ部署で留まる人も、あるいは別の企業に行って出戻りする人もいる。
だからとりあえず5年はがむしゃらに働きたいと思っています。
ー並木さん自身の理想像はありますか?
並木:一つは、「信頼される人」でいることですかね。
すごい功績を残すわけでも、表彰されるわけでもない。ただ、この人がいないとだめだって思わせられるような人間になりたいです。
むやみやたらに管理職や肩書にこだわるのではなくて、みんながやりたがらない仕事を進んでやるといったことを通して、対社内、対社外ともに信頼されるような人になりたいと思っています。
もう一つは、組織に依存する人間にはなりたくないです。
しっかりと自分でPDCAを回せる人間になることが必要だと思っています。今の時代、何が安定なのか分からない世の中なので(笑)
だから最初は多少辛くても自分に負荷をかけることに迷いはないですし、そのためには粘り強く最後まで諦めないことが大事かなと。
ー最初はとにかく自分に負荷をかけて、安定を会社ではなく自分に求めるということですね。では最後に就活生に向けて、一言お願いします!
並木:人と比べないということですね。親や友達、先輩といった他人の判断軸で就活するのはやめましょう。
時には周囲に反対されることもあるかもしれませんが、将来後悔しないためには自分の軸で意思決定しない限り、納得感は持てません。
あと、1年間就活をして感じたことですが、就活に学歴は関係ないなと。
やるだけやってだめだったらそれは学歴とかではなく単に合う合わないの問題に過ぎないと思います。中途半端に頑張ってそれでだめだったからって学歴のせいにするのは正直ナンセンスだと思うし、まだやり方はあるはずです。
そのやり方に決まりはなくて、一人でやるのでも友達や先輩を頼るのでも構いません。
とにかく、ないものねだりをしても仕方ないので、「ない」ことを受け止めて、今をどう過ごすか、これからどうしていくかに集中して就活を頑張ってほしいです。
ー並木さん、ありがとうございました!
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