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グローバル企業の採用担当が考える『働くということ』

◆「社会に出る」「働く」といったことについて、学生の間から具体的にイメージできている人は少ないのではないでしょうか。そんな学生にとって不透明な疑問について、グローバル企業の採用担当の方をお呼びして、リアルな「働く」を語ってもらいました。

「誰と一緒にいたら幸せなのか」を考え抜く

ーまず始めに、嚴さんの経歴について教えてください。

嚴さん(以下、嚴):2015年に京都大学を卒業し、新卒で今の会社へ入社して現在社会人3年目です。最初の2年間は出向先の子会社で冷凍食品の営業をしていて、今年の7月から採用を担当しています。

大学時代は、アメリカンフットボール部でプレーヤーとして4年間、コーチとして2年間、計6年間を過ごしました。

ー就職活動はどういう風に進めたんですか?

嚴:体育会ということもあり、四六時中アメフトのことだけを考えて過ごしていたので、就職活動をする時間がそもそも取れなかったというのが本音ですね。事業やビジネスについて考える機会もなければ、将来やりたいことも、お金を稼ぎたいという思いもありませんでした。

ーなるほど、ではよくあるキャリアの軸的なものはあまりなかったのですか?

嚴:いや、「誰と働いたら楽しいのか」「誰と一緒にいたら幸せなのか」という部分だけは自分にとってかなり重要な要素だったので、ここだけは妥協せずにしっかりと見極めようと努めていました。

例えば、社員の方に1人しか会わないまま企業を判断するのって危険じゃないですか。なので、とにかく1つの企業で複数の社員の方とお会いしてからその企業を判断するようにしていましたね。同じ企業の中でたくさんの人に会う。そしたら、その人たちの共通点が見えてくる。それがその会社のカラーだと思います。そこが自分に合っているかが重要ですね。

ーそんな中で、JTは嚴さんの目にどのように映ったのですか?

嚴:アメフト部の同期がJTに入社を決めていたこともあったかと思いますが、個人的にアメフト部の応援に駆けつけてくれる社員さんがいらっしゃったんですね。その時に、会社の枠を超えてこんな風に応援してくれる「温かい人」がいる会社で働きたいと素直に思いました。

選考の過程でもたくさんの方とお会いましたが、個々のキャラの違いはあっても、社員全員から「温かみ」を感じられたという点では一貫していました。そういうところに魅力を感じましたね。

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常に成果を求められることへの葛藤

ー実際に社会人になって働いてみて、ギャップを感じたり大変だと思うことはありますか?

嚴:僕は入社直後に子会社に出向したのですが、当初は入社前に想定していた「JTらしい人」がその会社には少なかったり、商材に興味が持てなかったりという点でギャップに苦しみました(笑)

ただ、一般的に出向にはネガティブなイメージがつきまとうものですが、うちの会社での出向はキャリアアップのため、成長のための素晴らしい場であることは重々承知でしたので、そこは前向きに捉えていました。なにより出向先での学びは非常に多く、自社商品にプライドを持った営業のプロのもとで働けた経験と、出向先の先輩、同期、後輩といった仲間は今でも大切な存在です。

ーイメージしていた環境と異なっていたことに苦労したんですね。

3年目になって特に難しいなと感じるところはありますか?

嚴:2つあります。

1つは、3年目で採用担当になって、当たり前ですが「人」ってみんな違うんだなというところに難しさを感じています。どの学生が優秀でどの学生が優秀じゃないといったことの線引きに悩まされたり、そもそもそんな指標なんてないのではと悩んだり。学生の人生を自分は預かっているんだという責任を感じつつ、学生にとって本当にベストな環境が自社にあるのか考えながら日々仕事をしています。

もう1つは、もともと自分は成果主義じゃないのに成果を求められるという葛藤です。個人的には過程を重んじるタイプで、結果はおのずとついてくるという考え方の人間なのですが、会社って当然ながら社会に対して成果を出さないといけないじゃないですか。かつ年次が上がりリーダー職を担うようになっていくと、自分の成果次第で周囲に迷惑をかけることもあるので、3年目のこのタイミングで自分のスタンスを変える必要が出てきたなと感じていますね。

「ネジがぶっ飛んでいる人」は強い

ーでは嚴さんが働く中で見えてきた、成果を出す人の特徴を教えてください。

嚴:一言でいうと、いろんな方面で「ネジがぶっ飛んでいる人」ですね。

「仕事=趣味」みたいな感覚の人は、仕事を心から楽しんでいるので成果が出るまでコミットできるという強さを持っていると思います。そうでなくても自分がやっていることのためにブレーキを意図してオフに出来る人。

思い返すとアメフトをやっていた時も、「恐怖心」や「きつい」といった感覚を持ち合わせていない、いわゆる「ネジがぶっ飛んでいる人」は優れたプレーヤーだったなと感じます。

ー逆にネジが外れてない人が成果を出す方法はなにかありますか?

嚴:必ずしもそうとは言えないまでも、僕が成果を出せると信じているタイプの人が2種類います。1つは真面目にコツコツがんばっている人で、やはり何事にも愚直に、かつ誠実に取り組んでいる人は報われることが多い印象がありますね。

もう1種類は、自分は主役ではないものの、チームをうまくまとめることができる人です。こういう人は個人単位で成果を出していないように見えても、チーム単位で成果を出すことができるので、チームにとってもなくてはならない存在だと思います。

「自分の生き方」と「会社の生き方」をすり合わせる

ー最後に、就活生に向けてアドバイスを一言お願いします!

嚴:会社選びにおいて一番重要なことは、「自分の生き方と会社の生き方がマッチしているか」をしっかり見極めることだと思っています。

自分を取り繕って会社で生きていくことって本当に大変で、僕自身それが原因で会社を辞めてしまう人を何人も見てきました。でも、自分の生き方と会社の生き方がマッチさえしていれば、どんな仕事でも一生懸命取り組めるはずです。

じゃあどうやって「自分の生き方」を見つけるのかという話ですが、とてもシンプルで、どんな瞬間に自分は幸せを感じるのかということを日々の生活の中で探ってみることです。

例えば僕の場合、振り返ってみると友人とのんびり時間を過ごしたり、公園で寝そべったりしている時間が一番幸せだった。「のんびりする」「休憩する」といった行為は、必ずしも合理的ではない時間の使い方かもしれないけれど、非常に人間らしいものだと思っています。そういった自分の生き方が、「ひとのときを、想う」と謳っているように、たばこという必ずしも吸う必要のないものを通して、僕たちに人間らしさを与えるといったJTの生き方とマッチしたのだろうと思います。

なので、個人的には自分と会社の生き方がマッチしているかというところさえしっかり見極めることができれば、それだけでかなり会社って絞れるんじゃないかなと感じています。逆にこれがうまくマッチしてないと本当に苦労すると思うので、ここだけは妥協せずに真剣に向き合ってほしいですね。

ー嚴さん、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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